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始業前の教室は、喧噪に包まれていた。
誰が最初に口にしたのか。奇妙な噂が学園に広まるまで、それほど時間はかからなかった。
1人目、 田美院翔 がやってきました。
田美院翔は、村人 を希望しました(他の人には見えません)。
村の設定が変更されました。
村の説明
村のルール(メモ)
「チ、チュン」
「チッ、チチュンッ」
「チチ、チチチッ!」
[雀やシジュウカラなどの野鳥が映る電線のアップ。
鳥たちはしばらくチチ、チチチと囀っていたが
車の排ガス音に突如パッと飛び立った。]
[やがてアングルが徐々に下を向くと
校舎らしき建物が映り徐々にピントが合う。
“大神高校”──映画の舞台地。
校舎の映像は早朝と思しき光景だ。
朝練に励む運動部、誰かの姿が映った教室の窓。
何らかの理由で早めに登校する生徒たち。
そのうち1人がクローズアップされ、玄関に向かう様子が映し出される。
下駄箱で靴を履き替えた生徒が顔を上げた視線の先の廊下には
壁際へ並んだガラスケースのトロフィーや盾が並ぶ中、壁の上部に1枚の自画像が飾られている。]
2人目、 美濃伊緒 がやってきました。
美濃伊緒は、鵜の目 を希望しました(他の人には見えません)。
美濃伊緒は、 美大生 美濃伊緒 に肩書きを変更しました。
村の設定が変更されました。
名前変更: あり
─春/新学期/電車内─
[ガタタン、ゴトトン──
電車に揺られながら吊り革を掴む1人の美大生。
朝早いせいか電車内に人はまばらだ。
黒のカルトンバッグを左肩に下げ、キャンバスリュックを背負い窓を眺める姿が電車の外から映し出される。]
[場面が車内に戻り、電車が停車する。
車内アナウンスと共に扉が開くと顔見知りを見つけたのか顔を上げた。]
──おはよ
[原作同様の台詞で
「新学期おめでとう。」と笑いかける美濃。
美濃伊緒……前年度3ーA卒業生。元美術部。
原作では大神学園に向かう幾つかの路線から、
美濃が通う美大行きの電車で顔見知りに遭遇するシーン。
当時3ーA学級委員を務め、
生徒会総選挙で生徒会長に立候補経験もある彼女は顔が広く校内・校外問わず知り合いが多かった。
映画では他の顔見知りとも会話したり、
別シーンでも度々登場する。]
─回想/3年生時代/大神高校全校集会─
[大会、コンクール等で結果を残した生徒たちが壇上で表彰される全校集会開始前の集合シーン。
美濃卒業前の回想。]
あの〜、ここまでするのは流石に大袈裟なんじゃ?
いや別にいいんですけどね……。
壇上で表彰するほどのもじゃないでしょ……って、
こらそこ笑うな。
自分にゃ関係ないからって面白がんないの。
[担任に愚痴りつつ、笑いをこらえる何人かに笑うな笑うなとツッコむ光景は手馴れているかのよう。
全校集会が始まり、壇上で表彰状と表彰楯を受け取って壇上を降りたシーンでは恥ずかしいやら照れ臭いやらで相手と視線を合わせてないことがよく見れば分かる。]
[場面変わって美術部顧問から、受賞作の自画像が玄関正面廊下の壁に飾られることになったと聞かされるシーン。]
え?ちょっと待ってください何の拷問ですか
毎朝登校するたび自分の顔と顔合わすんですか?
う〜わ、キッツぅ〜……。
[勧められるままコンクールへ出したばっかりに、
自分の顔とほぼ毎日遭遇する羽目になった3年生春休み明け。
卒業してからも自分の油彩画が飾られ続けると、美濃はまだ知らない。]
─春/新学期/電車内─
[場面は戻り先ほどの車内。
車内アナウンスが駅名を告げると、
気を取られたようにあっと声を上げた。
アナウンスへ視線を向けると相手へ向き直り]
私、ここで降りなきゃだから行くね。
そっちも行き道気をつけなよ。
[ひらりと身を翻し、
扉が開くと同時に電車を降り車内の人物に手を振った。
美濃の手から出発する電車へアングルは変わり、
彷徨うアゲハ蝶を映して美濃のいない車内のシーンへ移り変わる
────美濃、初登場シーン。]**
─春/新学期/電車内─
[場面は戻り先ほどの車内。
車内アナウンスが駅名を告げると、
気を取られたようにあっと声を上げた。
アナウンスへ視線を向けると相手へ向き直り]
私、ここで降りなきゃだから行くね。
そっちも行き道気をつけなよ。
[ひらりと身を翻し、
扉が開くと同時に電車を降り車内の人物に手を振った。
美濃の手から出発する電車へアングルは変わり、
彷徨うアゲハ蝶を映して美濃のいない車内のシーンへ移り変わる
────美濃、初登場シーン。]**
─舞台裏/撮影現場/クランクインと“丹田 沙也加”という女優─
「本日クランクインの
美濃 伊緒役、丹田 沙也加さんです。」
ご紹介に預かりました丹田と申します。
普段は着物とか時代劇ばかりなので
大学生や高校生役は初の試みですが、
みなさまご指導のほど
よろしくお願いいたします。
[他の俳優たちや裏方たちへ挨拶に向かい、
幾らか話を交わした後。
撮影前の撮影現場でクランクインの挨拶と
意気込みを語るのはハーツホリックプロダクション所属の女優、丹田 沙也加。]
[映画や舞台で主に活動する女優で、
時代劇を筆頭に小式部内侍、北政所、名家の家元……
サスペンスものではドラマ『絵画探偵』で
主人公が通う小料理屋の女将など落ち着いた女性系の役柄が多い。
そんな彼女が30歳で、
しかも大学生(回想の中では高校生役)を演じるのは
本人はともかく、周囲にどう映るかまでは分からない。]
「あ、丹田さんすみません。
ちょっとお話伺ってもいいですか?」
ああ、はい。構いませんよ?どうぞ。
[撮影の合間、映画の裏側を撮影する
カメラマンとスタッフに呼び止められ丹田は応じる。]
今回の役について、ですか?
そうですねえ……大学生、しかも美大の学生さん。
回想では高校生を演じるわけですから
驚きといいますか、正直まだ戸惑いはあります。
[オファーが来た際は本気で何かの間違いなんじゃないかと思ったこと、マネージャーに何度も何度も本当なのか確認した挙句ドッキリを疑った話をすれば
ハハハハ!とカメラマン・スタッフが現場の邪魔にならぬよう小さく笑った。]
そもそも私、今年30ですよ?
30の人間が高校生やるって
色々と大丈夫なんですか?
その点すごく不安……
あ、田美院先生。お疲れ様です。
[取材に応じていた休憩用テントの近くを、
たまたま通りがかったエキストラシーン撮影終了後の田美院>>0を見つけ声をかける。]
本当、お久しぶりです田美院先生。
先生もお元気そうで……ってすごい格好ですね。
これスタイリストさんが?衣装ですよね?
[以前、田美院原作の小説『100万年後のタイムカプセル』で主人公たちのクラスの教師役を演じた縁もあり、原作者とも同年代の友人関係にある丹田。
目立つ見た目に反し、真面目で誠実な人柄を知る丹田だからこそ見目に合わせたビフォーアフターに目を瞠った。]
[そのままスタッフは田美院にも取材を始め、
気づけば丹田と田美院の対談のようになる。
田美院に美濃の印象について聞かれると]
美濃の印象ですか?大人しい、もそうですけど
意外と行動力のあるキャラクターだと思うんです。
2年生で生徒会長に立候補して、
結局落選した場面なんか特に顕著だと思います。
話の聞き役であり、受け手で苦労人に見えても
自分が決めたことは迷わず打ち込む強さ。
穏やかだけど決して気弱な子ではないなと、
実際演じてみて感じますね。
[田美院が感心したように相槌を打つ。
実際美濃はそのような人物として描写したらしい。]
[19歳から始まった芸歴11年にして初挑戦役。
田美院との会話含めた取材映像は
動画配信サイトの映画広報チャンネル動画、
映画の裏側シリーズの1つとしてアップされることになる。
それを見た丹田が「うわー、真面目に喋りすぎたー」と1人反省するのは、いつかの未来]**
/*
まだ編集途中ですが、村建てです。
この度はご参加ありがとうございます。
募集期間9日弱で暫定8名も集まるなんて思わなかったので嬉しくてwiki見る度、この方はどんな感じのPCかな?わー楽しそうな設定だ!とかが見てて楽しい。
今回の企画は初めての試みなのでどうなるか分からないですが、皆様と楽しめていけたら嬉しいです。
/*
女子2人取っちゃったけどいいのかな。
言い訳すると26日確認時点で男子3女子2に見えたので、女子枠もらったんです……。
村建てNPCは女子の方が動かしやすかったのでという理由もありますが。
バランス考えなくていいよ!といった村建てがバランス考えてるという始末
/*
村建てNPCを女性にしたのは、
映画の裏側を書かなくても問題なさそうな大人しいPCやれるという単純な理由です。
でもNGシーンは書きたかったなとじわじわ後悔中。
村の設定が変更されました。
参加制限
村の設定が変更されました。
村の説明
村の設定が変更されました。
村の説明
3人目、 高校1年 鬼束瑠璃 がやってきました。
高校1年 鬼束瑠璃は、C国狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[高校は、居心地がいい。
みんな良い意味で自分の事に忙しい。
中学の時は大変だった。
何をするにも、皆一緒だった。
自分は途中で脱落してしまった。
皆が何を面白がって、何に怒るのか、段々理解ができなくなり、ある日本当にどうしたらいいかわからなくなってしまったのだ。
何を話せばいいのかすら分からなくなった私は、皆と同じ教室では卒業を迎えなかった。
けれども、しっかり試験は受けて、この高校に入った。
この居場所を得ることができて、良かったと思う。
でも、もっと居心地のいい場所が、この街にはあった。]
― 記者の自宅訪問1 ―
こんにちは、狭い家ですが、どうぞ。
紅茶を出しますね、そちらに掛けてください。
ええ、どうぞ。
記者さんは、皆の家を周っているんですか?
ええ、この映画の主なロケ地に決まった時、この街では大規模なエキストラ動員…台詞のある役柄の動員までありましたから。
名前の有る役柄だけでもそれなりの人数いるでしょう?
とはいえ私も自分で応募したんですけど、端役とはいえまさか生徒役をやるとは思いませんでしたよ。
これでも私も来年で三十…ごほごほ
いえ、同じようなご年齢の女優さんが出演されているということには、恐れながら勝手に勇気を貰っていました…**
4人目、 留年生 真宮寺 亜美歌 がやってきました。
留年生 真宮寺 亜美歌は、C国狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
『絶対、ぜーったいこの高校で
1年過ごして卒業してやんの。
そんであの時信じてくれた×ちゃんに
×ちゃん、×ちゃんの目は正しかったよって
本人に絶対言ってやるんだ。
────卒業証書片手にね。
「─玉響に“なけ”─」一部抜粋』
─始業式前・校門─
[自転車を漕いで駐輪場に留め、
軽快に走る1人の女子生徒。
別に遅刻じゃない──むしろ早い登校だ。
彼女の近くに生徒はいなかった。]
おっはよー!あれ?今日早くない?
何で?始業式だから?
なに今日バシッと格好決めてんの、いいねー!
[教師の反応も気にせず
マシンガンのように捲し立てる女子生徒。
スカート丈は校則に引っかからない範囲のギリ膝上。
ピンクのリュックの横で
小さなサンキャッチャーが揺れる。]
わーってるって、大丈夫大丈夫。
覚悟なんかとっくに固まってんの。
そっちこそ甘く見ないでくれる?
亜美歌様の底力ってもんを。
[挑発するような口調で教師の言葉をいなす生徒は、
自分のことを亜美歌と言った。]
これから1年、よろしくね。
[亜美歌はそう言って背を向けると、
玄関まで小走りで駆け去る。]
─始業式前・玄関─
[新しく位置が変わった下駄箱で靴を履き替え
中に入ろうとした時、自画像と目が合った。>>#1>>#2>>1
亜美歌の動きが止まった。
真っ直ぐな瞳で自画像の人物をじっと見つめている。]
[その美濃も学校を卒業し、
進学したからもういない。>>2>>3>>4>>7
一緒に迎えられなかった卒業式、
燻りはまだ心の中にあるけれど────]
(伊緒っちが隣にいてくれたから、今の私がある。)
[今、ここにいない親友に
ありがとうと頑張るよの決意を込め。
パァン!と両手で頬を叩いて喝を入れ直した。]
──ッシャアッ!いっちょやったりますか!
[真宮寺亜美歌、留年により再度3年生として在籍。
4年目の学生生活を送るせいか
学校の秘密や当時在校生だった生徒、
教師陣の秘密なんかも知る風な一面を匂わせる。
明るく元気な性格として原作に書かれた彼女は
映画だと、一体どんな姿を見せるのやら。**]
留年生 真宮寺 亜美歌は、 3-B(留年) 真宮寺 亜美歌 に肩書きを変更しました。
5人目、 幸阪結月 がやってきました。
幸阪結月は、C国狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 春・四月/大神高校昇降口 ―
[早めの時間とはいえ、下駄箱付近は少々混雑している。
いくつもの声が喧騒を織り成し、
低く構えたカメラは多くの足が右へ左へ進む様を映した。
その中で、先程の生徒だけが立ち止まっている。]
[映像が引くと、小柄な少女の後ろ姿を捉えた。
本来であれば人混みに紛れてしまいそうな体躯だ。
しかし高く結ばれた髪が特徴的なシルエットを作り、
不自然にならない程度にできた人の余白が
彼女を認識できるだけの空間を生み出している。
周囲の人影がぼやけ、動きが緩慢になった。喧騒が遠のく。
――その瞬間、映し出された画の中で。
立ち止まった少女と油彩画だけがくっきりと、在った。]
― 春・四月/大神高校昇降口 ―
[無音に近い画面の沈黙はそう長くは続かなかった。
背を叩く誰かの手が映ると、それを皮切りに喧騒が戻る。
叩かれた側の少女はびくりと肩を跳ねさせ、振り返った。]
びっ……くりしたー。なに、どしたの?
[やや大げさにも思える動きは小動物然としており、
相手を見上げた表情も声も感情を隠しもしていない。
先程とは大きく異なる姿。
しかし少女の見目にどちらが似合うかなんて明瞭で、
相手が驚いていない様子からも
こちらが普段の様子なのだと言外に伝わるだろうか。
通行の多い場所で止まっていたことを指摘された少女は、
やってしまったとこれまた少し大げさに肩を竦める。]
[「また見てたの?」と聞かれた。]
見ちゃってたねー。
だって好きだもん。
[少女は肩を竦めたまま当然のように答える。
「大丈夫?」と聞かれれば、]
何が?
[と、不思議そうにとぼけた顔をした。
そして、それから。
「もうやらないの?」と尋ねる声は躊躇いを含んでいる。]
6人目、 軽音部2年 竹村茜 がやってきました。
軽音部2年 竹村茜は、C国狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[竹村茜の初登場シーンは、学校生活の中のモブだった。
新入生歓迎会でライブに向かうシーンや、遠くに聞こえるその歌声。
2年生の教室のシーンや、登下校。
部活の勧誘、そんなシーンに映り込むだけだったが、そんな彼女がクローズアップされる場面がある。
場面は放課後。
桜の花びらがまだ散りきる前の、春。]
─春─
[相対するのは女子生徒。
真っ赤な夕焼け色に染まる教室内で2人きり、時折桜の花びらがひらりひらりと室内に舞い込む。
竹村の手には、受け取った手紙が握り締められている。
目の前の女子生徒のセリフ。
竹村茜へ思いの丈を伝えるもの。
それを受けて、竹村は目を見開いた。]
[その場面から急にシーンが変わり、昼間の教室内。
昨日の手紙なんだった? と話しかけてくるクラスメイト。]
…別に。
[告白じゃなかったの? と茶化してくるクラスメイトを無視するように、頬杖をつきながら窓の外を眺める。
小説の中ではここで竹村のさまざまな心情が描かれる。
初めての告白だったとか。
まさか女子からされるなんてとか。
そうやって悶々と心情が描かれるシーンだったものが、その心情を説明するものは特にない。
ただ、ノートにぐるぐると試し書きのように渦を書く。
クラスメイトの、告白ではないのかと言う言葉を竹村は否定はしなかった。
そのうちに別の話題にうつり離れていくクラスメイト。
やはり窓の外を眺めたまま。]
当事者になると、話が違うよ…。
[掠れるような声で言葉にする。
ぐるぐる書いていたノートは軽音部で使う作詞のネタ帳らしく、さまざまな恋愛に向けての言葉なども書いてある。
チラリとそれが映るが、ため息をついて竹村はワイヤレスイヤホンを耳に突っ込んだ。
そしてうつ伏せになり、不貞寝を決め込む。]*
/*
おそるおそる さぐりさぐり お邪魔します
肩書きを3-Aにするか3-Bにするかですごく迷っている
伊緒先輩関連で関わりありそうだし(お話できるかは不明とする)、美術部繋がりできるかもだし、別クラスの方がよい距離感かなー
――そうですね。
最初は思ったより大人な子なのかなと思いました。
結月ちゃんは見た目に反して結構ドライな部分があって。だから、一見大人っぽいように見えるんですけど、それって若さ故の反発心みたいなものでもあるし、幼く言ってしまえば拗ねているともとれるんですよね。
でも、学生の頃ってどうしても自分の周囲だけが世界のすべてだと感じてしまいがちだと思うんです。私の頃もスマホはありましたけど、多くを知る大人たちより近くの友だちの言葉の方が重みがあったりして。
狭い世界の中で不満に身を折って、夢を抱いて、足掻いて、時に諦めて。選択肢を狭めて、世界が広がって、少しずつ大人になっていく。
だから、私は『幸阪結月』という人間が好きです。わがままで身勝手で臆病で、でも愛も熱もある。どこまでも人間臭いところがすごく愛おしい。
田美院先生の描かれた“おとな移行期”はただ綺麗なだけじゃない。それなのに目が離せなくて、「あぁ、これが青春だったな」って。
私が通ったのは大神高校じゃないのに、撮影中何度も懐かしさを覚えたりしましたね。「私、実はここに通ってたんだっけ?」みたいな(笑)
(パンフレット内出演者インタビューより 抜粋)
[これらの言葉が世に出回るのはもう少し先の話である。
映画の封切りと共に発行されるパンフレット。
そのインタビュー中に撮影されたのだろう、
文章の横には写真も掲載されていた。
話している様子の彼女は明るい色の髪を下ろしている。
シックなワンピースを纏い、ヘアメイクを施された姿は
劇中のすっぴん(に見えるだけでしっかり塗装された)
メイクや制服姿に比べるとずっと大人っぽく見えた。
インタビュアーか編集者か、はたまた監督か作者か。
写真の上には誰かが選んだ文字が印字されている。]
/*
メイキングからちょっとずれるんですが、先に軸を出しとくと書ききれなくても後悔しないからさ……最後の一文を出したかっただけでした あとは普通(?)にするから……!
─舞台裏/撮影現場/シンガーソングライターNix─
[シンガーソングライターNix。
伸びやかでハリのある声で2年ほど前から活躍しているシンガーソングライターだ。
今回は縁があり、今回の作品の映画化にあたり主題歌を歌う事になった人物でもある。
普段の歌はハードな曲調も多いが、はっきりと言葉の届く声でさまざまな心情を歌い上げる歌手としても支持されている。
そんな彼女であるが…。]
結構周りには女の子同士でお付き合いって
ありましたよね、共学でも。
[竹村茜の役は女子に告白され困惑する女子だ。
そこからの竹村の心情は小説の中でこそ文字として説明されるが、今回はそれが映像作品となる。
心情を文字で示すのは難しい。
況してや彼女は演技に関してはプロではない。
それなのにこんなに繊細な役が出来るのか。
ネット上では配役に疑問を投げかける声も多い。
それでも。]
一先ず努力してやらせてもらいますよ〜。
当時の友達にも気持ちを改めて聞いたりして
取材したり小説読み込んだりしながら
私なりの"竹村茜"を演じてみます。
応援してくださいね。
[記者の問いかけにはそう語る。
映画では困惑する表情が多い彼女の、気取らない笑顔がそこにあった。]*
3-B(留年) 真宮寺 亜美歌は、人狼 を希望しました(他の人には見えません)。
幸阪結月は、 3-A 幸阪結月 に肩書きを変更しました。
― 春・四月/3-A教室 ―
[3-Aと書かれた札が映る。
放課後なのだろう。室内には多くの生徒がおり、
新学期特有のそわそわした空気が感じられた。
今年は特に最終学年、受験が控えているということもあり、
単語帳を眺めたり、足早に教室を出る者もいる。
幸阪結月もその一人であった。
友人が彼女を呼び止める。]
あ、ごめーん。
今日は図書室だから。
[結月は友人の誘いを断った。
言葉だけを見れば図書室で勉強するかのような物言いだが、
生憎結月はそこまで勉強熱心ではない。
成績も現状、中の下と言ったところだ。
代わりに運動神経は上の中辺りに位置しているが、
残念ながらこの場には必要のない情報である。]
[友人が今日が火曜だったことに落胆を見せる。
机に突っ伏す様子に結月は眉尻を下げて笑った。]
週に二回だけじゃん。
[「美術部の頃よりずっと自由だ」とは言わなかった。
代わりに「去年とそう変わらんよ」と続ける。
友人は机に伏せた顔を上げて唇を尖らせた。]
「去年と違って今年は正式じゃん」
[結月はまた笑う。]
[高校二年生の夏の終わり、美術部を退部してから
結月は図書室に通うようになっていた。
前述の通り、勉強のためではない。
課題をやらなかったと言えば嘘になるが、
大半は司書や図書委員の手伝いをして過ごした。
見知った顔がいた訳ではないし、
手が足りないということもなかった。
故に当初は困惑半分迷惑半分といった具合だったが、
絶対に邪魔はしないからという結月の懇願により許された。
そんな居心地の悪い半年間も終わりを告げることとなる。
始業式の翌日、3年A組最初の委員決めで
結月が図書委員の座をもぎ取ったからだ。
全員が委員になる必要はない上に今年は受験もある。
勝率は十分高かったが、最後は結月の拳が勝負を決めた。
ありがとうグー。信じてたよじゃんけん。
あの時の喜びを思い出すかのように握っていた指を開く。]
あ、やば。時間だ。
それじゃね!
