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月夜に現れるという人狼。
彼等に魅入られた村は、遠からず滅ぶという。
人狼の噂を耳にした村人達は、不安を胸に集会所へと集まった。
1人目、 崩壊都市 □□□□ がやってきました。
崩壊都市 □□□□は、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
2人目、 机城勤務 コルンバ がやってきました。
机城勤務 コルンバは、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
[こうした形態をとるこのリージョンを、いつからか誰かが
“
とはいえこのリージョンは軍事要塞という訳ではなく、
商業や通信を生業とする者たちによる自治都市である。
住民たるものたちの種族は、人間もいれば機械もいるし、
人でもメカでもない妖精やモンスター、アンデッドまで様々。
こうした性質を有するバラ・トルーパーズは、
果てなく広大な「混沌」の中でも特に
他のリージョンとの交流が盛んなリージョンのひとつだ。]
[ビルの集合体の端のほうには、シップ発着場が設けられている。
他のリージョンからバラ・トルーパーズに降り立ったり
このリージョンから「混沌」空間へと飛び立つシップが
公転中の「満月」などに衝突しないよう、
離着陸の際の管制通信も絶えず交わされている。
「満月」のさらに向こうの蒼穹の彼方にある、
このリージョンと「混沌」空間の境界を越えて
今日も数多のシップが行き交うのだが――。
あるシップは木製の船形に紋章入りの帆布を掲げ、
別のシップのロケット型の白銀のボディは月光を受けて輝く。
ツバメを模した小型プロペラ機が飛び立つ一方で
七色の蔓荊に覆われた“空飛ぶ館”が降り立つ。
そしてこうしたシップの中には、
リージョン間郵便・通信組織のひとつ
「メール・トルーパーズ」――略称MTの有する、
郵便物の集配業務用のシップも存在する。]
[さて、MTの本局はバラ・トルーパーズ内にある。
数多並ぶビルの一件が、MTの本局として用いられている。
リージョン界じゅうを独自のシップで日々駆け巡り、
時には他のリージョンに電子通信用の設備を建てもする
この組織にも、現場に直接赴かずに、
専ら本局でのデスクワークに従事する構成員はいる。]
〜〜〜〜〜…サボってないよ、わたしは。
これでもちゃんと仕事しているんだ。
[そうした構成員のひとり・コルンバは、
幾枚ものメモを己の髪にヘアクリップで括りつけた姿で
デスクに突っ伏す姿勢のまま、気の抜けた声を上げていた。]
各リージョンの情勢情況と航行情報、
きみもきちんと受信できているだろう?
それがわたしが今日もサボっていないって証拠だ。
[コルンバの人型は、目の前の相手に隠す素振りもなく
とても真面目に働いているようには見えない欠伸をひとつ。
頭上で鳩の形のしたものが忙しなく飛び回る中、
人の形をしたものは、机上に両腕と片頬を預けていた。]
/*
>あなたは人狼を希望しています。ただし、希望した通りの能力者になれるとは限りません。
役職指差し確認オーケー。
という訳で、村建て人のさかのかです。
Tumblrでもお話していますが、2年前に中止にした村企画をやっぱりやりたい!!という気持ちから、今回の村建てに至りました。
有難いことに事前の参加COをいただき、村建て人としてほっとしております。お二方とも、ありがとうございます!
飛び入りの方にもいらしていただけたら嬉しいな。
暫くの間、よろしくお願いいたしますね。
3人目、 泥の男 ガァド がやってきました。
泥の男 ガァドは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
何もない水面が漣を立てる。
昼を忘れた 静かな砂浜の世界。
真っ白で柔らかな砂の上を歩くのは、
泥にまみれた かつて誰かを愛した何か。
泥だらけの素足で、小さな世界を歩んでいく。
彼は泥から這いずり出たような生き物だった。
底なし沼と同じ黒い肌。
身にまとう靴も外套も湿ってる。
ぐちょり、ぐちょりと、靴の中で音を立てる足は
きっと泥でできていた。
純白の世界が靴裏の汚れで穢される。
小さな小さなハサミの蟹が、
その汚れに突っ込んで、何だこれはと泡を吹く。
きれいな世界、無垢な世界。
なんにもありはしない世界。
ああ今日も。
白い月が空に浮かんでいる。
漣の音が彼を呼ぶ。
/*
そしてぼくは誰で入ろうかな……
早めに入村して村を盛り上げたいんですが ちょ もうちょっと悩ませて くださ い(いくつかPC案がある)
ぐちょり、ぐちょり、ぐちゅり
泥の足が砂の大地を穢して歩く
歩いたあとはまるで影踏みのように
かれのうしろをついてきた。
……しかしそれも、さあっと風が吹けばいつかは埋もれる。
臭いものには蓋をせよ。
汚いものにはシルクで隠せ。
泥の男は、自分がどちらから来たのかも、いまはよくわからない。
…海岸沿いに波に揺られて倒れていたことは覚えているが、
それがどのあたり化は、もう知る由もない。
ぐちょり、ぐちょり、ぐちゅり
泥の足が砂の大地を穢して歩く
歩いたあとはまるで影踏みのように
かれのうしろをついてきた。
…しかしそれも、さあっと風が吹けばいつかは埋もれる。
臭いものには蓋をせよ。
汚いものにはシルクで隠せ。
泥の男は、自分がどちらから来たのかも、
いまはよくわからない。
海岸沿いに波に揺られて倒れていたことは覚えているが、
それがどのあたりかは、もう知る由もない。
…さあさあ。さあさあ。
漣が鳴く方へ男はサラサラ歩き出す。
波打ち際には、
いろんなものが打ち寄せられていた
例えば貝殻、例えば海藻。例えば遠い国の折れた木々。
もちろん汚れたものもある。
例えば魚、例えば小瓶、
人の服だけ流れ着くのはなぜだろう。
自分がいたあたりを探し、
泥の男は汚れたものが流れ着くあたりを見て回る
なんとなく、自分がいただろう場所はこのあたり
4人目、 生存者 マーチェンド がやってきました。
生存者 マーチェンドは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
俺の
で、今はがらんどうの廃墟のリージョンと化しているのか?
それとも最早、影も形も無くなっちまったのか?
まあその話については追々にさせてくれや。
こんな話したからって、別に俺を哀れんでほしいって訳じゃない。
俺は望んで故郷を発った。ひとりで発った。
そうして“混沌”を渡り歩いている間に故郷は滅びてた。
今も昔も俺はひとりきりだ。それにゃ変わりない。
……ただ、
生存者 マーチェンドは、 越境貿易商 マーチェンド に肩書きを変更しました。
で、俺らクルーは(って言っても業態としては俺の個人貿易なんで、まあ俺と作業ロボくらいしか「クルー」らしい面子はいなかったんだが)墜落先のリージョンの住民になんとか救助され、療養だの修理だのでこのリージョンに留まらざるを得なくなった。
修理。そう、シップの修理だ。
俺らクルーの回復は幸い順調だったんだが、商売道具の船を直す方で色々手間取ってなぁ……。
不時着の際に積荷も幾つかダメになったわ仕事は止まるわで、リージョン間貿易商としては痛すぎる損害を被ることになっちまった。いや、本当に痛い。
そんな損害を与えてきやがった海賊の取り締まりは、警察
流れ着いた様々な屑や汚れを見下ろして
泥の男は黒い泥が大量にこびりついた
砂浜の丸いくぼみを見つけ出した。
サイズ感的には、成人男性1人くらい
丸くなってねむりについたなら
余裕を持って寝れるくらい
『…………………』
黒い泥に手をやれば漣の影響かまだ湿っていて
ぐぢゅり。と泥の男の手の中におさまった
ここで眠っていたのだろう。
いや、目覚めたのだろうというのが正しいか。
目覚める前のことを思い出せはしないかと、
男はその泥の巣の中にかがんで入り、丸くなってみた
"……ざぁあん、ざあぁん……"
"ざあぁん、ざああん…"
"ささぁ…ささぁささぁ…"
波の音 砂の音、清らかな音。
グチャリゴボゴボと音を立てる
泥とは全く違う音。
…………清らかすぎて、苦しくなる音。
…汚れたものをきれいに溶かして、
跡形もなく、なくしてしまうもの
……きれいなものが、苦手だった気がする。
きれいになろうとするものが、嫌いだった気がする。
きれいにみせようと、うそをつくものが………
"…ごほっ、ごほっ、ごほっ、げほっ"
…横になりすぎて、
泥が口に入って、思わず吐き出した。
泥を飲み込んだときに、不快感は何故かなく、
逆に、自身の泥の身体にはぴったりだと思っていた。
けど、なんとなく呼吸は大事というイメージか
ひとまず窒息しないよう吐き出す反応を見せた
やはり、…自分はきっと、"人間"だったのだろう。
重たい泥の巣から
ぐるりと見回すように体を起こす
ずっしりとした感覚。何かの後悔のような重力。
ぐっと膝を立てて立ち上がると
履いていたはずの靴がいつしかなくなり、
また素足の状態に戻っていた
おや 服は 髪飾りは?
