田美院翔

俺の歌を聴きに来てくれてありがとう！最後までよろしくな！

宿の女将 静子

今日は団体さんが来るって言うからねえ。
張り切って準備しなくちゃ。

氷室詩音

[氷室家はその名の通り守りの一族である。
氷に閉ざされた結界を維持し、魔物たちを退ける事を主な生業とし、時には氷室に留まらず氷壁を武器や盾にして魔を退ける事もあった。
　
私もまたその氷室の一員。
古い退魔士の一族の一つであるが故、その血筋を保つ為に比較的早い段階で婚約者もまた存在していた私は、学園では男子よりも女子、先輩よりは後輩に人気があった。
背が高く凛として男子に負けずに発言する──そんな姿が凛々しいと、一部の後輩女子たちの憧れとなっているらしい。
それを私も自覚している。だからといって、彼女たちに優しくすることはあれど恋愛感情を抱くことはないけれどね。
　
そんな私は、一部の間では男嫌いだと噂されているらしい。
確かに基本的に男は苦手だ。
そして、それは婚約者であるあいつもある意味そうなのだけれど……。
　
　
だって、あいつは──。]
　

氷室詩音

　
(私がどんだけ煽っても手を出したりしない！！
あいつ不能なんじゃないの！？
それともゲイ！？
誕生日もバレンタインもクリスマスも私があれだけアピールしてたってのにキスも何もしないなんて信じらんない！！
もっとドキドキしたりしなさいよ！？
それとも何、ロリコンなの？
私みたいな背が高い胸デカ女は嫌いだって！？

あ〜〜〜もう〜〜〜ムカつく〜〜〜！！！！)
　
　
[──から回っている可能性に気付かずに。
私はもう、アイツにかなり腹を立てていた。
きっともう、結婚するまで何もないんでしょうね。
あいつの戸惑ったり照れたりする顔見てやりた気もするけど、もしかしたら結婚しても手を出さないつもりじゃないかしら。
あー、あー！もうお家断絶ね！
今回の任務中だって多分何もないんでしょうよ！]
　

氷室詩音

　
[──そんな胸中を、少なくとも後輩たちには悟られないように振る舞っている私。
もしかしたら同級生たちには見破られているかもしれないけど、知らないわ！]**
　

市川夢助

―数日前　男子寮・談話室―

　…くそ。一本外した。

[クリスマスを真近に、ツリーが飾られた談話室の壁にかけられているダーツ盤に向けて3投。20のトリプルに2本。もう1本は20のシングル。
様子を見ていた友人がニヤニヤしながら、今日”は”調子悪そうだなと言ってきた。
そうだよ。今日”は”というか、今日”も”というか。
素直にそう言うとこいつが喜ぶから言ってはやらないが。]

市川夢助

　…うるせえよ。たまたまだ。

[今度はその下、的の中心を狙って3投。ブル、ダブルブル、3投目は…あ、跳ね返った。

さっきまでニヤニヤしていた友人が、なんか本当に調子悪そうだな、とむしろこっちを気遣うそぶりを見せてきた。これはこれで凹む。そんなんで、次の実践任務大丈夫か？と言ってくるので、軽くデコピンしていなす。]
　
　……集中してれば大丈夫だ。心配すんな。

[集中してれば…な。くそ。今日見たばかりの婚約者の事を思い出し、頭をわしわしと掻いて気持ちを切り替えた。
本番の任務であらぬ場所に暴投したら、それこそ目も当てられない。]

　……くそ、詩音のやつ。

[ダーツを片付け、談話室を出る前、ぽつりとこぼした言葉はその友人には聞こえなかった、と思いたい。]

市川夢助

[市川は退魔師としては少しは歴史と名のある家だ。特に冷気や氷に関わる力を得意とする者を多く輩出している。術力もそれなりに強い。
その次期当主である俺も一族の例にもれず小さい頃から修練を積んできた。使える力はそれなりに強いのだが、一つだけの欠点として、瞬間的に使用できる術力の総量があまり多くはない。
術力を全開にしてごり押すということができないのだ。
その解決策として取ったのが、限られた術力を効果的に扱うため、扱う術の精度を上げるという事だった。

冷気を凝縮して氷のダーツや弾丸に変え、見切った魔物の弱点に精密に撃ち込んでトドメを刺せば、消耗も少ない。俺の性分には十分に合っている。
普通のダーツとは違い、軌道も自由に制御できる。やり飽きたビリヤードのように軌道も自由自在。

本物のダーツでも、何本でも、何十本でも、一度に3本同時だとしても。狙った場所にかなり正確に当てられる自信がある。自慢ではないが、この学園に来る前、普通の高校でいた頃はスポーツダーツの大会でも結構いい成績だった。]

市川夢助

[面倒事はなるべく避け、やらなければならないのなら手際よく。
少なくとも俺はそうしてうまくやってきたし、退魔師としても他の連中に引けを取る事はないだろう。
こんな荒事の稼業ではあるが、俺は波風立てずに今後もやっていく自信はある。

…それがどうしてこんな不調に陥っているかと言えば、どう考えてもいつの間にか家同士で決められていた婚約者、氷室詩音のせいに違いなかった。

別に嫌いというわけじゃない。むしろどちらかと言えばそうではない…　だからこそこんな事になっているわけだが、そんな事を言えるわけもなく]

市川夢助

　確か次の任務、あいつと一緒だったよな…　はあ。

[あいつ、俺も男だって事忘れてないだろうな？
確かに身長はほとんど変わらないが…

それから数日後、クリスマスのも終わった年末、実践任務として電車とバスを乗り継ぎ、山奥の僻地に向かう頃もやっぱり俺は、一人悶々としていて、傍から見ればとても絶好調という感じには見えなかっただろう*]

名坂雪

[私は彼のちっちゃな頃を知っている。
その後の小学校も中学校も、高校はまぁまぁだけれど、暝々学園での姿も、もちろんよく知っている。

どんな人なの？と問われたなら。
金髪とか、あおい瞳とか、パッと浮かばない。
簡単に答えられるつもりなのになぜか言葉に詰まって。
うーん、どうしようもないヤツ、って。
自然と笑ってしまう口元を抑えて答えるのだ。

どうしようもない、

どうしようもないくらい、



私と彼は幼馴染で。

それよりちょっと短い間、ずっと婚約者同士。]

名坂雪

[12月というのはなんでこう時が過ぎるのが早いのか。
勉学に勤しみ、クリスマスを終えたらもう年末だ。
こうしているうちに卒業まであっという間かも。

学生生活がすでに惜しく恋しくもあり。
これからの未来に胸が高鳴り――想像する未来にも何種類かあって、それぞれに不安と期待があるのだが。]

　ま、仕事は決まってるからね。

[旅行用の荷造りの手を止める。
明日からは学園の実戦任務で遠出するのだ。
端を揃えて畳んだ衣類、布製小分け袋に見られたくないものは詰め、歯磨きセットに、簡易スリッパに、充電器に、予備のメガネに、美容品エトセトラ。
そこまでは普通の大学生だが、次に大切そうに詰める本の表紙には古めかしく掠れた魔法陣やら一見解読不可能な文字の羅列。
端っこの隙間には、トランプとお菓子を押し込んだ。]

　おやつ禁止はなかったよね……小学生じゃないし。
　そろそろ金の当たりが出てもいいと思うんだけど。

[我ながらあんまり運はいい方じゃない。]

名坂雪

　……同室、か。


[しばし無言。そして息を吐く。

本を取り出すと、その奥をしばらく詰め替えた。]

名坂雪

　……いやいや、何考えてんの。

[もう一回詰め直して。]

　いつもと違うって言われたら気まずいし。
　むしろちっちゃい頃じゃないんだし、寝巻き姿なんて見せてないから……ん？　備え付けの浴衣があるかな？

　う、うーん。うーん……。

[頭を抱えたりして。]

名坂雪

[旅行鞄の留め具をきっちり閉める。]

　もう準備終わってるかな。

[ふと思いつき、メッセージを送った。
彼には伝わりようのない照れ隠しの意味もあった。]

　『準備できた？　デッくん。』

[ふと小学校低学年の時の一幕を思い出す。

“バナナはおやつにはいりますか？”

本気だったか、冗談だったか。
本か何かで読んで真似したくなったんだったかも。
一緒に声を揃えてそんなことを先生に聞いてみた、それだけはっきりと、声変わり前の彼の声と自分の声の重なりまで思い出せる。

人間、不思議なことばっかりよく覚えてる。]

名坂雪

　『バナナじゃないおやつ持っていくね。』

[旅行鞄を持てばカラコロ音が響くだろう。
何箱持ってきたんだって、金銀の当たりを狙うのに熱中していると知ってる彼にはバレバレかもしれない。

そういう子供みたいなことを考えていたら。
ほんの少しだけ、落ち着けた。

わかってる、なんとなく、感じとってる。
周りや両親の気遣いとか思惑とか。

そわそわする気持ちはあるけれど、こんなに長い間一緒の彼となら大丈夫だと思えているし――それはつまり何が大丈夫なんだろうって。
自問自答しては、ため息をついた。**]

氷室詩音

　
[そう、クリスマスの時にも。

クリスマスのお祝いは寮でも男女合同で執り行ったし、その後に会う──と言う事を繰り返してもう3回目だった。
瞑々学園に入学してからは。
高校時代も似たような流れを繰り返していたのだからトータルで考えるともう6回目かそれ以上……？
それより前から婚約者だったのだとしても、流石に中学の頃はそこまでの期待はしてなかった。ドキドキさせようにも婚約者の存在に私の方がドキドキしていたし、照れ隠しで必要以上に跳ね除けていたからね。
でも、高校に入った頃からは期待もあった。焦りもあった。
別に子孫を残すだとか家の存続とかを考える事だとかが必要ないはずの"普通"の高校生たちが、やれ彼ピッピだのキスがどうだのエッチしただのと色々騒いでいたからだ。
私はと言えば良家のお嬢様──と言うことになってるし実際そうでもある──であるし、婚約者のいる身だからとその話題を遠ざけていたけれど。]
　

氷室詩音

　
[興味はあったわ。だって私だってそう言うお年頃だったもの！
だから、何かと彼を──夢助を誘ったわ。いやらしい意味じゃなくて、単純に仲良くなろうとね？
でも、いざ目の前にすると緊張から気を張ってしまう。必要以上にきつい言葉を投げかけてしまうし、喧嘩腰になってしまう事もしばしばあった。
でも、腕を組んで胸をギュッと当ててみてもなんか反応薄いし……。
買い物に連れ出した時に休憩しようってホテルにお誘いしても断られるし……。
そうそう、今回のクリスマスだって！みんなの前にもサンタ帽子を被って出たりしたけど、夢助には特別にミニスカサンタの写真を送ったのよ。谷間強調してスカートもギリッギリまで攻めたやつ！でも、反応イマイチなのよ！？
今までも水着を買ったら写真を送ったりしてるのにイマイチなのよね……目の前で見せた事もあったけど。でも、今のところ何にもない。何にもないのよ、わたしたち。]
　

氷室詩音

　
今度の任務……。
今回で何もなかったら、流石に無理かしら。
　
　
[小さくため息が溢れるというもの。
流石にそろそろ素直になろう……とは思っても、長年ツンツンし続けたツケが回って素直に言葉や態度に出すことができない。
上から目線や怒った態度が殆どなので呆れられているのかも。
このままでは本当にお家断絶。せめて、氷室家の血を残すために種は外注……なんて、考えたくもない。]
　
　
はあ……。
　
　
[集合場所には憂鬱な顔をしてる私がいたでしょうね。
そして皆の前ではつい、強気な顔になってしまうのよ。
　
高校時代、王子なんて言われてた癖が抜けないんだわ。]**
　

デクスター・ホワイト

［今回の任務>>#2の参加者から、ソワソワした空気を感じる事もあったかもしれない。


なんだろ？　皆、山奥の廃墟に興味深々なのかな？


等とズレた感想を抱いていた俺は。
もしかしたら皆知っていたかもしれない。
『婚約者同士の男女同室』>>#3　
には。一切気付いて居なかった。


夜は男子と枕投げかな〜？


等とアホな事を考えつつ。
それでも楽し気に旅行の準備をする姿は。
幼馴染の雪に、『どうしようもないヤツ』>>10と評されても仕方が無かったかもしれない。］

デクスター・ホワイト

［雪とは幼馴染で婚約者だけど。
ちょっとドキドキしたりしながらも、幼馴染から抜け出せないで居る俺はヘタレです。


いやだってさ。退魔士の祖父が、アメリカでゴーストバスターの家系のグランマに出会って。２人は恋に落ち、グランマが日本にやって来た。
当時、グランマの御年５０歳。お互い連れ合いを亡くした、シングルファザー＆マザー同士の恋だった。


そうして俺のママンも一緒に、日本に海を渡る事になった訳だが……
ママンを追い掛けて、アメリカから海を渡ったのが、ダディで。ダディはママンの幼馴染だった。
こうしてゴーストバスターズの家系が日本に根付いて。
名坂家とはご近所同士、仲良く退魔士として共に任務に当たったりしてたんだけど……］

デクスター・ホワイト

［夏に俺が生まれて、半年後に雪が生まれた。


ダディは確信したらしい。
『俺が惚れたんだから息子もこの子に惚れるに違いない。』


いや。どんな確信だよってツッコミたい。
一応。ママンは常識人ではあった？多分？から。
『息子が父親と同じ道を歩くとは限らない。むしろ超えていくもんでしょ。』と。父を嗜めたらしいが……。

退魔士の家系が、その能力を維持するため、退魔士同士で婚約する習わし自体は知っていたそうなので。
ダディが喜び勇んで名坂家に婚約の打診をするのを止めはしなかった。

なので俺と雪は、物心つく前からの婚約者で。
その関係性が変わる切欠なんて、そうそうありはしない。と。言うか。意識しちゃったら意識し過ぎてテンパルだろ？？？
そういうのを色々やらかして、今に至る。*］

五十嵐螢

―独り語り―

［幼い頃、僕の夢はヒーローになることだった。
仮面を被ってバイクに乗ってるのだって、仲間と協力して戦うのだって、変身するのだって、3分間しか戦えないのだって、何だって格好良く見えていた。
彼ら・彼女らは『みんなのために』戦っていた。
>>#0退魔士の家系だからいずれは僕もその内の一人になれると両親は教えてくれた。
でも、僕は『君のために』戦うヒーローになりたかった］

　『詩ちゃんはね、僕が守るんだよ、絶対だよ』

［小学校にあがる前に約束した言葉。
齢を重ねるごとに距離が離れてしまったけれど、そうなっても忘れることがなかった言葉。
僕はずっと君だけのヒーローになるために生きてきた］

五十嵐螢

［――そのはずだった。

　現実的に五十嵐家は代々符術を得手とする家系にある。
口伝と修練により身で覚える系の五十嵐流符術は攻撃能力皆無・防御能力本人の才能次第・バフ＆デバフ特化という代物だった。
つまりどちらかと言えば守るより守られながら戦うスタイルだった。
学園で幼馴染との距離は縮まったかのような、遠ざかったかのような微妙な状態で受けた適性検査で判明した事実に嘘だと叫びたかった。
家同士の取り決めとは言え、許嫁同士になって昔のように一緒に居られると喜んだのも束の間に約束を守れないと知った日は呆然としていて、寮に戻った後は悔しくて一晩中泣いて過ごした］

五十嵐螢

［翌日から諦められなかった僕は研鑽の日々を過ごした。
基礎・応用・専門と学び至った固有術式は諸手をあげて喜ぶべき守るための力だったが、そのためにまた少し避けられるようになった気がしている。

　五十嵐家の固有能力は番いとなった相手に依存する。
父親が和弓を操りガンガン行こうぜとデバフの矢を乱れ撃ちするのは祖母の能力が弓を使うものだからで、僕の母親の能力が変身して戦うものであることを考えれば自身の能力がどうなるかなんて気づくべきことだった。

