26 ― 境界の先への手紙 ―
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今着ているそれは見せたかった服ではないんだろう?
[楽に合わせて舞う踊り子達を眺めながら友人に問う。
弟子達はうつらうつらとして、その度に気付いて目を擦ったり口元を抑えたりしている。
行儀はよくないが、強行軍で疲れた上に入浴を済ませ、腹も適度に膨れてきたなら致し方ない部分はある。]
「あ、分かる?」
あぁ、勿論それも美しいが。
わざわざ足を運ばせる程ではない。
それに気に入った服を汚れると分かっていて着るとは思えない。
「言うじゃないか。」
[齊芸鵬は口の端を上げる。
彼の纏う衣類は、全てお抱えの職人に作らせた特注品だ。
来客への応対時は大抵、風や水が飛び交う。
勿論、彼程の格の高い妖魔であれば、汚れぬようにする術はあるだろうが。]
(+21) 2024/09/25(Wed) 23:14:25
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