泥に埋もれてしまったか
はたまた泥に還ったか
曖昧模糊、不安不定、夜の帳のようなもの
身につけるものすら泥造り
生きたゴーレム、土人形
……土に埋もれた身体が泥に埋もれるのは当然か
『…………』
泥の巣から這い出せば
ずいぶんと装備が軽くなってしまった
というか、全て泥に沈んで黒く染まってしまった
だれもいないとはいえ
流石に身に纏うものがないのは困る
解放感はあるが、解放されたいとは
■は、ついぞ思わなかった
だというのに開放された、されてしまった
多少なりとも拘束されていたほうが
人間は人間らしくあれるとも思う
泥の男は、漂着した汚れきった布の塊を拾い上げ、
服としての形を留めているものを選び取って
つっかえながらも腕を通す。…まだ人間としての所作はあるらしい
"ざぁん、、ざざぁん、、"
波が冷たく、足に触れた。
汚れだらけの黒い足を慰めるように洗っていた。
染み付いた泥の色を、
誰かが嘆いた涙の色が、
溶かして消えるようだった
/*
昨夜は独り言を落とす余裕が眠気に奪われてしまっていましたが、
さくっとマーチェンドのほうで来ちゃいました! よろしくお願いいたします!!
ガァドさんとしじまのうみの情景にうっとりしながら(>>19と>>22中段の真相が気になる人)
ぼくも表をもっと! 盛り上げたい! 盛り上げなきゃ!! なのですが、現在地リージョン設定をもうちょっと様子見したいの気持ちもあってですね……
(村としてはリージョンの雰囲気被ってもOKとはしているんですが、ぼく自身の気持ちとしてちょっと雰囲気バラけさせてバラエティ感出したいというのがあり……!)
/*
ところでぼくはトルパの中でもアンダーテイクが特に好きなので(メカ手紙村の時に公言してしまったので隠しようがなかった)
ガァドさんの姿が見られたことに個人的にすごくときめいております。
/*
そういえば全体メモの自己紹介メモを使用可にしていて、かつメモの字数行数の超過常習犯として個人的にも自己紹介メモを積極的に利用したい村建てのPC(マーチェンド)が、全体メモ更新よりも先に通常メモにプロフィールその他を載せている理由なんですが……
全体メモの内容が見られるのって実際に入村している人(ID)だけで、村の外からは全体メモを閲覧できないんですよね。
これから参加を考えている方が特にログ読みをせず、メモだけでどんな設定や世界観(リージョン)のPCが既に来ているかどうかを入村前から把握するためには、通常メモのほうにプロフィールなどが記載されている必要があるな、と考えたからでした。
今回の村はとりわけ「どんな世界観/ジャンルのキャラクターが既に来ているか」が気になる人もいるかなと考えられたので(ぼくのふたつ前の独り言もまさにそんな感じですね……)村の外にいる人にもPC設定がわかりやすく伝わるように通常メモのほうに記載することにしたのでした。
(という行動をぼくが取れたのは、既にガァドさんが通常メモにプロフィールを載せていたから、というのが大きいのですが!)
/*
とはいえコルンバについては、まああまり表に出てこない狼NPCだし、wikiで既に「メール・トルーパーズの構成員」「近未来的な雰囲気のリージョン」と記載しているし……ということで、プロフィール記載はひとまず全体メモのほうだけでいいかなと判断してこのままにしています。
あと村建てという立場上、質疑応答などでメモでお知らせすることが多くなることが考えられるので、何らかの形でプロフィールを格納しなきゃいけなくなる場面が多くなりそうというのもあってですね……。
(通常メモだけでも、メモアンカーを利用すれば、履歴参照でお願いします!という必要なく格納できるんですけれどね)
/*
ところでメモで先に書きはしたのですが
>あなたは村人を希望しています。ただし、希望した通りの能力者になれるとは限りません。
はい! 役職希望! こちらでも指差し確認OKです!!!!
希望の件じゃなく吊り指定の話なんですが、メモで「確認済み」と言っておきながら実際にはプルダウン選択間違えていたという深刻なエラーをやらかしたことがあってですね……。
村設定のほうも再度きちんと確認しましょうね……。
5人目、 爆発爆散 ベアー がやってきました。
爆発爆散 ベアーは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
リジェットX
かつて大規模な実験施設があった廃リージョン。
実験施設の事故により廃棄されたこのリージョンに住むのは、かつての研究員の生き残りと、実験施設で生み出された生命体だけ。
ベアーも実験で生み出された生命体の一つだ。
「あんなー、マチェットのやつ、そとのやつとぶんつーってのしてんだって、おれもぶんつーってのしたい」
かつての実験施設の事務室、食料の分別をする元研究員の男に大量のおもちゃを抱えた生き物――ベアーが話かける。
曰く、他の実験体がやっていることを真似したいのだと。
「じ、かけないとぶんつーってのできないんだろ?
おれ、こないだべんきょーしたからじかけるんだぜ、ぶんつーできるぜ」
ベアーは自分がぶんつーをする資格があるということを自信満々に男に語る。
根負けした男はベアーに便せんと封筒を渡した。
――明日の定期便までに書けば一緒に送ってやる。
生き残った研究員たちが契約している定期船、近隣のリージョンを経由すれば遠くのリージョンに手紙を送ることができる。
言葉と共に便せんを受け取ったベアーは喜び勇んで自分の寝床に戻った。
さて、文通とは相手がいなければ成立しないもの。
男が渡した手紙の送り先は、風の噂で聞いた同郷の友人の所在地。
そこにいる保証はないが、とりあえずベアーが手紙を出したという経験をさせるにはいいだろうと、そんなわけで伝えてみたのだった。
「……ぶんつーってなにかけばいいんだ?」
ぶんつーなることをしようと思ったはいいものの、何を書けばいいのかわからない。
とりあえずベアーはぶんつーの先輩であるマチェットのところに向かい、ぶんつーのルールやらなにやらを教えて貰い少し賢くなった。
賢くなって帰ってきたので、とりあえず便せんに向かってみるのである。
『おっちゃんのしりあいのひとへ
おれのなまえはべあーです
ぶんつーしたいのでてがみかいた
しりあいのひとはなにしてるひと?
おれはごはんたべたりしてる
きのうはにがいやつもがんばってたべた
ぶんつーのるーるきいたとおりにてがみかいた
まちがってたらごめんな
はじめててがみかいた
てがみたのしいな
じゃあな
べあー』
爆発爆散 ベアー から 越境貿易商 マーチェンド へ、秘密のやり取りが行われました。
瓶が砂浜に落ちている。
中に手紙が入っているようだ。
『まちぇっとがおしえてくれたほうほうでてがみかいた
びんにてがみいれてあなにいれたらてがみとどくんだって
とどいた?
おれべあー
りじぇっと5ってとこにすんでる
ごはんたべたりはっぱとったりしてる
てがみよんでるのどんなひとかな
てがみよんだらおしえてね』
爆発爆散 ベアー から 泥の男 ガァド へ、秘密のやり取りが行われました。
/*
かわいいなベアーさん!!!!
というわけで、ベアーさんもいらっしゃいませ! わーい廃リージョンの人(とモンスターのキメラ)だ!!
廃リージョンの中でもちゃんと生き延びている存在がいて日々を暮らしている……良いですね……リジェットX……(「X」っていうのがまた良きですね……)
お手紙のほうも早速2通も送ってくださってありがとう!