　僕の能力は、幼馴染を変身させるものだった。
一番最初に使った時は幼い頃一緒に見ていた魔法少女もののような衣装にさせたっけ。
変身した時に毎回違う衣装になるのは僕がこの服似合いそうだなと心の内に留めていたものになってしまうからで、そこもギクシャクしているところかもしれない。
でも、際たるものは術式展開中は僕自身が彼女の衣装になっているという点だ。
僕は衣装となって守る術を手に入れた］

五十嵐螢

［――違う、そうじゃない。

　そう叫びたくなったが服に口はなかった。
実際、符は何らかの方法で飛ばして接触させて発動するのだが直接触れている状況なのでタイムラグなしにバフをかけ続けることが出来ている。
同時に僕の力も使えるようになるので都合二人分の出力で彼女は戦えており、彼女の攻撃にデバフを載せることも可能。
性能は至れり尽くせりなのだが密着していると言う点がイヤらしい。

　それに僕個人の問題として防御能力は本人の才能次第なところだ。
変身中は符を盾にし魔物の攻撃を凌いでいるが残念ながら僕に防御的才能はなかった。
よく攻撃を盾で受け止めきれないしそもそも回避は彼女に依存している。

　それでも僕は彼女を守りたい一心で衣装としてダメージを根性受けしている。
彼女が無傷ならそれでいい――］

五十嵐螢

　いちち……うう、本当に保健室の薬はよく効くなぁ。

［毎朝、鏡を見ては僕は本当に君のためのヒーローになれているか疑問に思う。
ペリペリとガーゼを剥がせば先日受けた傷痕は残ってはいない。
包帯を解いたその下も同様だ。
すぐ身体に浸透してよく効く！保健室の薬のお陰で怪我をしている姿を見られていないのは幸いなことだ。
見せたら心配してくれるだろうかと考えることもあるが悲しい顔をされるのも嫌なので黙っている］

　う、ん……動きはまだまだか。
　治るの外見だけだよね、よく効くけど。

［身体の内側に残るダメージによって動かし難い指先でよたよたとネクタイを結ぼうとするが上手に結べない。
服を着る時もより動かしにくい方の腕から着るからよれてしまう。
折角の旅行なのに、こんなだらしのない姿を見せたらどう思うだろうか。

　重いため息をつくととぼとぼとした足取りで集合地点に向かった**］

佐次詩羽

[幼馴染の「けーくん」はヒーローに憧れてたけど
かけっこだって木登りだって、あの頃アタシの方が得意だった。

近所の悪ガキと喧嘩して、
生傷作って帰って来るのだって、
どっちかと言うとアタシの方だったのに。

なのに、アイツ。]

『詩ちゃんはね、僕が守るんだよ、絶対だよ』>>22

[なーんて言うもんだから
アタシはちょっとびっくりして。

けど、その気持ちが何だか嬉しくて。
『おー！約束だな！』って満面の笑みを向けたっけな。]

佐次詩羽

[佐次の家は退魔士の中では古くからある有名な家で
所謂「名門」って言われる感じのヤツ。

そんな家に生まれたアタシは
当然ながら将来は退魔士で、
しかも末娘だから適齢期になったら
どっかの退魔士の家に嫁に行くことは
もうほぼ生まれた時から確定していたわけだ。

そんな時代錯誤な〜、とか思わんでもないけど、
なんせ生まれた時からこういう環境だし、
父さんも母さんもお見合い結婚だし、
まあ何とかなるだろ〜と割と楽観的に考えていた。

……まさかあの「けーくん」がそうだったなんて、
結構大きくなるまで知らされないまま。]

名坂雪

[さて、実験訓練ということで。
前もって指定された山奥の周り一帯、任務に必要と思えないほどの範囲まで地図やネットを駆使して確認しておく。
下調べは入念に、がモットーであり。
石橋は上から叩いて横から叩いて……タイプである。

その割にイマイチ堅実なイメージに結びつかない面もあり、]

　温泉宿の名前は、……忘れた。

[任務に直接関係ないとすっぽ抜けたり。]

　あっっ、同室とか別に言われてなかった！？
　わ、私、なに勘違いしてたの！？

　メンバーがメンバーだから、つい……あとこんな温泉地で有名な山奥でわざわざねぇ……うう、でもよかった、誰にも言わなくて。
　デッくんに部屋の話題ふらなくてよかったぁぁ……。

[盗み聞きも秘密裏に知らされてることもなく、同室と思い込んだのは早とちりで、1人大慌て劇場をしていたのだった。>>12*]

佐次詩羽

[小さい頃は一緒に魔法少女アニメ見たりヒーローごっこしたり
男女の垣根なく遊んでたのに、
小学校に入ってからは段々そうもいかなくなった。

「二人らぶらぶじゃん」とか「ちゅーした？ちゅー！」とか
ちょっとマセたクラスの子に揶揄われて……
アタシはまだ恋愛のレの字も分かっていなかったし、
けーくんはあくまで「親友」であってそんなつもりじゃなかったのに（向こうがどうかは知らないけど）

アイツは「男の子」で、アタシは「女の子」。

違う性別で、違う体をしてて、
その、男と女はちゅー…とか、するんだって……
意識すると何だか急にめっっちゃくちゃ恥ずかしくなってしまって……

それまでけーくんけーくん言ってたのに
「今日から五十嵐くんって呼ぶから。」とか言ったりして……
向こうはすごくショック受けてて若干罪悪感覚えたりしたけど……次第に疎遠になってしまった。]

佐次詩羽

[それでも何だかんだ腐れ縁で同じ小中を卒業し、
お互い退魔士養成として名高い瞑々学園に入り……
そしてその頃に許嫁だと言うことを親から知らされ
またひと悶着あったりしたんだけど……

今では何だかんだつかず離れずのクラスメイト…
という距離感に落ち着いている、……ハズ。

ハズなんだけど……
ひとつ言わせてほしい。

何なのアイツの能力！？！？！]

佐次詩羽

[佐次の家系に伝わる能力はずばり『声』だ。
念を乗せて発声することで声に退魔力が宿り
声の届く環境にある魔物を滅する、という能力。
そしてこの能力を使うにあたり尤も効率がいいのは歌うことだ。

なので基本的には前線よりも後ろに控え、
体力が切れるまで延々と歌い続ける感じになる。

そしてアイツの能力は、番となる相手…
つまりアタシにバフをかけるものらしい。
それはまあいい。むしろ有難いと言える。

問題は、そのバフ…アイツ自身が変身して
アタシの衣装（アーマー）になる、というもの。
いや何それ！？！？！

つまりすっぽんぽんの肌にアイツが密着しているということになるわけで……
誰にも見せたことのないアタシのあんなところやこんなところをくまなく触られているのにも等しいわけで……で……]

佐次詩羽

[ヤダー！！！
ヤダヤダヤダ！！絶対やだぁ〜〜〜！！！！

と、駄々をこねまくったが、
それで何が変わるわけでもなかった。
嗚呼この世は無情。

しかもこの能力、何かアイツの趣味だかなんだかが反映されてるらしくて、
毎度コスプレみたいなカッコで戦闘することになるワケ。
こっちの身にもなってほしい！！！バカ！！！

不可抗力らしいしアイツは悪くないっちゃ悪くないんだが、
ただでさえどんな顔していいかわからないのに
恥ずかしさからくる八つ当たりもあり、
接し方は更にぎこちないものになってしまっていた。

アタシ、自分で言うのも何だけど男女問わずフレンドリーな方なのに、アイツにだけは上手く接せずにいる。
……いや、別に嫌いなわけじゃないし……
ぎくしゃくしたいわけでもないんだけどさ………。]

佐次詩羽

うぅ〜〜……任務行きたくねえ〜〜……
今からでもバックレたい……

[そんなあれそれもあり、
目的地に向かう足取りは非常に重かった。

ボストンバッグを一旦宿に預け、
徒歩で集合場所であるビルへと向かう。

向こうは向こうで別の憂慮を抱いていることも>>26
この先に待ち受けていることも、アタシはまだ知らない。**]

名坂雪

――名坂家や能力のこと――

[名坂家は代々退魔士を輩出する家系だ。

結構古くから続く由緒ある家系らしい。
でも血統を繋ぐ意識はあるものの厳しすぎる掟があるわけではなく、しがらみはなくはないが生まれ育った人間としては意外と普通の家で。
身近な両親が大らかで跡継ぎの兄が自由人なせいもあるか。
婚約者は物心つく前に決められていたが、拒否権はあったし、何より相手が彼なので、反発心が湧いたこともなかった。

教科書に載ったり噂になるような退魔士はおらず、特に有名な家系ともいえないが、堅実でコツコツという感じで、この世界での信用度と確かな地盤はあるだろう。
一家相伝の退魔の術は特にない。
分かりやすく前衛タイプの能力は生まれにくく、罠を張ったり拘束技が得意だったり、補助的な役割を得意とすることが多かった。

代々の中でも使役の術は珍しかったようだ。
そのせいもあり自分の力をなかなか理解できなかった。
退魔士にとっては祓う対象の魔物。
じっと見つめれば目が合った感覚があって、いつしか話しかけていて――気が遠くなる感覚と時間、冷や汗が流れ――いつの間にかそばにいて、なぜか懐いたようにして言うことを聞いてくれている、と。
能力に気づいた時にはホッとしたものだった。

病弱な自分、魔物との距離感が家族の誰とも違う自分を心配してくれていた皆の反応は様々ながらこちらを想ってくれるもので……幼馴染の反応は。**]

デクスター・ホワイト

［雪からメッセージが届いた。>>14>>15］


も〜〜〜。なんでこんなこっぱずかしい事覚えてるかなぁ。


［思わず頭を抱えてしまいそうになるのは、この記憶が黒歴史とも結びついてるからだ。

小さい頃。俺は雪を『雪ちゃん』と呼んでいた。
当時は身体が弱かった雪を外に連れ出したり。
グランマとママンの拘りが詰まった庭の温室で。
雨の日に２人で絵本を読んで過ごしたり。
そんな日々が当たり前で……

風邪をひかせて良く怒られていた。
それでも懲りずに雪ちゃんをお外に連れ出してた。］

デクスター・ホワイト

［小学校低学年でも。それは特に変わらず。
二人は普通に仲良しで。
子どもが素直に気になった事を先生に二人で声を揃えて言ってみた。


幼い二人の高い声がぴったり重なったのを覚えてる。
その後クラスが楽し気な笑い声に包まれたのも。


その後、その質問が俺たちの学年でちょっとしたブームになった。
最初は良かったんだ。でも。なんか。中学年くらいで。
俺が雪ちゃんに、雪ちゃんって呼ぶのを、男子に揶揄われて。それが無性に恥ずかしくてテンパっちゃって。雪ちゃんが婚約者なのもな〜んにも隠さないで周りに言ってたから合わせて揶揄われちゃって。
意識し過ぎて『名坂さん』とか呼ぶようになった。

しばらく一人で勝手に凹んでたけど。思春期がそろそろ始まる男子です。揶揄われるのやだったんだもん。］

デクスター・ホワイト

［それがもう１回変化したのが、中学校の時。
相変わらず俺は名坂さんって呼んでたけど、地元の公立の中学に通ってたから、小学校からの顔見知りが大半で。俺達が婚約者だって事は周知の事実だった。

女子と違って男子が色恋に目覚めるのは少し遅い。
でも中学くらいになると、ませた男子だっていっぱい出てくる。
男子が名坂さんの噂話をしてるのを聞いちゃって。
その男子が名坂さんに話しかけようとしてたから……］

デクスター・ホワイト

雪！！


今日。家で手伝いする日。


［思わず。テンパって声をあげてた。
自分の言葉に気付いてからじわじわ恥ずかしくなって。
顔が赤くなる気がしたんだけど自分では見えない。
でも俺は肌が白くて目立ちやすいから……
多分。バレバレだったんじゃないだろうか。

心臓バクバクさせながら。とりあえず必死で走り出さないように廊下を早足で立ち去ったのを覚えてる。］

デクスター・ホワイト

［そんなテンパりまくりの俺ですが。
一応呼び名は『雪』で定着させた。
それ以上ですか？何か変化があったかですか？？？

最初に言ったじゃないですか。俺はヘタレなんです。
なんで。温泉宿が同室なんて知ったら、動揺して任務どころではなかっただろうから……
知らなくて良かったね。知ってたらそれどころじゃなかったね。］

デクスター・ホワイト

［さて。メッセージのお返事に。］


『じゃあ。俺はバナナ持ってく。』

『バナナで釘が打てるかな？』


［２１歳男子は相変わらずアホな返事を返してました。**］

デクスター・ホワイト

［雪の能力を知った時は。］


え？！わー！！すげー！！！魔物と友達になれんの？！

かっけーーーー！！！！


［と。瞳をキラキラさせていた俺の部屋には、ドラゴンに包まれて眠れるでっかいソファがあります。
それ以来。時折、雪からその子譲ってとか言われる事があったようななかったような。俺も随分雪が好きそうな魔物が分かるようになってきて。

『この子使役する？』と。バットを止めて尋ねたりするようになった。**］

市川夢助

[俺と詩音が婚約者になったのは中学の頃だったか。

氷室の家は市川よりは少しだが由緒も古く、格上だ。
そんな事は退魔の家でなければ関係のないことだが、しかし一般の中高生でも詩音の家がかなりの良家である事は知られていた。
それに、何しろ詩音は背も高いし見目もいい。佇まいも気品があると思う。王子とか呼ばれて後輩の女子にモテるのも納得だ。

そんな詩音が婚約者である事を、もちろん俺だって悪く思うわけはなかったのだけれど、中学の頃はお互い接し方はまだよくわかっていなかったし、それに俺が婚約者と知って俺に向けられる後輩の女子達からの視線はそこそこ厳しかったと言わざるを得ない。
そういえば、男嫌いとかいう噂もあったな。]

市川夢助

[なかなか上手く関係を築けないうちに、高校に上がるとそのうちに詩音との距離はなかなか縮まらないまま、関係も少し変わってきた。

普段面と向かって話すとなかなかきつい言葉も飛んでくるし、喧嘩腰に見えることもあり、そうなれば俺も波風を立てたくもないから大人しく引くのが常のこと。
その割に、一緒に出かけたりしたときには腕に胸を押しつけてきたり、休憩といって示された先がどう見てもホテルだったり…

けれど、素直に取るにはやっぱり普段が普段だから、挑発されているのか揶揄われているのか、試されているのか…そんな事ばかり考えてしまう。]

市川夢助

[というかな！！
ギリもギリのミニスカートのサンタコスや水着の写真を送られたり、あまつさえ水着姿を目の前で見せられて何も感じないと思っているのだろうか、あいつ。

俺がその都度どのくらい下半身の生理的な変化がバレないように気をもんでいるか考えたこともないのだろう。
後から一人で悶々としてその気持ちの処理に患っているのかも。
そうなると顔を見るだけで気まずさを感じて、必要以上に平静を装い、何も思ってないようについ振舞ってしまう事もしばしばだ。]

市川夢助

[別に婚約者なのだから、その手のことは結婚してからなんて拘りがあるわけではない。もう少しは親密にする方が普通だとも思う。

けれど、俺が詩音に感じているものは今から普通に婚約者同士として仲良くするには少し複雑なものもあり、何かきっかけ一つで決壊したら、押し倒しでもしてそのまま思うまま全てをぶつけて、本人も意図しないような形でひどく傷つけてしまいそうでもあり…

そんな思いをふつふつと持て余したまま、任務の当日を迎えることになっただろう*]

五十嵐螢

［昔から幼馴染の「詩ちゃん」は元気な子だった。
男勝りだとかよく言われていたけれど僕にとっては守りたい存在だった。
運動能力は彼女の方が上だったけれど真摯に伝えた想いに応えるように>>27向けられた笑みの快活さに改めて惚れた。

