
26 ― 境界の先への手紙 ―
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先に手にした手紙は――少なくともその筆跡には、心強さを齎すような力強さなんてものは無かった。いや、弱々しい筆遣いだったからこそ、この時の鬱屈としていた心持の自分でも疲れを覚えずに読み進められたのかもしれない。
ただ、この人の丁寧な筆致にみられた乱れに――筆跡の弱さや薄さも、最初に来た手紙以上だった――何か、胸の奥がざわつくのを感じた。いや、最初の手紙の時から、俺にも想像できていた筈だ。
血の染みらしきものこそ、菊の押し花に彩られたこの便箋の上には無かったが……。
読み進めれば進める程に、単なる印象や直感としての嫌なざわつきは、現に差し迫っている可能性への理解に変わっていった。
その便箋には、“ガード”からの手紙ほど多くは無かったが、判読できない文字もあった。一方で、打ち消し線の下の文章が辛うじて読み取れる箇所も。
――ああもう、書き損じくらい
ちゃんと確かめてから送れ、馬鹿!
病身と思しき相手に対しては大分酷なことを、内心でひとり毒づいた。……俺はあんなミスやらかしてないからな? ない、筈だ。
(+25) 2024/09/27(Fri) 09:48:28
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