/*
そしてぼくはベアーさんのお手紙を読んでどきそわしています
>>26
>同郷の友人
>同郷の友人
>同郷の友人
縁故として美味しすぎて、悩まない訳ないじゃないですかこれ……。
ガァドさんにもお手紙が来ているので
もしかして:全員同郷
という線もあり得ますねこれ!!
プロローグ中のマーチェンドはとりあえず現職と現在地リージョンの話だけでもいいかなと考えているので
い 今は もうちょっと人が増えるのを待ってからお返事の方向性を決めましょうね……。
/*
↑↑ふたつ前の独り言だけ読むとベアーさんの直接の友人っぽく読めてしまうな……。
元研究員のおっちゃんの知り合い、ですね。
《華やかであれ、煌びやかであれ、
此処では麗しき衣が絶対の価値。
地を這う下層の者であれど己が美を着飾れ、
我らを束ねる王はこの国が誇る至高の光!》
これは、このリージョンの住民から聞かされたスローガン。
そう、ここはあの“パンパス・コート”。
華美で豪奢なファッションを愛する人間たちの
俺もこのリージョンについては風聞で知っていたんだが、実際に現地に入ったのはこれが初めてだった。
……いやー、一見に如かずとはこのことだな。
今俺が滞在している下層民街ですら、表通りを歩いている住民はフリルやレースをふんだんにあしらったドレスを纏っているわ、靴底はなかなかに分厚いかヒールが鋭利になっているわ、ハットはやたら鍔広だったりデコレーションが大量に乗っていたりするわ……。
下町でこれなら王城の面々はもっと華美で豪奢どころじゃないってことになるが、流石に王城の中にまでは立ち入れていない。俺も「人間サマ」である以前に余所者だからな。
……ちなみに、このリージョンのお偉い方の中には“
今の王は、別に“
まあこんな訳で、この「着倒れ」のリージョンの食事情はどうなのか若干気に掛かっていたんだが、普通にかなり美味い飯を食わせて貰っている。いやー偏見は良くないなあ!
/*
>>30意訳:
滞在中リージョン名書き直していた心算が訂正前のリージョン名のまま>>29投下してしまっていたため愕然としながらフォローしたものでs……
/*
豪華な服装…来てみたいがイメージがわかないな。
マーチェンドさんはきっと、いろんな服が似合いそう。
ベアーちゃんと二人でウィンドウショッピングしてほしい
星と月が見下ろす空に視線をやると
そこにはうみねこやカモメが潮風にゆられて
心地よさそうに飛んでいる。
漣の音に合わせるように鳴き合う声は、
まるで海と唄を歌い合うかのようであった。
浜辺から少し離れた緑地では
椰子に似た木や鮮やかな大輪の花の低木が
ざあざあ、さあさあ、葉を鳴らす。
波に晒されながら歩く脚を止めて見下ろして、
泥の男は自分の出せる音を考える。
自分の足が潮水に触れるたびに
溶けるように泥が流れ出していく。
綺麗なものを穢してく。
泥づくりの身体。人間だったその身体。
試しに、顔についた口の穴を開いてみた。
…思わず手で顔の穴を覆った。
どうやら、声を生み出す喉の形は
きれいに再現できなかったようだ
だって男は沼男。泥と血肉のなりそこない
かつての記憶を辿っても、体の中身は知らないわけで
こんなものかと、穴を閉じる。
…きれいな自然の音色を汚す前に
気づいてよかった、ということにする
……■を人間たらしめるものとはなんだろう。
人間の頃の記憶?それともこの見た目?
思い出、仕草、感情、習慣
一体何が
この泥の塊を
人の形に
押し込めるのだろう
まだわからない。
様々なものが流れつく砂浜を
泥の男はまだ歩く。
しゃくしゃく。じゃくじゃく。
砂に泥が染み込んで、小さな音色を奏でてた
さて、「地を這うしかない格下の者ども」と蔑まれる民が住まう城下の下層民街も、表向きは華やかだ。
通りを行き交う住民が種族問わず着飾っているのは無論のこと、民の装いに劣らぬとばかりに街並みも小綺麗で洒落てるときている。
石造りのアパートメントの窓辺は鉢に咲き誇る花々で、ガラスの内側は各々に色鮮やかなカーテンで飾られている。通りの石畳は所々モザイクで派手な文様が象られている。陽が落ちれば数多の色の街灯が城下を照らす――アパートメントの隙間の闇なんてまるで無かったことにするかのように。
豪奢。絢爛。煌々たる栄華。
それらが王城を中心として城下一帯を覆いつくしている――そんな印象すら抱かせるリージョンが、このパンパス・コート。
……とはいえ、建物の扉ひとつ開けてその奥を覗き込めば、必ずしも華美や豪奢に覆いつくされている訳じゃない。
今、俺が滞在している宿も、屋内にはそうした地味な素朴さが見られる場所のひとつだ。
「マーチェンド、マーチェンド。
今日のラザニアは人間サマの舌にも合う
美味しい焼き加減に仕上がったわ!」
今日もこうやって俺を呼ぶ宿の主も、装いは兎も角、中身は素朴の類に入るんだろう手合いだ。おそらく、とてもじゃないがこのリージョンでの宮仕えなんて勤まらないんじゃないか。
実際この宿の主は人ではなく、妖精なのだという。だから初めからパンパス・コートの王城に入る資格はない。
「だからさ女将、『人間サマ』は止してください。
別に今、高貴なお方がお見えになっている訳じゃ無し……
ラザニアは勿論有難くいただきますけど」
主の装いと口ぶりからつい“女将”って言っちまうんだが、この妖精から直に自分が「女性だ」と聞いたことはない。それはさておき。
食事処も兼ねた宿を切り盛りする“女将”は、郊外の森に不時着した俺らのシップの第一発見者でもある。
それで俺はこの数か月、この宿の世話になっているって次第だ。
でまあ、肝心のシップの修理はというと、妖精の“女将”の知己であるエンジニアに任せることになった(この衣装中心主義のリージョンにもメカに強い住民はいて、そのお陰で、クルーである作業ロボもきちんと直してはもらえた)んだが……。
これがまあ、ファッショナブル有り余る魔改造をしたがる手合いでなあ……。しかも何を考えたか、“女将”までデザインの魔改造に加担し始めた。
それでデザインのダメ出しだの何だのを繰り返した結果、なかなかシップの修理が完了せず難航している、という現状だった。そりゃ早く仕事復帰するためには、シップのデザインなんて気にせずにさっさとOKを出すに越したことはないんだが……まあ……その……な……。
ひとまず順調にいけば明後日には修理完了の見込みなんだが、この見込みもまた覆っちまうんじゃないか、と半ば諦め気味にもなってきている。いい加減妥協しないといけないかもしれない。
ちなみに作業ロボのデザインも似たような改造を食らう羽目になったんだが、こちらは本人(機械だが)が気に入ってしまったため、俺からは何も文句を言えなくなっちまった。
閑話休題。
宿の1階の食事処は、外の通りからも大きな窓ガラス越しによく内部が見えるからか、街並みと同様に瀟洒で華やかな意匠で飾り付けられていたんだが――。
俺の目の前に出されたラザニアは、質素そのものだった。見た目も、それに濃すぎない味わいも。
「いや、今日のは本当に美味しいです!
ってか前のラザニアだって、別に口に合わない訳じゃ
無かったんですけれど。ただちょっと熱すぎただけで」
付け加えた前回の感想に、妖精の“女将”は「あらそうなの」と、長いつけまつげ(だと思う)を大きく瞬かせていたが、とりあえず素直に喜んではくれたらしい。
そんな昼食の一時の中で、“女将”はふっと俺に尋ねていた。
「マーチェンド、マーチェンド。
便箋と封筒は切らしていないかしら?