　家柄で言えば五十嵐も佐次と同じ古い家系で同格の相手。
加えて両親たちも仲が良かったものだから>>28二人が同じ年に生まれた時に人生の半分は決まっていたらしい。
僕は>>29唐突に途絶えていった関係が戻るのだと瞑々学園入学時に許嫁の話を聞かされた時にとても喜んだくらいだ。
だって「けーくん」が「五十嵐くん」に退化した。
その日の夜は枕をべとべとに濡らすくらいだった］

　『ぼ、ぼくは詩ちゃんって呼ぶから……』

［せめてもの抵抗に言葉を発した時は既に涙目だったかもしれない］

五十嵐螢

［詩ちゃんの能力は『歌』だと僕は認識している。
『声』を雄叫びなどではなく歌うことで使っているのだ。
昔から歌うのが好きだったっけと思い出を懐かしんだものだ。

　その『歌声』を僕は強化する。
相性的にはとても良いと言えるだろう。
あとは僕が前衛系で彼女を守れる能力なら言うことはなかったが、自分で言うのも何だけど>>33駄々をこねられるだけで良かった。
彼女に着られる身としては僕の方は嬉しいのだけれど、着る方は衣装が許嫁とは言え男だったら嫌なのだろう。
でも駄々こねる彼女が可愛かったのもまた事実だ。
そんな感じで微妙な距離感になっているのも僕の憂鬱の原因だった。

　ところで五十嵐の家と佐次の家はとてもご近所で小さい頃は家を出るとすぐに彼女と会えていた。
互いの家に呼びに行くとか特になかったけれど自然にだ。
種明かしをされれば学校に行くときとかよく母親に家を出るタイミングをコントロールされていたらしい。
彼女が家を出るに合わせて僕も家を出るから自然と毎日登下校を一緒にして――］

五十嵐螢

　……あ、詩ちゃん。待って、一緒に行こ。

［>>34習慣が身についたのか今でも僕は彼女とよく一緒になる。
欲を言えば行きしなも一緒が良かったけれど世は無情だ。
僕の方は荷物は宅急便で送ったので宿のお部屋に運ばれているだろうから最初から目的地一直線だったのにこうしてすぐに出会えるのは運命ではないかと心を躍らせることが出来ない心境なのも辛い。

　はにかみながら隣に並び話しかけていく］

　あの、さ……今日も、よろしくね？

［手を繋いで歩きたいな、でも嫌がるよねと程々の距離を保ちながら歩いて行く。
>>#2目的地は廃ビルだったかと配布された旅のしおりを眺めるが終わったら温泉に入れるらしい］

　温泉、楽しみだね？
　どんなお宿なのかな。

［話しかけてはいくがどこまで答えてくれるだろう。
心配していることは任務ではなく彼女のことばかりだ**］

名坂雪

[メッセージを送ったばかりのスマホ画面を見つめる。
送信先の幼馴染の名前は“デックス”だ。

途切れない関係性の中で呼び方は変化してきた。
ふっと思い出して、名前の文字を指でなぞる。

物心つく頃からの定番は、“デクスターくん”
小学生の中頃だったか、デックスという響きもカッコいいねって、“デックスくん”と変えてみたら、向こうは急に苗字呼びをしてきたのだ。>>37
運命の悪戯というべきタイミングの合い方で。
今なら彼の状況を想像できるけれど、思春期や早くも色恋に目覚めた友人たちよりぼんやりしていた自分はよく分からなくてビックリしてたっけ。
――それくらい実は、幼馴染にべったりだったから。
ひとりでしばらく頭を抱えつつ、デックスくんと呼ぶ期間は短く、デクスターくんというずっと親しんできた呼び名に戻した。
デックスくん呼びが復活したのは、中学生の頃、今度は急に雪！なんて変えてきたしばらく後のことだった。>>37>>38

あの時の幼馴染の顔は真っ赤だった。
我にかえってそそくさ帰り支度をしながら、指先がなぜか震えてて、耳の端が熱くてたまらなかった。

その日から、折に触れ、
雪という響きで熱を生むのが幼馴染だった。
遅れた色恋の開花も引き連れて。]

名坂雪

[いつしか暗くなっていた画面が点灯する。>>41]

　バナナ凍るほど寒いところなの？
　まさか、その場でバットに釘打って武器作るつもり？

[もわもわ想像してみた。吹き出した。]

　『氷系の力ってバナナにも効くのかな……。』

[急にバナナの凍結を頼まれても困惑ものに違いない。
力の無駄遣いもいいところで、完全に冗談だった。]

　『荷物の中でつぶさないようにね。
　私の分も頼んだ。』

[任務前の栄養補給は大事である。
ただでさえ体力がないから気をつけているのだ。

そんなこんなで旅立ち前日は終わっていく。**]

市川夢助

ー集合場所ー

[俺自身は身なりにはそこまで頓着はしていない。髪が少々ボサボサだったり寝癖がついている事も、まあ…朝が慌ただしければなくもない。
そんなだから男の一泊となれば荷物なんて最低限でも良さそうなものだが、そうはいかないとわざわざ実家から来た目付の爺に着替えやら荷物をしっかりチェックのうえ持たされたのは、泊まりがけの任務に詩音が一緒だからだろう。

わかってる。卒業も近いからな。
待ち合わせ場所で見つけた詩音は>>18いつも通りぱりっとしていたと思うが、心なしか憂鬱そうにも見えた。]

　……よお。詩音。よろしくな。
　そんな難しい任務でもないらしいけどさ。
　気を抜かずに行こうぜ。

[声をかけにくい雰囲気にも見えたが、さすがに挨拶はきちんとしておくのが筋だろう。それは心がけている事だ。その後の会話がどう転ぶかはまた別の話かもしれないが**]

佐次詩羽

[「けーくん」は昔から大人しくて泣き虫で
元気に走っていくアタシの後ろをついて来る感じだったから
「親友」って言うよりも傍目には
「子分」って感じに見えてたかもしれない。

その癖妙に頑固なとこもあって、
アタシが「五十嵐くんって呼ぶ」って宣言した時は
涙目になりながらも譲らなかったから
「勝手にしろ」って折れたんだっけな。

小学生からそんなこんなで思春期を迎えて
微妙な関係になったアタシたちだったけど、
時々家の集まりで顔を合わせる仲は続き
アタシだってそれなりに心も体も成長していって。

瞑々学園でクラスメイトになった時には
「異性だと過剰に意識してぎくしゃく」みたいなのは薄れていた。]

佐次詩羽

[だってアイツ子供のころからあんまり変わんないんだもん。
相変わらず気弱そうだし、
背だってひーちゃん（※氷室ちゃん）より低いし…。

なんかイマイチ男、って感じじゃない。
だからなんていうか、これならまたトモダチとして
普通に仲良くなることもできるかな、って思ったんだよな。

……だってのに。
許嫁…はまだいいけど、あの能力……。
こどもの頃と変わらず見えても、
異性であることに変わりはなくて。
アタシの恥じらいを煽るには十分だった。

結果微妙な距離感は継続中である。]

佐次詩羽

……あ。

[今まさに考えていた相手に呼び止められて立ち止まる。>>49
なんでか昔から、妙に登下校のタイミングが一緒になることが多いのだ。
それが五十嵐家の画策だとは知らないけど。

会ってしまった以上、無視するわけにも行かない。
気まずさを覚えながら隣を並んで歩く。]

んー……　……　ヨロシク。

[生返事しながらはにかむのをちらりと見て、またすぐに視線を戻した。何がそんなに嬉しいのかはわかんないけど…]

あー、さっきちらっと寄った時見た感じだと
古いけど結構いい宿っぽかったよ。
母さん情報だとご飯が美味いんだってさ。

[などと話しながら道を行く。**]

氷室詩音

　
[だってどこかに一緒に出かけるのに適当な相手って、やっぱり夢助になるわけで。
休憩だってとりたかったわ。
ホテルのスイートタイムって書いてあったもの。休憩しながらアフターヌーンティーが頂けるなんて素敵じゃない？
なのに断られて、別にお金の事なんて気にしないのに……。
残念なんて思いたくないけど、残念なのは本音だった。
誘われたり奢られたりは嫌なのかしら？
確かに家格が少しうちの方が上とは言え、私は嫁入りする立場。
氷室の家自体は姉が継いでいるから大丈夫。とは言え、まだ子供ができてないから、万が一の時には──なんて話もある。私が二人産んで、一人は氷室の家にってね。
姉たちも仲が良いから大丈夫だとは思うし、逆に言えば私が子を成せなかった場合は──その場合、市川家は誰が継ぐのかしらね？
　
分かってる。私が悪い。素直になれない。
でも、素直になりたくて誘惑してみたって反応がアレじゃあ、虚しくもなってくる。
　
もし今回何もなかったなら私は──。]
　

氷室詩音

　
ー　集合場所　ー
　
あら、夢助。
仕方がないからサポートしてあげるから感謝しなさい？
私が壁役をするんだから特に何もないに決まってるじゃない。
　
　
[腕組みしながらフン、と鼻を鳴らす。
事実、私のサポートがあるし難しい任務でも無いのだから問題は無いはず。
ちなみに私の荷物は小さめのスーツケースに入っている。女は荷物が多いものよ、これでも大分少なくまとめたもの。
　
──それにしても、今回の参加者は皆が婚約者と共に参加している。
だから大丈夫だとは思うけれど。
みんな、私より小柄で女の子らしい子たちなのよね……。
夢助は私に靡かないから、彼女たちの方が好みだったりするのかしら？
……なんて気づくと少しイラッとしてしまう。
けど彼女たちに罪はないわね。
私に靡かない夢助が悪いのよ。
まあ、今はそれはともかく。]

氷室詩音

　
……それにしても、公共交通機関で行かなくちゃいけないのね。
何か理由があるのかしら。
出来れば車で向かいたかったのに……。
　
　
[公共の交通機関なんて、普段使わない。
いつも家から車で送り迎えされてるもの。
だから眉を寄せつつ小さく不満を漏らしたわ。
とにかく、今回のことは無事に終わらせなくちゃいけない。
それでいて、
できれば、
どうにか、]
　

氷室詩音

　
　
(──少しでも私の魅力に気づけば良いのに。)
　
　

氷室詩音

　
[ふ、とそんな不安が頭をよぎって。
私はまた小さくため息をついた。]*
　

デクスター・ホワイト

［俺も大概アホな返事をした自覚があるが。
雪はさらに斜め上に飛び越して来た。>>51］


『氷系の能力で！釘打ちが可能に！！！』


［そう言えば夢助と氷室さんって氷系だよね？
え？これは真面目にバナナで釘を打つチャンス？？？

真剣に可能性を検証しながらも。
流石にバットに釘を打ち付ける発想は無かった。
メッセージにも書かれて無いから辿り着けなかった。
残念ながら俺に念話系能力は無い。

しかしもしも聞いていたなら。
釘バットを想像した後吹き出して。
本気で夢助や氷室さんにバナナを凍らせて欲しいとお願いしに行ってしまったかおしれない。
（尚鞄に釘は入って居ない）］

デクスター・ホワイト

［まあ。そうこうしながらも荷造りは進んで。］


『りょーかい。その代わりお菓子を要求する。』

『おやすみ。また明日。』


［そう。メッセージを送ってから。
荷物を色々と詰めた。まあ。色々。
雪は魔物を使役する時。体調を崩す事がある。>>35
俺は雪の能力はかっけーと思うし、止める気はさらさらないけど。風邪ひいたり、寝込んだりしてんのは、普通に心配だしね。
だから湯たんぽやら。グランマ特製ジンジャーティーやら。ママンが編んでたセーターやら色々。

バナナで釘は打てないかもしれないけど。
冬の山は寒いからさ。
普通に寒いと体調崩しやすくなるしね。
ちっちゃい頃も、冬は雪は風邪ひきやすかった。］

デクスター・ホワイト

［そうして翌朝。俺はスーツケースの上にスポーツバッグとバットの入ったケースを乗っけて。
大荷物で集合場所に辿り着いた。］


はよーっす！今日はよろしくな〜。


［参加者に軽く挨拶して。
のんびり周りを見渡していた。**］

市川夢助

ー集合場所ー

[詩音のいつも通りの上から目線>>57にふっとため息一つ。まあ、少なくともこれについては悪気がないのはもうわかる。むしろこのぐらいの方が詩音らしいと落ち着くところだ。遊びに出た先で急にラブホに誘われるよりは、こちらも遥かに対応にも慣れている。]

　はいはい。もちろん壁役としてあてにしてるとも。

[俺は一度に多量の弾は用意できないから、雑魚とは言え多数の魔物が相手だと、どうしても合間合間にチャージの時間が必要になる。同じ氷だからという以上に詩音の氷の壁は大事なものだ。]

名坂雪

　しまった、可能性に気づかせてしまったか。

[くすくす笑いながらその後も違う会話を続けたりして。
また明日、おやすみ、と〆たのが昨日の話。>>61
寝坊しないようにね、とはこっそり口で言っておこう。

念話系能力がもしあったなら。
そもそもバナナと釘を結びつけたのはそっちでしょ！とツッコミをしていたに違いない。
凍ったバナナでDIYする幼馴染は案外似合うけれど。
……おかしいな、お互い二十歳過ぎてるんですが。
なおチョコのボールの箱は多めに詰めておいた。


当日の朝。集合場所。>>62

タートルネックのカシミヤセーターにシンプルな黒のパンツ、淡いベージュのダウンコートに分厚いマフラー。後ポンポン付きニット帽。
学園内での姿より大分カジュアルな装いでやって来る。
山奥の廃ビル、ロングスカートのわけにはいかない。
あと絶対冷えるから予防しなければ。すでに寒い。]

市川夢助

[そうだな、任務の方は多分問題ないだろう。願わくば、俺のほうが少し不調気味であることには気づかれたくないものだが。ましてその原因についてをや。
当然、詩音が俺に対して内心少しばかりイラついていそうだとは察しても、その本当の原因にも気づくわけはない。
人の婚約者なんかに目移りするもんかよ。むしろ、そうならもう少し調子も良かっただろう]

車って…詩音の送り迎えにきてるあれか？
おいおい…この先の山奥にあんなもん乗り付けられるかよ。
頼むぜ、ホント。

[最初に出かけたときの事を思い出しながらため息をつくが…こういうところから喧嘩になったりしてもつまらない。憎まれ口は慎んでおこう。
…なお、うちもそれなりの家ではあるが、俺は爺に色々教わったり悪い友人もいたりで、詩音よりは世慣れしているはずだ。…多分。]

市川夢助

（それにしても）

[泊まりがけで一緒に行動することになる婚約者>>58の横顔を見て思う。
こうして見ても綺麗になったよな。俺にはもったいないと思う。

本当に俺に愛想を尽かして他のやつと結ばれた方が良かったりしないだろうか。そんなことすら考えたこともあるが、さすがに口に出すことはない。

少なくとも、この任務は何事もなく終わればいい。
そうでなければ、ふと何かのきっかけで俺は自分の中の醜い部分をさらけ出してしまったりするかもしれない。

今は魔物よりその方がずっと恐い*]

名坂雪

[小振りのキャリーケースを引いて。
コロコロ車輪の音と、カラコロかすかな音がする。]

　おはよう、デッくん。

[幼馴染>>63の背の高さはよく目立つ。
見つけたら、歩く速度を上げて手を振った。

現地まではみんなで移動だったかどうか。
他のメンバーもいるなら同様に挨拶をしたことだろう。

普段なら、幼馴染とはいえ常にそばに居ようとすることはなく、彼には彼の、自分には自分の友人関係があるから、こういう時自然と別行動もする。
しかし今回はそれぞれ婚約者同士のペア。
特に隠されていなければ把握しあってるだろうから。
いつもより詩音と詩羽の様子を見て、ふむふむとしてから、ちらりと幼馴染を見上げてからにこりと笑った。

