荼毘葬送 オクリビ

[――譬え「お願い」を受けて貰えたとしても、今の状況からすれば、結果が出るのは大分先になる筈。
　そう思考するオクリビの元に、とある「機密情報」>>-540>>262が届くのは、また後日の話。**]
　

荼毘葬送 オクリビ

[一先ずは状況の把握のみに努め、オクリビは階段を下りていく。
　この時、女のベルトポーチの中には、セロテープで封をされた四つ折りの紙>>262が収められていた。

　この紙は物見台めいた階上に上がろうとしていた時に、かなり息せき切ってオクリビの元に駆け付けた者からの届け物だった。
　相手が蒼い顔をしてみえたため、女は「どうしたの？」とつい問うてしまったが、結局届け物の旨以外は何も伝えられなかった。去り際の顔は妙に『やり遂げた』感があって見えた。
　その人が「夜の女王」の者であり、フィジシャンからの伝令だったとオクリビが知ったのは、人目に付かぬ陰で封を切って中身を開いてから。
　その承諾の文面>>-540に、目の前に居ない相手への安堵を示す形に口元を緩め――]

荼毘葬送 オクリビ

報告/事実/再会/選択

[「現在抱えている作業の合間」>>-540にフィジシャンが果たした「人探し」の結果通知が、オクリビの元に届けられた>>422。
　女は「穴掘り帝国予定地」に固定端末を用意しておらず、頭部内の通信端末のアドレスも公開していなかった（ソルとの「戦い」の際には、女からの意図的な通信によって結果的に報せる形とはなった）。機密性の事情もあって、データはレポート用紙への文字印刷というアナログな形態での伝達となる。
　幸いこの「穴掘り帝国のオクリビちゃん」は買い物だの「亡霊」退治だのでしばしば目立つ動きを取っていたこともあり、伝令側にもオクリビの居場所の特定は容易だったらしい。

　なお此度の伝令も、最初に四つ折りの封書>>262を届けに来た「アリア」の構成員だった。
　そのひとが小さくガッツポーズを取っていたのは、以前よりもさらに迅速に伝達を成し遂げたからかもしれなかったが、それはオクリビの知るところでも探るところでもない。
　ただ、再度の伝令を務めたそのひとへの礼と労りの意味を込め、洋菓子店（パティスリー）で買ったフィナンシェを一つ手渡しておいた。]