ここに来てから、あなた、たくさん
お手紙を書いているでしょう?」
“女将”の言う通り、パンパス・コートへの不時着後、幾度か紙の手紙で外部の顧客その他との遣り取りを行っていた。
この王国にも他リージョンとの電子通信環境は一応整ってはいるんだが、電波の強度とかに聊か信頼できないところがあってなあ……。
「あー…確かに便箋切らしそうかも。
いただけるなら有難いですけど、
これ、本当に宿代に含めていいんですかね?」
まあ大した額じゃあないからこそ、宿代に含めてくれてるんだろうが、どうしても気にはなってしまうところだった。
6人目、 雪D鴻爪 イオニス がやってきました。
雪D鴻爪 イオニスは、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
雪D鴻爪 イオニスは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
雪D鴻爪 イオニスは、 辺境世界の発掘屋 イオニス に肩書きを変更しました。
トラッシュ。
"ごみ"と名付けられたこのリージョンは様々なモノが集まってくる。
壊れていたり役に立たなさそうながらくたや使い物にならない武器や防具、ボロボロになった服や機械部品、壊れたコアなど…。
これらの品物は他所のリージョンからシップで運ばれてくる……
というわけではない。
このリージョンの巨大なクレーターから出土するのだ。
―ここのクレーターは"混沌"に繋がっている。
"混沌"に落ちたものがここに流れ着くのだ―
なんて、この現象を知った偉い学者先生は、
こんな眉唾物の情報をさも真実であるかのように嘯いたお陰で
冒険者やら賞金稼ぎやら発掘屋なんかが
大挙して押し寄せたこともあったみたい
確かに学者先生の仰る通りに
とんでもないお宝が出土したこともあったらしいけれど、
その頻度なんて本当にたかがしれていて。
出土するのはほとんどが(連中にとっては)価値のないゴミばかり。
仮に"混沌"と繋がっているからと言って、
そう簡単に掘り出し物なんて見つからない
だって元々世界には高価なものよりも
低価、安価のものの方が多いのだから当然の話。
価値のあるものが稀に出土するのは本当だったとしても
長期間発掘パーティーを居座らせるコストを賄える頻度ではないし。
私のような行き場のない人間。それが掘り出したものを
買い取った方がいい、という話になるのも当然の帰結。
だから、探検家や冒険者で賑わった街が
元の静けさを取り戻すのにさして時間が掛からなかった…
らしい。
"らしい"というのは、その一連の出来事が
私がここに訪れる前に既に終わっていたことだから。
今は寂れてるけど昔はここにも色んな連中が来ていたんだよ、
そう、此処に流れてきたときに教えて貰えた。
それを聞いたときに私は―
嘗ての私…自分は冒険者だった。
様々なリージョンを渡り歩いて、
そんな稼業だったものだから、
何人かの仲間もいたし、
危険と隣り合わせでもあったし、
安定した収入なんて夢のまた夢でもあった。
けれども不安や不満よりも
充足感が私の中にはあった。
満たされて、いたんだ。
何年もそんなことをやっていたものだから、
増長、油断、慢心…そういうものも、あったのかもしれない。
或いは…自分たちに、自惚れ過ぎていたのかもしれない。
何があっても解決できると、自信を持ち過ぎていたのだろう。
私たちの満たされた日々は、唐突に終わりを迎えた。
あるリージョンでの依頼。簡単な依頼だと思っていた。
特に危険もなく終わると信じていた。
そこで大事故に巻き込まれてしまったんだ。
思い出したくもない悍ましい出来事の後に、
私たちは不可逆の変化をしてしまうことになって
結果的に仲間とは散り散りになった。なってしまったのだ。
大惨事になってしまったそのリージョンの依頼主に、
せめてもの義理立てという形で依頼に失敗してしまったことを告げて
逃げるように私は一人、その世界を後にした。
そうすることしか、私には出来なかった。
辺境世界の発掘屋 イオニスは、 異界巡りの冒険者 イオニス に肩書きを変更しました。
嘗ての私…自分は冒険者だった。
様々なリージョンを渡り歩いて、
そんな稼業だったものだから、
何人かの仲間もいたし、
危険と隣り合わせでもあったし、
安定した収入なんて夢のまた夢でもあった。
けれども不安や不満よりも
充足感が私の中にはあった。
満たされて、いたんだ。
何年もそんなことをやっていたものだから、
増長、油断、慢心…そういうものも、あったのかもしれない。
或いは…自分たちに、自惚れ過ぎていたのかもしれない。
何があっても解決できると、自信を持ち過ぎていたのだろう。
私たちの満たされた日々は、唐突に終わりを迎えた。
あるリージョンでの依頼。簡単な依頼だと思っていた。
特に危険もなく終わると信じていた。
けれど、そこで私たちは大事故に巻き込まれる。
思い出したくもない悍ましい出来事の後に、
私たちは不可逆の変化をしてしまうことになって
結果的に仲間とは散り散りになった。なってしまったのだ。
大惨事になってしまったそのリージョンの依頼主に、
せめてもの義理立てという形で依頼に失敗してしまったことを告げて
逃げるように私は一人、その世界を後にした。
そうすることしか、私には出来なかった。
何処をどう歩いたのか、移動したのか分からないまま
追いかけてくる色んなものから背を向けて
逃げ続けた私が
そうして、此処の住人から
「此処には色んな"ゴミ"が流れ着いてくるんだ」と聞いて
それを聞いたときに私は―何故だか、笑いが込み上げていたんだ。
いや、何故、ということもない。
何よりも大事だと思っていた仲間たち。
彼らの悲痛な叫び声、助けを求めるような声に応えられずに
何もできなかった私は、此処に集まる"がらくた"なのだと。
異界巡りの冒険者 イオニスは、 "トラッシュ" イオニス に肩書きを変更しました。
/*
リージョン「トラッシュ」は
T260Gシナリオに出てくるボロのような雰囲気です。
なので「スクラップ」と直通している航路があるという裏設定。
ごみ、という名前のリージョン。
そこに存在するクレーターからがらくたを発掘して
私は生計を立てている。
そのまま使えそうな剣やら防具やら、
稀に出土するそれらはそのまま売り払うけれども
壊れた機械部品、コアなんかが掘り出せた場合は
それらを修理したり組み上げたりして、メカを作ることもある。
嘗ての学者先生のお陰で派遣された探検隊
その置き土産の工場施設を使わせてもらえば、
ハンドメイドながらも大企業の既製品に負けない…
といっても材料になったものが材料になったものなので
簡単な命令が出来る程度の品質が精一杯。
そんなものだから、儲けはあまり大きなものにはならない。
メカを組み上げるのに掛かる時間もそうだし、
これらの施設の使用料を考えれば
パーツをバラで卸した方がより稼げるし手間もかからない。
けれど、この世界に流れ着いたガラクタを、別の形にして
他の人のもとへ送り出すことは止めることは出来なかった。
ひょっとしたら、私もこのメカたちのように
"ガラクタ"から別の存在へと生まれ変われるかもしれない、なんて
浅はかな希望を、抱いていたから。
海岸沿いに いろんなものが
多く流れ着く岩礁をみかける。
潮の流れの影響でどうもこの岩肌は
漂流物が引っかかりやすいらしい
他の場所で見かけた漂流物に比べたら
人の営みや…海難事故を想像させるような
ものが流れ着いている。
…この水平線の先に続くのはこの世界?
海の藻屑となったもはや使われることのない
ガラクタの数々の中に、泥の男はゆらりと歩む。
ぐちゅりと足が荒々しい岩礁の肌に触れて
泥そのものが削り取られそうになる痛い。
……溶けた泥も感覚が繋がっているらしい
解けていく足の泥が
ひときわ大きい長方形の物体の方へと漂ったとき、
それがどうにも見た目より重く、
中身が空洞になっているところに
何かを詰め込んでいるらしいと感じ取る
四肢の一本を伸ばし、指を絡ませ
ズルっとそれを引き出すと、取っ手がついていた
……革独特の表面がボロボロになっている。
…鞄だ。これは
痛みを覚える岩礁を離れ、
ざばり、と呼び水から逃げ出して、
男は少し開けた緑地の方に鞄と腰を下ろし
硬く閉ざされた猫箱が開けられないかを試す。
がちゃ、り。 鍵がかかっている。
…指先の泥を鍵穴に覗き入れる。
留金の仕組みにあわせ、まわす。がちゃり
廃棄され“リジェット”と呼ばれるこのリージョンにもかつては名前があった。
ペリアンス
大企業が実験施設を作るために造設した人造リージョンだ。
一時は数千人がいたリージョンも、今は数十人の研究者とべアーのような実験体が十数人が暮すのみである。
五十に満たない知性ある生命たちは畑を作り、自給自足の生活をしている。
「なー、このみってあかくなったらとっちゃうんだろ?