いっぱいふたりで話す時間ありそうだねぇ、と。*]

五十嵐螢

［小さい頃は>>53僕は詩ちゃんの子分かよと揶揄われたことがあった。
ずっと後ろをついて回っていたからそう見えたのかもしれないが彼女は物心ついたときには隣にいて、一番最初の友達で、親友で、それ以上に大切な人だった。
呼び方を変えると言われた日は距離感が出来た感じがして悲しかったけれど最終的には彼女が折れてくれたから優しさを感じた。
笑顔で『うん、勝手にするね、詩ちゃん』と言ったが多分最後まで僕は折れなかったからだろう。

　背は小さくて>>54なよなよしているが心は鋼。
だって背は父親も母親も祖父も祖母もみんな低いから仕方ないじゃない。
氷室さんを見上げることになったって遺伝だもの。
努力ではどうにもならないこともあるとそこは早々に諦めた。

　男っぽくなくても僕は僕で、僕のヒロインはずっと彼女しかいない。
家の集まりで詩ちゃんと仲良くやっているかと問われるとしどろもどろに答えるしかなかったが、母親からはそういう時期もあると教えられていて女の子は男の子が守るものらしい。
――とその後に続く父親との惚気話を幼い頃から耳にタコができるくらい聞き続けてきたので距離感は恐らく僕の変わらぬ接し方と彼女の心の距離感が生み出しているものなのだろう］

五十嵐螢

　うん、よろしくね。

［>>55一瞬間があったけれど社交辞令でもそう言ってくれるのは嬉しい。
僕は一緒に居られるだけで嬉しいから顔を見れるだけで嬉しかったりする］

　そうなんだ、作りが古い方が温泉宿って感じがする。
　ホテルになってる温泉もあるけど、木造が良いんだよ。
　僕のお母さんの話だと温泉は滋養強壮作用があって、
　お肌もつるつるになるんだって。
　ご飯も美味しいなら楽しみだね。

［お風呂上りは卓球とかするのかなとぽややんと考えながら道を進んでいけば>>63今度はみんなと合流できたろう］

五十嵐螢

　お、おはよ、みんな。
　みんな大荷物だね？

［荷物を持ったまま行くのかな。
視線を各々の手荷物に向ける一方僕が持っているのは符を入れたケースだけだ。
それもホルダーにつけて身体の各所にセットしてあるから上着の下であるから見た目は手ぶら。

　試験＜温泉旅行の図がここに見て取れて面白い。
作戦とかはあるのかなと視線を向けていこう］

　近くの廃ビルだよね？
　すぐにいく？

［打ち合わせの話よりもお互いのペア相手への圧の方が多いだろうか**］

氷室詩音

あら、それならヘリを出せば良いのかしら？
でも近くまでなら車で乗りつけるのも可能でなくて？
　
　
[富士山だって何号目かまでは車で行くことができるはず。
そんなものでは無いの？と首を傾げたけれどまあ…公共交通機関も勉強の一つよね。
社会科見学の時に乗ったきりだけど、その時はその不愉快さに腹が立ったものだわ。
時間帯のせいかぎゅうぎゅう詰めにされて、匂いも酷かったし荒い呼吸とかもう思い出すだけで悍ましいったら！
今日は流石にそんなことないだろうけれど…。
　
思い出してまた眉間に皺を寄せる。
けど、他の参加者でもあるホワイト>>63の声に軽く視線を向けた。]
　

氷室詩音

　
おはよう。ホワイトくん、それに名坂さん。
　
　
[それに五十嵐と佐次の姿もあったかしら？
居たなら彼らにも軽く挨拶する。
いつもなら彼女たちと交流もするのだけれど今回はそれぞれが婚約者たちと参加している。
だからその間に入るのも悪いだろう。
その後に公共交通機関に乗ったところで女子と男子に分かれるのも……と、一応は夢助と近くにいる事にしたけれど。
　
──視線を逸らして車窓の外を眺めていたのは、過去の嫌な経験を思い出したくなかったから。
ツン、と取り澄ましたようになってしまったのは、ただそれだけなのだけど。]
　

氷室詩音

　
──荷物は預けてから行きたいわね。
それとも、他の皆は戦いの道具が入っていたりするのかしら？
　
　
[これは、公共交通機関から降りて宿の近くでの話だったと思うわ。
五十嵐の言葉>>71を受けていたから、こんな荷物持って移動は嫌とはっきり示す。
　
まあ道中はそれぞれで他の話題が上がったかもしれないけれど。]*
　

市川夢助

　いやヘリって。遭難者の救助じゃねえんだぞ。
　どうやって降りるんだよパラシュートかよ。

　大体詩音のとこの車にこんな山道走らせられるかよ。

[本気で言ってるのか？と最初は思ったもんだが、詩音の場合ガチで本気で言ってるから恐ろしいんだよな。確かにヘリぐらいチャーターできそうではあるが。社会科見学がもし中学以降の話だったら、不愉快そうにしている姿も俺は見た事はあっただろう。

この際だし、社会勉強だと思ってもらおう…なんて偉そうな事を言えるほど俺も世間慣れしているわけではない。こんな一泊の遠出にまで荷物の準備に爺の手を煩わせたぐらいだからな。別に頼んでなかったとはいえ、そこは少し自分を省みた。]
　

市川夢助

[集合場所で待っていれば、他の参加者もやってくる。
どうやら全員婚約者同士という事らしい。
俺も婚約者がいる身なわけで、女子に自分から話しかけに行くことはそうそうないわけだが。特に雪とデクスターは今日も随分仲良さそうだし。婚約者同士というよりは、まさに幼馴染といった感が強いが。

結局は、俺は詩音と一緒に乗って過ごすことになるだろう。
詩音はなんだか窓の外を眺めて過ごしていた>>73から、俺も口数は少なだった。沈黙が気まずくないならいい関係だと聞いた事はあるが、これはそういうものとはやっぱり違うのだろう。

いつもより寡黙だなと横顔を見たが、つんとした様子はいつも通りで、何を考えているのかは読み解けず。俺の事を苦手にしている、とも取れそうな雰囲気にも見えなくはなかった。]

佐次詩羽

[アタシがアイツに対して男を感じないって
思ってるのと同様かそれ以上に
向こうもアタシを女として見てるとは
あんまり思っていなかった。

いやま〜見た目は童顔で小さくて胸もあって
黙ってりゃ清楚で可愛らしい感じに見えるらしいから、
なんか勘違いしたヤツが時々告白して来るんだよな。
んでこの中身を知るとすげえ残念そうな顔をされる。遺憾の意。
いやどっちみち付き合う気無いし別にいいんだけど。

まさかヒロインはアタシしかいないなんて、
そんな風に思われているとは
今も昔も知る由もなくて。]

デクスター・ホワイト

［耳に馴染んだ声がして。>>68
振り返ったら雪が居た。ぬくぬくだな。>>65］


はよ〜！雪。


［ちょっとだけ足早になってる。わ。かわ……
ちょっと心臓が飛び跳ねつつ。
平気な素振りを頑張って。

こっちを見上げながら笑いかけてくる雪に。
『ん。』と短く返事をする。
恰好だけならぬくそうなのに。
ちょっと縮こまってる？寒い？？］

デクスター・ホワイト

［鞄のポケットからカイロを取り出してピリッと破った。
ちょっと考えてから。２個。］


ほい。ポッケに入れとくと良いよ。
左右両方。貼るタイプも持ってるけど。
ま。公共交通機関の中は暖房もついてるだろうし。

宿に荷物置いてトイレとか借りる時にでも？


［差し出して。受け取ってもらえれば。
行こっか。って。皆の方に向かって歩き出した。*］

佐次詩羽

ま〜確かに言わんとすることは分かる。
風情があるよなー、木造の温泉宿って。

へえ〜、んじゃこんな年末に働かされるんだし
しっかり回復して帰んないと。
ん。夕飯何出るのか楽しみ。

[他愛ない話をしながら道を歩けば
程なくして集合場所だ。>>70
皆もう既に集まっていただろうか？

もう既に着ていたなら大きく手を振るし
そうでないなら二人で暫し待つことになる。]

市川夢助

　…そうだな。
　俺らはともかく女子は荷物も多いだろうし。
　
　宿に預けてからでいいだろ。

[宿近くで五十嵐が>>71口を開いたら、詩音に同調する形で口を添える。
さすがに野郎だけでなんとかなると思うほど現地の魔物をナメるつもりはなかったが、だからこそ余分な荷物は置いて万全の状態で挑みたかった。

ちなみに俺の方はアウトドア用のブルゾンに下がデニム、着替えと清拭や身支度の用具を入れたボストンバッグと貴重品を入れたサイドバッグ程度。

宿に荷物さえ預ければ、すぐにでも現場に向かう事はできるだろう*]

デクスター・ホワイト

［蛍>>71に、よって手を挙げて。
ちょっとだけ動作を見たけど何も言わなかった。
自分は毎日バットを振ってるから。
筋肉や身体の動きに違和感があればなんとなく分かる。


でもな！かっこつけたいのが男の子だよな！！！


心の中でサムズアップしてから。］

デクスター・ホワイト

［歩いて行けば。昨夜脳内で話題になった氷室さんと夢助を発見した。>>73］


おはよ〜。氷室さん。夢助。


ん〜？俺はすぐ出発で良いよ？


［蛍にはそう答えて。
俺は別に雪が女友達と会話するの全然構わないんだけど……。今回は婚約者同士一緒に座る感じ？？>>73
雪と隣で座る事になったなら。俺は普通にバナナを差し出した。大丈夫だ。ひと房持ってきたから、釘を打ちたくなったらまだバナナはある！！］

デクスター・ホワイト

［栄養補給と会話をしながら。
宿に着けば、氷室さんの提案には素直に頷いただろう。>>74


俺はバットさえあれば良い。


つまり他の荷物は全てお気楽旅行用なので。
預けてしまうに越したことはない。
宿に預ける前に、張るカイロを雪に差し出して。
なんなら皆にも他に必要な人居る？って聞いたくらい。**］

市川夢助

―閑話―

　バナナを凍らせて……釘？？？？

[もしデクスターにお願いされた>>61ら、きっと頭に疑問符を浮かべながら頼まれごとを復唱したに違いない。
小学校の理科の実験かよ！！という心の声はさすがに内側に封じておいた。]

　いや、別に構わんけどさ。
　バナナ程度のサイズだろ？

　……凍結どころか凍りすぎて粉々になったら悪いから先に謝っとくな。

[何しろ普段は魔物相手に使う力だからな。
それでもよければ、とほれ、と手を差し出してバナナを受け取ろうとした事だろう*]
　

佐次詩羽

[ちなみにアタシはもう宿に荷物を預けて来てるので
持ってるのは小さめのリュックだけ。
中には身の回りのあれそれとのど飴、あと水筒が入ってる。
なんせ喉を酷使するからな、枯らさないようにしないと。
文字通り生命線ってワケ。]

うーさぶ。
早く片付けて帰りたい〜〜。

今回の同行者はクラスメイトの男女、アタシらいれて6人。
ひーちゃんといっちー、雪ちんと白くんがそれぞれ婚約者…だったっけ？合ってる？
ちなみにあだ名はアタシが勝手につけました。（白くんはホワイトだから）

ともあれ準備が整うまでは皆を待つはずだ。**]

名坂雪

[幼馴染>>79からカイロを受けとる。
なんとなく片手と片手でひとつずつ、合わせてふたつ。]

　わっ、ありがと。

[準備いいなぁ。さすが。
言われたとおりにコートの左右のポケットに仕舞う。
少ししたら温もりが伝わってくるだろう。]

　うん、いこ。

[横に並んで歩き出す。

移動の間は基本的に彼のそばにいるつもり。
この選択は周りへの気遣いのせいってだけでもない。
席に座ったら景色を眺めたり、流石に暑くなって茹だったり、つついてから紙の地図を広げてあの山は〜あの変な建物は〜と言い合おうとしたり。
カイロのお礼に、手のひらにチョコも転がそう。

隣同士の席、隣同士の立ち位置。
こちらから触れ合うほど近くは寄らないけれど。]

名坂雪

　出た、バナナ。
　
[公共交通機関の中だろうが現れた。>>83
これもありがたく受け取ったけれど、ごめんデッくん、さすがにこの場で食べ始める度胸はないので大事にしまっておいた。
2本どころか一房持って来るのも予想の範囲内。
多めに見えた荷物の原因はこれもあったらしい。]

名坂雪

[ちなみに。詩音へはちょくちょく視線をやっていた。
さっきはいつもみたいに挨拶してくれた彼女。>>73
おはよう、詩音ちゃんって。返してから。
公共交通機関に慣れてなさそうだなって過ぎって。

自分はといえば、公立の小中に通い、私立の女子高もバスと電車を乗り継いでいたから満員電車以外はお茶の子さいさい。
困ったりしないかなってお節介の視線だったけれど、近くにはしっかり市川の姿>>76があり、2人の雰囲気まではしっかり読み取れないまでも……。

程よいタイミングでチョコのお裾分けには行ったかも。
そんなこんなで、山奥へと。]

五十嵐螢

［>>77その勘違いして告白してきた奴はその後大体連続的に不幸の連鎖に陥ることになる。
それはそうだ、がるるるると僕が威嚇してるのに奪おうとするのだもの。
運気にデバフがかかって然るべきだというのが僕の持論だ。
こんなに可愛いのにコレジャナイ顔は許せないと眼鏡が染まり切っている］

　そうだよね、いつもならクリスマス会してるもんね。
　ケーキにサンタさんのプレゼントに……。

［五十嵐家と佐次家合同のクリスマス会がありいつもなら年末は大体両家族で一緒に過ごしている頃合いだ。
温かい部屋で美味しいご飯を食べてる頃合いだ。
お父サンタとお母サンタもノリノリなのが五十嵐家である。
年間行事は大体合同なので正月やお花見やらも大体一緒だが今年は学園行事で放牧された形だ］

　うん、早く終わらせたいよね。
　温泉楽しみだし、夕飯はお宿なら刺身とか？
　ジビエなお鍋とか焼き物、天麩羅もいいな。

五十嵐螢

　あ、詩ちゃんこれよかったらどう？

［>>86ポッケから毛糸で編んだクリスマス仕様のネックウォーマーを取り出す。
基本赤色で編んでいき時々白で縁取りや星やらの模様を入れている僕の手作りのものを差し出した。
喉冷やすと良くないからね］

五十嵐螢

　僕らはもう荷物預けてるから？
　あ、僕は配達してもらったからお宿かな。
　一度戻る？

［>>74氷室さんも>>81市川くんも荷物置きに戻る派らしい。
それはそうだ、荷物持ったまま戦えるわけがないので持っている荷物は旅行用品だとわかる。

　>>82ディックは快活に手を挙げてくれるので手を挙げて返した。
背も高くて見た目からしてヒーローって感じで羨ましい。
でも武器がバットでヤンキーみたいなところも感じる。
退魔士は本当に各々独自の戦い方がある一例みたいな人だ。
お前が言うなと言われそうではあるが>>83すぐ出発派ではあるみたい］

　えっと……じゃあ荷物預けてきてから行くってことで。

［え、バナナで戦う？
そんなこと聞いた日には僕は頭の中に浮かんだ疑問符を隠すこともなく表に出すだろう。

　名坂さんも荷物があるなら戻る派だろうしむしろもう預けてきた気の早い勢が僕たちの方らしい］

五十嵐螢

［栄養補給してるし僕も何か食べようかなとポッケから続いて一口羊羹を取り出した。
個包装されてるし指先くらいのサイズだから持ち運び便利で食べやすいのが便利なところだ。
ゴミは袋に入れておくとして寒いと甘味が美味しいよねともぐもぐして待つことにしよう**］