[友人に手を振って教室を出る。
17歳にしては幼いツインテールが画面の中を泳いだ。
皆が自分より大きい世界を縫うように駆ける。
途中、誰かにぶつかりかけたが、
新入生に間違えられそうな小さな身体を捻って避けた。
今回は上の中の運動神経に助けられたようだ。]
ごめんなさい!
[ぶつかってない。つまり相手に怪我もない。セーフ。
廊下は走っちゃいけませんが、遅刻をしてもいけません。
相手の顔を確認することもなく謝罪だけを告げ、
小さな背中は廊下の向こうへと消えて行った。]
― 春・四月/図書室 ―
[先程の賑やかな移動とは打って変わり、図書室。
私語厳禁であるが故に、
ページを捲る音やペンのぶつかる音が際立って響く。
窓の外では部活動が行われているのだろう。
吹奏楽部や軽音部が演奏する音も聞こえてくる。
――そこに、美術部の音はない。]
……。
[カウンターに腰かけた少女は静かだった。
普段の軽快な発言がないからだろうか。
笑い合う友人が傍にいないからだろうか。
その瞳は凪のように静かだ。
作業を終えてしまったせいで手持無沙汰なのか、
ぼんやりと窓の外を眺めている。]
7人目、 美術部顧問 松本志信 がやってきました。
美術部顧問 松本志信は、C国狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
ー舞台裏/オーディション直後/会場の廊下にてー
ーーインタビューですか?ええ、構いませんよ。
[オーディション直後の光景である。雑誌記者にマイクを向けられた役者、行平幸大は少し困ったような表情をしながらも足を止めた。
まだオーディションの結果は出ていない。つまり、行平が役に抜擢されるかはわからないからだ。
記者は自分から何を聞き出したいのだろうと値踏みしながら、質問に答える]
松本志信という役を希望した理由は、彼が今まで演じたことがないタイプの役だからですね。
遣り甲斐があると思いました。
それに、私は田美院先生の著書の大ファンで。
[行平が原作者のファンなのは嘘ではない。しかしこの無難な答えは気に入られなかったようで、案の定記者は行平のプライベートについての質問を飛ばしてきた。
去年行平は離婚を経験している]
……どんな事柄でも役に活かせると思っています。
[松本志信は美術教師であり、離婚歴がある、という役柄である。原作も映画も設定に違いはない。その役を行平が希望したのはつまりーーと、書きたい訳か。苦笑が漏れそうになったが、済ました顔を作る。役者なのだからこの程度の演技は楽勝だ]
私より、重要な役のオファーが来た丹田さんにインタビューした方がいいんじゃないですか?
[多田沙也加は行平と同じハーツホリックプロダクション所属の女優である。彼女はオファーを受けて>>8美濃伊緒役を演じることが決まっていた。
32歳である行平より年下であるが、芸歴、人気共に格上の存在だ。
彼女を行平は尊敬しているので、この言葉に他意はない。
記者をかわした後、ついと虚空を見上げる。
合格を祈る以外、頭にはなかった]
─始業式前・校門─
[美術部顧問・松本志信は校門の近くにのそりと立っている。
紺のスーツ上下に黒の革靴。普段の絵の具に汚れた白衣姿と違いキチンとした格好をしているのは、本日が始業式であるからだ。
すれ違う生徒たちと挨拶を交わす。
知らない顔は新入生。
見知りの顔は在学生。
見知りの中でも見知り、留年生である真宮寺亜美歌の姿を見かけると、松本は軽く手を挙げた]
>>17>>18
よう、早いな。
[軽い挨拶のつもりであったが、彼女からは怒涛の返しがやってきた。元気がはち切れそうな様子。おいおい、と肩を竦め]
そりゃ始業式なんだから、俺だってちゃんとするよ、しますよ。
……お前も今日ぐらいは大人しくしとけ?
他の先生たちに目をつけられても知らんぞ。
[松本自身は生徒に口煩い方ではない。だからこんな言い方だ。
覚悟とやらが以下程か、などと考えつつも彼女らしい言葉にはニヤリとした表情]
ハイハイ、今年も宜しくな。
[挨拶には挨拶。ヒラヒラまた手を振って、校舎に消えていくその背を見送った]**
― 舞台裏・クランクイン/図書室 ―
「幸阪 結月役、根岸 寧子さんクランクインです!」
[最初の撮影は図書室だった。
スタッフの声に全員が拍手で出迎える。
根岸はカウンターの前に出てお辞儀をした。
顔を上げたところで両脇に鎮座する髪が顔面を襲い、
周囲からあたたかな笑い声が上がる。
普段、稽古の時もひとつに纏めることしかしないので、
まだこのじゃじゃ馬な二本の尻尾に慣れていないのだ。
少し照れたようにはにかんでから小さく息を吸った。]
幸阪結月役、根岸寧子です。
映画への参加は初めてですが、
皆さんにご迷惑をおかけしないよう……いえ、
皆さんともう一度青春を謳歌できればと思っております。
よろしくお願いします!
[実直に、真面目に。
「青春」と告げた時は少しだけ砕けた口調で。
噛まずに言えたことに内心ほっとしながら再び頭を下げた。
初々しい挨拶に演者もスタッフも拍手を重ねる。]
[根岸寧子は遅咲きの新人女優である。
高校卒業と同時に上京し、劇団員となって8年。
今年初めに芸能事務所『メロウ』に所属する運びとなった。
事務所に所属できただけでも奇跡なのに、
入ったばかりの彼女が映画出演できたのは
原作者の田美院先生の一声があったからに他ならない。
田美院先生の小説『光では、君の手に届かない』が
舞台化されたのは数年前のことだ。
劇団『ひなぎく』に所属していた根岸は端役を貰った。]
[舞台は、カメラを通さず、目で見る作品である。
オペラグラスなどを用いれば近づくことはできるが、
今度は舞台全体を見渡すことが叶わなくなる。
根岸寧子は小さい。身長は146cmで止まってしまった。
来年の3月には27歳を迎えてしまう身、
成長期を期待する時期はとうに過ぎ去っている。
根岸寧子は小さい。
舞台から遠く離れた席から見ればきっと豆粒だ。
だから彼女は身体を大きく動かした。
間近で見れば些か大袈裟かもしれないが、
演者と観客との距離を考えればこれくらいでいい。
幸運にも身体を動かすのは得意な方だ。
主演の邪魔はしないように、けれど印象に残るように。
原作と舞台の一助になるように。一員になれるように。]
[――そんな演技が、
田美院先生の記憶の端に引っかかっていたらしい。
オーディションに受かった後、
キャストとの顔合わせ・読み合わせを初めて行った日、
ご挨拶に伺った先で声をかけてもらった。
「幸阪には小さな身体で大きく動ける人が必要だった」と。
嬉しかった。
自分の努力が実を結んだようで。意味があったようで。
元から好きだった『幸阪結月』をもっと好きになった。
これまでのように、これまで以上に大切に演じたいと思う。
根岸寧子は遅咲きの新人女優である。
いや、正確に言えばまだ咲く前の段階だ。
花開くことができるかはこれからの己次第である。
頭上に聞こえる拍手を聞きながら、お腹に力を込めた。]
[気負い過ぎても駄目。気を抜きすぎても駄目。
新人とはいえ、数年演劇に身を置いてきたのだ。
力を入れるばかりが正しさでないことは理解している。
それでも初めての現場に要らぬ力が入っていたのだろう。
メイキングを撮影しているカメラマンに
「緊張してる?」と尋ねられてしまった。]
……バレました?
[挨拶を終えて、数シーンを撮り終えた後のことだ。
もしかしたら声をかけるきっかけを作っただけだったかも。
そう思っても口から出た言葉は戻らない。
体格と同じく小さい両手で隙間を空けて口元を覆う。
ヘアメイクさんの力作を崩す訳にはいかない。
視線を向けた先、カメラマンの笑い声が微かに聞こえた。]
やっぱり……緊張はします。
でもわくわくの方が大きいです。
このシーンひとつひとつが積み上がって、
『─玉響に“なけ”─』になっていくんだって。
[そのまま、見てくれている人へメッセージを求められる。]
そうですね……さっきご挨拶でも話したんですが、
映画を見て、もう一度でも初めてでも、二度三度でも
青春を味わっていただけたら嬉しいです。
[撮影途中であるが故に長い時間は取れない。
カメラの向こうへ笑顔で手を振って、
"はじめてのメイキング" は終わりを告げた。]**
/*
メモに書くことは先に表に出したい精神でした
発言めちゃ多かったのそのせいです せいであってくれ
進路希望だけどうにもならなかった……ここからはもうちょっとゆったりする ぞ!
実は誕生日が同じネタも入れたい 足掻きの3月生まれメモ
あと芸名にしようかを一生迷ってるけど、名前三つあるのややこしいのでどちらにしろ本名は伏せでいい気がしている
8人目、 3-C 飯島明良 がやってきました。
3-C 飯島明良は、ランダム を希望しました(他の人には見えません)。
うん。ああ、美化委員になった理由?
そんなもんないよ、泉先生に勧められたからさ。
つーか、皆あんまやりたくなさそうなの分かってたし。
まぁ、三年生で受験だし、内申にでもなれば御の字かなーって。
いやー、そりゃもうあれですよ、俺も将来のことを考えるわけで、暇だし丁度いいやって。
あ。それより昨日、坂本が勧めてきたんだけど、ちょっとこの動画見てくんない?
めちゃめちゃくだらねーから。な?ヤバくない?
こーゆーこと、まだやるやついたんだーって。な。分かる。
3-C 飯島明良は、C国狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[同年代の少年の中、人の良さそうな微笑みを浮かべて、相槌を打っている少年。それが飯島明良。
彼の初登場は、教室内のガヤとして。
教室内の些細なやり取りの一つとして。
そんな彼がクローズアップして描かれるのは、もう少し後のこと。
進路のことを話題に出した割に、三年生の今時分でも進路が決まっていないことが分かるのも、もう少し後のこと。]**
[大丈夫、ドッキリじゃないからとマネージャーに何度も念押しされ、キャストに関する資料に目を通す。
丹田が資料を渡される前、もしくは後に何かしらの修正や変更が生じていたかもしれないけれど]
オーディションやオファーだけじゃなくて、
現地エキストラ動員まで……。>>15
そうですよね、舞台が舞台ですし。
[その中に映画主題歌のシンガーソングライターの名前はあったか。>>38>>39
この時点で映画主題歌を歌うことは決まっていたか。
キャストたちの名前はこの時点で書かれていたのか。>>15>>22>>35>>36>>37
丹田が書類を手にしたのはオーディション結果が出た後のこと。>>46>>47]
─舞台裏(映画出演前・回想)/『錠の輪』撮影風景─
[ドラマ『錠の輪』に、事件を目撃したか刑事に尋ねられる男装喫茶の執事役として現場にいた時のこと。
尋ねた刑事役の役者は行平じゃなかったかもしれない。
もしかしたら自分の出演シーンのみ全カットなんてことも否定出来ない。]
畏まりました、旦那様。
存じる限りの事は全てお話しいたしましょう。
────貴之、此方へ。
[そう言ってもう1人の目撃者である執事を呼び出すシーン。白手袋越しの手でパンパンと2回手を叩けば、OKの声。
刑事役が誰にせよ出番が終われば関係者各意に挨拶し、次の出番まで他の役者の演技を眺めて芝居の勉強。
どの現場でも、相手が誰でも欠かすことのない習慣。]
[自分の出番がない時に見た、熱血刑事役の行平の演技。
他にも彼の演技や作品、本人に接する機会があった。
生真面目そうで、役作りに熱心な様子。
演技に触れるたび、彼の話を耳にする度心で感嘆した。
丹田は常々こう思っていた。
芝居を追求する姿に年齢も芸歴も関係ない、
思わず敬意を表したくなるような人物かどうかだと。
それで言えば行平への評価は脱帽もの。
芝居への敬意が感じられない相手や、ちやほやされるのが当たり前だと考え自らの実力を磨かない役者や時の人として知名度だけで登用されるケースを憂う丹田にとって。
彼は後輩どころか“尊敬すべき先輩”という認識なのだ。]
─舞台裏/回想での生徒役、教師役での共演─
行平さん、調子はどうですか?
[美濃3年生の回想シーン撮影現場、
美術室で行平に話しかける丹田。
丹田は年上年下芸歴役者裏方関係なく相手には敬語で話す。(止めろと言われたら止めはするが)]
私も……負けてられませんね。
[同じ事務所の後輩兼、顧問と元教え子役の関係兼、
芝居のライバル兼、この人は本物だと心から尊敬する役者の行平に晴れやかな笑みで告げた。
いい意味で闘争心が掻き立てられるのは丹田だけの秘密。今回の現場と撮影は、どうやら丹田にとって楽しい時間になりそうだ。]
9人目、 帰宅部 ケン・ドリック がやってきました。
帰宅部 ケン・ドリックは、C国狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
― 春・始業式も終わり ―
[ガシャアァァン……ッ
振り上げたモップは手の中からすっぽ抜けて、
窓ガラスに直撃した。
運悪く金具部分が当たったのだ、
大きな音を立てて校舎の窓ガラスが割れる。]
( ……あ )
[無表情で軌道を見送ってから、ゆるり首を傾げた。
女子生徒に絡んでいた二人組の上級生は
『 あいつやべぇよ 』そんな台詞を吐いて、退場。
『 助けて……っ 』
ケンドリックにそう請うたはずの女生徒もまた。]
……え…………、
[ひとり残された青年の元に、
騒ぎを聞きつけて駆け寄って来る教師陣。
その血相と口調から、己がやり過ぎたのだと知る。]
………………。
( まぁ )
( 助かったのなら、いっか。 )
[安堵の感情は面には乗らず、
大人しく、職員室へと足を向けた。]
[ニヤリとした表情に、同じぐらいのニヤリ顔で>>49>>18背を向ければ>>18
ヒラヒラ手を振って校舎に消えていく背を
見送られるシーン。]
あー!ティーチャーってば本当相変わらずだ!
[原作・映画共に玄関へ入った直後、
1人で叫ぶシーン。>>19
留年しても顧問が態度を変えずに接してくれたと感じ、
相変わらずだと呆れたように言いつつもどこか嬉しそうな、晴れ晴れとした表情がアップで映し出されていた。
原作小説にはこんな一文がある。
“松本の様子に、亜美歌は何度救われたことか”]
(……ティーチャーって、
何で教師の道選んだんだろう?)
[原作では3-A.1度目の3年生の春に
2人きりの美術室で尋ねているが、
映画では──────]
─1度目の3年生の春/美術部の部活動と亜美歌の疑問─
うっへぇ〜……やっぱ金属描くの無理だよ……。
[美術部の放課後、美術室での部活動シーン。
銅版画に取り組む生徒もいれば木炭デッサン、
油彩にアクリル、水彩画にフレスコ画、彫刻など
何人かの美術部員が自分の作業に取り組むシーン。
亜美歌はボウルをモチーフにした鉛筆デッサン、
当時同級生だった美濃は隣で油彩の自画像に取り組んでいた。>>#1>>#2>>1>>6]
[最初は根気強く取り組んでいたものの、
苦手な金属モチーフに辛くなってきたのか手が鈍る。]
ねえねえティーチャー。
ティーチャーはさ、何で教師になったの?
[集中力が切れた時用に置いてある
美術部一角のお菓子コーナー。
個包装のバームクーヘンが入った袋を手に取り
「みんなもいる?」と声をかける姿が映った。]
何で教師になったか、選んだというかさ。
なったとしても選んだにしても
理由と経緯が全く分からんのよ……。
[個包装の小袋を開け、ぱくりと頬張る亜美歌。]
あれ、でも前にティーチャー話してくれたっけ?
あれ?何か記憶あやふやだわ。ごめん。
[ゴミをゴミ箱に入れ、松本の方を向く亜美歌。
亜美歌が松本に尋ねる場面の状況が
原作と映画で明確に違うシーン。**]
ー舞台裏 回想・飯島明良と水戸泰誠 ー
「夢。それがどれだけ得難いものであるか。
将来。それがどれだけ曖昧なものであるか。
飯島明良は知っていた。」
[それが、飯島の視点がクローズアップされた文章の、最初の書き出しだった。
僕には、その気持ちがよく分からなかった。よく分からないような気がしていた。
夢も将来も考えていないなら、役者の道には進んでいないだろう。
だから最初は、合わないんじゃないか、なんて、そんな風に思っていた。]
[人気子役として持て囃された年月から、4年。
エキストラや傍役の仕事を必死で掴んで過ごした4年。
画面に映るのは、ほんの数瞬。台詞が一言、二言割り振られればありがたい。
夢は得難く、将来の見通しは明るくない。
掴めない役にも未来にも、焦燥感と不安で宙ぶらりん。
それでも前に進んで、でもちゃんと脚が進んでいるかは分からなくて。
飯島明良役でのオファーという僥倖に恵まれたとき、素直に喜べなかったのは。
玉響に“なけ”の別役オーディションで一度落ちていたから。
オファーを受けたのは、飯島明良という人間をちゃんと知ってみようと思ったから。]
ー 舞台裏 自らの役についてのインタビュー ー
飯島くんを、僕から見てどう思うか、ですか?
そうですね。周りからは適当に見えるけど、本当は繊細で、彼なりに悩んでもいて。
でもそれを、自分が気づいていないんですよね。彼の周りには彼の本質に気づいてくれる人もいるんですけど、飯島くんがそれに気づけていないから。
だから、周囲のことは見えてても、自分のことが分からない。そんな印象を受けました。
でもそういうことって、気づかないだけで、僕にも経験があることなんじゃないかと思うんです。
それで、それはもしかしたら僕だけじゃなくて、色々な人に経験のあることじゃないか、とも思い至って。
だから僕にとっての飯島くんは、今まで知らなかった気づきをくれるキャラクターです。
自分の知らない自分の姿を見せてくれる、そんな飯島くんのことを、僕の演技を通して皆さんに知ってもらえたらいいな、と思っています。
[映画 ー玉響に“なけ”ー キャストインタビューより]
ー 春・放課後の校舎、玄関正面の廊下にて ー
[>>6 一回、二回、三回と、少年はゆっくりと瞬きを落とした。
>>23 時は異なるが、同じようにこの絵を眺めていた生徒がいるとは知らぬまま、暫しの時間を少年は立ち尽くす。
やがて、その絵に注いでいた視線を、ふいと逸らして、少年は玄関から外に出ていく。
何食わぬような顔に、顰められた眉。それだけがカメラの中、彼の心中を表していた。
彼はそのまま、正面玄関外にある花壇へ。
遠く部活動に励む生徒の声をBGMに、ぼんやりと土いじりをする。
手で土を摘まむ、土を手に乗せて眺める、土をぱらぱらと落としてみる。
暫くそんなことを繰り返して、花壇の落ち葉に手を伸ばしたとき、かけられる声。
少年は笑顔で返事をする。]
クソめんどーだから早く帰りたいわ!おつかれー!!
[手を振って帰る同級生に、少年もまた手を振って。他にも声をかける生徒がいれば、同様の挨拶をして。そんな下校時間のワンシーン。]
─舞台裏・正式キャスト発表前・初めての映像作品出演と”フビンセス”─
[ここは劇団浮かれロースカツ定食が
20年前から利用している小劇場の稽古場。
劇団員として13歳から23歳までの
芸歴10年間、大分お世話になった場所。]
えっっっぅ、私にオファーですか!?嘘でしょ!?
だって舞台経験だけの無名な……イッタッッ!!
[突如降りかかってきたオファーの話を
別に所属する芸能プロダクション
セブンス・ハイのマネージャーから受け
動揺した結果……
後退した勢いで鏡張りの壁に後頭部を激突。
頭を抑えて悶絶する姫野が1人で転がる。]
[セブンス・ハイ所属の俳優、堤丈の演技に憧れて
入団した劇団浮かれロースカツ定食。
ダンディな役柄で有名な彼の助言に従い
同じプロダクションにも所属。
そんな姫野の芸歴は舞台が殆どを占めていた。
しかもアンサンブル・キャスト(※舞台用語)が主で
個人としての役を貰えたのはつい最近のこと。
それまでは小式部内侍で
宮中の女房役が一番大きい舞台、>>9
舞踏会の貴族に物乞いの母、サーカスのクラウンに
食堂の勝気な看板娘などの
1人13役を13公演連続で演じたり……
けれど陽キャな大学生やかかあ天下の女、
勝気だったり気が強い性格の役が増え始め、
それに伴い台詞も増えた。]
[そんな姫野が動揺を何とか抑え、
オファーが来た役について話を聞くと納得する。
姫野にとって亜美歌は“過去の自分”だから。
亜美歌はどんなに努力しても
数学がどうにもならなくて、
姫野は仕事で出席日数が足りず
在籍してもう1度3年生を繰り返した。
かつての後輩と同級生という微妙な気まずさも、
相手もどう接すればいいんだろうという
戸惑いを感じ取ったのも
距離や壁を取っ払おうと
自分からガンガン積極的に話しかけ、
敬語いらないタメ口でいいと言い続け、周囲と打ち解けた姿も全く一緒で笑ってしまったぐらいだ。]
[“覚悟”>>18を決める前の葛藤も、
決めるに至った経緯も、
全部全部痛いほどに分かったから。]
氷室さん。私、この役やってみます。
[気づけばマネージャーへ無意識に言葉が口を突く。
今の
全てはここから始まった。]
[そう、張り切ったのも束の間。]
えっ?ちょ、ちょっと待ってください
親友の美濃 伊緒役、丹田さんなんですか!?
ネームバリュー違いすぎますよ!!
