辺見　華蓮

　「安くて1万…　まあ、そこまで安い必要はないけど。
　そうね。胸が合うサイズでないといけないから…
　っていうかマスターって本当に知り合い多いのね。」

私はあまり経験はないけれど、確かに一般的なサイズなら私の胸ほど大きくはないと思う。
レンタルならいろいろとあるのかもしれないけれど、購入となるとレディメイドではいいのがないかもしれない。
どちらにしてもセミオーダーの方がいいだろう。
薫さんに払ってもらうのは悪い気もしたけれど…いいというならお任せしよう。
私は他の部分で払えばいいわけだし。撮影料とか…？

薫さんは、ウェディングパンツスーツにしたらしい。
折衷っぽいけど実際、確かにこっちの方が薫さんらしい。
とても似合っている。

　「すごい似合ってるわよ。…本当に。」

衣装合わせの時に、確かにそう伝えた。その時から当日は一層楽しみで仕方なくて。