6 ― まだ、ちいさな手紙 ―
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まず最初に伝えなければならないのは、ぼくは、バハラルダの民の中でも(先住民であるタムタイアの民と、移民、両方のことです)特別な人だということです。
ぼくは、海の御使いです。
海の御使いとは、神様である海の声を聞き、神様の加護と祝福を人々に与える存在です。
そして、海の御使いではない人間の耳に、神様の声は聞こえません。
(これらのことは、エルナトさんも、旅行記や他の本を読んで既に知っていることかもしれません)
つまり、ぼくは神様のことをとても身近に感じていますが、ぼく以外のバハラルダの民は神様の存在を直接は見聞きできないらしい、ということです。これは移民だけでなく先住民もです。
ぼくの家族も親戚も、同級生や先生も、他の人たちも、神様の存在を信じてはいるけれど、実際に神様を見たり聞いたりしたことはないそうです。
もしかしたら、神の存在を感じたことがないというエルナトさんと似た感覚の人もいるのかもしれません。
(-226) sakanoka 2023/04/27(Thu) 21:05:06
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