【独】 大学院生 ユスティ

ユスプラ-ユスティの苦悩編-�@

逃亡生活から一ヶ月と少し、小さなコテージを借りてふたりで住み始めた。たった三ヶ月の契約だ。
何かから逃げているわけではないが、国内を回りたいというプラムの希望をできるだけ叶えてやりたいと思う。

午前一時を回った頃、抱き潰してしまったプラムは、幸せな夢でも見ているように寝息をたてて眠っている。この調子では、昼前まで起きることはないだろう。
……心に引っかかっていることがある。プラムの魂を地獄に連れて行かないと決めた。だが彼は人間だ。命が尽きるときはやがてくる。それが何年先か、何十年先かは分からないが、できるだけ長く生きて欲しいとがらにもなく思ってしまう。
……そのあと自分は？プラムの寿命がきたら、やはりその魂をひとりじめしたくなってしまうのだろうか。それとも、人間としての死を選ばせることになるのだろうか。
どのみち永遠にはいられない。
僕たちは、まぎれもなく、違う種族なのだ。
舌打ちとともに、まぎれもなく未だ自分の中にある暴力的衝動が湧いてくる。……プラムにぶつける前に、処理しなくては。

一ヶ月の間、魂を食わずに生きてきた。
だが身体の衰えを、感じてきている。やはり僕は悪魔で、人の魂を喰って存在しているものなのだと痛感する。
眠るプラムにもう一度ちらりと目を配り、部屋を出る。