[知名度桁違いの相手が親友役と知り、
一瞬目眩を起こしかけるも仕事は既に決まった。]
だ、大丈夫かなぁ〜〜〜〜…………。
[映像の初仕事、知名度違いの相手。
後自分のジンクスもちょっと怖いな。
亜美歌役の役者、姫野の小さな裏話おしまい。**]
― 出演者インタビュー第9回『千木良 ケインさん』 ―
ケン――は、そうですね。
原作だと、もっと血気盛んなキャラなんですよね、
監督が、ケンに関しては動的な部分抑えたいとのことで。
多分ね、他とのバランス見てってことなんでしょうけど、
台詞減って残念って? いやぁ楽できて喜んでます(笑)
年齢も自分と近くて、そう、名前もちょい似てるんですよ。
で、思春期の悩みとか共感できる部分もあるかなって。
ちょっと、何考えてるか分かりづらいキャラなんですけど
ほら、この現場、大先輩が多いんで、
あ、違いますよ、嫌みとかじゃなくて……すみませんてば、
(ちょうど楽屋に顔を出した■■に頭を下げる千木良さん)
経験ではね、敵わない部分も多いので、
若さでね、カバーしていけたらって思ってます。
原作とはまた違う楽しみかたのできる
すっごいいい映画なってると思うんで、
ぜひ劇場まで足を運んでほしいですね!
[撮影の合間を縫っての取材は時間にして15分程度。
インタビューが使われるのはまだ先のことだろうから、
疾うにクランクアップを迎えたかのような言葉で締めた。]
お弁当、持って帰っていいですか?
そう、食べ損ねちゃって。
いえ、二個はさすがに……夕飯もあるんで!
[15歳の食欲を過信したのか差し入れを欲張り過ぎた。
あるいは久しぶりの現場で調子が乱れているのかもしれない。]
[千木良ケイン中学三年生。
大人びた風貌と上背で、年齢より上に見られることが多い彼は。
水戸泰誠同様子役上がりだが、
彼ほど人気を博したわけではない。
また、役者としての己の需要が限定的であると理解してからは
モデル業をメインとしていた。
今回のオーディションは事務所から受けさせられたもので、
役が決まるまで原作も読んでいない。
熱意の不足は見て取れただろうから、
選ばれた時には正直なところ、喜びよりも驚きが勝った。
それでも、
与えられた役――ケン・ドリックとはまた別の角度で
内心を面に乗せない千木良は、瞬時に喜びの顔を作り、
周囲の『 おめでとう 』に笑顔で応えた。**]
[廊下の開いた窓から風がザァッと吹き込む。
風は美濃の髪を、掲示板に貼り付けられたプリントを、窓ガラスを大げさに揺らした。]
─舞台裏/回想 NGシーン/高校3年生時代 夏の終わり/─
[さて、このシーン。実はNGシーンも出ていた。]
あの、幸阪さん。
今週の今週のクロッキー会、来る?
[そう、ここまでは良かったのに
次の瞬間思わぬハプニングが起こる。]
[ザァッ!と開いた窓から吹き込む風。
だが風が結構強かったようで、掲示板のプリントがビュン!と勢いよく剥がれたと思えば]
うわっぷ!!
[丹田(美濃)の顔面直撃。]
すいません、もう1回お願いします……。
[顔に張り付いたプリントをぺりっと剥がしてTAKE2.
ちなみにOKシーンとNGシーンの風はどちらも自然の賜物。仕込み一切なしで起こった全くの偶然だった。]**
─舞台裏/丹田沙也加という、類稀無き才との縁─
[行平幸大が役者を目指したのは26歳の折。
大学まで演劇部に所属していた行平であったが、卒業後は会社員という無難な道を選んだ。
棄てた夢に行平を立ち返らせたのはーーある映画のスクリーンに現れた女優であった。
丹田沙也加。
人を惹き付けずにはいられぬ演技が、輝かしく眩しく、行平の心の琴線をかき乱した。
会社勤めを続けながら演劇養成所に通い二年、行平はある芸能プロダクションへの所属を果たす。
ハーツホリック。
丹田が所属する事務所である。
>>59
こうして、後輩として彼女と対面することになった訳だがーー行平はこのエピソードを未だに誰にも話さず、胸に秘めたままである]
─舞台裏(映画出演前・回想)/『錠の輪』撮影風景─
[事務所の先輩後輩。そんな関係であった丹田と行平が共演を果たしたのは、刑事ドラマ『錠の輪』にて]
目撃者が、本人は気付かないが見ていることがあるはずなんだーー
お願いします!執事の方にもう一度話を聞かせて下さいッ
[熱血刑事役である行平は、深々と頭を下げた。
全身から捜査への意欲を溢れ出すように。漲らせる。
>>64男装の麗人、執事役である丹田沙也加が白手袋を打ち鳴らす。その立ち振舞いには一分の隙もない。
ーー飲まれるーー
しかし、これは一瞬の出来事だ。
凛とした空気が態と、ほどける。
彼女はこの場面で脇役であることも承知しており、行平より目立つように演じないーーそういう、事か。
行平は鷲掴みにされていた。役者魂という心臓を]
─舞台裏/回想での教師役、生徒役にて再びの共演─
[ーーカット、はい、休憩!
監督の声が響く。
美濃伊緒と松本志信のシーンは回想という形で描かれる。>>67
彼女は制服姿であろう、対する行平は美術教師として汚れた白衣を衣裳として纏っている。
滑らかに発せられる自然な敬語に特に違和感はない]
ーー良いですよ。久しぶりの共演で少し緊張していますがね。丹田さんが作る空気は、私にも松本にも馴染むのでーーとても。
[居心地が良い、と続けた。
だが、これだけでは言葉が足りないだろう。松本を演じる時の寝惚け顔とは異なる締まった顔つきにて]
お陰で松本が掴めて来た気がします。
[まさか、先輩である彼女が行平に負けん気を語るなどは想定外。驚きを載せた瞬きの後に表情が綻ぶ。
その後も役やシーンの解釈を遠慮なく話し合うことが出来たであろうか。向学の華が咲く場は行平にとって実りある時間であった]
[表現という体躯。
役者はどこまで芽吹く事が出来るのだろう。
春の息吹は遠からず。
酔い心地ーー良い心地がそこにあった]*
─舞台裏/自らの役についてインタビュー─
うーん、歌っていう共通点はあるんですけど
茜ちゃんと私は全然似てないですね!
私だったらこんなに悩まないですよ。
ごめんなさいってお断りして、はい終わり。
でも、この子はとても真面目な子だから
作中でもすごく悩んでしまうんですよね。
ああ。若いなあ、初々しいなあ〜って感じます。
自分の中の常識とは違うもの。
それに対する戸惑いを
誤魔化すことも曖昧にすることもできない
そんな潔癖な…正義感、とでと言うんでしょうか。
そう言うのって私、子供時代特有のものかなって
そう思うんですよ。
その癖、受け入れられないことに罪悪感を覚えたり
第三者からまた別の
正義感や常識を押し付けられたり。
まあこれは、大人でもあることなんですけどね。
学生時代って、もっと小さい頃とは違って
言葉も意思疎通も達者になってるから
そう言うことで迷って苦しむことが
とても多いと思うんですよね。
お互いの正義感や常識を押し付け合うみたいな。
茜ちゃんはまさに、そんないろんな正義感の中で
悩んでいく姿が、青春!って感じですよね。
[映画 ー玉響に“なけ”ー キャストインタビューより]*
/*
あわよくば誰か女子が告白してくれたら、もしくはその女子の関係者が来てくれたら、対話で話が広がるなあと思ってたりします。
ちょっと聞いてた曲に影響されまくって作ったキャラです。
yoasobiさんの怪物ですね。
あと、LGBTの権利があれこれ言われる昨今、その周囲の人物にフォーカスを当てる作品ってあまり知らないなあと思ったのでやってみたいと思いました。
/*
言うても飛び入りの子以外女子はみんな入ったから望み薄かな!>告白する子
一応、それなら時間経過ごとに場面を落とす予定。
10人目、 放送部2年 がやってきました。
放送部2年は、C国狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
―春・中庭―
[放送部の活動は大まかに分けて三つある。
一つは部員が順繰りに行っている昼休みや放課後の校内放送だ。
玄関口近くにはリクエストボックスが設置されており、問題ないと顧問が判断した曲は割合自由に流せる事になっていた。
二つ目は学校行事の進行。
設備の設置から、時には放送席からアナウンスや実況を行い、撤収までを務める。
そして最後の一つは。]
「フジコー、声揺れてる。もう一回。」
は、はい…。
[タイムキーパーを務める先輩の指摘に、少年──海藤 コウはがくりと肩を落とした。]
放送部2年は、 放送部2年 海藤 コウ 放送部2年 に肩書きを変更しました。
放送部2年 海藤 コウ 放送部2年が村を出て行きました。
10人目、 放送部2年 海藤コウ がやってきました。
放送部2年 海藤コウは、C国狂人 を希望しました(他の人には見えません)。
[最後の一つは大会への出場。
放送部員は放課後に中庭で準備運動や発声練習を熟した後に、各班に分かれる。
アナウンス班。朗読班。テレビドキュメント班。
全国高校放送コンテスト出場を目指して地道に努力を重ね、手が空けば別の部門の手伝いをしていた。
少年は朗読部門。
指定された五作品の中から一作品を選び、一分三十秒以上二分以内で朗読する。
時間の感覚は勿論、正確さや聞きやすさなども求められる部門だ。
何度も読み込んだ原稿のコピーは、端がへたっていた。]
[少年はアナウンサーや番組制作に興味があるわけではなかった。
それなら何故、放送部に入ったのか?
あがり症を克服出来たらいいと思っての事だった。
緊張すると言葉がうまく出なくなってしまう。
国語や英語などの教科書の朗読は当てられない事を必死で願う日々。
そんなコンプレックスが和らいだなら、少しは自分に自信を持てるかもしれないと。
初めて部員の前で朗読の発表を行った時には泣きそうな気持ちになったが、それでも回数を重ねる事で徐々に慣れていった。]
……でも、今年も難しいんだろうな。
[少年はぽつりと漏らす。
目下の目標は、5月から6月にかけて行われる都府県地区大会。
全国大会に出場する為には、上位入賞者か上位入賞作品に選ばれなければならない。
けれど周囲と比べれば、自分の実力差は否めない。*]
―舞台裏/クランクイン―
「本日クランクインの海藤 コウ役の烏藤 柊平さんです。」
どうも、烏藤 柊平と申します。
皆さん、よろしゅうお頼もうしますー。
あ、これ、差し入れです。
皆さんで分けて下さい。
この蜂蜜レモンバターサンド、めっちゃおすすめなんで!
[ややうさんくさい関西弁。
満面の笑みでその場にいた面々に挨拶するのは、役の少年とは雰囲気の正反対ともいえる役者だった。]
あー、役者は間違うてませんから、安心して下さいね。
こほん。
……あ、あの、えぇと…
よ、よろしくおねがい、します。
[軽い咳払いをした後、役者から役に変わる。
おどおどと周囲を見回す仕草は、初期の海藤を意識したもの。]
そんなわけで、これから仲良うやってけたら嬉しいです。
よろしゅうお願いします。
[切り替わったように烏藤に戻った青年は、もう一度にっこりと笑ってみせた。]
[烏藤 柊平は、大学進学を機に故郷を離れ、演劇青年として過ごし、現在は劇団螢雪に所属していた。
出身者にはテレビや映画で活躍している俳優が数名いる、歴史もそこそこに長い劇団だ。
彼の活動の多くは劇団での公演で、まだメイン配役には入らないものの、三枚目のお調子者から病弱な青年、二重人格者まで幅広く演じている。
テレビや映画での露出は少ないが、事件の被害者役や連ドラの単発話に何度か出演経験があった。
その中で印象的な役といえば、ヒロインに募る思いを拗らせたストーカー役。
勿論、害を及ぼす前に取り押さえられるのだが、もがきながら血走った目でヒロインの名前を叫ぶ姿は真に迫ったものだった。
それは烏藤の以前に演じた二重人格者役を見た演出家のオファーによるもの。*]
ー美術部の部活動・疑問に答える松本ー
[ありきたりな部活の風景。美術部の部室にて、熱心に作品に挑む生徒たち。>>76
真宮寺亜美歌、美濃伊緒の姿がある。幸阪結月は退部した後の>>30シーンであろうか。
松本はそれぞれの活動に勤しむ皆の間を緩やかに歩く]
よしお前ら、意欲を無理に引き摺り出さんでいーぞ。気が乗らんなら中庭で昼寝でもしてこい。
俺も寝に行くから。
[ふわあ、と大きな欠伸を溢す。台詞はそのままだが、欠伸は原作の描写にはない行平解釈のアドリブだ。
次の台詞はーー真宮寺亜美歌役、姫野真弓が行平に話し掛ける。
ティーチャーという特徴的な呼び方が、姫野の声にマッチして亜美歌と松本の親しい距離感を演出している]>>77
― 1年前・春/美術部にて ―
[神宮寺亜美歌>>77が周りの部員に声をかける。
彼女が顧問である松本に声をかける背後で
何人かが席を立つ様子が映った。
ピントは手前の二人にあっており、
背後の生徒たちはどこか朧気だ。
その中に特徴的なツインテールの後ろ姿もあった。
他の生徒に声をかけられたようだが断ったのだろう。
小さな背中がこちらを向くことも、動くこともない。
ただ、キャンバスの前で黙々と作業をしているようだ。
二人の会話に割り込むこともなく、
カメラがそちらに意識を向けることもなく、
ただ、同じ空間に存在するというだけのこと。
原作では存在しなかったシーン>>78は、
代わりにふとした瞬間の登場人物の交錯を
自然と織り込んで見せた。]*
ーーなんで?それはーー
教える立場から学ぼうと思ったからさ。教えられる方はしっくり来なかったんでねぇ。
ーー俺が教えるもんにピンと来ないなら自分を信じていーんだぜ、お前らも。
[教師に反発しながら教師になった男、それが松本であった。飄々とした語り口。
このシーンは原作では二人きりで話すシーンとして描かれている。>>75
よって、松本から亜美歌だけに贈られる台詞があった。
『お前も来るか、こっちに。
そんで昇るか、上まで。
ーー亜美歌』]
[シーンが映画で改変されたのは監督の意向によってである。
この台詞はだらけた松本には珍しくシリアスであり、行平にとって照れるシーンであったので、内心演じ方をどうするか考えていたのだが。
ホッとしたような、残念なような。
だが『─玉響に“なけ”─』の主役は生徒たちであるのだから、松本は引き立て役で良い。
監督の意向は正しいと行平は思っていた]
ー舞台裏/美術部のシーンの後ー
姫野さん、お疲れ様です。ジュースいかがですか。
[美術部のシーンの収録が終わった後に、行平は姫野の飲み物を進めた。シーン内でお菓子を食べていたので>>77喉が乾いたのではないかと。
差し出した林檎ジュースの缶は冷えている。受け取らずとも構わない]
姫野さんの演技はとても生き生きしていますね。まるで真行寺亜美歌が原作から飛び出たようです。
[行平は姫野が亜美歌に自分を重ねている事は知らない>>85。
といっても、重なる部分が多いから演じるのが簡単というわけでもない。姫野という役者の演技力が輝いているからであろう]
やはり舞台経験が活きているのでしょうか。あなたのような実力のある方と共演出来て嬉しいです。
良い映画にしましょうね。
[握手を求めるのはおかしいだろうか。辞退されたとて問題はなく、行平は屈託ない笑顔を彼女に向けた]**
/*
基本テンション低めで、笑顔が赤しかないのはある意味おいしい。
2年生は現状3人?
折角だから同じクラスとか、いいかな。
/*
やってしまった……すまない
しかし背景モブだけの投下でセーフ
実はここからもっと大きいの投げようとしていたので へへ
方向転換しましょうね あぶないあぶない
─舞台裏/どうして竹村茜役になったのか─
[田美院翔からオファーがあった。
それは竹内茜が歌手を目指す少女であったことや、主題歌をNixが担うことでそれと同時に、と記事にされていたかもしれない。
その実、それらは半分真実で半分が事実と異なる。
Nixと田美院翔は、実は別の繋がりがあったのだ。
昔のリズムゲーム。昔の名曲に乗せて、応援団がみんなを応援してガッツを送る、そんなゲーム。
何かの収録で同席した時、そのゲームのプレイ動画で盛り上がった。
Nixにとっては、歌う事はこのゲームの内容のように、どんな形であれ誰かへ向けての応援歌を贈る意味合いが強い。
気合いの応援で凍りついた地球や太陽を甦らせる、そんな破天荒なストーリーだったが、名曲の素晴らしさや破天荒なストーリーを彼も知っていて、お互い盛り上がったのである。
その後、そんな青春時代への応援歌を…と、主題歌へのオファーと役柄へのオファーがあった。
役を演じる事は今までなかったもの。
主題歌はともかく歌は…と断りかけたものの、やる、と決めたのは。
重なる部分があったからかもしれない。
いつかのあの日の、自分自身に。]*
/*
しかし、交流むずいなー。
2年生のは拾いたいような。
思考パターンが常に二つあるのが初めて?なので新鮮。
でも基本ソロでやりたいことやらせてもらえたらと思っての参加だから、今回はそこまで気張らないつもり。
ー 春・ある日の朝 校舎前花壇にて ー
[パンジーが咲いていた。赤、青、黄、紫、白、橙。
この花は、彼が去年、先輩と共に植えたものだった。
美化委員長になって、世話を続けて、ようやく花開くときを見届けることができた。
彼は眺める、色とりどりの花を。
枯れる様子も弱る様子もなく、美しく咲くそれらを。
満足げにするでもなく、見惚れるでもなく、ただ眺めて。]
ま。こんなもんだろ。
[一人ごちて、浅く腰かけた花壇の縁から体を離す。
鞄を手に取ると、そのまま真っ直ぐ玄関へと向かう。
始業前、まだ早い時間。人もまばらな中へと、彼は歩いていく。
後にはただ、春風に揺られる花だけが残る。]**
―春・始業式後―
[始業式を終えた後の教室は、まだ何処か浮ついた雰囲気を残していた。
彼らの中には>>69校舎の窓ガラスが割れたらしい事を聞きつけた生徒もいたか。
曰く、新学期早々に上級生が喧嘩をしたらしい、誰かが保健室送りになったらしい、など。
交わされる不穏な噂話に少年は背を縮こまらせながら、教師が来るのを待っていた。]
……あの席、誰のだったかな。
[教室で担任の教師が来るのを待つ少年の視界には、主のいない机が一つ。
確か欠席者はいなかったと思うが、体調でも崩したのだろうか、と少年は首を捻る。
クラス替えに加え、始業式の準備で先に席を離れていた所為で、クラスメイトの半分以上の顔と名前が一致していない少年に心当たりはなかった。*]
― 始業式の後 ―
[青年が職員室での説教から解放され、
ようやく2年A組の教室に顔を出せた時>>117
そこにはまだ誰か残っていただろうか。]
……帰んなよ。
[眼鏡姿の彼がまだ背を丸めていたのなら、
ぶっきらぼうに声をかける。
もう終わっているよ、と付け加えればよかったのだが
どうしても言葉が足りない。
いかにも大人しそうな青年だ。
朗読を専門とする彼は校内アナウンスに
その声を響かせたことはあったのだろうか。
なければ、きっと彼への印象は朧。*]
― 5月:校舎前 ―
[ケン・ドリックが日本に来たのは小学6年生の頃。
父親の仕事の都合、という設定だ。
来日当初はきっと言葉も覚束なくて、
この異国に馴染めるかどうか、そんな不安が……
いや、どうだろう。
現在に不満はあっても、未来に不安は抱かない、
まだそんな無邪気で無敵な精神を持っていた。
変なコンプレックスも垣根も
作ったつもりはない、少なくとも彼自身は。
だけど、時折感じる視線、奇異の目は。
己が何か間違ってしまっているからなのだろう。
そう結論づける。
バスケットボールに添えた右手がつ―――― と動く。]
……お。
[弧を描いて木々の間、己で定めた新緑のゴールを揺らす。
3本目で入ったシュート。
何でこんなことをしているんだっけ。]
返しにいかないと。
[置き去りにされたボール。
バスケ部の誰かが仕舞い忘れたのだ。
藪の陰に転がっていたそれを拾って、なんとなく
空に放った。早く返せばよかったものを。
おかげで、ボール泥棒呼ばわりされる羽目になるのだから。
いつもの『 間違い 』だ、気にすることはない。]
[ボールは整えられた花壇に落ちて>>116
その時、植えられていた花の一部を損なわせてしまう。
慌てて(本人は慌てているのだが、いたって悠然とした様子で)
美化委員か園芸部へと謝罪に赴いただろう。**]
[お菓子コーナーへの誘いを結月が断ったのを確認すると、
部員は惜しむことなく離れて行った。
集中が解けたのだろう。
男女問わず和気あいあいと雑談をする声が響く。]
……。
[結月は言葉を発さない。
大きな動きを見込まれて勝ち取った役だが、
序盤の幸阪結月には台詞も動きも少ない。
代わりに表情だけで語ることを求められる場面が多く、
舞台の経験しかない根岸は稽古で苦戦を強いられたものだ。]
――――、
[熱の籠った瞳で、けれど熱すぎてはいけない。
冷静でいようとして失敗してしまうような、
他の何も目に入らなくなってしまうような。
結月は大きな目を見開いて右手に持った鉛筆を動かす。
少女の心境を表すかのように周りの音が遠ざかった。]
[絵を、描いている。
下書きなのだろう。
ふんわりとしたタッチは大枠だけを捕え、
かと思えばバランスを見るために鉛筆を立ててみたりする。
納得がいかなかったのかキャンバスから目を離すと、
原案が描かれているであろうクロッキー帳を手に取った。]
……。
[根岸は絵を描いた経験がなかった。
故に手元のクロッキー帳やキャンバスに描かれるものは
美術担当のスタッフさんの作品である。
しかし、それを己が描いたかのように見せることも
演者としての腕の見せ所だ。
舞台よりはやや大人しく、けれど見栄えはするように。
絵を描く人を観察したり実際に描いてみたり、
役作りで実践したことを活かして演じてみせた。]
[くしゃりと音が聞こえた。
カメラは結月の小さな手を捉える。
クロッキー帳の上に乗せた指が強くページを掴んでいた。
指の隙間から見える黒い線はよれた分だけ歪んでいる。]
……っ、はぁ。
[苛立ち混じりの吐息が結月の口から零れた。
背後では他の生徒たちが明るく語り合う声が聞こえる。
同じ場所、同じ時間を過ごしているはずなのに
画面の中で二組の温度は大きく違って見えた。]
――ふう。
[結月は深く息を吸う。
誰にも気づかれないように丸まっていた背を伸ばす。
小柄な体躯の背中はそれでも頼りなくて、
どこか心細いような印象を受けるだろう。]
/*
何とかなった……? わからない……何とかなかったことにしよう
みんな優しいから許してくれる きっと すみません
最低限これくらい出さないと美濃先輩のにお返事できないかなってしてたのでるんるん拾いにいくのだ
窓の外で見えそうな皆さんも図書室経由で拾いたいのだ
茜ちゃんも関われたらいいね 強欲
無理せず頑張ります 遅筆だからさ……
―始業式の後―
[担任の教師の話が終わった後、クラスメート達は次々に鞄を持って教室を出ていく。
教室の全景からフォーカスの当たった少年は、ちらりと空いたままの席に視線をやった。
友人らしき生徒が鞄を持っていくところでも見たなら、少年も教室を出ていただろうが、そのままだったのが気になって残っていた。
交友関係が狭いと、大事な知らせを聞き漏らす事もある。
幸い、今日は言伝るような事もなかったのが幸いだが。
手元に広げているのは朗読用の原稿。
少し矯正されたものの、癖になった猫背で一心に文字を追っていた。]
……っあ、え、えっと……。
[>>118声を掛けられ、少年は弾かれたように顔を上げた。
そうして声の主が自分とはタイプの違う生徒──先程は姿が見えなかった生徒だと認識する。]
えぇっと、これから部活に……。
[やや上擦った声で綴った音は拙いもの。
罰が悪そうに少年は視線を落としたが、口端の僅かなゆるみが最後の一人を見届けた安堵を示す。]
……あの、プリントとか、机の上に置いてあるので…。
[言いながら、荷物を纏める。
終われば、一礼して教室を出ようとするだろう。
校内アナウンスは、機材の扱いに慣れた一年の夏休みの後から参加を許されていた。
話す事がほぼ決まっている分、練習を重ねればよく。
誰かの視線を気にする必要がない分、気分は楽で。
もう少し余分に喋ってもいい、とは先輩の談。**]
― 回想/1年前・夏の終わり・九月/廊下 ―
[校舎の窓から見えた桜は青々とした葉を揺らしている。
燦々とした日差しがグラウンドを照らした。
夏休みも終わり二学期が始まった頃、
すれ違った二人はどちらも夏服を纏っている。
固いブレザーがなくなったからか、
美濃の柔らかな印象がより際立つようだった。]
……美濃先輩?
