辺見　華蓮

　「それはね。自分の体なわけだし。
　私も好きだもん、薫さんの体。そこはそのままでいてほしい。
　まあ、外見をどう見せるかはあるけど、私が見る薫さんはそのままであってほしいから。
　あ、チョコレートは大分喜んでたっぽいよ。LINEで連絡来てた。」

両親の方は問題ないだろう。時々顔を出して盆か正月に顔を出していたら、そのうち馴染んでくれる。
もし子どもができればもう完全にだけど、そこまででなくても。
ただ、薫さんの両親の話を聞くと、少しばかり心が沈んでしまうのは確かだった。

　「……そっか。結構大変だったんだね。」　

私にはその苦労の本当のところはわからない。確か性別がどちらとみるかは届出の時に親が決められるんだったか。
戸籍が男なのだから、多分男として育てられてきたのだろう。
今の薫さんはどちらかというと男性的ではあるけれど、今の薫さんを受け入れられないというのは…
確かにいろいろとあったのだろうと思わされる。
だから、その事については私からは何も言わなかった。元から順風満帆にいくものだとも思っていないし。