孤児 ディディエ

　　王様も一人の人間…か。　　
　　たった一人の人間が頑張り続けて、愛を与え続けて
　　それでも恨まれて、命を狙われて…

　　そんなに王様を愛しているって言うんなら
　　連れ戻してあげなよ！！
　　そんな事で崩れる君たちの関係じゃないでしょ！？
　　王様が嫌われて欲しい訳では無いんでしょ！？

[　思わず声が出たから、少し深呼吸をして。

君は、強い。
オレたちのような敵から王を守り抜けるのだろうね
守るために王の代わりに恨みを買おうとする君だもの。


それでもさ…
君の大切な人が恨まれ命を狙われるのは
君の本意では無いのでしょう？ ]

愛溢るる王 シャマシュ

幕間　─プラチナ＆ディディエ─

[ キロンと言葉を交わす間、少し離れた場所から
　プラチナのはしゃぐような声が聞こえた。>>62
　自分の話だからか耳につく。

　その後の言葉までは聞き取れず、
　キロンに意識を戻したんだが──

　今度はディディエの叫ぶような声が
　耳に飛び込んできた。>>95

　奪われそうになる意識を必死に目の前に留める。
　今、そこに沈んではいけない。 ]
　

医者 イクリール

　

[　私が君へ「殺していい」と告げたその瞬間に
　 少し遠くから響いた声があった。>>95
　 小さな体に、大きな想いを背負ったその少年は
　 きっと童話のような理想形の"愛"を説く。

　 そんなに上手くいくほど現実は甘くない。
　 愛しているからこそ、否定出来ない者もいて
　 愛しているからこそ、求めすぎる人間もいて
　 愛しているからこそ、殺してしまう者もいて。

　 "愛"に正解は無いけれど
　　　　　　　 それなら人はどこから間違うのか？　]

　

大佐 プラチナ

［　そんな静かに話していたはずなのに
　　君の声に目を丸くして>>95　］


　　いいんだよ
　　俺が愛すから

　　誰かに憎まれた分、殺されかけた分
　　王を俺は愛すよ

　　誰にでも愛される王なんて俺はいらない
　　俺に愛される王を

　　俺は望んでいる


［　────────それに　］