なんでとらないんだ?」
ベアーは畑仕事を手伝い食べ物を貰っている。
働かざるもの食うべからず、それがリジェットXの掟だ。
「なー、とっちゃだめなのか?」
枯れかけた苗に生ってる実を見ながらベアーは隣で作業している女に話しかける。
――それは種を取るためにそのままにしているから採っちゃダメ。
言われてベアーは実から離れた。
種を植えると新しい食べ物ができる、それを知っているからこの実を採ってはいけないということを理解したのだ。
「……これとったらすっぱいみたべられなくなるのか。
とっちゃだめだな!」
こう見えてベアーは意外と賢いのだ。
/*
リジェットXが元々ペリアンスだったのを把握して(エクス「ペリアンス」かな?)元々の名前無くなっちゃった……としんみりしつつ
ぼ ぼくもそろそろお手紙を送るんだからね……!
/*
そういえばパンパス・コート、一体どんなリージョン名に訂正しようとしていたかというと、エクストラヴァガンスとかそんな辺りでした。結局行き過ぎた贅沢にはなるという。
多分このリージョン、††で単語を括るようなノリとまではいかないと思うんですが、王城辺りとかすごく革命前夜の貴族のデコラティヴ系もしくはヴィジュアル系のノリになりそうでし た
(城下街の雰囲気>>29はロリータやゴスのイメージで描いていました)
前の村でヴィジュアル系(元)バンドマンのPCを既にやってしまっているので、できればその時とは違う感じにしたいんですが、今回は音楽よりも衣装のほうに力点置くのでまあ大丈夫かな……多分……!
さて、ここ数か月のパンパス・コート滞在中、取引先との手紙のやり取りを(納品遅延や商品自体の破損についての謝罪その他の対応も含めて)続けていたんだが、その中でこの「着倒れ」のリージョンの服飾や物資に関心を持った相手もいた訳だった。
実際に現地の仕立て屋から生地そのものの販売店まで訪ね歩いてみれば、何軒かの店は輸出について好意的に話を聞いてくれたものだった。生地や資材の生産者のもとまで直接訪ねに行くには、もう少しこの地の住民との信頼関係が必要か。それに、この王国自体の輸出規制のこともあるし……。
決して棚から転がってくる餅ほど甘いモンじゃないが、思わぬ形で新たな事業の拡大の可能性が開けそうではあったのさ。
……「折角この国に来たのだから、商人さんも身を飾りましょうよ」って言われて、仕立て屋の店主が採寸用のメジャーを手に持ってきた時は冷や汗もんだったけどな!
いくら郷に入っては郷に従えとはいえ、黒い羽毛とラインストーンを盛大にあしらい虹色のラメを織り込んだ漆黒の生地のロングコートを店頭で目の当たりにした直後の話だったからなぁ……。
で、結局、その店では作業ロボ向けに烏色の羽飾りの帽子を仕立てて貰うことにした。
……いや、「作業ロボ」なんて非人格的な語で呼ぶな、と“本人”から言われてるんだった。あのエンジニアと“女将”による魔改造を受ける前には、こんな文句言われたこと無かった気がしたんだが……。
という訳で訂正する。俺のもとで物資運搬等の作業に携わるメカ「クロウ」は――この愛称も“本人”が名乗りだしたものだ――この帽子を大層気に入ったようで、今日も被って来ている。
「あークロウ、今ちっと手紙書いてるところだから、
一緒に店見て回るんは後にさせてくれ。
ってかこのバカンスも、明後日には終わるかもなんだ、
ちゃんとモード切り替え――…簡単にできるんだったな、お前さんは」
いかにも人間臭げな調子で「ソノトオリ!」と合成音を上げるクロウを傍らに、俺は宿の一室で、そのクロウ当人(人じゃないが)に関わる手紙をしたためていた。
規則正しい新緑色の罫線を引かれた紙束たち
重ねられたそれをパラパラと見ると
そこには何か書かれているのがわかる
知らない形の羅列。
けれど。何故か読める。…文字だ。これは。
まるで、誰かが捨てた記憶の屑が
自然と泥に集まったかのよう。
はらり、誰かが書きかけたそれは
どうやら、物語の断片であるようだ
…書いている途中におそらくは、
この鞄を手放すような何かがあったのだろう
その身体が、この
流れ着かなかったのは、果たして偶然?
『イオニス
お前さんと最後にトラッシュで顔を合わせてから
大分経つが、そっちの調子はどうだ?
俺は元気でやってる――とはいってもつい最近、
“混沌”航行中に海賊に撃たれて死にかけたんだが。
今はシップの修復待ちでパンパス・コートに足止め中。
お陰でここ数か月は商売あがったりの状態だが、
今後の事業のための充電期間だと思うことにしたさ。
で、お前さんが組み立てて売ってくれた作業ロボも、
無事に「元気」でやってる――ってのを伝えたくて、
この手紙を書いているっていう次第だ。
まああのメカ、現地民が修理ついでに改造加えて以降、
ちーーーーーーーっとばかし自我が芽生えたみたいで
有難いんだか煩いんだかって有様なんだがな……。
最近はついに「クロウ(烏)」なんて自称しだす始末だ。』
越境貿易商 マーチェンド から "トラッシュ" イオニス へ、秘密のやり取りが行われました。
『まあ今のところは、こんな近況程度の話だけだが、
トラッシュには機を見てまた寄る心算なんで、
その時にはお前さんの元気な顔を見られると良い。
(ついでに良い掘り出し物にも出会えれば最高だ!)
お前さんにも昔のこととか色々あるかもしれんが、
あんまし辛気臭い顔ばっかするんじゃねぇぞ。
マーチェンド』
越境貿易商 マーチェンド から "トラッシュ" イオニス へ、秘密のやり取りが行われました。
『…………』
今や持ち主のいない物語の世界。
忘れ去られた人間たち。
もう日の目を見ることすらない幻想。
屍の山。海の塵。
弔いきれなかった佛様。
水底に沈殿するはずだった人生たち。
■れないで。■たちを。
たとえ■■■■■■■■■としても。
どうか■を■してほしい
泥の男は、鞄の中を弄った。
まだあるか、まだあるか。
取り出したのは、一本の羽ペン。
ああまだあった、■の想い
……ああ。随分と他人事みてぇに書けるもんだなァ、俺は。
幸か不幸か、今の俺の目の前には鏡なんか置かれちゃいない。
ただ、表通りに臨む窓ガラスを覆い閉ざす、蔦模様のカーテンがあるばかりだ。
インクにしては妙に茶色い、
粘性のある物体が
拙い文を描いている。
こ んばん は
も の がたり は
す き で す か?
こ こ は
うみ の むこうがわ
あ なた の すて た
ゆ め の こ と
泥の男 ガァド から 机城勤務 コルンバ へ、秘密のやり取りが行われました。
メッセージの裏側には物語が書かれている。
どうやら、裏側の文字を書いた人とは違うようだ。
「…なんだね、なんだね!
君は僕に心がないと言いたいのか!
僕はねえ!!!これでもこの街一番の人情家なんだ!!!
困っている人は見捨てられない性分なのさ!」
名探偵はそう言って大きく胸を張るが、
助手のノックスは飽きれたような顔をするばかり。
「何いってんすか、ウィル。
あんたそういって…また変な依頼を
捕まえてきたばっかでしょ?」
泥の男 ガァド から 机城勤務 コルンバ へ、秘密のやり取りが行われました。
まあ、一つだけここで言うとすりゃ……
俺はなるべく、どんな時だって、努めて笑っていようとは思ってるんだ。だってそりゃそうだろ、愛想の悪い商人よりはご機嫌な商人のほうと付き合いたいってもんだ。
どこぞの(それこそ、このパンパス・コートの)お貴族様であれば、眉間に深く刻まれた皺すら他者を魅了する美貌や魔性になり得るかもしれんが――俺はそういう手合いじゃないしな!
あの耽美なコートでも着りゃ違うんじゃないかって……いや、だから俺の趣味はああいうんじゃないんだよ……。
それに笑ってりゃ、顔に引きずられる形で心まで明るくなるってもんだ。なあ、そうだろ?