名坂雪

　私も荷物預けておきたいな。

[誰にともなく賛成して、キャリーケースを宿に置く。
しっかりした作りのバッグを斜めがけに、中に大事な道具――革の装丁の本があることを3回確認した。
本には簡単に開かないよう留め具が付けられている。

貼るカイロ>>84はどこに貼るのがいいかな？
一旦コートを脱いで背中にしようと悪戦苦闘したりがあってから、任務は早めに始めて終わらせるに限ると出発に頷くのだろう。]


　チョコいらない？

[開始前には詩羽と五十嵐にも勧めてみる。
この箱は金銀どっちの当たりも出なかったけれど。

あ、ピーナッツって喉に引っかかることあるかも。
ということで、この2人にはいちご味を選ぶ。

バナナはビニールに入れて一応カバンに。一応ね。**]

氷室詩音

　
[一応パラシュート降下訓練は受けてるわよ。>>75
なんて返事をしたものの、私たちの会話は少なくなっていった。
昔馴染みの二人だけど、私たちはきっと他の参加者たちほど仲が良くないと思う。
それは私の僻みだったのかしら。
お出かけに誘う頻度も高校の時がピークで、瞑々学園に入学してからは頻度が落ちていった。
それは、忙しいからではなくて諦観があったから。
どうして良いのかわからなくなったのもある。
寮で男子が居た時には不潔、なんて思う事もあったけど、──ここってそれが暗黙の了解でもあるのよね。
つまり、それだけ経験を積んだ男女が多いはずで。
それは、血筋を保つためにも推奨されていることの筈で。
でも、私はまだキスすらしていないのよ。
　
婚約者がいても、……何もしてもらえないんだもの。]
　

氷室詩音

　
[荷物を部屋に預けて、少しだけ荷物を広げる。
今回は夢助と同じ部屋に寝泊まりするのよね。
流石にそれは初めての試みで、もしそれでどうにも何もなかったら流石の私も心が折れてしまうのではないかしら。
それでも、家同士で決めた婚約をどうにかしようとは思えない。
いえ、いっそ振られる前に、裏切られる前にこちらから切った方が傷は浅いかしら。
『あなたなんて大嫌い。』とか。
……嘘でも言いたくないものね。
　
それにしても部屋に露天風呂までついているのね。
よほど、瞑々学園と保護者たちは子孫繁栄に力を割いているのではないかしら。
でも、私たちは……。]
　

氷室詩音

　
風情のある良い部屋ね。
露天風呂もあるし、任務が終わったら一緒に入りましょうか？
　
　
[窓の向こう側を眺めながらいつもの調子。
ふふん、と笑って見せてはスーツケースの中身をある程度出して、着替えはひとまとめにした。
下着だけは、中身の見えない袋に入れて重ねておく。
そしてふっと息を吐いて。]
　

氷室詩音

　
後でお互いマッサージしましょうよ。
これから山奥に行ったら脚がパンパンになりそうだわ。
　
　
[退魔士として鍛えてないわけではないけれど。
普段から送り迎えのある身としては、山道を歩くのはなれてない方であるのも事実。
普段使いのローションのボトルも並べて、荷物の準備は完成。
任務のことを考えて初めからパンツスタイル。
ホワイトはカイロを提供しようとしてくれたけど>>84それは軽く辞退しておいた。寒さには強い方だし、能力から衣服での寒さ対策は出来ている。カイロまで使うと、私の場合暑くなりすぎるきらいがあるのよね。
コートを羽織り手袋をポケットに入れて。
わざとそれをしないのには理由はあるけれど…。
何も問題なければ合流して、任務に向かいましょうか。]**
　

デクスター・ホワイト

［え？もしかして移動ってバスだったりする？？
グリーン車や特急電車で並んで座ってるのかと勘違いして普通にバナナ食べてたわ。恥じぃね。


残念ながら任務では使い慣れない武器は使えないから。
バナナで釘を打てるかの実験は、任務を終えて宿に帰ってからになるだろう。


その時は、夢助>>85を頼ったかもしれないし。
蛍の困惑した顔>>92はもう少しお預けだったかも。］

デクスター・ホワイト

［そんなこんなで山奥の廃ビル］


ヒュ〜♪


廃墟って良いよな！なんか独特の雰囲気あってさ。
マジで色々出そう。ワクワクしてきた〜♪


［背中からバットを取り出して。
広いスペースで思いっきりフルスイングしてみた。
うん。身体もイメージ通り動く。今日も良い調子。］

デクスター・ホワイト

［婚約者のペアは、さっき、佐次さん>>86が話してくれてたペアで間違いないと思う。少なくとも俺んとこは間違いない。なんで。こくりと頷いた。］


今日、どうやってゴーズト退治すんの？


そのペアでやんのかな？　それとも皆で？

一応俺は雪とは戦い慣れてっけど……


［そういや。佐次さんが蛍を纏って歌ってる姿って、クラスメイトは見た事あるんだろうか？
見たことがあるなら。かっけー！！と。素直に感動しただろう。バトルスーツ纏って歌声で敵倒すとかかっこいいよね！浪漫だよね！！］

デクスター・ホワイト

［皆を見回して意見を聞いてから。
隣に立ってる雪を見て、にこっと笑った。**］
　

佐次詩羽

[ちなみに告白には決まって
「悪い、無理！！！」と一刀両断（バッサリ）である。
アタシが恋愛とかよく分からんのを抜きにしても、
そもそも結婚相手ももう決まってる訳だしなあ。

ちなみに告白してきた奴はそれ以後暫く
財布を落としたり急な雨に降られたり小指を箪笥のカドにぶつけたりと
散々だったらしいんだけどそこまではアタシの知る所ではない。
まさに踏んだり蹴ったりである。>>90]

佐次詩羽

ホントだよ。
まあもうサンタって年じゃないけどさー。
そんな話してるとチキン食いたくなってきた〜。
さすがに宿にはないよなあ。

[そう、五十嵐家と佐次家のクリスマスは
毎年合同で行われるのがお決まりだ。
ちなみに年明け後は年明け後で
一緒に新年会して初詣とか行く。

佐次の名を継ぐ上のねーちゃん（婿がいる）や
もう嫁に出てる下のねーちゃんも一緒。
二人とももう母親で、その子供たちも交えるから結構大所帯だ。

最近はそんなねーちゃんズに
「ウタ〜、アンタはクリスマス婚約者と過ごさないわけ〜？」
「今しかないわよ〜二人で過ごせるのなんて〜。子供出来たらなかなか…」
とかつっつかれたりし……いや、まあ、この話はいいや。]

佐次詩羽

露天風呂もあるんだっけ？楽しみだよな。
刺身に鍋や天ぷらかぁ〜、
チキンじゃないけどそれはそれで全然ありだな。
うーん腹減ってきた！

[温泉はごく当たり前のように女子たちと一緒に入って
皆でワイワイ飯を食う、そんな想像をしていた。ら。]

……ん？

[懐から螢が何かを取り出す。>>91
おお…なんか手編みっぽいクリスマスカラーなそれは……]

佐次詩羽

マフラー…？じゃない、ネックウォーマーか。
なに、アタシにくれんの？
クリスマスプレゼント？ありがと。

[どうやらアタシのために態々用意してくれたようで。
せっかくなので有難く受け取ることにする。]

まあお返しとかなんも用意してないんだけど…
け…五十嵐くん欲しいもんとかある？

[ぎこちない関係とは言え、いやむしろだからこそ
貰ってばっかじゃなんか悪い。
今ならリクエスト聞くぞと尋ねてみたり]

佐次詩羽

[さて、皆が荷物を預けてくるのなら
アタシは行っといでって言って
水筒に入れてるホット蜂蜜生姜レモンティー飲みながら
螢とそこで待機していた…と思う。
だってまた往復すんのめんどいし。

どこかで雪ちんがチョコくれるらしいので>>94]

いる〜！
じゃあ雪ちんにはのど飴あげる〜。
梅と蜂蜜あるけどどっちがいい？

[なんて物々交換したりした。
ともあれ準備が整えば皆と一緒に
廃ビルへと赴くことになるだろう。]

佐次詩羽

[あ、ちなみにクラスメイト達は実習訓練の時とかに
螢装備アタシは多分何度か見たことある…んじゃないかな。>>101

一番最初はフリフリピンクな魔法少女姿だったけど、
螢の気分とかその時考えてる内容によって毎回変わる。>>24
実際変わってみるまで今回は何になるのかアタシにも分からんと言うのが困り所だ。
いらなすぎるサプライズ精神。

カッケー！とピュアに目を輝かせる白くんを前に
アタシはバッカお前他人事だと思ってと
すんごく複雑そうな顔をしたであろう。>>101
いや分かるよ？？そのロマンは分かるけど、
螢自身を着ていると言うのが問題であって。
あとシンプルにめっちゃ恥ずかしいからね。

とは言え螢の能力はアタシ専用の装備みたいなもの。
幸か不幸か螢を纏うことによってアタシの強さは格段に上がる。
故に纏わずに戦うという選択肢はなく、必然的にペアになる。
多分今回もそうなるんだろうな…。
はあ……願わくばあんまり変な衣装じゃありませんように……。**]

宿の女将 静子

学生さんたちの旅行かしらね。
いいわねえ、私にもあんな頃があったわ。

名坂雪

[大丈夫、大丈夫。>>99
特急電車もバスもありそうだけれど、幼馴染がバナナを食べたそうな時は窓際に座らせ、それとなく紙の地図を大きめに開いたから。
他の乗客からはほとんど気付かれなかったんじゃないかな。
バナナはそんなに匂いもしないし、食べかすも落ちないし、手早く食べちゃう分には全く問題ないと思う。

横目でちらっと伺って。
気持ちいいくらいの食べっぷりだなーとか。
こんなに背が高くなって、もっと伸びるのかな？とか。
座ってるとやっぱり見上げやすいな、と考えたり。

ほら、チョコも食べなよ、とその後で。
バナナとチョコは王道で正義な合わせ技なのだ。

特別なことのない移動時間は穏やかなもの。
不思議な心の奥底のそわそわを抱えながら、隣の気配、暖かさに少し眠くなっていた。]

名坂雪

[さてさて、廃ビル到着のあとの話。

バット片手のいつもの幼馴染。>>100
おーおー絶好調のようでなにより。
色々出そうって、なに。つまり、なにが？？？
想像しかけて寒さとは違う震えが出たので首を振った。
祓えないものは怖いのである。]

　私はどんなやり方でもいけるよ。
　みんなに合わせる。

[幼馴染>>101に続けて。

あ、詩羽と五十嵐は必然的にペア行動だろうか。
ふたりの戦い方は見たことがある。

――昔、自分にも言ってくれたように。
幼馴染はカッコいい！！という声をあげていた>>101けれど……確かに分からんでもないしコッソリ浪漫に拳を握りかけたけれど……詩羽の複雑そのものな表情>>108がなくても、ね？
その恥ずかしさは想像できるもので。
幼馴染の素直な反応を止めはしないが、詩羽ちゃん思うことがあればいつでも聞くよ、と後で伝えた一幕があったとか。]

五十嵐螢

　うん、要る。
　お返しに羊羹どう？

［>>94名坂さんがチョコをくれるらしいので一口羊羹と交換を申し出る。
チョコはイチゴ味のようできっと甘酸っぱい味わいなのだろう。
お返しの羊羹は粒粒のない滑らかな味わいなので食べやすい。

　>>99結局移動が何であったかはともかく道中もてんやわんやしていたのだろうことはわかる。
この集団、既に賑やかしい。
作戦前でも緊張感をあまり感じないかもしれない］


　僕は何歳でもサンタ居てもいいと思うよ。
　ほら、北欧の国に実際にサンタ組合みたいなのあるし。
　チキンは宿で出るかはわからないけど、
　戻ったらチキン食べに行こう？

［>>104お出かけお出かけと約束を申し出る。
学園に入ってからは誘えそうな時はそうしている。
それまではそんな雰囲気ではなかったのでその分も取り戻したい］

五十嵐螢

　そうだよ、クリスマスプレゼント。
　お手製なんだ、頑張ったよ。
　欲しいもの……。

［真っすぐに僕は詩ちゃんを見つめて、それから他の２ペアの方を見て少ししてから再び視線を詩ちゃんへと戻して小首を傾げた］

　……呼び方？

［今欲しいのは昔みたいに呼んでほしいなという気持ち。
どうかな、無理かなと口にしてからちらちらと視線を送る］

五十嵐螢

［――廃ビルに到着する。

　バットで戦うスタイルのディックに>>111サポートの名坂さん。
　氷結タッグの市川くんに氷室さん。
　僕と詩ちゃんはいつも通り>>108変身予定である］

　えと……作戦としては、ペアごとに別れる？
　一緒に突っ込む？

［指を一本一本と二本立てる。
まずはそこの選択で変わる］

　一緒にの場合は市川くん氷室さんコンビが
　正面入り口以外氷で塞いで、
　詩ちゃんの範囲攻撃で廃ビルごと攻撃して、
　ディックと名坂さんで入口から突入して残ったのを撃破とか？

［逃げ場をなくして範囲攻撃して唯一の出口から出てくるのを倒すという身も蓋もない作戦を提案して、指を一本付け足す］

五十嵐螢

　ペアの場合は、縦割りとか横割りで分担かな。

［横割りで階層で分けるのが楽かなと提案して］

　僕の案はいじょうー。
　他のやり方があったらそれでもオッケーだよ。

［もたつく手付きでケースに入れてある符を取り出していきながら準備をしておこう**］

佐次詩羽

―　回想・雪ちんと　―

佐次詩羽

…そーいや雪ちんと白くんも幼馴染で婚約者なんだよね。
それってさ〜、自然と受け入れられた？

[退魔士同士で婚約者がいるのはよくあることだ。
二人の関係とかそういうのまではよく知らないけど、
でもなんだろ、なんて言うか、……
アタシ、ちょっと羨ましいなって思う。

なんか二人の空気感ってナチュラルなんだよなー。
このまま年食って夫婦として一緒に並んでるのが
自然に想像つく感じ、って言うかさ、分かる？？？]

……アタシさー、よく分かんなくてさ。恋とかそういうの。
アタシの中でけー…五十嵐くんって、
こどもの頃のまんまで止まってんの。
男とか女って感じじゃないの。

なのに婚約とか言われてもさあ……。

佐次詩羽

別に婚約者だからって恋しなきゃいけないわけじゃないけど
でも子供作るために結婚するわけじゃん。
それって……その……フツーは恋人がするようなこと、するわけじゃん？

そういうこと考えるとなんか…
どう接していいのかわかんなくってさ…。

[泣き虫で何だかちょっと頼りない、
子供のころから知ってるトモダチ。
螢は螢で、ずっとそうだったし、今も正直そうとしか思えない。
なのにちゅー？はぐ？もっとすっごいこと？
そんなん全然想像できないし、想像しようとすると脳がバグりそう。

なのにアイツの能力を身に纏って感じる抵抗感や羞恥が
否応なく性差を意識させる。
それがちぐはぐで、なんだかアタシの気持ちだけ
置いてけぼりにされてるみたいで、びびってしまう。

螢の方が現状をどう思ってるのかもイマイチよくわかんないし…
まあ慕われてるんだろうなってことは端々から感じるけどさ。]

佐次詩羽

アイツが婚約者じゃなかったら…
男とか女とか考えることもなく、
もっと自然に親友のままでいられたのかな……。

[なんか変にぎくしゃくするようなこともなくて。
こどものころみたいに、ずーっと一番の仲良しで居られたなら良かったな、って。

婚約者の心など露知らず、
ぽつりと呟いた、そんな日があったのだった。**]