[数歩進んで振り返った様をカメラは後者の外から捉える。
近づいて、重なって、離れた。そのすべてを。
結月はどこかに向かう途中だったのだろう。
手には透明なクリアファイルが握られていた。]
[美濃が誘いをかける場面で視点が変わり、
彼女の顔を真正面から捉えた。
続けて対となる結月が映し出される。
近づけば、ファイルの中に封筒が入っているのが見えた。]
……っ、
[二人の間を隔てるように、夏の生温い風が通り抜けていく。
風は美濃の髪だけでなく結月の高く結んだ髪も揺らして、
ひとときの間、少女の顔を隠した。
掲示板のプリントが落ち着く頃、結月は顔を上げる。
小柄な彼女が誰かと目を合わせるにはそうするしかない。]
先輩。
わたし――美術部やめるんです。
[静かな声だった。瞳は相反して熱かった。
睨むようであったし、泣くのを堪えているようだった。
風は吹かない。誰も、何も、結月の姿を隠してくれない。]
だから、行きません。
行かない。行きたくない。
[結月は笑った。
夏の日差しに似合う、晴れ晴れとした笑みだった。
結月の手元にある封筒が退部届だと分かるのは、
この後のシーンになるだろう。]*
……ふふ。
[乱れた髪をヘアメイクさんに整えてもらいながら、
根岸は肩の力が抜けたような笑みを零した。
「すみません」と周りのスタッフに声をかけながら、
再び気持ちを練り上げていく。
もし丹田と目が合うことがあったなら、
本編とは異なる柔らかな目元を細めて見せた。]*
/*
撮影段階になるともう演技に悩む場面は過ぎているのかなと思っていて 多少はその場でこねこねするんだろうけれども
根岸は主人公ではないので 役どころもだけど本人の立ち位置が そういう面に関して中身の方は意図的にさらっとさせてます 優秀ではないけど仕事は完遂できるくらい
花開くかは展開次第かなー でも境遇は恵まれている方
― 春・四月/職員室 ―
「本当にいいんだな?」
[新しく担任になった先生が言った。
彼の手には年度が変わって改めて提出した
進路希望の紙が握られている。]
もちろん。
……評価厳しいですか?
[結月が首を傾げると、
先生は「これから勉強していけば問題ないが……」と
言葉を濁しながら答える。
先生はため息を零しながら自分の机の上に紙を置いた。
カメラに映るのは女子高生らしい丸文字だ。
書かれた大学名の横には「文学部」と記されている。]
「美大に行きたいんじゃなかったのか?」
[前年の担任から話を聞いていたんだろう。
結月は眉をしかめて見せた。
何度も言われたことをまた掘り返されるのも、
人がたくさんいる場所で告げられる無神経さも嫌だった。]
……。
[結月は周囲を伺う。
先生同士の机は近いし、周りには他の生徒もいただろう。
見渡したせいで逆に存在を認識されたかもしれない。
さっさと終わらせたくてため息と共に返事をした。]
いつまでも、夢を見てる訳にはいかないので。
[決して大きな声ではなかった。
けれど淡々とした響きははっきりと相手に届く。]
やりたいことを追いかけたら全部叶うの?
先生、わたしはそうじゃないこと知ってるよ。
できなかった。叶わなかった。
その先に未来はないんだから。
大人になるまでもう時間がないんです。
だったら、いい加減真面目に将来のこと考えないと。
[大人である先生の前で子どもが将来を語る。
そこに夢も希望もない。
当人は大人ぶっているのかもしれないが、
生意気な言動だということは明らかだった。
実際、対面した先生は困ったように息を吐く。
「お前が後悔しないならいい」――と。
大人な対応に、結月の幼さが際立つ。
元々考えを改めさせるつもりはなかったのだろう。
だからこそ職員室という開放的な場で話したのだ。
先生はそれ以上言葉を重ねることなく結月を解放した。
少女もむっとした表情のまま頭を下げる。]
[職員室の扉を出てようやく深く息を吐いた。
結月は元来、刺々しい性格ではない。
けれど、苛立ちを隠し通せる程大人でもなかった。]
どうしろって言うの……。
[堪えきれなかった感情が唇から零れる。
小さな手が前髪をぐしゃぐしゃに乱した。
これでもマシな方だろう。きっと今回きりだ。
あの先生ならもう何も言ってこないはず。
結月は動かしていた手を止める。
誰かを思い浮かべるように顎が上を向いた。
その角度は、きっと相手と自分の身長差分だ。]
……松本先生じゃなくてよかったな。
[零れたのは、昨年退部届を提出した顧問の名だった。]
[松本が中身を確かめるまで結月は何も言わない。
ただ目を伏せることも泳がせることもなく、
彼よりずっと低い位置から見上げるだけだ。]
……。
[気づかれていただろうか。
これまで何かアクションがあっただろうか。
結月は何も知らない。
半年経っても答えが出ない相手を、
今より子どもだった結月が理解しているはずがないのだ。
何も分からないから、結月はひとつも言葉にできない。]*
/*
発言数から目を逸らしたい すまない
実質ソロルが多いから……ゆるして……でも土台作ったからここから周りに話振ろうとしてる……すまない……
参加頻度自由な村なので強いることはないようにするつもりです 拾ってくれたら嬉しいし無理しないのも同じくらい嬉しい
松本先生はゆるして……顧問に渡さないのは問題だから……でも先生は歓迎してくれるらしいので……!
/*
シーンに何月かを書いているのは美術部退部イベントがあるのでその方が分かりやすいかなっていうのがひとつと、1年を描くなら月単位で変化あると楽しいかなって
そう 十二ヶ月分書こうとしてる おろか
まだ四月なんですよ 無理そうなら途中飛ばそうね
そもそもこの人数の映画でそんなにシーン数取れない点からは目を逸らしている おれはおろか
[ふと、眺めていた窓枠に飛び込んでくるものがあった。
バスケットボール>>120だった。
懐かしい色と形に結月は思わずといった様子で微笑む。
結月は昔から運動が好きだ。
最初にハマったのはバスケだった。
ドリブルで相手を抜くのが得意で、パスは苦手だった。
ボールを独占していたかった訳じゃない。
昔から人より一回り小柄な体格では、
パスをするのも受け取るのも難しかったからだ。
遊びなら良かった。
相手の隙をつけばパスができないことはなかったし、
もし失敗したとしてもみんな悔しがるだけで済んだ。
でも本気になればなる程、結月の体格は短所になった。
結局、中学へ入学すると同時にバスケはやめてしまった。
嫌いになった訳じゃない。限界を知っただけだ。
結月はそう思っているし、今も興味を引かれ窓に近寄る。]
[原作を読んでいない者からすれば、
ただ興味を引かれたように見えたかもしれない。
落下防止の銀色のバーに寄りかかりながら見下ろすと、
件のボールが花壇の上に乗っているのを目撃してしまう。]
え……?
[ぎょっと見開いた目の先には
ボールを手に悠然と去る男子生徒>>122の姿がある。
多分に漏れず誤解した結月であったが、
だからといって怒鳴り込むような度胸もなければ、
階下に降りて花壇を整える殊勝さもない。]
……。
[ただ、見なかったことにする気にもなれなかった。
今日の担当時間が終わるまで、
少女はいつもと違った様子で窓の外を眺めることとなる。]
[もし彼らのシーンで校舎が映ることがあったなら、
見覚えのある特徴的なシルエットが
隠しキャラのように覗くことがあるとかないとか。]*
/*
筆が遅すぎて夜が深まってしまう 日中全滅なので今しかないのだ
実は今日体育祭のことまで書きたかった 何も間に合いませんでした
行事を出すの緊張するんだけどイベントやりたいんだよなぁ
5月か6月か9月が多いらしい 6月頭どうですか?(???)
室内履きも上靴でいいのかスリッパがいいのか悩んでいる
昇降口呼びも通じるのか悩んでいる
共通認識 むずかしい
/*
皆様、田美院や原作についていっぱい描写してくださりありがとうございます。
既に村建てが想像していたものより何億倍もストーリーや背景が膨らんだなーと嬉しく拝見してます。
原作については最後まで取り入れようかなしにしようかいっぱい迷ってました。
で、原作と原作者を入れた意図としましては
・参加者間で何か不都合な描写があった時
「原作にはなかった」「映画ではそうならなかった」で確定返しの余地を残せる
・PCメイクの際原作者からのはたらきかけがあった、
作品にこんなセリフがあったからでとっかかりを作れるかなーという軽い気持ち
・単に何もない状態(高校生たちの1年間を描写します!)だけだと書きづらいかな?という懸念
ただ初めての試みなので良かったかどうかはちょっとまだ分からないかな、
もしあって良かった、ない方が良かったとかあればご意見いただけると嬉しいです。
あと白発言と囁き発言でシーン分けるの、いかがでした?
/*
もう1個心配なのはプロ実質72h越え。
皆様のご意見と、他のRP村でもプロ48〜72h取ってることが多そうだったので2日開始を伸ばしてみましたが、2日開始でもよかったかも。
一部地上の方が動きづらそうで少し悩みますね、
しまったここもアンケート取ればよかった……
長すぎてダレたら元も子もないですし
(自分が1日早く入村して準備した分長く感じるだけかも)
ただ、ちょこちょこ交流が進んでいるので参加者間のやり取りが増えれば案外そうでもなります?
/*
×2日開始で良かったかも○3/2開始で良かったかも
この場合海藤様33hプロで足りたかどうか、48hくらいがちょうどいいのかなと見てて思ったんですけどね、この辺は皆様との体感が違うかも。
>遅くなり、そして開始早々ミスをしてしまい、申し訳ございませんでした。
いえいえ、入村解禁24h以内にお越しいただいてますから村建て視点十分お早い到着でありがたかったです。
村建て1ミリも気にしてませんのでどうかお気に病まないでくださいね。
(村建ててからありがたいしか言ってない人)
/*
そういえば、映画のシーンは心情描写入れないで書く挑戦中です
そしてみんな絡めててすげぇやしてる(絡み方が難しい!
回想/1年前・夏の終わり・九月/美術部部室――
[夏休み明け、幸阪結月から松本志信は退部届を受け取った。
差し出された封筒>>145を見て、数回緩慢な瞬きをした後に、んあ、と間抜けな声を上げる松本。
カメラはあくまでも結月をメインとし、松本は引きである。
退部に際しての台詞を受けて封筒をつまみ上げる。
大事なものをそんな風にするのは松本らしさとして、監督から指示があった演出だ]
なに。これ。
[封筒と結月を見比べてから封を切り、中身を確かめる。
結月は何も言わない。澄んだ瞳が彼女よりも背の高い教師を見上げ、捉えている>>146
普通の教師ならここで表情が変わる。が、原作にはこうだ。『松本は眉一つ動かさず、目の前にいる女生徒を見下ろした』
熱血刑事とは違う。行平は描写を忠実に守る。
このシーンのメインは結月ではあるが、行平が下手な演技をすれば台無しにするだろう。
幸阪結月を演じる女優、根岸寧子
の熱演を。
よって、行平は内面に強い緊張を抱えながら松本を演じる。
映画完成の際、BGMも入らない静かなシーンだ。
撮影現場もまた、空気がピリリと張り詰める。
十分な間を取ると、行平は口を開く。ーー松本志信として]
…はあ。俺ならなんも言わないと思った?ーーお前。ナメてんの。
[幸阪結月は松本から見てどのように映っていたか。
原作小説にはこう描写されている。『近付けば離れ、距離を保とうとする彼女を松本はもどかしく感じていた。
自由を重んじる松本が強く結月にアプローチをすることはなかったが、それでも決して目を離すことはなかった。
ただ静かに、葛藤し苦悩する小さな躯を見つめていた』
『この時までは』
行平はのらくらした松本を演じる為、いつも間延びしたように話していた。
が、この場面では一変する。
熱血刑事のような張りのある声は出さない。静かな情熱を称えた、中心の蒼白い焔のような落ち着いた低い響きを醸し出す]
みんなを避けたみたいに逃げるのか。ーー俺からも、絵からも。
[悩みに悩んでの結論であるのを松本は知っている。選択の自由があるのもわかっている。それでも松本は、彼女に一石を投じる]
……なあ。逃がさないって言ったらどうする。
[まるでラブシーンのような台詞だが、監督からの注意で『イケメンになりすぎないように』と言われている。
松本は絵と自分を同化し語っているだけだからだ。
行平は苦笑し頷いた。自分の顔はそこまで整っていないと思っているから。
そして、どのようにやるかを原作を何度も読み返し熟考した上、むしろ脅しでもかけるような演技を試みたのだ]
[ーーこの後いくつかやり取りがあり、結局退部届を松本は受理する。
原作でも幸阪結月の魅力を存分に描くためかなりの頁数が割かれている箇所であるが。
映画ではーー波乱が、起こる。
根岸が、アドリブの台詞を言ったからだ。
行平が冒険的な演技をしたせいか。
まるで鍔迫り合いのような掛け合いがここに実現する。
映画完成後、このシーンは評論家たちから絶賛されるのだが、当人であった行平は相手役の根岸の度胸と、素晴らしい演技の迫力あってこそのものと考えている。
ちなみに、やり取りの内容は違えどシーンの最後は原作通りに終着した。
松本の最後の言葉は突き放すようで、まだ彼女に考える余地を与えるものだ]
ーー辞めんなら全部の責任おっ被れよ。
未来のお前が後悔でグシャグシャに泣いて、今のお前に文句を言ってもだ。
いいな。
[後のインタビューで行平が一番難しかったシーンと答えたこの場面、果たして映画ではどうだったのかーー]**
ー 春・空教室にて ー
[その日は美化委員の委員会会議の日だった。
飯島は委員会のメンバーに今週の目標を告げ、それぞれの担当場所 の様子を訊ねる。
といっても、わざわざ他のメンバーに訊ねるまでもなく、飯島はそれぞれの担当場所がどうなっているか、ある程度知っている。
やる気のある人、渋々美化委員になったものの熱意をもって活動する気のない人を活動から飯島なりに見分け、前者には花壇などの整備を後者には空き教室の清掃などを振り分けて、放課後彼らの担当場所の確認をしているのだった。
それ故に、半ば形式的なものになった活動報告を聞き、うん。うん。と相槌を打ちながら、締めの挨拶をしようとしたとき。
>>122 教室の扉が開いた。
ケン・ドリックの登場に、三年生のメンバーは驚いたような(一部のメンバーは何とも苦々しげな)表情をし、一年生、二年生のメンバーは緊張したような空気を作った。
それは飯島も例外ではない。彼が窓を破った問題児であることを、三年生のやんちゃな知り合いの噂で聞いていた。
暫しの沈黙。
飯島の表情は相手の出方を窺うようなものであったが、ケンから花壇のことを聞いた瞬間、表情が変化する。]
[まず怒ったような、次に困惑したような。少しずつ移り変わり複雑な色を見せた表情は、最後に苦笑いを浮かべた。]
ケンくんじゃん!有名人!
わざわざ謝りに来てくれてありがとーね!
バスケ部だったん?知らなかったなー。
でも自主練は体育館でやった方がいいと先輩思いまーす!
[そんな風に、少し茶化すようなことを口にしたときには、すっかり笑顔。]
[それから委員会のメンバーの方へ振り返り、飯島は言いそびれた挨拶をする。]
えー、今日の委員会会議は解散です。お疲れさまでした!
花壇のことは俺がやっとくから、気にしなくていーよ。
[教室内のメンバーへと、そう声をかけて、飯島はケンへと向き直る。]
ケンくんは、ちょっと俺とお話しよう。移動できる?
[そう言いながら、彼はケンの顔を見上げる。
少なくとも、廊下や他の空き教室に移動してから、言葉を続けただろう。]
えー、最初に言っておくけど、俺は怒ってません。
バックレちゃえば済むことを、ちゃんと言いにきてくれたんだもん。わざとじゃないっしょ?
花壇に落っことしたのは一回だけ?どこら辺に落ちたか教えてくれる?
[怒っていないというのも、わざとじゃないと考えているのも、半ば自分に言い聞かせるような声だった。
原作で描かれた本心でも、それらの言葉は嘘ではないのだが、割りきれない想いやケンの噂で拭いきれなかった疑念が滲み出てしまったのだった。]**
/*
お調子者のノリが初めてだから、やり過ぎないように注意はしないとなー。
あと、崩した口調はちょっと読みづらいかも。工夫。
ー舞台裏/休憩中/花壇の近くでー
[撮影合間の休憩時間。ロケ地である学校の正面玄関外にある花壇>>82の近くに佇み、行平幸大はWALKMANで映画の主題歌を繰り返し聴いていた。
この曲を歌っているのは、原作者の田美院からオファーを受けたNixというシンガーソングライターである>>38
彼女は映画では生徒の竹村茜役も演じている。残念ながら茜と、行平が演じる松本の共演シーンはないのだが、映画全体のイメージを掴む為に曲を聴いているのだ]
……揺さぶられるな。
[行平は普段あまり音楽を聴かないが、この曲はとても心に響いた。
機会があれば、Nixの原作に対する解釈や曲への想いを聞いてみたい。それはきっと演技の艶に繋がるだろう]
ー 舞台裏 こぼれ話 ー
[撮影に使われない教室が休憩室の一つとして利用されていた。
>>11 僕は休憩用テントではなく、こちらにいることの方が多い。
仕事との両立を考えて芸能高校に進学したものの、今までは仕事が少なかったので、普通に登校していた。学業と仕事の両立で悩んだのは小学校以来のことだ。
現役高校生である以上、課題は切っても切り離せない。
単位制なので絶対提出しないといけないほど厳しくもないが、課題をやらずに単位が取れるほど余裕があるわけでもない。
監督に現場で学校の勉強をすることはできますか?と質問して、机のある休憩室で学校の課題をしてもいいと許可をもらった。
勿論、原作小説を読み返したり、台本を読んだりもする。そちらの方に割く時間の方が多い。
それでも、勉強もする。僕は高校生。飯島と同じ立場なのだ。]**
[不意、ポケットに入れていた行平のスマホが振動を告げる。
撮影の間は邪魔にならぬよう電源を切っているが、今は休憩中だ。
相手はーー…一年前に別れた妻、偲(しのぶ)であった]
久しぶり。
ああ、今は『─玉響に“なけ”─』の撮影中。そう、教師役。
丹田さんと一緒なんだーー
うん、大丈夫食べてるし。
ありがとう。そっちも元気で。
……じゃあ。
[織部偲(おりべしのぶ)は、行平とは別のプロダクションに所属する女優である。
行平は『錠と輪』で彼女と共演し、それをきっかけに交際を開始。半年で籍を入れた。
しかしその結婚生活は子宝に恵まれる事もなく短く終わる。
偲の最後の言葉は『あなたは演技の事ばかり考えていた。寂しかった』そんな、ありきたりで。
同業なのだから、仕事については理解を得ていると思っていた行平はショックを受けたが引き留める事はしなかった。
今では、二人は友人である。
夫婦であった時と余り変わらない距離感の。
行平演じる教師・松本も離婚歴があるが、妻に浮気され逃げられたという設定だ。
同じ離婚でもまるで違う。
自分も逃げられておけば役への理解が深まったか?なんて思ってしまった行平は、偲の言う通り役者馬鹿であり、離婚されても仕方ないのかもしれないーー]**
― 美化委員のセンパイと ―
[機微に聡いタイプではなかった。
自身が言葉足らずであるというのに、
口に出してもらってはじめて腑に落ちることも
往々にしてあったし、
誰かの深奥に秘めているものなど読み取れやしない。
しかし、そんな青年にも
彼の表情の変化は見て取れた。>>158]
( 多彩だな )
[先ほど己が散らした、
見頃の季節も終わりかけのパンジー。
というのは、さすがに装飾過多なたとえだとしても。]
そんなの、説明する義理はない。
付き合えないと思ったからお断りした。
それが全て。おしまい。終わり!