インクにしては妙に茶色い、
粘性のある物体が
拙い文を描いている。
こん ば ん は
だ れか
そこ に い ます か
こ こ は
うみ の は て
ど う か ■ た ち に
き づい て く ださい
泥の男 ガァド から 越境貿易商 マーチェンド へ、秘密のやり取りが行われました。
7人目、 疼躊化葬 コルデリア がやってきました。
疼躊化葬 コルデリアは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
メッセージの裏側には物語が書かれている。
どうやら、裏側の文字を書いた人とは違うようだ。
第一章
夜の帳が降りる頃、誰もが寝静まる倫敦の街を
一人の男が駆け回る。
「待て!!!これ以上の罪を重ねることは
このボクが許さないぞ!!!
いい加減、お縄につけーーーー!!!」
追われている男は、ただならない様子の追跡者に
ひいいいい!!!と悲鳴を上げて
転げ落ちるように坂を下る。
その両腕には盗んだばかりの札束の詰まった袋
彼にとっては、この札束は生命の繋ぎ目だった
泥の男 ガァド から 越境貿易商 マーチェンド へ、秘密のやり取りが行われました。
………ペン先を止め、
最初に書いた一枚目、二枚目。みる。
そのまま鞄を持って、また海の見える方へ。
………海岸沿いに、浮かぶ小瓶たちを拾い上げ
そこに一つ一つ詰めたなら
波にさらわれる方向へ。
彼らを放って。
旅立ちを。
…。
/*
そして俺のほうにもガァドさんから物語が来た……だと……!
ああああありがとう!!!! (そしてぼくはコルンバ宛てのほうの物語と混同しないように気を付けないといけないぞ)
/*
そしてコルデリアさんはいらっしゃいませ!!!! 飛び入りありがとうございます!!!!
終いの小惑星……! どきどきしております……
終いの小惑星 ── 名を"エンデ"と。
斯様な名前をしておりますれば、このような末路が何れ来るも
逃るることのかなわぬものだったのでしょうか。
流石に栄えていたころを知らぬではありませんで、
この結果は……哀しくも、空しくもあり。
結果論といえばそこまでではありますが。
すでに墓の数が生存者の数の大きく上回って久しい、
そんな場所ですから、今更ともいえるもの。
それに。私の毎日も、変わり映えは致しません。
きっと命が尽きるまで、とこしえにそうなのでしょう。
命の終わり。それはそう遠くもないようで、
それが今日ではないといいことを祈るばかりです。
何せ長いこと病を患っており、臥せっていることも多く。
随分と慣れてはしまいましたが。
けれど幸いか、病に侵された身であれど、役割はあります。
逃げることのできない身体を引き摺り、それでも
まいにち生活をしている訳でありますから。
他者との交流も、……そう多くはありませんね。
このリージョンにて長きにわたり暮らしてきた墓守、
その末裔が私となります。
先祖代々といえば聞こえはいいですが、
私ができることがそれしかなかった、とも言えるでしょう。
「 しゃれこうべと対面する日々のほうが明らかに多いと、
私としては、段々と……私もそうなってしまうと、
そう思わずにはいられませんけどね、…… 」
事実、棒のようにちからのない足を持ち上げつつ。
それでも生き延びてしまっています。今日も。
8人目、 煙霞山 山主 蓬儡 がやってきました。
煙霞山 山主 蓬儡は、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
[ゲッカと呼ばれるリージョンは、妖魔が支配する地である。
上級妖魔を中心として幾つかの派閥があり、数百年前には派閥同士の勢力争いが毎日のように起きていたが、今では小競り合いがたまに起きる程度で静けさを保っている。
けれど何かのバランスが崩れでもすれば、再び数百年前の様相に戻ってしまいそうな、そんな危うさもあった。
妖魔達はその力を示すように雲霧より高く聳える絶壁のような峰の上に住み、その麓に住まう人間は彼らの庇護を願い、定期的に捧げものを行う。
それを怠れば、「恐怖」を至高と掲げる派閥などでは、下級妖魔によって人里で簒奪が起きてしまうだろう。
下級妖魔の手綱を引いているのは上級妖魔。
それが
人間と妖魔の比率は人間の方が多いのだが、己達よりも力の強い妖魔に対して服従を強いられた。]
[ゲッカと呼ばれるリージョンは、妖魔が支配する地である。
上級妖魔を中心として幾つかの派閥があり、数百年前には派閥同士の勢力争いが毎日のように起きていたが、今では小競り合いがたまに起きる程度で静けさを保っている。
けれど何かのバランスが崩れでもすれば、再び数百年前の様相に戻ってしまいそうな、そんな危うさもあった。
妖魔達はその力を示すように雲霧より高く聳える絶壁のような峰の上に住み、その麓に住まう人間は彼らの庇護を願い、定期的に捧げものを行う。
それを怠れば、「恐怖」を至高と掲げる派閥などでは、下級妖魔によって人里で簒奪が起きてしまうだろう。
下級妖魔の手綱を引いているのは上級妖魔。
人里で行われる簒奪行為は山主の監督不行き届きとも目される事もあったが、そう言った場合人間への脅しであった。
妖魔が人間を庇護する事で、バランスを取っている。
それを知らしめるための。
人間と妖魔の比率は人間の方が多いのだが、己達よりも力の強い妖魔に対して服従を強いられていた。]
[そんな峰の一つ。煙霞山。
頂上付近には比較的質素な館が建っている。
もっともそれでも裕福な人間の家の何倍もの大きさがあり、「美貌」を至高とする妖魔と比べれば、ではあるが。
──そこで、突然の爆発音が響き渡った。]
「お師匠様、今度は何をしでかしたんですか!」
[扉を開け放ち、末の弟子が鬼のような形相で飛び込んでくる。]
知らん。
何もしていないのに、爆発した。
「何もしなければ、爆発なんてしないんですよ……。」
[がくりと肩を起こす彼に対し、出迎えた男の方は堂々たる様子である。
「誇り」を至高とする上級妖魔の子としてこの世に生を享けながら、ろくに勉学に励まずに腕っぷしばかり鍛え、遊び回っていた事で放逐された不良公子。
そんな彼が向かったのは、この峰を束ねていた上級妖魔だった。
それを打ち倒し、後に残った配下だった者達を従え、現在の主となったのがこの男──蓬儡である。]
[この男、真新しいものに目がないながら、機械の扱いに関してはポンコツと言って良かった。
それは妖魔の例にもれない生来の性質といっても過言ではない。
妖魔の命は長い。
男が山主として付近を収めている間に、ゲッカでは交易を通して機械が取り入れられ、人里では夜も明るさを保つようになった。
術を使わずとも使える灯りに、感動したものだ。
そうして男は時折、そうしたものを峰に取り寄せて遊ぶようになった。
新しいものに興味を示すのは良いが、その後始末をさせられるのは彼の弟子である。
人と妖魔の混血である末の弟子は比較的メカ音痴の度合いは少なく、今日も駆り出されていた。]
「お師匠様、もう少し静かな趣味をされてはどうでしょうか。」
しかし、書物は読み尽くしてしまったしな…。
「お手紙などはいかがでしょう。」
[弟子はすかさず手紙の一式を差し出してくる。
暫くは大人しくしておけという事だろうか。
男がその気になれば、弟子の一人や二人、存在を消してしまえるのだが、そうしないのは何だかんだとこの生活が気に入っているからだった。]
手紙、なぁ。
[ふむ、と男は窓の方へ視線をやった。
まだ室内に煙が残っているものの、その先には雲霧と幾つもの山が広がっていた。*]
/*
人が増えてよかったです。
wikiでざっくりを設定を読んだレベルです。
妖魔PCがいないっぽかったので。
なんちゃってチャイニーズです(ネオンあり)
/*
そしてコルデリアさん コルデリアさん
お墓だらけのリージョンが本当に来てしまった……
その墓守さんですよ……あああ……
コルデリアさんもエンデも、かなしくもうつくしいの いい すごくいいです……はああ……
[弟子に部屋から追い出され、書院に籠る。
窓際の一角には古めかしい机が置いてあった。