佐次詩羽

いやリアルサンタのことは知らんけどさ。
え、んー……　ケンタ奢ってくれんなら行く。

[さらっと誘われてちょっと戸惑った後に頷いた>>112
こちらの葛藤を知ってか知らずか
螢はちょくちょくあそこ食べに行こうとか
何か食べにいこうだとか誘ってくる。
ちなみにＯＫ率は3回に1回くらい。

興味ある所なら（あと奢ってくれるなら）
割とホイホイ釣られていく。
そこ、食い意地張ってるとか言わない。]

へえー、綺麗に編むね。相変わらず器用だなあ。
アタシこういうのは全然だわ〜……

[感心しつつ欲しいものを尋ねれば螢がこちらを見て、少し間が空く。
返ってきた答えは、]

佐次詩羽

　え、　　

[ちょっと予想外のもので、一瞬呆けた。
後にむむ、と眉を寄せる。

呼び方……呼び方か……いやまあ確かに学園に入った後も
皆のことはあだ名で呼ぶのに、何となく螢だけ
五十嵐くんのままになってたんだよな。
我ながら他人行儀だなって自覚もあったけど、
突っ込まれないのをいいことに有耶無耶にしていたつもりだった。
だめだった。はい。]

…………　んー………　じゃあ、けーくん………？

[ああ、久しぶりにそう呼ぶけど、
やっぱりこっちのがしっくりくるなとは思う。アタシも。
おず、と口にして反応を窺い。]

佐次詩羽

[そんなこんなありつつ廃ビルに到着。
魔物がいっぱい巣食ってるらしいし気を引き締めないとね。
螢が真面目に提案してるのをふむふむと聞き。>>114]

皆で一緒に攻める方が
自分の担当のことだけやってりゃいいから楽そう？
アタシはどっちでもい〜。

[アタシ作戦とかそういうのは全然ダメなので、
頭脳担当に任せる。喉の準備は万端だぜ！**]

デクスター・ホワイト

[あれ？雪って景色見たがってなかったっけ？>>87
ふと、疑問が過りつつ、バナナ食べるのをさり気なく隠してくれた。>>110
でも自分は食べないらしいよ？
なるべく雪が窓の外を見やすいように背もたれにもたれて。
チョコボールを頬張った。]



今まで何回、当たったんだっけ？
今回は何箱持って来たの？？


出るといいね。金のエンゼル。
食べるのは任せろ〜。手伝うよ？

チョコうまい。ありがと。



［のんびりとチョコを頬張りながら、バナナとチョコの相性は最強。とか話しながら。並んで景色眺めてれば。]

デクスター・ホワイト

[雪がぽやぽやしてるから。>>110]


眠かったら寝ててもいーよ？


ああ、雪窓側じゃないから……
良かったら寄りかかってもいいし。

これから体力使うんだから、ゆっくり休んどきな。


[特に雪の力は消耗が激しいからね。
そんなことを告げて。
多分実際寄りかかられたら、絶対テンパって心臓煩いんだけどね。*]

デクスター・ホワイト

[廃ビルね。廃ビル。うん。蛍の作戦を分かったような顔で頷きながら聴きながら。
佐次さんの発言にパッと目を開いて頷いた。>>122]


うん。俺も作戦は頭良い担当に任せるけど。
皆んなの戦闘スタイル見るのも好きだし、皆んなで突入に１票入れとく。


[ちょっと脳筋なのと。今回の衣装と歌が気になったとかあるよ？
氷室さんはカイロ断ってたから、熱源が邪魔なら、言ってくれたら分散するよ程度かな。臨機応変に柔軟に行き当たりばったりします！*]

デクスター・ホワイト

[ところで……
色々は色々ですよ。ね？>>111

アメリカ人はゾンビ好きだけど、残念ながら俺は見た目も血筋も完璧アメリカ人だけど、日本生まれの日本育ちで、英語も碌に喋れないんだな〜。
だってグランマもダディもママンも当然祖父も。家では日本語しか話さないんだもん。
よく英語の授業やらで質問されたけど、俺はお前らと変わらんっつーの。と、追い返してた。むしろ教えてもらってました。

日本のゲームや漫画は好きだよ。バイオハザードは、窓ガラス突き破って来る犬が一番怖かったと思います。

そんなことを考えながら。雪にはちょっぴり悪戯にニヤッと笑っておいた。**]

市川夢助

[パラシュート降下の訓練受けてるのか、マジかよすげえな、なんて感心したりしても、俺達の間の距離が他の婚約者達と比べても少し開きがちなのは否めない。

前はそうでもなかったはずだ。俺だって詩音をリードしようという気持ちもあったし、出かけに誘いもした。手ぐらいは繋いだこともあったんじゃないかと思う。
それがこの通りだ。

他の連中を見ていると、このままではさすがに本当に結婚した後になってまずいとも思う反面、どうしたらいいか自分でもわかりかねるというのもある。

なんていうか、詩音の出方は極端というかなんというか。
いっそ冗談がわからない振りをして本気で乗ってやろうかと思う事もありつつそれもできずにいたのは、俺の煮え切らなさもあるだろう。ヘタレと言われても甘んじて受けるしかない。

けどさ。…本当にわからないんだよな、詩音が俺の事をどう思ってるのか。前に一度、それでも「お前さあ、俺の事なんだと思ってんだよ」と尋ねたときもあったと思うが…もっといい尋ね方があるだろ、ということに気がついた時には言ってしまった後だったか。]

市川夢助

ー現在ー

[二人して宿に荷物を広げる…といっても、俺が荷物を置くのは隅の方だ。婚約者同士で同室。つまり、完全にお膳立てされてるということぐらいは、さすがに俺でもわかる。]

　そうだな。結構いい部屋だ……

[市川邸は庭付きの典型的な日本家屋だ。自宅の庭も結構丹念に手入れはされているのだが、さすがに宿から見える景色には負ける。これで何の気兼ねもなく過ごせれば言うことないのだが…と思っていたところ、飛んできたいつもの調子に>>97ふうっと息をついた。いつもながら、なぜもっと段階を刻まないんだこいつ。これ以上俺の雑念を増やすんじゃない。

さすがに間には受けられん。いや、いっそ「構わないぞ、夕食の前にするか？」とよっぽど返してやりたい気持ちにも駆られたが、多分その返しは良くないんだよな。]

市川夢助

　はいはい。…言ってろ。

[あまり煩悩に身を巻かれないうちに、なんとか平静を装ったままで露天風呂への誘いは常通りいなしたが、とは言えさすがにこの状態で少しも進展なしというのはお互いにも家の事を考えてもまずかろうという気持ちは俺にもある。
詩音からもう一つ提案があったのは>>98その時だったろう。]

　…けどまあ。マッサージってのは悪くないかもな。　
　いい提案だ。

[仕事柄ストレッチなんかには心得もある。それなら湯上がりの後にでもゆっくり時間を過ごすにはいいんじゃないだろうか。いい提案の後、詩音にしては、という一言を口に上らせることなく、こちらも防寒の準備は十分に整えて一緒に部屋を出た。

ちなみに俺の方は素手だ。手袋なんかつけてたら仕事にならないし。]
　

市川夢助

ー廃ビルー

[目的の場所に全員到着すれば、デクスターから>>101突入プランについて質問があった。螢からはビルごと一網打尽にする>>114ような提案もあったが]

　それぞれバディで組むのはまあ前提として…
　お互い連絡さえ取り合えるようにしとけば、階層分けでも全員で当たってもまあ差し障りはないだろ。
　ただ、ビルの扉を正面以外全部凍結ってのは詩音はともかく俺には少し厳しいからな。それでもいいか？

[と伝えておこう。詩音と二人がやりやすいのは本当だ。関係があまりうまくいっていないとしても、本業にそんな事情を持ち込むことはない。

俺の方がここのところ少し調子が良くない、なんてことは間違ってもこの場で口にはしないが**]

名坂雪

[詩羽からもらった蜂蜜のど飴>>107と五十嵐からもらった一口羊羹>>112。
ありがとうと笑顔で受け取らせてもらった。
物々交換により新たな甘味が集まったのを、幼馴染に見て見てと視線だけで自慢しておく。
羊羹なら半分あげられそうだけれど。

とりあえず、まずはバナナ。]

　うん、あまい。良いブランドのだ。

[廃ビルに到着して開始までのいつの間にか。
ただひとりを除いて気付かれないうちに、もぐもぐと栄養補給をすませていた。
幼馴染にはバレても問題ない。
ごちそうさま、とちゃんと皮は袋の中へ。]

名坂雪

[カバンから皮表紙の本を取り出す。
留め具はまだ外さない、内容は当然把握しているから。

ページにそれぞれ描かれている複雑な魔法陣。
そしてひとつひとつに違う魔物が封印されている。

みんなで固まって戦うならあの子。
デッくんとなら、少し迷ってから頭の中で決めておく。

回り込んで通せんぼするのと。
バットで狙いやすいようその場に拘束できるのと。
阿吽の呼吸の幼馴染なら、こっちの動きは予想できているだろうが、どの魔物を使役するかはその時その時だ。

あっちは結構力を使うからなぁ。
とりあえず最初は控えめに、消耗を抑えようか。
みんなもいるし。計画性は大事。

胸元に本を当てて細く長く息を吐く。吸う。深呼吸。
実戦の前の恒例儀式のようなもの。]

名坂雪

[五十嵐>>114の作戦提案には。
頭の中で色々想定してから、いいね、と頷く。
それぞれ個々の能力とペアになっての効果の広がりを考えられた、とても素敵な作戦だと思ったから。
ただ、それぞれの反応と。
引率のいない実習での、魔物の力を想定して。]

　選ぶなら横割りでペアごと分担派かな。
　みんなで一斉にも反対ではない。それもとってもアリ。

[幼馴染>>125の気持ちも伝わってるけれど。
言いたいことは市川>>130と似てそう？]

　そう大きなビルでもないし、今は電波も入ってる。
　もしスマホが使えなくて何かあったら魔物を飛ばすよ。

[あ、もちろん使役してる子だよ。敵じゃないよ。
詩羽の声は届きそうだし、氷は何かと音がしそうだし。
戦闘が難航していたら分かるかなって。

早く終わった階のペアは助っ人に行くなり、声援を飛ば……勉強のため見学に行くなりしたら良いんじゃないかな、と付け加えて挙手しつつ。**]

佐次詩羽

[螢の提案に続々と反応が返る。
うん、白くんはアタシ（脳筋）側よな。知ってるぜ。>>125
いっちーと雪ちんは横割り派っぽいけど
それにもちゃんと根拠があるようだ。>>130>>133]

いっちーたちに負担かかりそうなら横割りする？
平等っちゃ平等だし。なんとかなるなーる。

[二人がアタシ的に頭の良い人区分なのもあり、
ほなそうかあ〜と、あっさり納得するアタシだ。
衣装が気になると言う白くんの
リクエストには応えられないかもしれんが
歌は違う階に居ても聞こえる…んじゃないかな。多分。*]

五十嵐螢

　じゃあ横割りにしとく？
　卒業したら一緒に戦うこともないもんね。
　各々、……ペア同士で戦う方が練習にもなるかな。

［思い出ファイトもいいけれどより実戦的なのはそちらになるかと横割り派の意見にも納得したように頷く。
お相手と仲良くしたい気持ち僕はとてもよくわかる。

　後は氷室さんの案次第だけれど――］

　パッと見て三階建てだし各々一階ずつってことで。
　地下があったら早いもの順かな？

［山奥に高層のビルなんてないよね。
高いと風が強いし大変そうだし地盤問題もあるから精々それくらいぽい。
ゲームだと地下室があるけどここにもあるかは不明なところ。
横割り時、みんな何階を担当したいかはどうだろう**］

佐次詩羽

[卒業したら一緒に戦うこともないって
改めて言われると少し寂しい気がするな。
まあ事実そうなんだろうけどさ。>>135

あとはひーちゃんの意見次第だけど
横割りで纏まりそーな気配も感じる。]

そんならアタシは二階かな。
上下に声が届きやすそうだから。

[まあさすがに他の階のやつを滅するのはむずいかもだけど、
魔物にデバフくらいはかかるんじゃないかなって期待。

ここで長々作戦会議してるより
さっさと片付けて宿に戻りたいアタシは
さくっとそう切り出すのだった。**]

氷室詩音

　
『お前さあ、俺の事なんだと思ってんだよ』
　
　
[そう尋ねられた時。>>127
私はぎくりと身をこわばらせていた。だって、怒られた気がしたから。だって、──それでも引くことができなかったから。]
　

氷室詩音

　
あなたにそう言われるだなんてね。
あなたこそ、私の事何とも思ってないくせに。
　
　
[そう言ってツンと取り澄ましたけれど。
足早にその場を去って、一人枕を濡らしたのは誰にも言えない事だわ。
だって、何も思ってないから何も反応しないんでしょう？
中学時代から考えれば、もうすぐ二桁の年月を重ねる婚約期間。
なんで、何もないの。
なんで、苦しくなるばかりなの。
なんで、──うまく行かないの。
可愛らしい女の子になれないの。
嫌われることばかりしてしまうの。
どうしたら。
　
そんな気持ちは、誰にも言えないまま。]
　

氷室詩音

　
[そんな過去を抱えたまま、現在。
露天風呂に入るのは流されてしまってムッとしたけれど。>>129
でも、マッサージは良い提案と言われると少しだけ気持ちが温かくなった。
表情が微かに緩むのを感じる。
そっか。それなら良いのね。
でも。
昔の私ならこう思った。]
　

氷室詩音

　
　
(お互いの体を弄っていたらその後は自然とSEXしたりするわよね？
　
　

氷室詩音

　
[──でも、今はそれも思わなくなってしまった。
良い提案と受け入れてもらえただけでも気分は悪くない。けど、知ってる。それは、私のことを何も思わないからこそ、触れることができるしだからこそ何も発展しないものなの。
そういうものなの。私と夢助の関係は。
だから、私はほんの少しだけ笑みを浮かべたけど、すぐに期待を封印する。
　
　
──封印した分、頑張らなければならないのよ。私は。]*
　

氷室詩音

ー廃ビルー

市川夢助

―現在―

[とりあえず全員の意見は出そろったという所か。
詩音の意見も聞いて、一つ頷く。]

そうだな。詩音が１階で封鎖して俺が入口で殲滅。
俺はそれで異論はない。

[詩羽と螢は守備範囲は広いがいかんせんニコイチだからな。
2階というのも納得だ。下に追い込んでくれれば、一度に大量の雑魚が向かってこない限り何とかなる…と思う。

詩音とはプライベートで馬の合わない事もあるが、こと仕事に関しては、少なくとも俺の方はそんな事を気にした事はない。詩音が守り、俺が攻める。実際かみ合っていると思う。
…願わくば今日はあの嫌なスランプが出なければいいのだが。]

市川夢助

　構わないならそれでいいぜ…　　っと。

[ふと顔を上げ、廃ビルの奥の方、虚空の闇に向けて人差し指と中指の間に冷気を凝縮させ、氷のダーツを作り出す。投げると虚空に飛んでいき、奥の方で何かが凝結し、砕ける音と断末魔が小さく聞こえた。]

　こんな感じで。いつでも。

[平静を保てばどうってことはない。
そうだな、仮に、本当に仮にだけど詩音が任務中に変な事を言いだしたり、
何か気が散るような事がなければ、多分*]

市川夢助

[『俺の事、何だと思ってんだよ』って、そんな聞き方>>137が良くなかったのは自分でもわかっている。

本当は、『俺の事、本当はどう思ってるんだ？』って、そんな感じで聞きたかったのだ。
詩音はあんな感じだが、正直に言えば俺の方もあまり言えた義理ではない。

愛想よく、活発に、溌溂と。
俺が辞書ならそんな言葉はいくら改訂してもきっと載らない。
詩音に、なんとも思っていない>>138と言われたときに、
本当は何か適当にでも言葉を継ぐべきだったのに、]

　……ああ、そうかよ。

[としか言えなかった。多分詩音と俺の間でが明確に嚙み合わなくなったのはその頃だったからかもしれない。]