[吐き捨てるように、孕んだ怒りを納めきれずに突き放す言葉。
そのまま肩を怒らせて横を通り過ぎようとする。
そんな竹村茜に、『勇気出したんですよ!』『その気持ち、考えてはくれないんですか!?』と、更に投げつけられる言葉。
それに竹村茜は立ち止まる。
そして、ゆっくりと振り返った。]
…アンタが友達想いなのは分かった。
でも、そりゃあ告白には勇気が必要でしょう。
その気持ちだって考えなくはないよ。
でも、それを踏まえても、
お付き合いは"無い"と思ったから断った。
ねえ、それ以上でもそれ以下でも無いの。
[強い口調で告げる竹村茜に怯む相手。
その相手の耳元にそっと顔を近づける。
口元がクローズアップする。
そして囁かれた言葉。]
[刹那。パァンッ!と小気味良い音が響く。
真っ赤になった相手が、涙目になりながら竹村茜に平手打ちをしたのだ。
相手は走り去る。告白をした相手もまた、それを追ってフェードアウト。
残された竹村茜は、腫れた頬を抑えて。]
…きもちわる。
[視線を伏せる。泣きそうな、傷ついたような、そんな顔で。
大きくため息をついた。]*
― 美化委員のセンパイと ―
[機微に聡いタイプではなかった。
自身が言葉足らずであるというのに、
口に出してもらってはじめて腑に落ちることも
往々にしてあったし、
誰かの深奥に秘めているものなど読み取れやしない。
しかし、そんな青年にも
彼の表情の変化は見て取れた。>>158]
( 多彩だな )
[先ほど己が散らした、
見頃の季節も終わりかけのパンジー。
というのは、さすがに装飾過多なたとえだとしても。]
[あまり好意的なものでは―― 当然だろう ――
なさそうだったが、
周りが何か言う前に素早く切り上げ、
場所を移そうとしてくれた行為は>>159
きっと気遣いなのだろう。
言われるまま別の教室に移動して、
頭一つ小さい三年生の追及を受ける。]
…………数えてないけど、何回か。
端のほう、何本か花が折れた………ました。
[ケンがぶつけたのは一回なのだが、
ボールが何回かリバウンドしたため
数回とカウントするべきだろうと判断しての回答だ。]
[見下ろした顔に浮かぶのは……笑顔、なのだろうか?
青年は首を傾げる。]
花壇の、土の手入れと植え替えしようか?
[罪滅ぼしの申し入れをして。
目の前の三年生が一年間世話して育てたものだと知らずに
容易い『 代わり 』の提案を。]
先輩、怒ってる時は怒った顔しなよ。
[その後、どんな遣り取りがあったか、
去り際にそんな言葉を投げて教室を出た。*]
― 放送部のクラスメート ―
あ、コウだ。
[昼休み、校内アナウンスで流れてきた
聞き覚えのある声に足を止める。
聴き心地の良い滑らかな発声は2年A組の級友、海藤のものだ。
2年生ともなると慣れたものらしく、
普段のどもり気味で気の弱そうな響きなど>>131>>132
感じられない。]
普段から堂々としてればいいのに……おっと、悪い。
[スピーカーに気を取られて、前方不注意。
曲がり角で誰かとぶつかり、特に申し訳なさそうでもない声を上げる。それよりも。]
……オレの?
[これは海藤との回想シーンだ。
プリントの件を告げると、眼鏡の青年は僅か口元を緩めた。
ように見える。]
部活……これ、小説?
何? 聞こえない……放送部、の? へえ……、
[途切れ途切れの小さな声と放送部はにわかに結びつかなかったが。]
いい声してる。早く行きなよ。えーと……、
名前なんつったっけ?
海藤。プリントと、あと待っててくれてありがと。
[恐らくプリントの行方を見届けること、
そのために教室へいたのだろう、
去りゆく背中へと声を送って。
それから、校内アナウンスを聞いて
そのギャップに驚くまで数日、
その感想を彼に告げ、
ごく当たり前のように名前で呼ぶまでほんの数日。**]
/*
あくまで個人的な意見なのだけど。
普通の告白でもそうだけど、勇気を出したからといって報われるわけではないし。
同性同士の告白で、勇気を出したからと受け入れてしまったら、それこそ相手のことを同等の存在として扱ってないことになってしまう気がするんだよな。相手のことを好きならともかく。
告白された方も断ることに勇気が要る。
でも、自分が付き合えないと思ったら断るというのは、とても誠実だと思う。誤魔化すよりも。
なので、竹村さんの姿勢。飯島&水戸PLはとても好きなんだよな。
/*
幸坂ちゃんもどこかで拾いたい。うっすらとでもいいから。
しかし背景にいるらしいので、あまりがっつりとは触れられないのかな。どうだろうか。
[部活はどこにも入っていない。
ほとんどの生徒は何かしら部活をやっており、自分も全く放課後の自由が利かない運動部は遠慮したいながら、ある程度自由の効きそうな文化部には入ってみようかな、と思っていた。
思っていただけでこれといった決め手がないまま募集期間が終わっていた。
しかし、部活棟を歩き回ればのんびりとやっている部活はいくつかあり、自分は幽霊部員のふりをして、たまに暇そうな部活に潜入してみたり、図書室で本を読んだりしていた。
でも、今日は違う。]
おじちゃん、春のおはなちゃんまんじゅう2つ下さい。
[学校が終わった後、自転車を少し飛ばして商店街へと向かった。
再開発もあり、この街の商店街も大分色んな姿に進化しているが、向かったのは昔からのアーケード街の真ん中あたりにある店だった。
「まんじゅう」とは言うものの、この店のまんじゅうはどちらかといえばおやきだ。
しかし、昔からの住民は余り疑問には思わずまんじゅうを買っている。
何せ安い、そして旨い。
今年の春のおはなちゃんまんじゅうは、菜の花とじゃこの醤油炒め入りだった。]
先生、季節限定とか好きだから
多分喜ぶね
[こそっと独り言をいいつつ、おじちゃんからまんじゅうの入った紙袋を貰う。
紙袋をリュックに入れ、停めてあった自転車に再びまたがると、また自転車をそれなりのスピードで漕ぎ出す。
高校生の体力で漕いでいるとはいえども、少しだけ時間がかかる。
先生の家は、海の方にあった。]*
― 記者の自宅訪問2 ―
私の役って、多分「映画による地域振興部門」、みたいなところあると思っているんですよね。
そもそも私も一介の街の人ですし…
だから、数少ない私の出てるシーンを見るときには、周りの風景とかもちょっと注目してもらうと面白いかも、と思うんですよ。
ちなみに「おはなちゃんまんじゅう」もおじちゃんもほんとに商店街に居ますよ。
もしよかったら帰り寄ってみてください、あ、もう商店街は行ってます?さすが記者さん。
じゃあこんなのはどうでしょう。
「おはなちゃんまんじゅう」のおはなちゃん、って、何かのキャラクターだと思いませんでしたか?
概念なんですよ。
「おはなちゃん」が何なのか、おじちゃんも知らないんです。
いや、知ってて誤魔化してるのかも…
地元の子たちの中では、「初代店長の亡くなった娘の名前」とか、「初代店長のおはなさんがチャンさんという人を思って作った」とか色々な説があるんです。
親も正解を知らないし、おじちゃんも何も言わないし…
ね、記者さんはおはなちゃんって何だと思います?
あ、でも、この街、色んな花が色んな所できれいに咲くんです。
案外、そんなところから来ているのかもしれませんね…**
ー ケンくんと空き教室で ー
[>>170 何回か、という言葉に、表情がひきつりそうになる。
素行不良の生徒の悪ふざけのとばっちりや、面白半分の悪戯で花壇を荒らされたことはあった。
しかし彼の表情からは、その手の生徒から多少なりとも窺えた、悪意やからかいや皮肉のようなものは感じられない。そもそも、謝罪にくることが少なかった。
故に、わざとじゃないと判断したのだが。今でもそう考えてはいるのだが。]
ごめん。自分で聞いといてなんだけど、なんで何回も落としたの?下に花壇あるの気づかなかった?
まあ、花はいいよ。どうせちゃんと見てるやつなんか殆どいねーし。校舎前花壇は俺の担当だし。別にいいんだけど。
謝りにくるなら、一回でやめてほしかったって気持ちはあるかな。ちょっとだけ。
[動揺は声色に出た。自分でも分かる。
いや、声色以前に少し強めの語調になってしまったことが、何よりも相手に自身の感情を伝えてしまうだろう。
先程までの自身の態度を誤魔化すように、言葉をつけ加えた。]
ま、気づかなかったらしょうがないね。ごめん。
わざとじゃないって分かってるのに、ムキになっちゃった。
[そう言って軽く頭を下げるふりをして、続く彼の言葉を聞いた。]
[>>171 提案には眉を上げて、暫し考え込む素振りを見せる。
頭を捻り、ケンの顔を見て、また頭を捻り。それを繰り返して、ようやく言葉を出す。]
やりたかったら止めはしないけど。申し訳ないと思ってくれてんだろーし。
でも、やりたくなかったら別にいーよ。俺に気を遣ってるとかだったら。全然。
んー、でも、やるならお願いするかな。俺もついてくし、時間取るけど、それでもいいなら。
[そう言って、ケンの返答を待った。返事がどちらであっても、飯島の表情はさして変わらない。
了承したのであれば、人のいない時間帯に花壇へ来てほしいとケンに伝えただろう。
そうでなければ、謝りにきてくれてありがとうね、と言葉をかけて別れる。]
「飯島の心中は穏やかだった。
掴み所のない後輩だが、言葉や行動に嘘は感じられない。
それがより一層飯島に奇妙な印象を抱かせたが、彼なりの誠意で手伝うというのなら、わざわざ断るほどでもない。
これが飯島を気遣った故に発した言葉で、手伝わないことになったとしても不快感や怒りを感じることはないだろう。
むしろ、不器用ながらに彼が見せた誠意で、心が落ち着いたように感じる。
正直、返事がどちらであっても構わなかった。
飯島としては、自らの心が平静を取り戻した時点で、事態は一段落していたのだ。
しかし、その心の平穏も、思いがけない一言で崩れ去ることになる。」
ー玉響に“なけ”ー 原作小説より一部抜粋
[嘗てドラマで教師役を勤めてから友人の原作者>>11
勝手に勇気をもらっていたという生徒役>>15
主題歌の歌い手、演技のプロではないが役に取り組むシンガーソングライターの姿勢>>38>>39
友に見出された大きな動きの小柄な役者>>53>>54
成長した人気子役の子の心>>80
自身をネームバリューが違いすぎると称した舞台役者>>87
事務所に受けさせられたのか熱意に欠けるらしい子役上がり>>91
不思議と何処か掴み所が見えない役者>>108
どこまで全員に触れられるかは撮影次第だろうけど
願わくば、その一端に触れられますように
皆にとって映画が“何か”になるかは分からない、でも何かに繋がったならきっと喜ぶ筈
<font color=#3f6cd9> ───── そうでしょう
[嘗てドラマで教師役を勤めてから友人の原作者>>11
勝手に勇気をもらっていたという生徒役>>15
主題歌の歌い手、演技のプロではないが役に取り組むシンガーソングライターの姿勢>>38>>39
友に見出された大きな動きの小柄な役者>>53>>54
成長した人気子役の子の心>>80
自身をネームバリューが違いすぎると称した舞台役者>>87
事務所に受けさせられたのか熱意に欠けるらしい子役上がり>>91
不思議と何処か掴み所が見えない役者>>108
どこまで全員に触れられるかは撮影次第だろうけど
願わくば、その一端に触れられますように
皆にとって映画が“何か”になるかは分からない、でも何かに繋がったならきっと喜ぶ筈
───── そうでしょう?先生>>0]
[“松本先生”が掴めたのは行平さんの力でもあると同時に思う。>>98
でも純粋に嬉しい、
松本先生という彼の演技を見れることが。
熱血刑事とはまた違う役なのに、>>98
彼が役をどう掴み、どう演じるのかを見れるのが]
それ、最強ですよ。
役を掴めて来たと手応えを覚えた役者ほど
現場で強い存在はありませんから。
[同時、負けられないなと思って例の言葉が出てしまったけど>>67今度は相手が驚いたような顔をした。けど次にはもう綻んだ。>>99
それがちょっとおかしくて「何で行平さんが驚くんですか」って綻んだ顔に笑ってから>>99お互い役やシーンの解釈に話し合う。
自分が割と忌憚なく意見を述べる方なのは『錠の輪』でも同じ。>>64
作品のためならこういった話し合いは歓迎だし喜んで応じたことだろう。>>65]
[ちなみにこちらがまず伝えたのは立ち姿、座り姿などの姿勢。
姿勢が猫背気味か綺麗かでも印象は違って見える。
猫背気味にして口煩くない、ともすれば教師らしくないだらしなさやだらけた感じを重視して見せたいかどうか。>>48>>49
逆に絵の具に汚れた白衣姿、髪はボサボサ無精髭で堅苦しくない性格でも>>48>>109
スラリと綺麗な姿勢で佇むなら
「実は隠れた一面があるんじゃないか?」>>11>>112
「ただだらしなさそうなだけじゃないのかも」と
観客のイメージを掻き立てられる可能性について助言する。
その他座り方や字が綺麗かどうか、1つ1つの細かな動作に洗練さがあるかどうかで松本先生が重視するもの、軽視するものを動作だけでも表せるから“行平さんが思う、掴んでいる松本先生”に近づくんじゃないかと口にはしたが鳥居入れるかどうかはきっと本人次第。]
/*
そういや先生が舞台裏でちらっと拾ってくれたけど、文才のない自分は全く歌詞について考え付かなくてどうしような!となってる。
直接問いかけられたわけじゃ無いからどうしようかな。
/*
慌てるとダメですねー誤字いっぱい。
1d入ると舞台裏一切触れられなくなるので、そのお詫びと触れてくださったお礼も兼ねてたくさんお返ししました。齟齬ってないといいな
/*
描きたいシーンがもう終わりつつある…www
見切り発車良く無いなあ。
そしてもう実は描き終わってしまった(さっきのに追加するだけなので)それぞれのシーン、が連なっていく感じだと絡むの難しいしそこから広がらないとほんと難しい(自業自得)
ー 舞台裏 回想・今は遠い子役としての日 ー
ぼくは兄ちゃんのこと、兄ちゃんだと思ってるよ!
兄ちゃんはどうなんだよ!ぼくのこと、まだ弟だって思ってないのかよ!
[顔の似ない兄に対して、涙目で訴える少年。
怒鳴るように叫ぶが、怒りよりは悲しみの色が強い。
兄はなにも言わない。弟の瞳から、堪えた涙が一筋落ちる。
血の繋がらない兄と距離を置かれた弟が、自らの気持ちを伝えようとするシーン。
それが、水戸泰誠が有名になるきっかけだった。
ドラマ『アンバランスな食卓』は両親の再婚に伴って変化する家族内の葛藤や悩みを、中学生の兄の視点を中心に描いた作品だ。
その中で、弟はいわば清涼剤のような、場を明るくする役割を担っていた。
それが声を振り絞り、顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
泣いて訴えることはなく、涙を浮かべながらも毅然とあろうとして。
その姿を評価してくれる人に恵まれた子役時代。そんな過去。]
/*
>>197
今は恵まれていない、というわけではなく。
その頃の水戸は自然体で、周りもそれを評価してくれたのですが。
水戸の一本筋の通った人柄では大人の複雑な起伏に合わないと考えられたのか、仕事が減っていきます。
飯島のような本心を口に出すのが苦手な役柄もできるとオファーをかけてくれたのが田美院先生だったというこぼれ話。
水戸本人も自然体以外の演技は向いていないのではないかという不安を抱いていましたが、演じてみて、案外飯島も自分と似ているところがあるのでは?と感じてからは、飯島として考えること、感じることを演技に出していけるようになりました。
/*
それから丹野さんに触れられるのはプロ中だけなんですね。
先輩たちにちょっとでも触れられたらとは考えているので、書けるかな。
/*
幸阪さんもね、1つ触れたいエピソードあるんですけど大丈夫かな?美術部の描写シーン素敵だから雰囲気壊さないように注意しつつ触れたい。
描写が綺麗すぎて美術部シーン全編お任せしたい(こら)
[根岸は己が誰よりも未熟であると思っている。
9年目な演劇人生で名のある役を貰った回数は片手で足りるし、
事務所に所属する数ヶ月前までバイトを掛け持ちしていた。
今だってこの作品には有難いことに縁があったが、
その他のオーディションの成果は決して順調とは言えない。
数才上の彼女は自分と同じ年から演劇を始めたという。>>13
しかし実績は全くの別物だ。>>9
彼女の姿を目にする機会は画面の向こうの方がずっと多い。
しかし、彼女は決して驕らず、無名の根岸にも優しく接してくれる。
だからこそ、根岸も緊張で縮こまるのはもったいないと
敬意を持って出来る限り普段通りの反応を心掛けた。>>137
年下の彼女とは劇団出身であることが共通点だ。>>84
公演が被ってしまうとなかなか都合がつかないが、
他劇団の作品を見ることも研鑽の内であるから
彼女の演技は何度か直接見たことがあった。
1人13役を演じきった姿はきらきらと輝いて見えたものだ。]
[彼女の歌を聴いていた。>>38
朝のランニング、バイトで疲れ切った帰り道、
一日休みだから一気に家事を済ませようとした時も。
その声がたくさんの力を生み出すことをよく知っている。
上京したばかりの頃、
勉強のためだと奮発して買ったテレビの中で活躍する子どもを
安売りされた総菜を食べながら観ていた。>>80
自分よりずっと幼い子が繊細な心情を表現する姿>>197に
負けてられないなと奮い立ったのは忘れられない思い出だ。
ちなみに、『アンバランスな食卓』を見ながら
アンバランスな食事してるなーと思ったのは積極的に忘れていきたい。
劇団員仲間の買ってきた雑誌の中で彼>>91を見たことがある。
あれは男性向けのファッション雑誌だっただろうか。
恵まれた体躯と服を魅力的に見せる立ち姿に感心したものだ。
根岸の姿勢がいいのはあの時の影響がなかったとは言えない。]
[結月は深く息を吸う。背筋を伸ばす。
怯えて背を丸めてしまっては、
元より小さい身体がより一層縮こまってしまう。
胸を張って、顎を挙げて、決して下を向かないように。
ここは結月が美術部を退部するシーンだ。
苦悩や葛藤、苛立ちを御しきれない幼さ。
幸阪結月の一面が色濃く出る場面でもある。
松本は存在感を示しながらも決して前に出ない。
結月を引き立てるような演技が場を引き締めている。
負けたくないと思った。負けてなるものかと思った。
その思いが、原作よりほんの少し結月を強くする。]
逃げたらいけないの?
真正面から受け止めて傷つくことが正しいの?
……十年、経ったの。
わたしが絵を描き始めて、十年経ったの。
後悔するよ。するに決まってるじゃん。
でも、やめなくてもきっと後悔する。
[結月が美術部に入ったのは絵を描くためだった。
絵画教室に行かない日に集中して絵を描くためだった。
絵が好きで美術部に入ったけれど、
結月の"好き"は他のみんなとは違うのだ。
台本通りの台詞に感情を乗せていく。
カメラがあることは分かっている。
後に編集されることも理解している。
それでも今だけは、まるで舞台の上にいるようだと思った。]
[――後に、根岸はこのシーンについて。
「行平さんが引っ張り上げてくれたんです」 と、
喜びも敬意を隠さずに語ることになる。]
先生!
来たよー
[海の方の、そろそろ海風を感じるかどうかという距離にある一つの小さな年季の入った平屋。
なんとかまだ陽の高いうちに到着すると、玄関付近に自転車を置き、中に声を掛ける。
中から出てきたのは、中学時代の支援学級の先生だった。
髪を一つに結んで、彼女からも家の中からも何か線香臭いにおいがした。]
掃除してたの?
線香の匂いする。
お邪魔します。
[そのまま家に上がると、前に来た時のように、先生と一緒に縁側の方へと向かった。]
/*
アドリブ台詞もっといいのあったのでは……? という葛藤
いい加減全体メモにまとめた方が いやしかしお花 体育祭
永遠に時間がない
― 春の庭 ―
うわあ…すごい、きれいだね。
先生の言った通りだ。
[陽の当たる縁側に一歩足を踏み入れた瞬間、その美しい庭に目を奪われた。
きっと花壇はあるのだろう。
しかし、春の最中の今、小さな庭では境目が分からないくらいに、少しの移動場所を除いて、青い花、オレンジと黄色の花、白い花にピンクや紫の花、それぞれが混じり合い、一面に咲き乱れていた。
隣家との境にある塀の前にある背の低い木々も、青々とした枝と若葉とを今だとばかりに伸ばしている。]
/*
これは絶対やりたいので気合い入れるために残しておくんだけど
グシャグシャに泣いてやろうと思っています たのしみー 問題は筆の早さ
先生、庭に降りていい?
[言いながら、縁側から庭に降りるブロックの上に乗っているサンダルを履くと、茶色い土が見える移動場所に沿って、庭の真ん中に行く。
ただの住宅街の庭だ。
見回せば隣家の壁も、直ぐ見える。
だけれども、それにしても、この花々が咲き乱れる庭、小さな平屋の家、そして縁側で笑う先生は、まるで別世界のような空間を作っていた。]
きれい…
[改めて庭を見回していると、後ろからカシャリと音がした。]
あ、先生今写真撮ったでしょ。
わたしの?