他のリージョンから見れば、アンティークともいえるかもしれない、もう何百年と使い続けている男のお気に入り。
机の黒い天板は使い込まれて光沢を放ち、曲線を描いた猫足が印象的だ。
そこに弟子から渡された手紙の一式を置くと、揃いの椅子に腰かける。
抽斗を開ければ、そこには筆記用具が収められていた。
ひと昔前には筆をよく使っていたが、今では万年筆がお気に入りだ。
インクを取り寄せ過ぎて、使い切れないと弟子に分ける程に。]
以前に会った事のある者に息災かを聞いてみようか。
あるいは風の向くまま、誰に充てるでもなく書いてみようか。
もしかしたら面白い縁が結ばれるやも。
[弟子が用意したのは、白地に版画が薄く刷られた便箋だった。
薄っすらと凹んだ縦のラインに沿って、緑釉色のインクで文字を書き始める。]
[白い縦型封筒には送料として、林の中にひっそりと建つ東屋の絵柄の印紙が一つ。
白地に牡丹の版画が淡紅色で薄く刷られた便箋には、罫線の代わりに薄っすらと縦に線上の凹みが何本か並んでいる。
線に沿って緑釉色のインクで書かれた文字は一言で言えば闊達だ。
時折、はみ出しているところもあるのはご愛嬌。
差出人の住所は、ゲッカの煙霞山と書かれている。
煙霞山の蓬儡といえば、他はいない。
送り先は、彼のシップとマーチェンドと指定していれば通じるだろうか。
貿易商である彼を煙霞山の麓の街に招いた時には彼自身も、彼の持ち込んだ商品も歓待したものだ。]
煙霞山 山主 蓬儡 から 越境貿易商 マーチェンド へ、秘密のやり取りが行われました。
マーチェンドへ
久しぶりだ。
元気にしているだろうか。
以前、貴方がゲッカに訪れたのは何年前だっただろう。
よもやまだいなくなっている事はないだろうと思っているが。
こちらはまた取り寄せた機械を壊してしまって、弟子に部屋から追い出されてしまったところだ。
全く、機械という物は難しい。
それでも仕組みが面白いから、ついつい取り寄せてしまうのだが。
術を使わずとも火を出したり、物を冷やしたり。
いつしか、術などいらなくなってしまうのだろうかなどとも思ったりする。
貴方は今、どのリージョンにいるのだろうか。
きっとあちこち忙しく動き回っているのだろう。
またゲッカに立ち寄る事があれば、教えてくれ。
麓の街でご馳走しよう。
それでは、どうか息災で。
蓬儡
煙霞山 山主 蓬儡 から 越境貿易商 マーチェンド へ、秘密のやり取りが行われました。
[白い縦型封筒には送料として、林の中にひっそりと建つ玉蘭の絵柄の印紙が一つ。
白地に牡丹の版画が淡紅色で薄く刷られた便箋には、罫線の代わりに薄っすらと縦に線上の凹みが何本か並んでいる。
線に沿って緑釉色のインクで書かれた文字は一言で言えば闊達だ。
時折、はみ出しているところもあるのはご愛嬌。
差出人の住所は、ゲッカの煙霞山と書かれている。
煙霞山の蓬儡といえば、他にはいないが、相手にその知識があるかは分からない。
送り先は読みにくく、それが辛うじてエンデと読めたからこそ、貴女のものへ届いたのかもしれない。]
煙霞山 山主 蓬儡 から 疼躊化葬 コルデリア へ、秘密のやり取りが行われました。
あなたへ
この手紙を受け取ったあなたは、何処のリージョンの誰だろうか。
久しぶりなのか。
それともはじめましてなのか。
私は分からないまま、手紙をしたためている。
私はゲッカの煙霞山の山主である蓬儡という。
知らぬ誰かと縁を繋いでみたいと思い、このような形での手紙となった事、もし不快に思われたなら申し訳なかった。
もしもあなたの気が向いたら、話し相手になってくれると嬉しい。
蓬儡
煙霞山 山主 蓬儡 から 疼躊化葬 コルデリア へ、秘密のやり取りが行われました。
[手紙を書き終えた頃、書院の扉が遠慮がちに叩かれる。
入室を許せば、末の弟子が顔を出した。
そうして綺麗になった部屋へと通される。
おしゃかになった電子レンジなる機械は、修理も不可能な程に壊れてしまった。
またろくに使われないまま役目を終えてしまった事には申し訳なく思う。]
あぁ、手紙を書いてみたぞ。
[そう言って、手紙を弟子に託す。
メール・トルーパーズという郵便・通信組織に託せば、リージョンを越えて相手の許へと届くのだから目を回してしまいそうだ。
シップに乗って他のリージョンに行った事はあるが、あまり長く滞在した事はなかった。
珍しいものは好きだが、やはり自分の居場所は此処だと思う故に。]
/*
お二人に送ってしまった…。
手紙村は2回目ですが、うまく出来ていると良いな。
集中しているところに送ってごめんなさい。
お客さんになってみたかったのです。
ひとつ言葉を発すれば咳は絡む。
胸の痞えはもうなくならないものと悟りました。
そも、もう誰と言葉を交わすことも無くなり
久しくはありますが、──
「 ……ん、……手紙…? 」
抽斗の整理をしていた折。
昔に買ったような気がするレターセットと、
それから、何がしかのチラシ。
チラシには他のリージョンについて書かれており、
……手紙を届ける奇妙なリージョンがあるという。
かつて手紙を送っていた相手は、もういません。
ならば其れに託すも一興かと。
単なる気紛れです、退屈を拗らせた末の。
誰かに向けて書くのも久々かと。
すこし頼りない筆致とともに、紙に向き合って。
「うーん…」
"トラッシュ"には様々な交易商人のシップの往来がある。
クレーターからの"出土品"を買い付けにきて
そして"トラッシュ"では賄いきれない消耗品を運んできてくれる
そんな交易商人の一人が
ぱったりと姿を見せなくなっているんだ。
相手は商人なのだから
ひょっとしたら大きな儲け話があったのかもしれないけれど
"便りがないのはよい便り"と安心も出来なかった。
少し植物の香りのする封筒、それから細々とした頼りない筆致。
あまりにも薄く、ところどころインクが途切れ読み難くもあるかもしれない。
便箋の端には桜の押し花が咲いている。
送り主は──“終いの地より”。
そこからエンデというリージョンには、
知っていれば結びつけることができる。
疼躊化葬 コルデリア から 泥の男 ガァド へ、秘密のやり取りが行われました。
受け取っただれかへ
こんにちは。
いつ届くか定かではありませんが、誰に届くかも知れない手紙、
なにか手慰みにもなるかと思い筆を執りました。
というのも、私にはそう話し相手もおりませんゆえ。
そう外に出ることもなく、日々を退屈に暮らしています。
星の景色も変わり映えせず、植物が所々生い茂っています。
あなたの見る景色は如何なのでしょうかと。
お手隙であれば、ほかの星を見た気分にさせていただきたく思います。
不躾なお願いかもしれませんが。よろしくおねがいします。
コルデリア
疼躊化葬 コルデリア から 泥の男 ガァド へ、秘密のやり取りが行われました。
「 …… っ、…… 」
自分の名をようやく書いて、ペンを取り落とす。
流石にすこし疲れた。慣れぬことをしたものだ。
力の入らぬ指先に、溜め息をひとつ吐いて。
届くようにの手続きまではどうにか済ませ、
さて、これが何になるかはすこしのお楽しみ。
「うーん…」
"トラッシュ"には様々な交易商人のシップの往来がある。
クレーターからの"出土品"を買い付けにきて
そして"トラッシュ"では賄いきれない消耗品を運んできてくれる
そんな交易商人の一人が
ぱったりと姿を見せなくなっているんだ。
相手は商人なのだから
ひょっとしたら大きな儲け話があったのかもしれないけれど
"便りがないのはよい便り"と安心も出来なかった。
「無事だと、いいんだけど…」
"混沌"の航海は危険と隣り合わせだという事は
冒険者時代に嫌というほどに知っている。
私はこの世界で農園を営む老夫婦からの依頼された
農作業用のメカのメンテナンスを行いながら
発着場の方を眺めた。
当然、そんなことをやったとしても
あの商人のシップなんて見える訳はないんだけど。
けれどももう何週間も前から
そうやって目を向けるようになってしまっていたんだ。
―そんな私のもとへ、一通の手紙が郵便受けに投函されていた
無機質な封筒。
「差出人は…メール・トルーパーズ…!
