きぐるみ ピギー

――月満ちる日のこと――

　帰りたくない。っていえば済むだろう。無理矢理帰らされることはなかろうて。

[宿舎の整理を済ませ、自分の家に住まうための準備も整えた。まぁ流石にベッドやクローゼットなどの大きいものは即日とはいけずに翌日になったりとはあったが]

　異世界からたまたまでも呼び寄せられて、すぐにたまたま効果のある翻訳魔法をかけて、しかもすぐに案内役まで用意する。たまたまが重なるにしては手際が良すぎだ
　…ってぇことは、こんなこと何度もあったんだろ。

　それに、イヨリもおかしいと思うだろ。互いの世界にあるもので別の名前のもののほうが普通なのに、一緒の名前のものが結構あるのとかな。一つ二つぐらいどころじゃなくな。

[料理や花、あるいは家具などで、その分だけ覚えやすさとかはあっただろうけど]

　相当昔から、イヨリの世界から来た住民が残ってなんか影響残してたんだろ。だから絶対に帰れってのはいわれんさ。

[一か月だけでみんな帰っていたならこんなに影響を残していないだろう。と、だから言えば済むことだとイヨリに説明はしたのですが―――]