金色の髪が陽に光って綺麗だった…って…
[一瞬言葉に詰まる。
先生が、わたしの事を綺麗だって言ってくれた。
何か、どきどきした。]
…先生が、似合うって言ってくれたから、ずっとしてる。
高校デビュー、成功だよ。
みんな余計なこと、話しかけてこないから、楽。
[変にどきどきする。
なんで、先生と話すとこんなふうになるようになっちゃったんだろう。
変な緊張を押さえながら、何気なく言った。]
それなら、わたし、先生と一緒に写真を撮りたい。
この庭と、先生と、写真を撮りたい。
先生、ここまで来て。
[縁側に居る先生に、庭の真ん中から誘うように手を伸ばした。]*
― 記者の自宅訪問3 ―
女教師の住む家、これは原作と全然違いますよね。
原作ではマンションだったんですよ。
その辺りを映画では、平屋と庭にアレンジしたんです。
私も出てた会議だったんですけど、役所の人が推してて、作者さんもOKしてくれました。
そう、この辺りでこういう花畑が見れる市営公園があるんですよ。
そちらは本当に広々して気持ちいいです。
今はまだシーズンじゃないですけど、是非記者さんも春の最中に行ってもらいたいですね。
まあ、ほんとのシーズンはかなり混みあいますけど…
そういう意味では、映画の小さな庭も素敵だと思います。
私はこういう庭、好きです。
私も会議では平屋と庭を推してたので、こういう舞台で演じることが出来て、嬉しく思ってます。
― バックステージでの呟き ―
このシーンって意味あんのかな。
[おっと。
うっかり、音に乗せていた。
すぐ傍に誰もいないことを確認して舌を出す。
それから、パラパラと脚本を捲った。]
[寡黙で無表情なケン・ドリック。
誤解されやすいだけでいいヤツなんだろう。
花を散らしたり、窓を割ったり、動物が苦手だったり
―― これはまだ撮ってないシーンの話 ――
ステロタイプな『 素っ気ないけれどいいヤツ 』の類型から
ズレているのは悪くない。
そんな可愛げのない思考を巡らせて。
碌な言葉も用いずに世を渡る傲慢さ
(といったものに千木良には感じる)は己にはないものだ。
羨ましいか? ――――そうでもない。
(恐らく多少の強がりも含む)
愛想のよい笑顔や、上辺だけだったとして親切な言葉にも
意味があるのだと知っている。]
― ある日の図書館 ―
[ある日の午後、何もない午後。
自分は図書館にいた。
『今月お勧めの本』の棚にあった本を読んでいたのだ。
案外この『今月お勧めの本』コーナーは人気があるようで、いくつかの本を置ける場所になっているようなのだが、棚自体空になっていることも多かった。
今回たまたま置いてある本があったので、それなりに絵が入っていたこともあり、軽い気持ちで読んでみたら中々に面白かったのだ。]
すみません
[知らない人に話しかけるときには、どうしても愛想がなくなる。]
[ケンにはケンの、千木良には千木良の武器がある。
そういうことなんだろうと、未成熟な頭で導き出した答え。
残念ながら、まだ使いこなせてはいないだけ。
嵩だけは立派な、自身の手のひらをじっと眺めた。*]
ー舞台裏/休憩中/おはなちゃんまんじゅうに舌鼓ー
ーーあ、おやき。
[鬼束瑠璃のシーンにて撮影に使ったおはなちゃんまんじゅう>>176を、スタッフが出演者に配っている。
行平はおやきを知っていた。何故なら行平の田舎は長野県であり、おやきは長野信州の名産であるからだ。
昔は良く、両親と里帰りした際に野沢菜入りのおやきを食べた。
このおやきの中身はーー
菜の花とじゃこの醤油炒め。菜の花の苦味が皮によくマッチしている]
うまい。
[もさもさした生地を口に運ぶ。行平の咥内を懐かしさが包んだ]*
『被害者意識が強すぎて気持ち悪い。
振ったり振られたりは男女一緒でしょ。
私には女の子同士って理解できない。
でも近づかなければ無闇に拒絶したりしない。
この手の人たちは、
様々な形の恋愛の多様性を説く癖に、
それを受け入れられないってマジョリティを
見下したり攻撃的になったりする。
私だって頭では理解してるけど
心は追いついてない。
傷ついたのは、わかるよ。
でもそこにマイノリティの傲慢さを
持ってこないでよ。
受け入れられないことを悪にするな!』
[「─玉響に“なけ”─」一部抜粋]*
『 絵画コンクールと言ってもひとつふたつの話ではない。各新聞社が主催するものから、応募できる作品の幅が広いものまで多岐に渡る。
結月の通う絵画教室の生徒がよく挑むコンクールは季節にひとつずつ。彼女はその中でも夏と冬のコンクールに挑戦することが多かった。』
[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]
/*
今回の方式、絡むの難しいのと、思いつくとすでに先手が早いのと、安価ばかり増やしてもあれだから全体メモには雑にどこにきてくれてもOKやで!にしてしまった(しかし本心ではある
私からも絡みたいんだが、難しいんだよ〜!
この、一人二役やってる感じがとても難しい。楽しいけど。
― 春・五月/校舎前花壇 ―
[パンジーが咲いていた。赤、青、黄、紫、白、橙。>>116
等間隔に並んで鮮やかな顔を覗かせていたそこには、
まだ犯行>>122の痕跡が残っていたか。
あるいは本人の申し出>>171が成り、
誤解がとける場面>>182が見られただろうか。
上階の目撃者は彼らのやりとりなど知らぬまま、
帰り道ですよと言った様子で花壇に近寄り、しゃがみこむ。]
……。
[年に二回のコンクールに必ず出展していた訳ではない。
ただ描けばいいというものでもないからだ。
テーマに沿って、審査員の好みも考慮して。
技量だけでひとつの作品が完成するなんてことはない。
だから、結月はいつも題材を探すように外を見ていた。]
[少女のこじんまりと丸まった背中が映っている。
それもすぐに立ち上がり、画面の端へと消えて行った。
もし、花たちがまだ潰れたままだったとしたら、
誰もいなくなった花壇には
不自然にまっすぐ横たえられた花があったかもしれない。]*
― 続・美化委員のセンパイと ―
[>>180 ちゃんと弁明すればいいものを。
美化委員の先輩の問いにケンは押し黙って
耳を傾けるのみ。
よっぽど花が好きなのか、委員としての職務に忠実なのか、
ケンの目には飯島明良が適当な人間として映らない。
熱を帯びていく彼の言葉は、決して嫌なものではなかった。
そも悪いのは自分自身だし、
どちらかというと感情を乱してしまったことへの
申し訳なさが募る。
結果、ケンが何をするでもなく、
彼は自身でコントロールして、気持ちを収束させていた。>>181
感心する気持ちは言葉でなく、僅かに目を瞠ることで表す。]
オレは時間あるし、大丈夫、です。
先輩こそ。
[>>182 受験生の時間を取らせてしまうことになる。
とはいえ、申し出を翻す気はなかった。
実のところ土いじりには縁がなかったから、
一人で植え替えることに不安があったことは事実で。
ありがたい申し出だと言える。
次の花壇での約束を取り付けて、その場を後にする。]
/*
松本さんと幸坂さんのやりとりも、幸坂さんの複雑な心中も、鬼束ちゃんと先生のシーンも千木良くんの舞台裏も。
それぞれの顔と魅力に素敵だな、と思って、灰でも全部言及できない。
仕方はないけど、ちょっと悔しい。
[だから、その後の様子は知らない。>>184
彼の中を駆け巡るもがきにも気づかないまま。
しかし、確かに感情の手綱を握っていたようなのに、
責任感のある寛容な先輩としてケンに相対してくれたのに、
不思議と飯島明良(約束を交わした際に確認した)への印象は
燻った何かを抱えた、少しばかり不満げな像として残った。**]
―五月・放送準備室―
[数名の新入部員を迎え、放送部は活気を見せた。
機材を見て目を輝かせている姿は初々しく、少年は少しだけ微笑ましい気分になり。
表情の乏しい少年の顔に生じた僅かな変化を同級生に見咎められ、手で下半分を隠す姿がアップになる。]
「フジコーはフェード……ボリュームの調整が繊細なんだよ。
ミキシング卓の扱いはこいつに聞きな。」
えっ?
あ、え、えっと……。
[不意をつくような紹介にまごつきながらも、少年はよろしくと何とか言って頭を下げた。]
―五月・放送準備室―
[数名の新入部員を迎え、放送部は活気を見せた。
機材を見て目を輝かせている姿は初々しく、少年は少しだけ微笑ましい気分になり。
表情の変化の乏しい少年の顔に生じた僅かな変化を同級生に見咎められ、手で下半分を隠す姿が映される。]
「フジコーはフェード……ボリュームの調整が繊細なんだよ。
ミキシング卓の扱いはこいつに聞きな。」
えっ?
あ、え、えっと……。
[不意をつくような紹介にまごつきながらも、少年はよろしくと何とか言って頭を下げた。]
そ……それじゃ、練習始めようか。
[生徒達は散開し、各班の練習に移る。
基本的には班の後輩の指導は同じ班の二年と三年生が担当する。
朗読班は、海藤の当番日に教える事になっていた。
朗読班に入ったのは大人しそうな女子が二人と、素直そうな男子だった。
不慣れな少年の指導にも素直に耳を傾けてくれる。
地区大会までは約一ヶ月。
入部したての一年が挑戦するにはそれなりにタイトなスケジュールだが、真面目に練習に取り組んでいる後輩達を見れば自分も頑張らねばという気分になるというものだ。
中学生の時は幽霊部員のようなものだった少年にとって後輩ができる経験は初めての事。]
[>>173少年の手にしたプリントは、始業式の日に教室でケンに話しかけられるまで読み込んでいたものだった。
朗読部門では指定作品の中から自分の表現したい箇所を選んで朗読する。
何度も指定作品を読み返して決めた箇所は、少年のお気に入りの箇所だった。
>>174いい声してる、などと言われたのは初めてで、まごついてしまったが、ありがとう、とは何とか言えたと思っている。
名前呼びに変わった時には驚いてしまったが、ドリック君からケン君に変わる速度は少年にしては早かっただろう。*]
『眼鏡をかけているからといって、特別に勉強が出来るわけではない。
運動も真ん中か、それより下くらい。
海藤は、そんな平凡な子供だった。
小学四年の時、真面目だからと級長に推薦され、多数決で務める事になった。
雑用を熟すのは性に合っていたものの、行事ごとでクラスの意見を纏める役割もあり。
意見が分かれれば、気弱な少年はまごつくばかりだった。
先生ともう一人の級長に迷惑をかけっぱなしなのは悪いと思っていた。
皆がこちらを見ている。
何か言わなきゃと思った。
けれど思えば思う程、頭が真っ白になって、喉が張り付いたように何も言う事が出来なかった。
──結局、級長は別の男子生徒と交代する事になり。
以来、海藤はあがり症を患っている。』
─玉響に“なけ”─ 原作小説より一部抜粋
ごめんなさい。わたしはあまり本に詳しくないんです。
でもあそこの本は二週に一回変わってるから、
興味があるならまた来てみてくださいね。
次は変わるのはー……確か来週のはず。
……それ、借りられます?
[本が気に入ったのだろうか。
それなら結月にもできることがあると、小さな手を差し出した。]*
「飯島明良は感情表現が苦手だった。
怒り、悲しみ、不安、落胆…正の感情ならともかくも、負の感情がもたらす心の揺れ動きは飯島にとって極力避けたい、不快感をもたらすものであったからだ。
それは負の感情である以上、多くの人にとって同様の存在かもしれない。
しかし、飯島は多くの人よりもそれに対して潔癖で、その感情の存在自体にどうしようもない嫌悪感を抱いていた。
あるいは憎悪と言い換えてもいいかもしれない。
ともかく、飯島はそれらが嫌いだった。同時に恐れてもいた。
他人がそれらを抱けば、自分もまた逃れることはできないだろう。
周囲の顔色を窺い、常に快適な環境になるよう心がけた。
軋轢を生まないこと。平穏な生活を守ること。
それが飯島が人生で唯一、明確に意識していることだった。」
小説 ー玉響に“なけ”ー より一部抜粋
―舞台裏/インタビュー―
どうも、よろしゅうお頼もうしますー。
インタビューに出られるなんて、流石、映画ですねー。
こーいうん初めてなんで、お手柔らかにお願いします。
さ、何から話しましょ、この作品への意気込みとか?
これまでドラマには何度か出さして貰いましたけど、映画で名前付きの役を演るんは初めてなんですよね。
ドラマもですけど、必ずしも、時系列に合わせて撮るわけやないじゃないですか。
そういうのはやっぱり新鮮ですよね。
まぁ、去年の公演の■■■■では、実は時系列が複雑に入り組んでいた……なんて話を演ったりもしましたけど。
あ、ご存知で?ありがとうございますー。
行平さんや丹田さんを始めとしたベテランさんだけやなくて、いろんな場所で活躍してはる方とお仕事ご一緒できるんは、ええ経験になると思ってます。
共演者の方々の胸を借りる心算で頑張らせて貰います。
劇団出身で今回映画初めての人もいはるでしょ?根岸さん。そうそう。勝手にシンパ感じてます(笑)
役として絡みのある方も、ない方も空き時間とかにお暇そうやったらお話してみたいなーって。
千木良君とか、同クラ役やないですか。
俺もこんなんなんで、フジコーとケン君と同じようにはいきませんけど、仲良う出来たらなーって願望を抱いてます。
下手したらもうちょっとで干支が一緒とか、びっくりですけどね。
原作は勿論、オーディションの話を聞いた時から読み込ませて貰いました。
田美院先生の作品は恥ずかしながら今回が初めてだったんですけど、自分の高校生時代の事とか、思い出したりして……。
俺の高校生時代?まぁ、馬鹿やってました。
格好つけて言うと演劇青年って奴ですかね。
大学卒業して、役者の道を進もうとしたら父親にめっちゃ反対されて、それから実家に帰ってないんですよね。
えぇ、実は出身は此処でして。
故郷に錦を……なんて心算はないですけど、特別な思いはあります。
オーディションは……えぇ、フジコーでやらせて貰いました。
俺とフジコーとの共通点はどうかな……。
俺は向き合う事をしないで避ける事を選んだ人間なんで。
あ、これネタバレになってしまう?
あはは、喋り過ぎてしもた。
適当にカットして、ええ感じにして貰えます?**
/*
文化祭で大きめの一幕やりたいなとは思ってるんですが、もう少し後がいいかな。
放送ネタで進めるか、空いていそうなところに行ってみるか。
― 六月/体育祭 ―
[夏の気配が迫る頃、大神高校は衣替えを迎えつつあった。
移行期間である今は、夏服と冬服の混じる特殊な時期だ。
そんな日々も今日に限っては様相を変える。
六月上旬、天気は晴天――大神高校体育祭の日である。]
それ暑くない?
[ジャージを羽織った友人に結月は声をかける。
「暑いですけど?」と言わんばかりの視線に少女は肩を竦めた。]
分かるよ。焼けたくないもんね。
[そういう結月は半袖半パンの動きやすいスタイルだ。
もちろん日焼け止めはたっぷり塗ってはいるが、
細くもやや筋肉質な足が太陽に照らされて白く輝いた。]
[生暖かい風が吹く。
普段とは違い高く一つに結ばれた結月の髪を淡く揺らした。
それよりも強く、頭に巻かれた赤いハチマキがたなびく。]
……っ、
[よぉい、という掛け声の後、ピストルの音が響く。
地面につけた両手と踏みしめた足の力で前へと飛び出した。
もう最後だと思えば、みんなやる気が出るんだろう。
テントや日陰に腰かけた生徒たちの歓声が聞こえる。
そう、最後である。
結月はクラス対抗リレーの第一走者だった。]*
― 舞台裏・メイキング/体育祭 ―
[エキストラも多く動員した体育祭のシーン。
クラス対抗リレーの撮影前の一幕。]
うー……!
[かしゃかしゃと音が聞こえたかと思えば、
足まですっぽり隠れるコートを羽織りながら、
根岸寧子が小走りでうろうろと彷徨っていた。]
あ!
[メイキングカメラに気づいたようで、
視線をこっちに向けるとちょこちょこ近づいてくる。]
寒いです……!
[内緒話のようにカメラに向かって話しかけた通り、
絶好の体育祭日和なのは天候だけであった。
残念ながら季節までは調整できなかったのだ。
とっとっとっと、ぴょいんぴょいん。
立ち止まっていることに耐えられなかったのだろう。
根岸はカメラの前を離れ、
同シーンに登場する皆の下へ駆けて行った。]**
/*
自己紹介欄に自己紹介を入れたい人生だった
個別メモギリギリなんですよねー やっぱり時系列よりこっちかな
悩み 悩み 寝
─回想/高校3年生の頃の美術室/幸阪、松本、真宮寺と─
も〜、少しは集中しなよ亜美ぃ……。
幸阪さんなんか
1人で黙々と集中してるってのに……。
>>110>>123>>124>>125
デッサン辛いからってだる絡みしないの。
あ、餌場のお菓子1個ちょうだい。
[美術部の日常、
亜美歌が松本に質問したアレとはまた別のシーン。
集中力が切れたのか手を止め松本に絡む亜美歌に呆れながらも菓子を受け取るシーン。餌場呼ばわりしたのはお菓子コーナー。>>76
原作・映画共に亜美歌予備の美濃だが、どちらも亜美ぃ呼びすることがある。
こちらに目もくれず集中する幸阪に顔を向け、
見習えとばかりに亜美歌へ告げる場面。>>110]
[なお原作には学生向けのフリーペーパーで、お便りコーナーに書かれたある投稿が登場するが、
以下を書いた人物に関する記述はない。
テーマは「あなたが心残りに思うことは?」]
“PN.ちょっかい出してくる友達に
膝十字固めしたいお年頃さん
『私の心残りは美術部を退部した後輩です。
美術部を退部すると言った
後輩の台詞と表情が忘れられません。
声は静かだったけど、
まるで泣くのを堪えてるようでした。
でもすぐに晴れ晴れとした笑みを
こっちに向けてきたんです。』
『その瞬間、私の知らない後輩を見ました。
いや……本当は見ていたのに
今まで何も気づかなかったのかも。
1人黙々と取り組んでいた後輩の姿に
私は随分励まされましたし、
勇気を貰っていたんですけどね。
彼女がいなかったら仕上がらなかった作品なんか
ごまんとあると思います。
だから行かない、行きたくないの言葉に
正直ショック受けてました。
あの後、彼女とどんな話ししたか、
自分が何を言ったかすら記憶は曖昧。
……ダメな先輩だなって本当に落ち込みました。』
『多分中学校の時に、一緒に美術部入って
「お前と違って自分は才能がない」と言って
辞めた親友に重なったからでしょうか?
あの時も私、その子の作風が大好きで
本人にも言ってたんですけど
何の慰めにもならなかったみたいで。
実際に後輩がどんな気持ちでいたのか、
なんで辞めたかは分かりません。
曖昧になってしまった記憶の中に
彼女が本音を告げてくれていたのかも
しれないけど。
あの時自分が何を言ったか、
後輩について何も知らなかった自分含め
今はそれが一番心残りです。』
[美濃3年生の冬、12月頃に掲載された投稿。誰の目にも留まらなかったかもしれない美濃の本音と少しの悲鳴。]
その封筒、まさか……
[幸阪の晴れ晴れとした笑みとは裏腹に、落ち着きをなくし挙動不審気味の美濃は夏の景色にちぐはぐだ。
幸阪とは対照的に見えるよう意識してくれと演出家の指示。封筒を指差す指が、微か震えている。
でも判明するのは今じゃない>>135]
本当に、やめちゃうの?
私、幸阪さんの絵とか取り組む姿勢とか
とっても好きだったのに。
何かあったの?家の都合?
それとも美術……嫌いになった?
[後の幸阪の担任のように>>142大人な対応でもなく、
脅しをかけたような(アドリブを見せた)松本(行平)とも違い>>152>>153>>154
まるで「辞めないで」と言いたげな、未練がましい表情。]
[けど舞台を見に言ったことは誰にも言ってないので、もしかしたら自分の存在は根岸にとってあまりに記憶にないかもしれない。
何せ差し入れで1口サイズの牛カツサンドを届けに顔を出した1回と、舞台期間のケータリング。
温かな食事が取れるよう現場で調理・提供してくれるサービスを向こうに送った1回だけだから。
(しかもその時は現場に顔を出していない)
ちなみにケータリングはカレーに焼きそば、生姜焼きにハンバークの定食、味噌汁など結構種類も豊富です。]
─回想・1度目の3年生とティーチャーの答え─
ちょっとー、だる絡み言うなし。
休憩という名の気分転換しただけじゃん。
お菓子?ハイハイお菓子一丁〜!
[苦言を呈す美濃をものともせず
飄々と振る舞う亜美歌。>>246
お菓子コーナーへ集まる部員たちに>>123>>124
「ちょっとごめんね〜」と言って
小包装の美濃の分の菓子を1つ取ると、本人に放り投げた。
亜美歌が松本に問いかけたものとは別の、
ただ美術部の日常を表現したシーン。]
[時が進んだのか、
今度は原作と映画で違いが出たあのシーン。
亜美歌と美濃のやり取りに意識すら向けてない幸阪もまた>>110原作シーンでは登場しなかったはずの人物、
映画オリジナルとも言える箇所の1つ。
皆の間を緩やかに歩く松本から、
中庭で昼寝でもしてこいにプッと吹き出し>>76]
ぷっは!出た、教師らしくない一言!
中庭で昼寝してこい、自分も寝に行くからなんて
ティーチャー以外言う奴絶対いないっしょ!
やだもーウケる!!
[ここまでは松本も亜美歌も台本通り。
アドリブの欠伸に亜美歌もアドリブでケラケラ笑った。
「欠伸したー。ティーテャー眠そうじゃん、大丈夫?睡眠足りてる?」と畳み掛けすぎたのは内心反省していた。
亜美歌ならこう反応するかなって思ったらしい。]
[やがて手が鈍り、
松本に教師になった理由を問うシーン。>>77
先ほどの掛け合いのようなやり取りも
親しい距離感演出の一助になっているのだろうか。
飄々とした様子で告げられた言葉に
一瞬、首を傾げる。>>111]
……自分を、信じる?
教える立場から学ぶもんがあんの?
