エピローグ / 26 ― 境界の先への手紙 ―

26 ― 境界の先への手紙 ―

机城勤務コルンバ

　「……ところで今のわたしが弱っているのは、昨日、
　　“わたし”の取り調べを受けたからでもあるんだよ。
　　これが済んだら、約束通り、わたしに対して
　　かのリージョンの刑事ドラマに出てくるような
　　*山かけ丼*を寄越すことだ、“わたし”」

　解っているよ、「わたし」。
　ああ、確かにわたしと「わたし」は、
　人格の元が同じであっても別の個体に相違ないな。

[丼ものどころか食事の機能自体がない機械の人形は、
　一応は人間の食事も摂れる幽幻のものを前に、
　いかにも人情ありげに苦笑の形を作ってみせた。]

(19) sakanoka2 2024/09/28(Sat) 17:38:30

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