
39 おひとりさまCafe7
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[涙が落ち着けば、女は再びキャロットケーキに向かい合う。
あの時のキャロットケーキは、休憩室でホールの大きなものを切って、皆で分けたのだった。
奥様は使用人達が舌鼓を打つのを嬉しそうに見ていた。
皆と離れ離れになるなんて、想像もしていなかったあの日の記憶。
二口、三口と進めていけば、心の痛みが慰められるように感じた。
美味しいものを食べたからだろうか。
もしかしたら、この店の料理が特別なのかもしれない。
店内に視線を走らせれば、テーブル席にいたのは大人の男性で声こそ上げなかったが驚いた。
けれど先程までいた少年の姿の面影を残している。
不思議な事が起きる、不思議な店。
女がメイド服を着ているのも、そうなのかもしれない。
屋敷を出る時には、確かに私服を着ていた筈なのに。]
(58) 蒼生 2025/04/21(Mon) 00:18:56

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