[教えられる方がしっくり来なかったのは、
何と無く納得した。確かに、と本人を見て思う。
けど自分が教えるものにピンと来ないなら
自分を信じていいと言われ、亜美歌は戸惑う。
しかし教師から教わることが全てではないと、亜美歌の中で変化が起こる場面だ。]
[原作で松本から亜美歌に贈られる台詞。>>111
『お前も来るか、こっちに。
そんで昇るか、上まで。
ーー亜美歌』
勿論亜美歌の側からも松本のみに告げた台詞があった。
お前も来るか、登るかの意味が掴めず
きょとんとする亜美歌だが、
松本の言葉に不思議と惹かれる。
ワクワクするような高揚感と最高の予兆。
その景色が、純粋に知りたくなった。
「──うん、行く。絶対行く。
絶対登ってテッペン取ってみせる。」と。
原作だと、言葉を意味を深く体感し真の意味で決意する場面が後に出て来るが、映画ではこれらの台詞同様全て改変されている。]
[シーンが改変されたのは
監督の意向と知らされた時、>>112
行平と違い明らかにガッカリしたのが姫野。
何せ松本の台詞は
亜美歌に多大な影響を与えたのもあるが、
あのシリアスな台詞は松本という教師について
別の側面を示す重要な台詞だと感じていたから。
まさか本人がホッとしたような、残念なような
そんな思いを抱いていたとは露知らず。
口には出さないが監督の意向に異を覚えた姫野が
もし行平の「引き立て役で良い」と言う思いを聞けば
それは違うでしょうと真っ先に本人へ言うだろうが。]
ー舞台裏/美術部のシーンの後ー
あっ、行平さんお疲れ様です!
ありがとうございます、ジュースいただきます。
[松本が推測した通り、>>113
バームクーヘンを口にした後>>77
口の中の水分を持ってかれて
その後の台詞が少々ピンチだった。
気を遣わせてしまったことに恐縮しつつりんごジュースをありがたく受け取り口にする。
普段稽古場では水かお茶しか摂ってない姫野だが、
冷えたりんごジュースも悪くないなと>>113
この時ばかりは思った。
りんごの香りと風味の甘さが
ほっと心に一息をつかせてくれたから。]
[だが演技について触れられると>>113慌てて]
へっ!?い、いえいえ!行平さんや美濃さん、
幸阪さんや他の皆さんが作り出してくださった
雰囲気のおかげでやれたようなものですよ!
行平さんもまるで松本先生が実在するみたいで、
一瞬現実と演技の境目見失いかけましたから。
[行平が今までの役柄と
違う役を演ずるのに驚いたのもそうだが、
まるで嵌まり役のようにも思えて
「場数を踏んでる人はやっぱり違う」と純粋に尊敬している。
何せ美濃とのやり取り、既に役を掴めて来た>>99>>100>>192とはまだ知らないものだから。]
でも、ありがとうございます。
原作の亜美歌を映画でもお届け出来るなら
舞台役者やっててよかったって胸を張れそうです。
[自分も亜美歌と同じく留年し、
3年生を繰り返したこともついでに話す。>>113
演技を評価してくださったこと、まるで対等に接するかのように向けられた姿勢が姫野には純粋に嬉しかった。]
こちらこそ、行平さんとご一緒出来たばかりか
生徒と教師役として縁のある役柄をやれること。
多くの実力ある方が集ったこの現場で共演し
学びに満ち溢れた環境に恵まれた果報者です。
[屈託のない笑顔に、>>113
姫野も同じような笑みで握手に応じる。]
──はい、絶対良い映画にしましょう。
こちらこそ、よろしくお願いします!
[良い映画にしましょうの言葉に、
この映画は本当に良い映画になるような、
そんな予感がした。
少なくとも自分のような役者とも
対等に握手を求めた彼のシーンはきっと、
名シーン揃いになるだろうとも。
それまでの緊張やら萎縮やら不安はすっかり消え失せ
応えたいという闘志や熱意、撮影と芝居への意欲へと
心はすっかり切り替わり生き生きした表情を相手へ見せた。**]
─舞台裏/本人に伝えたことはないけれど─
[ちょうど自分が高校生の頃に見た
『アンバランスな食卓』>>197
その子役だった水戸くんがもう高校生だなんて、>>161
月日が経つのは早いなあ、なんて思った。
単位制の芸能高校に通ってるらしいけど>>161
本当単位と留年には気を付けて、と
留年経験者は思う。>>85
自分は定時制の普通科高校だから
またちょっと事情は違うだろうけど。
千木良さんも高校進学したら
気を付けて欲しいなー>>91なんて
どっちにせよ本人に言ったことは無いけれど。
留年すると面談とか手続きとか本当面倒だから
2人に経験して欲しく無いなー、というのは苦労した側の老婆心とお節介。**]
─舞台裏/本人に伝えたことはないけれど─
[ちょうど自分が高校生の頃に見た
『アンバランスな食卓』>>197
その子役だった水戸くんがもう高校生だなんて、>>161
月日が経つのは早いなあ、なんて思った。
単位制の芸能高校に通ってるらしいけど>>161
本当単位と留年には気を付けて、と
留年経験者は思う。>>85
自分は全日制の普通科高校だから
またちょっと事情は違うだろうけど。
千木良さんも高校進学したら
気を付けて欲しいなー>>91なんて
どっちにせよ本人に言ったことは無いけれど。
留年すると面談とか手続きとか本当面倒だから
2人に経験して欲しく無いなー、というのは苦労した側の老婆心とお節介。**]
/*
どうしよう、どちらのPCも松本先生と行平さんで大きく関わるから行平さん大好き人間みたいになっちゃう
(実際PCPL共にロル大好きですが!)
ペア村みたいにならないようRP村界隈では気をつけなくちゃいけないと聞いてるから、やりすぎないようにやりすぎないように(自戒)
[始業式が終わり、教室での自己紹介。]
えー、初めましての人は初めまして。
久しぶりの子はお久しぶり。
どーも!真宮寺亜美歌です!
御察しの通り元3ーAで留年してここにいるけど
みんな私に対してタメ口でいいからね!
敬語いらない、同級生だから気遣い無用!
壁感じるのさみしーからさ、
4年目の高校生活だけど
みんな1年間ヨロシクね!!
[もう先輩じゃないからと遠慮は無用と先手を打ち、
自ら積極的に話しかける亜美歌。>>85
最初は距離を置いたクラスメートも亜美歌の醸すオーラに慣れたのか徐々に距離は近付き始めた。]
(……やっぱり行きたかったな、卒業式。)
[皆が席を立ち、わいわいと賑わいを見せ始める
3ーBを見て亜美歌は心の中でぼやく。
あの時の皆で卒業出来なかったからじゃない、いや少しはあるけど。
出たかったな、じゃない
「行きたかったな」なのだ。]
[前年度の卒業式、亜美歌はその場に居なかった。
何故なら亜美歌は当日、
学校から登校を禁じられていたのだから。]
─回想・1度目の3年生─
うーわ、また赤点だよ……。
[他の教科はそこそこ成績も良いのに、
1つだけ壊滅的な科目があった。それが数学。
サボっていたわけじゃない、
本人は至って真面目だった。
授業は欠かさず出て居たし提出物も出した。
休日には塾や家庭教師をつけて教わっていた。
授業の合間や授業終わり、昼休みに放課後と
時間を見つけては分からないところを
真剣な様子で教師に質問していた。
努力はした、したのに成果がついて行かなかっただけ。]
[もう1人は当時3ーAの担任だった菊池。
数学教師でもあり、
ほんわかとした雰囲気のおじいちゃん先生。
今年度で定年退職を迎えることになっていた。
亜美歌に対して怒ることなく見下すことなく、
頑張ってる努力を認めて1から丁寧に教えてくれた。
どんなに些細なことでも出来たり
良いことをした時は褒めてくれた。
だから菊ちゃんこと菊池に応えようと頑張れた、
赤点やひどい点数をとる度申し訳なく感じていたのに
次があると優しく励ましてくれた。
だから腐らずに頑張れたのかもしれない。
ケン・ドリックのことも
「あの子は悪い子じゃないよ」と口にし
松本に「あなたみたいな先生がこの学校にいてくれて良かった」と言い、
松本のような教師がこの学校には必要だとしみじみとした調子で語っていた。]
[学校側も一応亜美歌の努力は認めていたらしい、
伴わぬ成績にむしろ道場の声すら上がったそうだが
夏の面談で留年危機を言い渡され、秋に乗り切れず。
とうとう最後の追試でも規定の点数を10点下回り、
救済措置も空しく留年が決まった。
美術コンクールなどで努力が実るとは限らないと知る亜美歌も、1年間の努力が何も力にならなかったことに項垂れる。
それでも留年を言い渡された時、頭を上げて頷く。
涙は流さずはっしと前方を真っ直ぐ見据えていた。]
[留年が決まれば、次は今後。
このまま在籍してもう1度3年生をやり直すし
1から単位を取り直すのか
通信制高校に編入し、今まで取得した単位を引き継いで
残りの単位を頑張って取得するか。
いっそ高校を退学し、別の道を歩むか。]
[こうして進路を考えることになった亜美歌は
憔悴しきった表情を見せるも、友人や家族らの前で
決して涙は見せなかった。
明るく気丈に振る舞って見せた。]
(せめて伊緒っちたちの卒業式と
菊ちゃんとのお別れは笑って見送ろう。
卒業おめでと〜!って
みんなの晴れ姿を目に焼き付けるんだ。
菊ちゃんには沢山のありがとうと
教師生活最後のクラスで留年出してごめんって
心の底から菊ちゃんに向かって謝りたい。)
[泣くのは皆が卒業してから、
菊ちゃんに別れを告げた後
1人になってからでも十分でしょ?]
─6月・体育祭─
とまあ、こーいう事情で留年したってわけ。
[時は過ぎジャージが暑く感じそうな6月上旬。>>245
打ち解けてきた人数も増え、友人も何人か出来た。
最後のクラス対抗リレーの走者を眺めながら>>246
亜美歌は新しく出来た友人の質問に答える。
前から気になっていたらしい留年の真相、
前年度の卒業式に出席しなかった理由。
最初は自分に気遣って聞けなかったという本音に
「気ぃ遣い過ぎだって」って苦笑しながら。]
「じゃあ、何で卒業式には出席しなかったの?
聞いてると出たかった風に聞こえるんだけど。」
まー待て待て、急かすな急かすなこのスケベー。
今順番に話してるでしょーがっ。
[ケラケラとなんてこともない風に笑って、
続きをとせっつく相手に待て待てと制する。]
あんね、卒業式にはね。
出席“しなかったん”じゃない。
出席“出来なかった”んよ。
[そう呟く表情のアップは、
諦観と悲嘆が入り混ざったような泣きそうな顔。
喧騒とは正反対の誰もいない空間を見つめている。
誰にともなく呟くように、声を振り絞る。]
……私はね、行きたかったよ。
[突っ伏した顔からは表情が見えない。
続く無言、友人が聞いてはいけないことを聞いたかと慌て始める。]
うんにゃ慌てなさんな。ちゃんと教えるって。
[猫のようにぐいん、と伸びをしながら
顔を上げて友人の方を見遣る。
亜美歌が口を開きかけたところで
────シーンは全く別のものへ切り替わった。**]
─舞台裏・花壇の近くで休憩中─
[ところで、竹本茜役であるNixは。
いや、もっといえばNixの中の人、と言った方が良いかもしれない。
歌い手としてのNixは堂々とした態度でステージで歌を披露するが、ステージから降りればどちらかと言うとヲタク気質のコミュ障である。
ましてやこの現場、様々な人間たちがいる。
新人からベテランまで役者たちはもちろん、現地採用の子、スタッフ、スタッフ、スタッフ〜!
うん。話しかけるのは極力避けたい奴!
そう心から思ってしまっているので、休憩中はヘッドホンを着けて話しかけるなオーラを出しがちである。
そんなNixだからこそ。]
(…あの俳優さんもこちら側かなあ。)
[>>160曲を聴いているのか、自分のようにフェイクなのかは分からない。
俳優仲間もいるため話している場面もよく見る気がするが、今日のセンセイは耳にイヤホンを突っ込んで休憩中だ。
それを遠目に見て、なんとなくシンパシーを感じたりする。
感じたりするがそれだけだ。
手元にある台本を脇に挟み、此方はかの著書に何度目かの目を通す。
竹本茜。
彼女のことは、分からなくは無いが多分苦手な人間だ。
学生時代隣にいたら多分友達になってなかった。
と言うか、多分接点は歌だけで、それが触れ合う奇跡がなければクラスにいても絶対話さないし話しかけない。
でもそんな竹本茜と自分だからこそ、わかるかもしれないと思うことがある。]
(この子は、無理矢理正義の審判にかけられた。
嫌いなものにはわざわざ触れたく無いし
批判する事だって勇気がいる。
嫌いなものをわざわざ嫌いっていうよりも
遠ざけておく方が楽だと知っているのに
蚊帳の外から中へ無理矢理引き摺り込まれた。
この、相手の子の友達?とやらも
本当に正義感でやってるのか怪しいしね。
そう言う子を守ろうとして見せる事で
自分の正義感を満足させてるような、
自分の中の何かを誤魔化すために
竹本茜が使われた、みたいな気がするんだよね。
そんな、屈折とか卑怯とか言われそうなものに
真正面から打ち当たろうとする竹本茜。
…いやあ、お友達にはなれないな〜。
若いな〜、青いな〜、それが青春?)*
ー 回想・二年生 10月初旬 ー
[当時、美化委員長だった先輩がパンジーの種を撒きたいと言ったのは9月の頭のこと。
それが実現したのは、10月の頭になった今日のこと。]
ちょっと遅くないっすか?
[パンジーの開花は早い。8月、9月に撒けば早ければ冬のうちに開花して、5月の終わり頃まで楽しむことができる。
一方10月に撒いた場合、開花するのは春先、4月頃になることもある。その場合は開花期間は短くなるが、大きな花を咲かせることが多く、華やかだ。
しかし先輩は自身の、ひいては友人たちの卒業式の彩りに、と言っていた。
卒業式に確実に間に合わせるなら、もう少し早く撒いておくべきだったのではと言外に含ませると、彼女は頬を膨らませて抗議する。]
「だって今年は暑かったんだもーん!」
[その言葉を聞いて、飯島は苦笑する。
今年の夏は暑く、9月になっても残暑が厳しかった。
種まきをするにはあまりよくない日和が続き、ようやく暑さが和らいだ今日、種まきをしているのだった。
ならば拘らずに別の花にすれば、もしくは株をもらえばいいのに、と飯島が言うと、再び先輩は抗議の声を上げる。]
「自分の卒業式だもん。自分で植えた花じゃないと意味ない。
もしかしたら、綺麗に咲くかもしれないし。
パンジーくらい色んな色があって冬に咲く花、他に知らないもーん。
それにね、全部咲かなくてもいいよ。最低限咲いてくれれば。
満開にならなかったら、その後の世話は飯島くんに任せます。」
[だから頑張ってね、と言われて飯島は頷いた。
先輩の輝かしいほどの笑顔。それに気圧されるようにして。
咲かなかったら意味なくないですか?という言葉も。
どうせ見ているやつなんていないですよ、という言葉も。
頭に浮かんだそれらの言葉を、口に出すことはしないまま。]**
ー 春・五月、校舎前花壇に供えられた花 ー
[下校時間、ケンに潰されたという花の確認をしようと、校舎前花壇へと向かうとき、誰かを見た気がした。>>231
それは他の生徒と同じように視界の端を横切っていく。
やけに明るい髪色だけがわずかな印象を残した。
花壇の確認をすると、確かにケンが言った通り、いくつかの花が潰れているのが分かる。
ダメそうなものを簡易的に間引き、本格的な株の処分と植え替えは手伝いのある後日にしようと考えたところで、違和感に目が止まる。
不自然に横たえられた花。潰されたパンジーの近くにあるだけに、誰かの意思で供えられたもののように感じた。
ふと、いつかの言葉が脳裏に甦る。>>293
どうやら自分の方が間違っていたらしい。>>230]
ふーん。
[飯島の視線は、今や荒らされた花壇より、供えられた花にのみ注がれていた。
暫く供えられた花を注視して、それから花壇の手入れに戻り、下校した。]
「飯島の立ち去った後には供えられた花がそのままだった。
彼は誰かの供えた花に、指一本触れはしなかった。
供えられた花は花壇を見ていた誰かの存在証明だった。
正体を知りたい気がしたが、残念ながら飯島はその人物に心当たりがなかった。
探してみようにも、残されたのは一本の花のみ。到底見つかるはずもない。
だからといって、花を処分してしまうのは躊躇われた。
なんとなく、知らない誰かの痕跡を消してしまいたくなかった。
それで飯島が去った後には、完全には荒れた形跡の消えない花壇とそこに供えられた花が残された。」
ー 玉響に“なけ” 原作小説より一部抜粋 ー
[学年主任がしてきた話は2つ。
1つは通信制高校への転入か、退学の勧め。
1つは亜美歌へ卒業式に来ないで欲しいという要望。]
……………………は?
[突然の話にどういうことだと
言わんばかりに睨みつける亜美歌。]
/*
コウくんNG多角長め…多角はさっきので多分合ってるけど、長めって長文不可?ってこと?
私そんなに長いの描けないと思うから大丈夫かなあ。
軽音と放送だと、機材のやり取りがありそうだけど。
しかしそれが映画に出てくる話になるかと言うと話は別である。
―回想/1年前・夏の終わり・九月/美術室―
[台詞というものは、演技によりニュアンスすらまるで違ってしまったりもする。
おどけて言うのか、真面目に言うのか。
声のトーン、表情。ありとあらゆるものに表現の余地がある。
松本の台詞は台本通りだ。しかし、読みの時ともリハの時とも異なる演技を行平は選択した。
それを受けた女優、根岸寧子の小さな肩が僅か、震える>>204
この時既に二人のせめぎ合いは始まっていたのだろうが。
彼女の演技に熱がこもる]
[単純な怯えではない。強がりでもない。でも背伸びをし立ち向かおうとする等身大の少女が、そこに。
表情が、息継ぎが、僅か伸びた背が>>207
リハの時以上の凄みを伴って。
発せられる圧がーー行平を完全に松本と同化させた。否、させられた。
演技が演技を呼ぶ。呼応する瞬間。
打てば響く。熱くーー熱く。
だが、これで終わりではなかったのだ。
根岸という女優の底の無い実力を、行平は目の当たりにする]
[>>208
ーーアドリブ、だ。
捨てる、は強い言葉だ。辞めるとは意味合いは同じでも。
単体なら投げやりのような意味も持つ。しかしーー
潤んだ瞳がそれを浄化する。
こんなにも愛しく、哀しく、切なく。
結月の絵に対する張り裂けんばかりの想いが溢れ出している。
今まで聴いたことも、見たこともない台詞だった。
行平はハッとする。
彼女の芸歴は行平よりも長い。しかも舞台経験も豊富>>52
これが、実力。この凄みこそが、根岸寧子であると。
侮ってはいなかったが、ここまでとは]
[さてーーこの白刀を向けられた状態、松本として答えるなら。
行平は、思い出す。
原作だけにある松本の台詞を。
『お前も来るか、こっちに。
そんで昇るか、上まで』>>111
これは真行寺亜美歌に向けてのものであり、結月に向けたものではない。
しかし、この台詞から松本の人間性、芸術に対する隠された情熱、生徒の自由を重んじつつも導き、共に高みを目指したいと考える姿を推察する事は可能だ。
松本は普段こそだらりとしているが、生徒に向き合う時は言葉や態度が変わる。
この人物像と、根岸が結月として発した台詞を掛け合わせ、行平は答えを構築するのだ。
脇役は、脇役。
シーンの主役は結月。
しかし根岸と行平は対等ーー挑む。]
[僅かな眉の動きと目線で間合いを計る。息を吸うのは感じさせぬように、短く。
背筋の張りを意識した。
同事務所の先輩である丹田からのアドバイス>>193のように。
そしてーー考えた台詞を放つ。
アドリブにはアドリブを。
眼には眼を、歯には歯を。
ーー言葉の刃で火花を散らす]
ーーやってみろよ。やれるもんなら。
逃げられると思うなら。
[やれるもんならはつまり、やれないぞ、という意味だ。絵はお前を離さないぞ、と意思を込めた。
松本はこう考えているはず。
たとえ行平の解釈が間違っていたとて、映画の撮影は一発録りなどしない。このテイクに監督からダメ出しを食らったら、その場合はまた新しく作っていけば良いだけだ。
自分を出しすぎてはいけない。
そうなのであるが。
行平はこの瞬間、それを緩めた。
リミッターの解除をした。
沸き上がる情熱に身を委ねた。
きっと彼女は応えてくれるし、それこそ根岸の、そして結月の魅力を最大限に引き立てるはずだーー]
[原作通りの流れに戻っても、緊張の連続の中にいるのは変わらない>>210
ここは結月というキャラクターの魅力が無限大の広がりを見せる箇所だ。
それを、根岸はこんなにも鮮やかに″魅せて″くれた。
舞台という失敗が許されない場を生きてきた彼女の生きざまそのもののような]
[カットの声が響くまでが永遠のようだった。
夢から醒めるように行平は眼をぱちくりし、肩を緩めた。ドッと疲労に包まれる。
スタッフが駆けより、飲み物やタオルを差し出したが断って。根岸に向き合う]
……根岸さん。いや、これはーー
素晴らしかったです、あなたの紡いだ台詞も、演技も。
……楽しかった。楽しかったなんて、監督に怒られるかもですけどね。でも、心から。
ありがとうございます。
[興奮醒めやらず、それだけ言うのが精一杯。
このまま彼女と死ぬまで演技を続けられたら、なんて頭に過った事を、行平は後に恥ずかしく思い出すのだがーーそれもまた良し]**
/*
根岸さんと行平さんのアドリブ合戦が熱い……拝
想定以上のものがボンボン出過ぎて村建て感謝のあまり拝み倒しております(ありがたや)
― 気づくことのないシルエット ―
[視られることには慣れていた。
どちらかというマイナスな意味合いで。
密やかに、時にあからさまに。
視線だけでなく、
妥当と思える叱責から、不当に感じる文句まで。
世界には色々な表現のグラデーションがある。
だから、少しばかりの非難を含む程度の眼差しに、>>148>>149
青年が気づく描写がなかったとしても勘弁してほしい。
そのどちらかというと負の天秤に寄った視線が
小柄なツインテールの三年生だと知る機会があれば
ケンだって驚いただろう。
彼は彼女を知っていたから。]
― 一年前・夏の終わり・放課後 ―
[土いじり同様、芸術にも縁がない。音楽を聴くのは好き。
踊りも、まあ人前で披露する機会はないが
親族一同幼い頃から親しんできたほう、その程度。
選択科目もせっかく日本にいるのだからと書道を選んで、
つまり、この大神高校内において、
ケンと美術との関わりは希薄だということだ。
>>153>>154>>198]
[美術室前の廊下。
窓の外から夕陽が射し込んでいる。>>145
帰宅途中、忘れ物に気づいて取りに戻っただけなのだ。
体育祭や文化祭の準備でもない限り、帰宅部の自分の下校は早い。
他意のないアクシデント。ところでこのシーン、こんな台詞だったか?
