高嶺聖子

―　それから・満月までの日　―

……ランディ。
あたしね…　こっちに残ろうかなって。思う。

[そうして。
あたしがようやくランディに告げたのは
詩ちゃんとの買い物の日からまた何日かしてから。

ランディはあたしに選択を委ねてくれたから
結構ギリギリまで迷ったけれど。
もしかしたら、二人で現実世界に渡ったとして、
ランディならあたしの思いもよらない方法で
何とかしてくれるのかもしれない。
向こうに残してきた家族や友達。
もう二度と会えないのが寂しくないと言えば嘘になる。

でも、こっちの世界には詩ちゃんもいるし、
（この時までに聞けたかは分からないけれど）他の皆も残る。
あたしは友達全てを失うわけじゃないから。]

戦士 ランディ

　おん……？
　そっか……うん、わかった！
　こっちの世界で幸せになろうな！


［>>63聖子が進路を決めた日はお祝いに肉パをした。

　どちらを選んでも対応できるように準備はしてきたのであるがこちらの世界に残るのであればランディがすることは聖子が不安を感じないように努めることだ。
聞けばウタさんも残るらしいしもっと聞けば全員残るらしいこともわかる。
ランディにとって聖子の世界はダンジョンと変わらず冒険に行く心積もりであったのでいろいろ何とかしていただろうが>>64生活の安定には時間を要しただろう。
その分こちらの世界では生活面で苦労をかけることはない。

　聖子も複雑な心境だろうからとお肉とお酒でぱーっと過ごしたのだが忙しなくなったのは翌日からだった。
やはりトイレは即座に改修が入り最新式に変えて聖子の部屋も用意する。
個室は別々でベッドルームは一緒にするスタイルにした。
そしてベッドルームだけはしっかりと防音仕様に改修することで家具と合わせて住居の準備はできたと言えるだろう］