アデルファ

　　今日は友達を試してしまったんです。
　　あ、向こうは友達だと思ってないかも。
　　いつも上から目線だから。
　　いや、そもそも俺の精神が
　　大人になり切ってないから
　　同じ高さの視点に立ってもらえないのかな。

　　けど。先刻のは俺が悪い。
　　試すんじゃなくて
　　素直に頼めばよかったんだよな。
　　最初は相談のつもりだったんだけど…
　　酒に飲まれてしまって…それは言い訳ですね。
　　ひどいことをしてしまったと思ってます。

［涼しい風が、伸びた髪を揺らした。
　項に穿たれた牙の痕が
　再生が追いつかずにまだ残っている。
　それが先生にも見えただろうか。]

ダアト

魔法使いと弟子

［アデルファが、思いがけず言葉を濁した>>211
　彼の過去に纏わる事以外では、珍しい。
　それでも、“うんと甘えてしまう”と
　聞き取れはしたので］


　　好きなだけどうぞ。
　　何か問題ありますか？


［そう答えて、真顔で首を傾げた。
　それが恥ずかしい年頃だからだろうかと、
　押し切りはしなかったが。
　それから彼が話してくれたのは、
　今夜離れていた間にあったこと。>>212］

ダアト

［夜風がアデルファの髪を梳く。>>212
　隙間から覗く、塞がりつつある牙の痕。
　一緒に居たときには無かった筈のもの。
　ここは人間界で、遠足のメンバーを
　鑑みれば、またしても特定は余裕だった。］


　　うちの弟子に何手ぇ出してるんですか、
　　あの馬鹿…………


［今度は低い呪詛が口を突いて出た。
　宿で正座させて、一晩詰めよう。
　そう決意を固めつつあると、
　アデルファから状況の説明があったので>>213
　一旦その件は保留にする。］