市川夢助

[けどさ、…言えねえだろ。
男嫌いだって噂はあるし、それもあながち根拠ない話でもなさそうで、
俺はその理由も知らずに。

そんな詩音の事を俺がどんな目で見て、
どんな思いを抱いているかって言えば、その中に
多少とも下世話なものも入り込んでこないわけはない。
言ったら詩音は当然嫌悪するだろうが、俺自身も自分に辟易するくらいで。

体つきが女らしくなってきてからはなおさら。
変に煽られるようになってからは輪をかけて。
それを意識しないように努めた結果、本業の方まで本調子とは言えなくて。

いっそ何とも思わないようになった方が楽なのかと思ったりもして……

わかってるよ。全部ぶっちゃけて素直に言えばいいんだろ。
それができれば何も苦労はない*]

五十嵐螢

廃ビル

五十嵐螢

［ところで僕は今、とてもわかりやすく浮足立っていた。
>>121詩ちゃんに名前で呼ばれた辺りからとてもわかりやすくそわそわしていた。
名前で呼んでくれただけで嬉しくて仕方がない。
防寒着を着ていても寒気は寒いがハートはとても温かだ。

　ところで>>120ケンタくらいならいくらでも奢る。
OK率33.3％、KO率66.6％だがKO率のほとんどは最初の頃に築き上げたもので最近は傾向と対策ができてきたのでOK率は上がってきている。
詩ちゃんが興味ありそうなところで僕が奢れるところというのがまた塩梅が難しいけれども］

　あの白いバケツみたいなやつでしょ？
　中にいっぱいチキンが入ってるやつ。

［ケンタはあれだよねとクリスマスシーズンで欲しくなるやつを挙げてみる］

　編み物は詩ちゃんのために練習したんだ。
　へへ、器用かな。

［そんなやりとりが出来るようになる程度に距離が縮まってきたと感じられる］

五十嵐螢

　それじゃあ詩ちゃん、『変身』しよっか。
　寒いし早く終わらせようね。

［僕は詩ちゃんへと手を差し伸べる。
最初は手を取られなくても遠隔でやってたのにいつのまにか手を繋いだ方が変身が早く終わると言って手を繋げてもらうようにしてきた。

　今日も詩ちゃんが手を取れば変身のプロセスが開始する。
僕は目蓋を閉じ感覚に身を委ねた］

　退魔装具、起動！

　汝が歌声よ、拡声せよ！

　我は詩姫を守る鎧となろう！

［ケースに納めていた全ての符が一枚一枚高速で射出されていき詩ちゃんと僕の周囲の中空に浮かび陣を描く。
陣は謎の虹色に光りながら中心へ向けて狭まっていき、僕もまた符と化していく。
虹色に光る符は詩ちゃんの身体に張り付き全身を包み込んでいく］

五十嵐螢

［初変身当初は存在しなかった機能として今はシャンシャンシャンとクリスマスなBGMも流れ始めていく。
BGMに合わせながら詩ちゃんの全身が虹色に包まれ身体のフォルムはぼかしながら次第に衣装の形に成っていく。
衣装の形が整えば虹色の発光は爪先や指先から身体の芯に向けて収まっていった。

　脚には赤色に雪を模した白いもこもこがたくさんついたブーツ。
下半身はデニール値の高い黒いタイツが膝で姿を見せ、
膝丈のこれも赤色のスカートが裾に白いふわもこをつけ渡したネックウォーマーと同じ星やツリーの模様が白で描かれる。
上半身は白いニットの上にこれも赤い衣装が現れ、袖や襟には矢張り白いふわもこがついている。
胸元にある金色の鈴がシャンシャン鳴っている出所で、どこからどう見てもサンタ娘な衣装だった。

　頭には赤いサンタ帽を、耳には挟むタイプの星がついたイヤリングが左右につき――背後には木製の巨大スピーカーが左右に一台ずつこれも中空に浮かんで羽のかわりですみたいに待機している］

　『変身、完了！
　　サンタ詩ちゃんだ！』

［さっきまでサンタの話をしてたものね。
極めて露出面積の少ない防寒性能も高いもので変身史上一番マシなのではなかろうか*］

氷室詩音

ー男嫌いの、その理由ー

氷室詩音

　
[でもね、夢助は違うの。違ったの。
婚約者という立場にありながら、私が誘っても煽っても手を出したりしなかった。
最初のうちはそれにホッとする気持ちもあった。
けれど、次第にそれに疑念を抱くようになり、むしろ何で手を出さないの？と理不尽に考えるようになっていた。
最初から手を出されていたら嫌がったでしょうにね。
──ううん。最初から、いつか変な男の手にかかるよりは夢助と──と、望んでる気持ちも微かにあった。
夢助なら、良かったのに。
　
気を張る必要もなかった。
素直に甘えれば良かった。
でも今更もう無理よ。
　
こうして、女子に優しく男子に厳しく。
心を守るためにプライドを高くした、私みたいな可愛げのない女子が爆誕してしまったのよ。]**
　

デクスター・ホワイト

［雪がわらしべ長者自慢をしてきたので。ぷっと笑う。
表情が自慢気だ。目を細めて可笑しそうに胸奥から笑った。
栄養補給を始めた雪を見て。身体で死角を作る。
こういう時図体でかいと便利だよね。>>131

雪が心身を削りながら仲魔にした。
大切な魔物たちが入った本。>>132
恒例の儀式を邪魔しないように見守って。
それから雪が作戦について意見を述べるのを聞いて居た。>>133］

デクスター・ホワイト

［同士、佐次よ。>>134
『なんとかなるなーる。』まで完璧同意見だぜ。
俺は深く頷いといた。

とんとん拍子に話が進んで。>>135>>136>>142
俺達が３階なのに何の異論もない。>>147］

デクスター・ホワイト

［蛍からの申し出は少し悩む。>>147
体力はつけてるけれど、雪の消耗を考えるなら早期決着が望ましい。
けれど功を焦り過ぎて、打ち漏らしがあったり、肝心な時に体力切れを起こしては本末転倒だ。
雪自身には戦闘能力は皆無と言っていい。
万が一彼女が倒れた場合は、山道を背負って帰る体力も必要だろう。

ということでちょっと悩んでから……］


効果時間10分で燃費1.5倍増し出力2倍になるやつ。
ちょうだい。


［と。お願いした。

戦闘面を考えたのももちろんだが。
卒業したら滅多に同じ任務には当たらないだろう、友人の力を味わってみたかったと言うのもある。］

デクスター・ホワイト

［バフをもらって雪と共に３階に上がってしばらく。
歌声よりも大きな蛍の声と微かなBGMが聞こえてきた。>>149


うっそこれマジで変身シーン見たかったんですけど？！


これが毎回バンクシーンじゃなくて、新しい衣装にBGMな辺りに蛍の強いこだわりを感じる。某衣装を毎回手作りして撮影してた女の子を思い出す。］

デクスター・ホワイト

ちょっと……かなり……見たかったかも。


［幼馴染は俺がドラゴンやら日朝やら中学二年生が通る一通りを経験し、英語よりドイツ語を勉強したり、何故かルーン文字が書ける事も知って居るだろう。
皮装丁の本に描かれた魔法陣に毎回瞳がキラキラしていることも。

後ろ髪を引かれる思いで、階段の途中で２階を見て。
それから気合を入れてバットを取り出した。］

デクスター・ホワイト

［ふぅ。と。一つ息を吐く。
今回は２階からの支援もあるし、１階では打ち漏らしを防いでくれる仲間が居る。
大けがをしない。させない。事だけを念頭に。］


んじゃ。行くか。


［３階にカチコミをかけて。］

デクスター・ホワイト

成仏したいヤツからかかって来な！！！


［思いっきりバットをふるった。**］

佐次詩羽

[ひーちゃんの意見も加えて話はまとまる。>>142

というかさっきからいつの間にか
けーくんが冷静に仕切ってて
その姿はどことなく頼れるリーダーっぽく見えなくもない。>>147

アタシの前でのけーくんと言うと
涙目になってたり土下座してたりと、
なんかちょっと情けないとこばっかりで
こういう感じってあんまり見たことなかったから、
けっこー意外な一面かも。]

りょっか〜い。
みんな、グッドラック！また会おうぜ。

[けーくんが符の準備をしている間、
あたしはがさごそとリュックからマイクを取り出す。
準備が整ったならグッと親指立てたのち、
皆と別れてビルの2階へと向かうのだった。]

佐次詩羽

[誰も居ない廃ビルの中は冷え冷えとしていて、
そこかしこに良からぬ気配がする。
『変身』と言われ、アタシは渋い顔でその手を取る]

うい〜〜………

[余談だけど瞑々学園に入って以来、
婚約者云々だとか性差を意識さえしなければ、
つまり「ともだち」の領分で接する分には
普通に一緒に遊びに行ったりできるくらいには
けーくんとの仲は改善はしていた。一応。>>148

変身の前に手を繋ぐのもまあ、
その方が効率的らしいってことで納得した。
あくまで儀式みたいなもんだし、特に意味とかナイナイ。ない筈。

いつもの詠唱と同時にぺかーーっと符が光り、
アタシの体が虹色に包まれていく。>>149
どこからかクリスマスなＢＧＭまで流れ始め…]

佐次詩羽

おお…………

[気づいたらアタシの姿は
真っ赤なサンタ衣装に代わっていた。
なるほどな。さっきのクリスマスの話題からの連想っぽい。

つっても別にきわどいミニスカとかじゃなく
ごくごく一般的な感じのサンタコスなのでまあ、普通〜に可愛い。
コスプレとしてそこまで恥ずかしくもないし許容範囲だ。ぬくいし。
白くんにお見せしてもさほど抵抗感はない出来と言えよう。>>156　**]

市川夢助

[ひとまず方針はまとまったらしい。
俺達は一階だ。他の奴らが階上に上がっていくのを見送り、正面以外の入口封鎖に向かう事になる。]

　…10分で燃費1.5倍の方で頼む。

[螢には事前にそう>>147伝えておいた。俺の瞬間的な出力はさほどでないとは言え、さすがに封鎖を詩音一人に任せるわけにはいかんからな。
そうして他の二組がいなくなると辺りは静かになり、二人の足音だけが響く。
主に詩音が凍結による封鎖、俺がそのガードとその辺の雑魚散らし。余力次第で詩音の封鎖手伝いも行う。

ふと、何かシャンシャンした感じのメロディが上から>>150聞こえてきたので上を見上げた。]

市川夢助

詩羽のとこか。まだクリスマス仕様なんだな。

[螢が変化する衣装はその時々で違うらしい。多分今の詩羽はサンタかトナカイかの格好になってるんだろう。

そう言えば、前に詩音が際どいミニスカサンタの格好の写真送ってきたよな…と思い出して、慌てて頭を振った。
仕事中にこの手の邪念はまずい。集中が切れるし、何より動きにくくなる。詩音、背高いから足が相当ギリまで見えてたんだよな。
くそ、なんでよりによって今思い出すかな。意識すまいとするほど考えが任務以外のことに向きそうになるのを必死で堪えつつ]

　大体……終わったなら、一度戻るか？

[一階の奥にたどり着いた頃、辺りを見回して詩音に声をかけた。気がそぞろというわけではない…はずだ。バレてない、多分**]

名坂雪

[ちょっと前の移動の時。
幼馴染みに金銀の当たりについて聞かれたときは。>>123

急にずどーんと暗い顔をわざとらしく浮かべた。
こういうときだけメガネが翳って瞳が見えない演出のよう。]

　それ聞いちゃう？

[予想できてるでしょ、という声音。]

　ぜろ。ぜーろー。です。

　今日は5箱持ってきてるけど……すでに1箱は外れ。

[後ほどイチゴ味のもダメで残り3箱となる。]

　そうなんだよね。やっぱり金を狙いたくて。
　なんかデッくんが手伝ってくれるといけそう。助力感謝。

[わざわざ身を乗り出さないから、結局幼馴染越しの車窓の景気を楽しみ、金髪に時々目を細めていた。]

名坂雪

　……ふぁぁ。

[隣にだけ届く音量で欠伸をしたのは。
しばらくたった後で、幼馴染の優しい申し出がくる。>>124

それはもう小さい頃から一緒で。
手を繋ぐのもくっついて座るのも、たくさんしてきた。
年齢を重ねてからはしなくなったものも多いが、人前なら当然のもの以外は、今も抵抗感なんてなくて。
幼馴染はすぐ顔を赤らめる恥ずかしがり屋のようだけれど、こういうところ、自分の方が図太いのかもしれない。
……そういう問題でもないのかな。
あったかさが嬉しいから、後程湧き上がるものを耐えるのだ。

こてん、と軽く頭を肩に寄せていた。
座高の違いがちょうどよく、分厚い冬服越しでも、パワー溢れる幼馴染の体温が伝わってくる気がした。
昔っから、そうだね。あったかいの。

まどろみの中で小さな頃の夢を見ていた。**]

名坂雪

実践任務、開始

名坂雪

　ありがとう、五十嵐くん。

[幼馴染と同じバフを貰いました。>>147>>155
これで3階まで登れる……は冗談だが、体力なさ過ぎて10分でないと間に合わない疑惑はあった。
燃費の増加は懸念材料だが、一応計算の上。
短期決戦に持ち込むべきというのはきっと同じ考えのはず。

じゃ、健闘を祈る。ペアごとに分かれて。
少し息の上がる2階到着。
耳に届く五十嵐>>149の声とクリスマスBGMに目が丸くなった。
過去にあった詩羽との会話も脳裏をよぎる。]

　うっ、見たかっただろうとは思う……。

[幼馴染と反対意見を出し、それが通ったわけなので、心に申し訳なさが浮かばないわけはない。心情的に。]

　3階をさっさと終わらせて2階に行ってみようよ。

[好みに対してひたすら純粋な幼馴染>>157の、ちょっとしょげて感じた大きな背中をぽんと叩く。]

名坂雪

　助っ人してさ、遅れたプレゼント貰おう。

[ね、デッくん、と笑って見上げる。

自分は幼馴染の真っ直ぐさ、清らかさを知ってるけれど。
変身というものに詩羽は恥ずかしさを感じていたから。
それが婚約者の五十嵐へ限定のものだとしても、なんとなく、彼女が前向きに変身できて、むしろ披露してくれるくらいまでは変身シーンをまじまじと眺めない方がいいかな、と。
さっきの分担案にその要素まで盛り込んでいたわけではないが、声には出さずに思っていた。]

五十嵐螢

　彼の者はいずれ英雄と呼ばれる者也や――。

　……うん、よし。
　燃費効率は数字上高まるけど普段より1.5倍早く
　限界がくるってことだから気を付けて。

［僕は符を>>155ディックと>>163市川くん、>>168名坂さんに飛ばして注意点を伝える。
氷室さんもバフが必要ならば同様に符を飛ばして同じように伝える。
ゲームとかだと単純に消費が増えて出力が増えるのだが、現実的にエネルギーの消費が増えると想像している以上に疲労が早まる。
例えば走るにしてもジョギングと全力疾走では疲労度が違う。
慣れていないとへろへろになってしまうので特に元の体力が低い名坂さんは逆に注意が必要だろう。

　近くにいればもっといろいろと符術を使えるが遠隔ならこの程度だ］

　ちなみに、10分経過したら符は自動的に燃えつきるんで。

［Good Luckと親指を立てて僕は皆と別れて詩ちゃんと二階に向かった］

五十嵐螢

［>>161変身前は大体元気なくなるよね。
同時にとても表情が渋いのが分かる。

　一回目の>>108フリフリピンクな魔法少女スタイルに始まり、
毎度僕が直近で良いなと思った衣装になってきたのだから当然か。
夏なんて水着だったものね、パレオの。
その前の梅雨の時期なんて符の印が雨で滲み溶けて衣装が一部解除されていくなんてこともあった。
少しずつ不具合を減らしていって今日、まだマシな衣装がお目見えとなった。