ということは…」
糊付けを剝がそうとして上手くいかなくて
結局郵便受けの前で封筒の先の方をびりびりと千切って
歩きながら、自分の部屋に戻りながら
色んなものが散乱しているデスクに着いて
中に収められていた四つ折りの紙切れを取り出す。
何週間も前から申請していた船舶情報。
予定航路などは知ることは出来ないけれども
何処にいて、どういう状況なのかは知ることが出来る。
「……っ」
海賊の襲撃を受けた、という文言を見て息が詰まる
けれども、"混沌"の中で爆散する、ということはなくて
不時着とはいえリージョンに降り立てたこと
そしてその場所が比較的危険度の高くないリージョン
"パンパス・コート"だということ。
「…よかった。」
情報を最後まで読み終えて、思わず息を吐く
本当に"便りがないのはよい便り"だったけど。
無事と知れたのなら気にすることもないかと
紙切れを再び四つ折りにして封筒に収めたところで
ふと、気付いてしまう。
「そういえば…船舶情報を参照した事…
あっちに、連絡がいくんだっけ…」
いったのだろうか。いかないのだろうか。
シップの運用をやったことのない私にはその知識がない。
けれどもそこで冷静になったとこで
私は客観的に自分の行動を振り返ることが出来た
…出来てしまったのだ。
「これじゃストーカーじゃない」
しかも、申請時は組合だとかの名前は使わなかったから
もしも仮に通知がされるとなったら
個人で参照したのだという事がバレてしまうんだ
そうなるともう、本格的なストーカーだ。
弁解をするのなら、間隙を入れない方がいい
そう考えた私は、手紙をしたためることにした。
書き出して
「清祥ってなんだ。船を海賊に襲われて滅茶苦茶不幸じゃない」
どう考えてもこの文言は煽っているようにしか見えない。
便箋を丸めようとして、ふと気付く。
海賊に襲われたとけれど、命を失うことなく、
シップも破損したとはいえ、それほど危険でないリージョンに
降り立つことが出来たのは幸運じゃない?
だとしたらこの書き出しは間違っていないか、と思い直して
文章を書き連ねてゆく。
彼との遣り取りを思い出しながら
必要な物資がないか、とか、色々と気を遣ってくれていたことを
思い浮かべて文字を綴ると、感謝というものが手紙に宿るような
そんな感じがして、自然、笑みが浮かんでしまっていた。
けれど、もう一度読み返してみて疑問に駆られる。
「…私、誰に手紙を出そうとしてるんだろう…」
こんな超がつくような他人行儀の手紙じゃなくても…と。
何よりお堅い言葉がもう出てこなくなったので
私は便箋をぐしゃぐしゃに丸めて放り投げて
もう一度、机に向かうのだった。
書き出した手紙を郵便の取扱所に持って
手紙を送るための手続きを終え、帰路につく頃
私はふ、と思い直した
別に船舶情報の取り寄せに関して
ストーカーだとか負い目を感じることはなかったのだという事に。
一応ではあるけれども、金銭や物品の遣り取りをしているのだし
彼の動向を知ることに別段何の不自然さもないのだということに。
もう一度手紙を書き直さなければ―!
そう思って再び取扱所に走ったけれども
郵便船は既に飛び立った後で。
"前の手紙の変な部分を後の手紙で直す"
というのも変な話だったので。
「どうか郵便事故が起こってあの手紙が届きませんように」
なんて、願ってしまったのでした。
マーチェンド
突然のお手紙ごめんなさい。
普段ならやってくる時期を何週間も超えていたから
心配になって船舶情報を取り寄せてしまいました。
もしかしたら、そちらの方にも確認がいくかと思います。
海賊に襲われた、と聞いてびっくりしました。
けれど、シップが撃墜されていなかったことや
不時着したのがパンパス・コートだったこともあって
安心しました。
"トラッシュ" イオニス から 越境貿易商 マーチェンド へ、秘密のやり取りが行われました。
あそこは永住するとなると違うのかもしれませんが
短期の滞在であればとても過ごしやすいところだと思います。
面白いお土産話を期待していますね。
シップが直って、怪我が治って余裕が出来たら
此方の方にも顔を出していただけると嬉しいです。
それではお体にお気をつけて。
無事に船が直りますように。
イオニス
追伸:あの子はいざとなれば貴方をまもるようにと
そういう設定にしましたが、立派に役目を果たせましたか?
"トラッシュ" イオニス から 越境貿易商 マーチェンド へ、秘密のやり取りが行われました。
泥の男 ガァドは、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
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そして俺宛てにお手紙が4通も来ているという なんで????
コルデリア以外全員から頂いてしまうとは……まさかイオニスからも今日お手紙書いて貰えるとは思ってなかったのでかなり動揺している中の人です(※入れ違いの手紙だというのは把握しているよ!)
(ちなみに秘話通知なしだった頃の手紙村でプロローグ中にお手紙4通貰ったことはありまs その時のぼくの立ち位置が狼NPCかつ、一般参加PCなしでの1ID入村だったので多量にお手紙が届いた感じだった覚えが)
と とりあえず今は先に村建て業務のほうに集中しようね……
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>>60>>61>>64>>65>>66
マーチェンド→イオニスの手紙ではクロウ(イオニス>>50>>51>>52>>53から受け取ったものと推定できる)及び自身の過去と共通する内容が掛かれている、と推定できる。
手紙の形態はおそらく紙製>>40。
これに対してイオニスからは
>>82->>95
過去にトラッシュに交易に来たマーチェンドと暫く(少なくとも何週間も前から>>83)音信が取れていなかった状態で
差出人が「メール・トルーパーズ」>>84となっている手紙(紙製>>84)を受け取り、船舶情報>>85について受け取っている。
イオニス側から船舶情報を参照したことでマーチェンドに通知が行っている可能性あり>>87>>88>>94
マーチェンドのログを見る限りは、誰かに船舶情報を参照されたと把握している内容はない、かな。
(警察や取引先に現状を報告していると思しき内容>>15>>60はある)
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Q.↑一体何やってるんですか村建て人
A.なまじ当事者のマーチェンドの中の人でもあるので(→イオニスのお返事が即日お返事でないことをメタ的に知っているので)、外部目線でこの遣り取り大丈夫なんだろうかという検証を自分側でも必死にしていたんですよ……
村の設定が変更されました。
村の名前
村の説明
定員: 8人 (ダミーキャラを含む)
最低開始人数: 8人
開始方法: 人狼BBS型(更新時間が来たら開始)
役職配分(自由設定時)
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イオニスが貰った手紙にはマーチェンドが海賊に襲撃されたことと現在の滞在地が記されている>>85>>86。
マーチェンドからイオニスへの手紙でこうした内容を記した描写は見られないが、>>60の冒頭から実際の秘話内には書かれている可能性はある、と考えられる。
イオニス→マーチェンドの手紙(未発)の内容から推定できるのは
>>89>>90>>91>>92>>94
海賊襲撃やシップの破損、比較的危険性の低いパンパス・コートにいることのほか
金銭や物品の遣り取りをしていたことの他、過去に(手紙でも?)物資面などで色々気を遣ってくれてくれていたらしいことが読み取れる。気を遣って……のところは>>64>>65>>66への返答、とも読める、かな。
とはいえ、ここでイオニスが受け取った手紙>>84の差出人は「マーチェンド」やそれ相応の肩書き(商人とか)ではなく「メール・トルーパーズ」であると明記されているので、少なくともマーチェンドから直接手紙をもらった訳では無いことになる。
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ベアー>マーチェンド
ベアー>ガァド
マーチェンド>イオニス
(ガァド>コルンバ)
ガァド>マーチェンド
蓬儡>マーチェンド
蓬儡>コルデリア
コルデリア>ガァド
イオニス>マーチェンド
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ガァド2
マーチェンド4
ベアー0
イオニス1
コルデリア1
蓬儡0
(コルンバ1)
今日の時点でお手紙が送られていないのがベアーと蓬儡なのだけれど
ど どっちもマーチェンドからは送り辛いぞ……(既に両名からお手紙来ている者)
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