ギルド員 ベアトリクス

　こちらが帰還の門になります。

　この門を潜ればあちら側―――
　旅人の方々が住まう世界に帰ることが出来るでしょう。
　帰還する場合は、どうぞこのまま真っ直ぐお進みください。


　……また、もしかしたらこの世界を気に入り、
　こちらで生活したいと仰る方も
　いらっしゃるかもしれません。
　その場合も私たちはその意志を尊重いたします。
　ギルドの保護下からは外れることになりますが。

　とはいえ、この門が開くのは
　そもそもイレギュラーなこと。
　余程のことがない限りもう帰還の術はないでしょう。
　よく考え、どうか後悔のないように選択をなさってください。

桐木虹介

その日の夜。

[ギルドの最奥の研究施設。
今まで全く足を踏み入れることのなかったそこに集められて
様々な説明をうける。>>9 >>10


部屋に描かれた大きな魔法陣の上、光でできた大きな門が現れる。ああ、あの日、公園のアーチかと勘違いしたあれは、この門だったのだろう]

戦士 ランディ

満月の日

［抱きしめ返してくれる聖子の頭を優しく撫でながら寝起きの時間を過ごしていく。
呼び出しがかかるまでの間は部屋でのんびりと過ごしていた。
即日退去は無いように交渉はしてあるが買ってきた小物などはもう新居に運んでいてこの部屋に残っているものは何もない。
いちゃいちゃと日中を過ごし、互いに言葉を教えあって普段と変わらない日常を過ごしながらその時が来るのを待っていた。

　呼び出されればランディはラックにかけてあったフル装備を着込み準備をする。
戦士にとっての正装で仕事道具でもある。
手だけは素手のままにし聖子と手を繋いで部屋を出ると部屋の扉は相変わらず自動で鍵がかかった。

　>>#1研究施設までの道は静かなものだった。
ここに至る道を進むのは数えられた人数しかおらず他の異邦人と世話役も含めても指で数えられる程度だ、足の指を含む。

　>>9ベアトリクス女史が告げる言葉に耳を傾けながら聖子の手を握り潰すのではなく包み込むように力強く握る。
ギルドの保護下からは外れるがそこはランディがしっかりと守るので問題はない。

　が――］

高嶺聖子

[儀式の日。
今まで見たことのない部屋にランディと共に向かえば
あたし以外の旅人たちとその世話役、
あとベアトリクスさんや、ギルドのお偉いさんっぽい人たちが集まっていた。

うお。なんか結構仰々しいな。
大掛かりな儀式だとは聞いてたけど
ちょっと恐縮してしまう。

ともあれ粛々と準備が整うのを待ち、
ベアトリクスさんが告げる言葉を聞いて―――>>9]

あたし、こっちの世界に留まることにします。
わざわざ用意してくださったのにすみません。
ひと月の間、ありがとうございました。

[そう告げたのだが。]