　>>161別に手は繋がなくてもいいのだけれど、僕が繋ぎたいからと言えば繋いでくれないだろう。
僕はずっと詩ちゃんと「ともだち」以上の「こいびと」であり将来の「めおと」として在りたいだけで――］

五十嵐螢

　『うん、良さそう？
　　今回は上手にできた自信があるよ。
　　それじゃあバフも発動して――』

［燃費と引き換えに詩ちゃんの全能力を向上させていく。
胸元の金色の鈴がシャンシャンと鳴り室内なのに青白く光る雪がほわほわと舞い降りて来るエフェクトが発生する。
エフェクトの雪は触れても冷たくはなく消費した力？エネルギー？が視認できる形で消えていっているだけだ。

　そう、消えていってるのだ］

　『マイク、接続――あとは、うん……準備オッケー』

［僕の分の力も詩ちゃんに渡していき、後ろの木製スピーカー二台からコードが伸びて詩ちゃんが持つマイクに接続すれば3分の方の火力増強バフをON！
後は詩ちゃんが歌っている間のガードを僕が受け持つだけ――］

佐次詩羽

[ちなあたし、一斉攻撃に同意した段階では
そこまで深く考えてなかったんだけども、
変身姿は人に、特に異性にまじまじ見られたいようなもんではない。
たとえ白くんに下心がゼロだとしてもそれとこれとは話が別だ。

今回はたまたま割と見られる衣装だけど、運…というか間が悪いとだいぶ際どい感じになったりするしぃ…。
梅雨の時はとんだ事故だった。>>171
なんせふと気づいたらポロリしてたのである。
盛大に悲鳴を上げた後、バカバカサイテー！ヘンタイ！！何考えてんだ！！と罵倒した末、3日くらいけーくんと口を利かなかったもんな…。

なので雪ちんの気遣いはGJである。
さすがデキる女。一生好き。>>169］

名坂雪

[3階に到着。
バフのおかげだろう、想像よりも早く着いた。

そこかしこから小さな魔物の気配がしみ出している。
廊下の突き当たりで、ぬるり、と闇が形作るのがわかる。

カチコミならぬ、突入しようとする幼馴染はいつもながら戦闘前の気迫と覇気に満ちていて。
明かりすらないこの空間に光り輝くようだ。
闇の魔物に対抗するにふさわしい存在、そう思わせられる。

でも前だけを見るのではなくて。
視線も気持ちも、相棒にも向けてくれる。]

　
　うん！　


[今は目を合わせずとも、同じ方向を射貫いていた。>>158

ふるわれたバットが空気を裂く音>>159と同時に、片手に乗せた本の留め具がパチンと弾けるように外れる。]

名坂雪

[風もないのにパラパラと頁は捲れ。
今の主の思う通りに止まる。

紙に描かれた魔方陣が滲んだかと思うと本を抜け出し、ぶわりと風をまとって目の前に浮かんだ。
目を閉じ詠唱する。重々しい声がさらに空気を震わせる。]

　
　かつて闇に紛れしものよ　今　意思を取り戻し

　我らに力を貸しておくれ　ともに彼らを導こう


　封印解除――！！


[魔方陣から勢いよく飛び出すのは、小柄な黒のオオカミ。
身体はすべて影のように毛並みさえ識別できず、両の瞳だけは本当のオオカミではないと教えるように、白く光る。

これは幼馴染が前に倒し、譲って貰った魔物だ。
小柄で噛みつく力はそう強くはないがとにかく足が速いから、逃げようとする弱い魔物たちを翻弄し、うまく追い立て連れてきてくれる――バットをふるう幼馴染のほうへ。]

佐次詩羽

[まあ今回はそんな不具合もなく、
無事（？）にサンタコスへと変身を遂げる。
一部男子の煩悩を間接的に刺激してしまったなどと知る由もなく。>>164

けーくんのバフが体に巡っていき、
最後にマイクとスピーカーを繋いで準備は完了だ。

魔物ども、アタシの歌を聴け〜〜！！
……と言えるほどにまだ開き直れてはいないけど、
歌は大まじめに歌う。任務だからな！

この格好に相応しい、定番のクリスマスソングが
フロアには暫し響くこととなるだろう。**]

名坂雪

[そしてもう一匹。
バフの力が後押ししてくれる。

幼馴染がずっとずっとドラゴンが好きなこと、知っている。
部屋に身体がすっぽり収まるくらいのドラゴンぬいぐるみソファがあったり、絵本で登場する度に歓声上げてたし。

だから、今から呼び出すこの子。
ひとりで封印したときは、最初、とうとうやった！とぬか喜びしかけたのだけれど……ほらこんなに身体が長いし……シルエットだけだとぱっと見、日本の川の神様的なほうの竜っぽ……

出でよ、もうすぐ明けまして巨大ヘビ！]


　とうとう捕まえたと思ったんだけどなぁ。
　ドラゴン魔物……。

[ぽつり。]

　あ、窓から逃げようとしてもダメよ！

[逃げ足早めの魔物をヘビの長い尻尾がクルンと捕らえる。]

名坂雪

[どの程度の魔物を封印できるかも、使役できるかも、自分が備えていられる退魔の力の平均値に依存する。
最初はマリモくらいの魔物からだった。
学園で学び、鍛え、何度かバタンキューして今に至る。

今は2匹を呼び出し使役していてもキツくはない。
バフが切れるまでは少なくとも余裕の範囲。
あとは時折指示出ししつつ、意思もある魔物に頑張ってもらうということで、きちんと自身の安全を確保するのみ。
幼馴染との共闘は慣れたもので。
今回の彼にとってどの辺りに居るのがいいか、視線や声、身体の動きで判断し、動きの妨げにならない位置に。
まあ狭いと上手くできないこともあるけれど。]


　デッくん、面白いのいるー！？

[ちゃっかり、良いタイミングで尋ねたりもして。**]

市川夢助

[1階は他と比べると入り口に近いからか、魔物の数はそれほどでもなかったかもしれない。それでも封鎖するうちにはやはり数体には出くわす。
そういう時は俺の出番だ。

どれも強さはそこそこだが、余程の大物でなければ指の間に凝縮させた冷気で作り上げる氷のダーツ1本で、頭を狙えば頭が凍り、心臓にあたるコアを狙えばコアが凍結し、そのまま砕け散る。

当たればほとんど必殺の一撃ではあるものの、作り上げられるダーツは多くても一度にせいぜい10本。投げ終えれば無防備になるから、再びチャージが完了するまでの間は詩音の盾に隠れる形になる。
…まあ、実際は詩音の盾の陰から軌道を歪曲させて撃ち込むのが、格好悪かろうが一番安全で手っ取り早いのだが。]

市川夢助

くそ。やっぱバフかかってる分分いつもより消耗が早いな…

[確かにバフはしっかり効いている。出力はいつも以上だから扉を凍らせるのは俺にもかなり手伝える。ただ、威力はいつも以上だとしても、その辺の4、5体ほどを倒すだけで一旦冷気が温くなるのを感じる。そうなれば詩音に庇われるしかない。

さっき螢のバフのせいにしたが、もちろんそれだけではない。普段は一手で済むものを、狙いが甘くて2手かけていればそうもなるだろう。結果、ぱっぱと片付けていくわけには行かなくなる。
内心恐れていたとおり。

願わくば、隣の詩音にだけはこの不調を悟られたくはないものだが……くそっ。俺の手を一番知ってるのも詩音ではあるんだよな*]

五十嵐螢

［変身後の僕の役割はバフの維持と更新、エネルギーの供給とガード。
そして、演出監督である。

　『声』という本来目に見えない音波攻撃はスピーカーで増強され、拡声された歌『声』には中空から舞い落ちてくる青白い雪と同じようにエネルギーが波紋として視覚効果を賦与している。
楽しそうに歌えば黄色のオーラを帯びた衝撃波が魔物目掛けて飛んでいき、どんよりしていると青いオーラなど詩ちゃんの気分に応じて色のついた音のビッグウェーブが次々に魔物の身を激震させて粉々に退魔していくのだ］

　『え、えと、四時方向、九時方向。
　　あと上からもくる――』

［衣服になっているものだから視界は全方位あり、詩ちゃんが楽しそうに歌って踊るに合わせてひらひら揺れる衣装から魔物を見つけるとスピーカーをそちらに向けていく。
撃ち漏らしがあると一気に接近されるのが両後衛の辛いところだ。
『声』なのである程度全方位攻撃だが仲魔を盾に魔物が突っ込んでくると近接距離まで来られることがある。

　一匹が倒れても次が、その次が倒れてもその次が僕らを狙ってくるという魔物の癖に俺の屍を越えていけという熱い展開をしてくると、僕は符で盾を作り勢いを止めていき最終的には衣服として受けるダメージを一手に受ける］

五十嵐螢

　『――ッ』

［魔物の攻撃、当たると痛い。痛くないわけがない。
涙が出ちゃうしまた赤くなってるだろうことは伺えるけど詩ちゃんに攻撃が当たっていないことの方が優先だ。
楽しそうに歌っている姿が僕は好きだからそれを邪魔はさせない。
死角からの連携攻撃を捌き、凌ぎ、ダメージの一切を受け止め続けていく。

　合いの手のようにどこからともなくスポットライトが三方向くらいから詩ちゃんを照らし始めれば『声』にデバフが乗り始める。
移動速度の低下や攻撃力・防御力の減少、うっかり聞き惚れてしまったりと殲滅速度があがり安定していくがこちらの消耗速度もあがっていく。

　だが――反面、広域超火力型なので殲滅速度は元から早い。
それが更に早くなれば二階の魔物はそれなりの速度でいなくなるだろう*］

デクスター・ホワイト

［あ……>>165］


こほん。


［わざとらしく咳払いしてみた。］

デクスター・ホワイト

［うん。俺が手伝えば出来ると思うよ。だって。］


出るまで食べれば、出るだろ。


［脳筋だからね。］

デクスター・ホワイト

［その後、実際、雪が肩に凭れて来て。>>166

ちょっと挙動不審になりつつ、心拍数が確実に上がった。
あったかいのは。
普段より上がった体温のせいかもしれない。

もっと幼い頃は、2人でドラゴンのソファにくっついて寝ころんで。
一緒に本を読んだり、工作したりもしたんだけど。
何時頃からか触れ合う事も少なくなって。
だからこそ、こうした僅かな接触にもドキドキしてしまう。*］

氷室詩音

きっと可愛らしい姿なんでしょうね……。
　
　
[シャンシャンシャン、遠くで聞こえる音に夢介が反応する。>>164
きっと可愛らしいサンタになるのでしょうね。その気持ちをそのまま言葉にしてしまうのは、私のサンタには無反応だった夢助への当て付けめいたもの。
無反応と言うか、さして気にも留めてないと言うか。反応、うっす。そう感じてしまうのよ。
　
でも私は私で氷の結界を作り出し、建物全体を氷の結界で閉じていく。
集中して瞼を閉ざし霊力を高めて。
これで、宣言通り玄関だけを残して封鎖が完了。そうしてから、夢助と仕事を始めたのだけど。]
　

氷室詩音

　
──他のペアが気になる？
　
　
[そんな事を聞いたのは、夢助らしからぬ一撃必殺ができてないように思えたから。
私も彼の実力は認めてる。
けど、何と言うか──何故か二撃必要な場面が多くて、確かにバフのせいもあるかもしれないけれど雑魚相手にらしからず力んでいると言うか。
奥まで問題なく探索できたものの、何となく普段とは違う気がして。
でも、その理由なら他のペアたちの存在かしらね。と推測してしまう。
可愛らしい婚約者を持つ男子が羨ましくなったのかしら。
同じ年。同じ学年。なのに、自分だけ貧乏籤…なんて思われたのかしらね。
　
まさかね。そんなね。でもね？
どうあっても解消しない限り、私とあなたが婚約者なんだから。
──集中して欲しいと思う。簡単な任務とは言え、怪我して欲しくないし、それに……。]
　

氷室詩音

　
入り口で残党を狙うのだから戻るべきね。
でも集中しなさいよ。
みんなの実力なら取りこぼしもそうないかもしれないけど、万が一予想より数が多ければ今の夢助の戦い方ではジリ貧になりかねないわ。
　
　
……しっかりなさい。
　
　
[ツン、とそっぽを向きながら。
入口に戻るべく歩き出す。さっさと歩き出したいところだけど、彼に寄り添うのはその方が効率が良いから。
盾役だしね、守護対象が離れてるとやり難いのよ。
でも、歩きがてらこっそり囁いてやろうかしら？]
　
　

氷室詩音

　
クリスマスに興味ないと思ってたわ？
私の衣装だから興味湧かなかったのかしらね。
　
　
[……結構頑張ったのよ、あれ。
サイズが思ったより小さくて、胸も乳輪がギリギリ隠れる位置だったし、むちむちしちゃって。
それともそう言う肉感的なのか好みじゃないのかしら。
──あんなに恥ずかしかったのに、とまた気持ちが沈んでしまいそうになったわ。]*
　

佐次詩羽

[けーくんの指示に従って、四方八方から襲い来る魔物を
スピーカーから放たれる衝撃派が次々と薙ぎ払っていく。

狙いは概ね正確だ。ただ時折声が震え、それに呼応するように衝撃波が揺らぐ。
楽しそうに歌ってたかって言うと微妙だったと思うけど、
魔物たちはそれなりの速度で殲滅されていく。]

あっ、……！！！

[一瞬、反応が遅れた。
魔物が他の魔物を盾にし、一気に近くまで距離を詰める。
衣服に攻撃が当たるけど、この衣装は防御もしっかりしてて
アタシの方に別段痛みはない…が、それは「けーくん」だ。

ただ彼は戦闘で出来た傷を見せてくれたことがないので>>26
アタシは彼の痛みに気づいておらず、何となく符の効果で平気なんかなって思いこんでいるのだった。
まあそれはさておき。]

佐次詩羽

（うあぁぁぁ、もぉぉぉぉぉおおおお！！！！！！！！！）

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！！！！！

[頭ぐちゃぐちゃ目ぐるぐるなまま、
勢い任せ（やけくそとも言う）で声を張り上げる。
アタシから放たれた虹色の光波がフロアを貫き、
2階の魔物は跡形もなく消え去るのでした。**]

市川夢助

　ん？

[2人だけでの廃ビルでの任務の傍ら、詩音の声が>>186聞こえて視線を向けた。]

　詩羽のことか？まあ、小柄だからそうなんだろうな…
　

[螢と2人は、確かに似合いに見える。螢はなんとなく尻に敷かれそうな気もするが…と、他所事を考えてる場合じゃない。
すぐ傍の詩音の俺への今の言葉が当てつけだとは気づけないまま、二人して入り口を封鎖し、本格的に魔物の殲滅にかかる。そんな中、詩音からもう一言。>>187]

　いや？他のペアだって上手くやってるだろうよ。
　心配はしてない。自分達の方だけ間g萎えてるよ…　ちっ。

[思わず舌打ちしたのは、またエイムが悪かったからだ。
急所を外して2撃。いつも以上に調子が出ないのは、余計焦りになる。
もちろん、詩音がその原因を勘違いしているというのも知らないまま。

詩音の想像しているような事は思いもよらないのだから、
思い至るわけなどないわけだが…]
　

市川夢助

　…くそ。集中できてないってんだろ。
　……自分でもわかってるよ。わかって…

[いつもはもう少し冷えた頭で事に当たれもするのだけど、
今日はいつも以上に勝手が違う。ここしばらくの調子の悪さは、
本格的に詩音にも分かってしまっているのだろう。
そんな中で、しっかりしろと言われたら、]
　　
　わかってるよ、んな事は……！！

[少し声を荒げてしまってから、はっとする]