教室の扉は閉められていたと思う。
あの時の教師との対比。>>139>>144
だから、彼らの姿を視認せずにすむ筈だった。
廊下側の窓に映る特徴的なシルエットを>>150
目にしさえしなければ。]
― 春・図書室 ―
あれ? あの…………彼女。
ここの人だった?
[秋以降、その影は校内のあちこちで視界の隅、ちらほらと
サブリミナル・メッセージ的に明滅していた。
教師との道ならぬ?恋を抱えている女生徒。
あの日、ケンは素早くそっと立ち去ったのだが
しっかり聞こえてしまった激情を秘めた声音。>>206
正直、話の内容はちゃんと把握していない。
図書室で例の特徴的なヘアスタイルを認めるまで>>44
随分間が空いたのは、ケンにとって図書室が
縁遠い場所だったからに他ならない。]
[近くの生徒を捕まえて、返ってきた答えは
『 幸阪さん? 春から図書委員だよ。三年生。
え? うん、昨年まで美術部だった筈。 』
ああ、じゃあ間違いのない。]
……職員室のコピー機フル回転してるから
ここの使わせてもらえって。
[『 それで君は何の用? 』
同じく図書委員なのだろう男子生徒に答えて用事を済ませる。
>>237 友人の朗読するという作品を。
自身も気になったのだ。
海藤のお気に入りの部分含めてコピーを取った。
そうして、できるだけ視野を狭めるようにして、
馴染みのない場所を後にする。]
― 5月・校舎前花壇 ―
( こんなだったっけ? )
[自身の所業で潰れた花の残骸は
記憶にあるほど無残ではなかった。>>231
もう少し荒れたイメージだったような、と首を傾げて。
美化委員の彼みたいに>>291
これまで見守っていたわけではないし、
察しも良くはないから(今も絶賛勘違い中だ)
誰かの手によって整えられたことに気づかない。
ただ、ほんの少し、
先ほどより安らいだ心地になったのは
気のせいではないんだろう。**]
ー 春・五月下旬 放課後 校舎前花壇にて ー
[ケンとの約束が果たされたのは、事件から少し間をおいてからのこと。
明確な日時を決めていなかったため、その日の昼休み、彼のクラスに赴いて放課後残ってくれるよう(いなければクラスメイトに伝言を)伝えた。
本当は事件のその日にやっておけば、彼のクラスで悪目立ちすることもなかったのかもしれないが、五月下旬の方が飯島にとって都合がよかったのだ。
彼との約束、パンジーの植え替え。
もうすぐ時期の終わるこの頃に植え替えをしてもそんなに意味はない。そんなわけで。]
ごめんね。ケンくん。
植え替えもしてもらうんだけど、切り花も手伝ってもらっていーい?
[まだパンジーの花が元気な内に切り花にし、各教室の花瓶へと生ける。
切り花にした花の株は用済みなので処分する。
切り花にしなかった数株をプランターへと植え替え、種を取る準備をする。
これらを一人でやるのは重労働だと考えていたので、人手が増えたのは嬉しいことだった。
まして彼は体格もいいし力もある。予定になかった労働を断られたところで植え替えの手伝いをしてくれるだけで万々歳だ。
…あわよくば株の処分までは手伝ってもらおうと考えているのはここだけの話。]**
― 5月下旬・放課後・校舎前花壇 ―
いいすよ。
[>>313 飯島の申し出に軽く首肯する。
断る理由はどこにもなかった。
バスケットボール花壇襲撃事件からしばらく経って、
責務としてケンの中に留まっていたから
声がかかってむしろほっとしたくらいだ。]
切り花? ……て、上手く切るコツとかある?
[ここの花が各教室に配られているなんて知らなかった。
教室で確かに目にしていた筈の花。花瓶の色だって覚えていない。
教室に踏み込んだ時の花の匂い、思い出そうと空を睨む。]
[御覧の通り体力ならあった。
力仕事なら、飯島の指示通りなんなくこなせただろう。
細やかな指先とは言うまいが、手先が不器用というわけでもない。
致命的なミスはなかった―― と願いたい。
それにしても、思ったより工程が多い。
美化委員の彼がその一つ一つを理解していること
手際の良さと的確な指示から見て取れて、]
花、好きなんすね。
[シンプルな帰結を口にした。
この、調子の軽そうな口調とは裏腹に、
面倒な感情を持て余しているように見える上級生に。]
[適当にやればいくらでも適当に
細かいことまで気を配れば、どこまで大変そうだ。
それが土に触れてのケンの感想。
身体を動かしていくうちに、この花壇が緻密なものだと
肌で知った。
この間よりも、怒りの色の薄らいだような印象 を
彼から感じて、単純な答えを口にしていたのだ。**]
─梅雨・校舎内廊下─
[『ごめんなさい』と、竹村茜に謝る小さな姿があった。
外にはザアザアと強めの雨が窓を叩く。
そんな廊下で、あの子は竹村茜に謝った。]
別に、気にして無いし、気にしたく無い。
ただ私はこれ以上どうするつもりもないから
ほっといて欲しいかな。
別にアンタに怒っては無いから。
[潤む瞳。それを冷めた瞳で見据える竹村茜。
クルリと背を向ける。
怒ったような表情は、原作の竹村茜の心情そのものだ。
怒っているのだ。
それでいてどうしようもないと思っている。
人の想いは止められないと、竹村茜は理解している。あの子が自分を好きと言う気持ちも、それを受け入れられないと言う茜自身の気持ちも。
一番怒っているのは、無責任な外野にだ。
自分が好きになれない相手に告白され、断ったら外野に責められる。
文字にすればその通りで、それが異性だろうと同性だろうと、迷惑なのは同じだと竹村茜は感じていたのだ。
乱暴な足取りで向かうのは放送準備室。
扉の前で一度足を止め、胸に手を当て深呼吸をする。
そうしてからゆっくりと扉をノックした。]
失礼します。
機材を貸して欲しい日があるんですけど。
[そこに居た放送部員。
同学年の海堂の姿を見ると、ぺこりと頭を下げた。]*
― 回想/1年前・春・四月/美術室 ―
[朗らかな美術部の日常が画面に切り取られる。>>249
結月がキャンバスに向き合うシーン>>125と
美濃がその背を見守る姿が交互に映し出されることで
少女の異質さが上手く描かれていた。>>250]
……え?
[身を折るような息苦しさ>>128と息の止まる緊張感>>129、
それを一瞬で払しょくしたのが先輩である美濃>>251の声だった。
実際に息を止めていたのだろう。
数拍遅れて反応した結月の唇から吐息混じりの声が聞こえる。]
美濃先輩……?
[彼女を見上げた結月は最初困惑を表情に乗せた。
瞳がきょろきょろと周囲を確認するように動く。
状況を確認すると少女の眉尻が下がった。
結月は笑う。その表情は後に見せるもの>>135より弱々しい。]
― 回想/1年前・夏の終わり・九月/廊下 ―
[晴れやかな表情を浮かべる少女>>135と相反するように
対面する彼女>>257の顔は困惑に曇る。
すれ違った距離を生めるように美濃が歩を進めれば>>256、
元より大きな身長差がさらに広がっていった。
見上げる少女と、見下ろす彼女。>>255
両者の心境を表すような姿勢が対照的な演出を後押しする。]
これから渡しに行くんです。
[伸ばした指先を微かに震わせる丹田の演技は緻密で繊細だ。
言葉少なくとも、声音や表情が美濃の感情をつぶさに伝えてくる。
未熟な自分が怯みそうになるのを堪えて顔を上げ続けた。
この瞬間の結月は、絶対に美濃先輩から目を逸らさなかったから。
何を、とは言わなかったけれど、
向かい合う二人にはそれで十分だったのだろう。
美濃は、まるで引き留めるように言葉を続ける。>>257]
『 自分の言葉が心優しい先輩を傷つけてしまうことを結月は知っていた。けれど、少女は言葉を飲みこむ術を忘れてしまったようだった。』
[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]
[少女は目の前の先輩へ丁寧に頭を下げた後、その場を離れる。
誰もいない廊下を小さな背中がゆったりとした足取りで進んでいく。
少女が振り返ることは一度だって、ない。
・
・
・
――それから場面が変わって、郊外の一軒家が映る。
明るい色のカーテンと似た色をしたベッド。
あちこちに画材の置かれた雑多な部屋にある勉強机の上、
カメラが捉えたのは「コンクール」と「佳作」の文字が並ぶ紙だった。]
[根岸は丹田を見上げた。
その表情は美濃に通ずるようで、別の柔らかさが覗く気がする。
根岸が勝手にそう思っているだけかもしれないが、
自分にはない彼女の魅力を間近で見られた気がして
冷静に冷静に、お仕事お仕事と言い聞かせる心が弾んだ。]
……あの、丹田さん。
[はいやりました。冷静にって言ったでしょ。
どれだけ自省を促そうとも発した言葉は戻らない。
手早く腹をくくると根岸は口を開いた。]
以前、所属していた劇団に差し入れをいただいたことがあって。
『ひなぎく』っていうところだったんですけど……はい、吉木さんの。
[吉木とは、劇団『ひなぎく』がお世話になっている劇場主である。
田美院先生と友人の彼女には作品名の方が通るかと思ったが、
彼女の後輩が所属しているし>>260、きっと伝わるはずだ。]
[当時、根岸は丹田と直接顔を合わせたことはない。
「丹田さんから差し入れいただきましたー!」
「今日のケータリングは丹田さんからでーす!」
という声と周囲の歓声を聞いただけだ。
彼女の差し入れはバイト戦士だった根岸の腹を存分に満たし、
劇団のSNSには他の劇団員と一緒に牛カツサンドやカレーを手に
満面の笑みを浮かべる根岸の写真がアップされたりした。]
あの……お腹いっぱい、いただきました。
ありがとうございました。
[お腹いっぱいはわんぱく過ぎただろうか。
でも彼女にとっては印象に残らないいつものことだったかもしれない。
それなら少々おどけた方が丹田も反応しやすいだろう。
根岸は結月とは異なる溌剌とした笑みでお礼を告げた。
ちょうどヘアメイクが終わり、スタッフが本番の準備を進める。]
改めて、よろしくお願いします。
[そっと深呼吸。大丈夫。セリフも飛んでない。
前を向いた。「スタート」の掛け声が聞こえる。
26歳の小さな演者は、17歳の少女になった。]*
ー舞台裏/インタビュー風景ー
[それは、行平がクランクアップ後に受けたインタビューでのこと。
まず訊ねられた自身の役・松本志信については、いい加減に見えて内に情熱を秘める人物、と答えた。
次の質問、一番難しかったシーンは、根岸寧子とのアドリブシーンを挙げた。>>209
そして共演者についてはーー]
松本は端役なので、残念ながら全員との共演シーンがあるわけではないのですが、皆さんの収録を拝見し、素晴らしい演技に感銘を受けています。
ーーそうです。丹田さんは事務所の先輩ですね。共演が初めてではないのは彼女だけです。
いやあ、もう相変わらず彼女の隙のない演技はね、脱帽ですよ。
高校生役もなんの違和感ありませんでした。むしろ制服、お似合いでしたね。とても可愛らしかったです。>>67
ええ、はい。役者ではない方も出演されています。
主題歌を担当されているNixさんは随分難しい役どころを見事にこなしてました。
特に彼女の演じる竹村茜がビンタされるシーンは生々しかったですね。>>168
鬼束瑠璃役の方は地元の方なんですが、飾らない演技が役にピタリだと思いました>>15
ーー男性陣ですか?皆さんそれぞれに光る場所が違うのですが、ケン・ドリック役の千木良ケインくんの存在感が目立っていたと思います。
ケン・ドリックは『─玉響に“なけ”─』内で屈指の難しい役どころです。
原作と違いまして。監督の指示で、動的な部分を抑えるという方針でして>>88
つまり、ケンの気持ちを千木良くんは、表情を使わずに表現しなくてはならない。>>69>>70
この難しさ。私なら監督に苦笑いするかもですが、彼は見事にやってのけましたね。
ケンはとてもユニークかつ独特、魅惑的なキャラクターです。
勘違いのシーンは原作にもあります。>>307>>308
この作品が真面目一辺倒ではない、奥深い作品なのはこういう部分があるからですね。
緩急といいますか。田美院先生の作品はどれもこれもーー
すみません、興に走り過ぎました。
千木良くんのこと。
あの役は彼以外考えられなかったですね。事務所は彼の特性を見抜いている>>91
優れているのは背丈や大人びた風貌だけではないですよ、彼は。
私もあれぐらい才に恵まれたら…無い物ねだり、ですか。
[インタビュアーの質問に答える形であるから、普段それほど饒舌ではない行平も滑らかに話すことが出来ている。
最後は『今後の大きな活躍が期待できる役者は誰ですか?』という質問。
そんなの全員だと思いながらも、それでは答えにならないのを知っている。
行平は少し考えてから口を開いた]
姫野さんーー真宮寺亜美歌役の姫野さん、ですかね。
彼女は今まで舞台を活躍場にしてきたそうなんですが>>83、一言で言えば″映える″んですよ。
画面を通してもね、劣化しないはち切れそうな魅力がある人です。
今後四方八方出演オファーで引っ張りだこになるんじゃないですかね?
恐らくお茶の間に彼女のファンが沢山増えると思います。
今のうちにしっかり取材しておくと良いと思いますね。
もっと、化けますよ。
ーー彼女。これから。
オンナは化粧で化け、役者は演技でーー艶めきますから。ふふ。
[等と語りながら、行平は思い出すのだ。亜美歌と松本のシーンを。
大切なものを慈しむように]
─回想/ー美術部の部活動・疑問に答える松本の続きー
[愛らしさが目一杯花開く。それはまるで春に桜が一斉に開花するような。
真宮寺亜美歌のアドリブはまさに絶妙>>265
笑い声が空気を爽やかに彩る。
演技?あまりにも自然。
一瞬疑ってしまうほど。
やりすぎなど行平はまるで思わない。むしろーー彼女の演技に引き込まれた瞬間]
ーーあるさ、勿論。お前らは気付きの宝庫だ。
押し付けられたもんで、自分を見失わずに済む。
>>266
[松本は描きたい、作りたいを大切にしたいと考えている。過去に自分は技術だけを押し付けられ、それを見失なった時期があった。
だからーー。
美術部には真行寺亜美歌だけではなく、幸阪結月、美濃伊緒も在籍している。
技術、感性ともに一番優れているのは伊緒だろう。
だが結月の情熱は気迫に近く、負けていない。
では、部活中お菓子を食べたりお喋りにも余念がない亜美歌は?
端から見れば不真面目、とても芸術に向き合う姿ではない。
だがそれは、人の表面を撫でるようなもの]
[彼女は化ける。才を、可能性を持っている。
人一倍の努力家。ひたむきな性格。
松本は、知っているーー
恐らく教師でそれを知るのは松本と、彼女の担任である菊池>>282だけであるが。
努力は必ずしも実を結ぶとは限らない。しかしその輝きは本物だ。
もしも化けたらーー松本がいる芸術の高みへ。その先へ。彼女だって行けるのだ。
カットされた原作シーンの亜美歌の台詞にもそれは滲んでいた。
恋人のように名を、呼ぶ。
田美院がそう書いた意図は、きっと……
シーンは改変された。だが、映画は映画として、違う形で彼女を魅力的に描いていく]>>268
ー舞台裏/美術部のシーンの後ー
[撮影合間の一時。りんごジュースを美味しそうに飲む姫野真弓と行平は言葉を交わす]>>269>>270
私、松本らしかったですか。嬉しい言葉です。今まで演じてこなかったタイプの役なので、挑戦する意味で志願したのですが。
[行平が松本で、彼女が亜美歌なら。こうして話す二人は教師と生徒なのか。既視感のような不思議な空気。和やかに、緩やかに]
ーーそうだったんですね。
[まさか留年歴という共通項があるとは>>271
迷った末、行平は松本と自分の共通項も話した。お互いプライベートを曝す。行平の相手は女優であるが、二人とも知名度はそこそこ。舞台中心の彼女は知らなくてもおかしくないこと]
お恥ずかしい話ですがね…離婚、なんて。
相手を権威や年齢で判断しない、大切な人を失いながらも生きる松本は、私も近しく感じるのです。
姫野さんが亜美歌を近しく感じるように。
[微笑んで握手を。握った小さな手から暖かみを感じる。
笑みを浮かべたまま訊ねた事は、別に答えが貰えなくとも構わない事だがーー彼女となら、そんな雑談も良いだろうか。良いで、あろう]
ところで、浮かれロースカツという劇団名は、何故そんな名前なのでしょうーー?>>272**
─梅雨・放送準備室─
[窓ガラスを叩く雨。
梅雨の季節は、普段はグラウンドを利用している野球部やテニス部といった運動部の練習が屋内に切り替わる。
体育館を順番に利用しているようだが、この季節だけは廊下をランニングなどに利用してよい事になっていた。
運動靴が廊下の床と擦れる音は耳馴染みがなくて新鮮でもある。
けれど窓の向こうから彼らの歓声が聞こえてこないのは、ほんの少し寂しい。
放送部内には、一種、弛緩した空気が広がっていた。
全国高校放送コンテストの県大会が終わった。
残念ながら決勝に上がる事が出来たのはアナウンス部門が一人だけ。
皆の期待を一身に背負った先輩も、全国大会に進む事は出来なかった。
とはいえ、これから一大イベントである体育祭や文化祭も控えているし、来年の全国高等学校総合文化祭の参加権がかかった選考や、新人大会などが残っているのだが。
>>318そんなところに、ノックの音が響いた。]
は、はい。
[>>319扉の近くにいた少年は、動こうとした後輩を制してそっと扉を開けた。
視界に入ったのは同学年の、軽音部の女子生徒。]
あ、えっと……、まずは中へどうぞ。
[機材を借りに来た、と言う彼女に中に入るように促しながら、機材リストを取りに行く。
一時、流れた噂話は少年の耳にも僅かばかりはいったものの、実際に彼女と話した事は殆どなかった。]
これ、機材リストです。
えっと……何の機材が必要、ですか?
あ、あと、貸出期間なんかも……、予定で構わないので。
[クリアファイルに入った機材リストを彼女に差し出しながらも、視線は下向きのまま。
実際に機材と見てみたいと言うなら、見せる心算。*]
/*
梅雨明けって早くて5末?と思ったら6末?
ロルの体育祭(6月上旬)はもう終わったって事にしようか。
た、体育祭はやりたい。
/*
関東の梅雨入りが大体6月上旬くらい。
で、一か月くらい梅雨なのかな。
6月上旬:体育祭→6月中旬:県大会→梅雨(武村さん軸)
だと矛盾しないかな。
遅筆ですみません。
[神宮寺と結月では全然違う。
それでも行平の演技を通して松本の内面が覗くのは格別だ。
根岸は笑う。その表情には喜びだけが満ちている。]
ふふ。だから……だから?
わたしも同じなので、監督に怒られる時は一緒にお願いします。
[隠し味に茶目っ気も添えておこう。
監督からOKの声がかかるまで、
根岸は今の感動を大切に大切に噛み締めた。]*
ー 春・五月下旬 ケンくんと作業 ー
>>314
コツ?あー、斜めに切っとくと長持ちするらしいから、とりあえず斜めに切って、切り口に切れ目入れて。あと茎は長めに残してくれると助かるかな。
[実演して見せながら、やってほしいことを伝える。
そんなに難しいことはなかった。もっといい方法もあるのかもしれないが、それらを試すよりも簡単で失敗しない方法の方が好ましい。
>>315 ケンは真面目に丁寧に、飯島の言葉によく耳を傾けながら作業してくれた。
気に食わないことがあるとすぐ暴力を振るうとか、目があっただけで睨まれるとか、飯島の知るケンの噂はそういうものであったが、彼の実像がそれらから大きくかけ離れていることは前回と今回の彼の姿を見ていれば分かる。
ではどうして、彼のよくない噂がそこそこ知られているかといえば。
きっと彼が実直で嘘をつかない性格で、その上不器用だからだろうと飯島は当たりをつけていた。
「花、好きなんすね。」
投げかけられた、たったそれだけの簡潔な言葉に、思わず否定の言葉を吐きかけ、呑み込む。
自身の考えはそう間違ってもなさそうだと、半ば確信めいたものを感じたことで、自らの気持ちを抑え込んだ。]
[ケンはやや実直に過ぎる。共に過ごしたわずかな時間で、自分にも他人にも嘘や誤魔化しをしないという印象が強いほどには。
こんなことを言ってはなんだが、高校生は同調する生き物だ。
好きなものをものを嫌いという経験も、その逆もままあることだろう。
それを理解しない、その輪の中に入らないケンは、多くの人にとって付き合い難い存在だろうと想像がつく。
実際飯島も、ケンのこういう側面で感情を揺さぶられているのだ。ほんのわずかなやり取りで。
それに加えて、容姿からして威圧的に感じるものなら。それに説得力のある噂がつきまとうのなら。
関わり合いになりたくない人間が一定数存在するのも納得がいくものだと思えた。
彼はそれでもいいのかもしれない。でも、でも…
飯島は暫し悩む。なんと言葉を返すべきか。
考えて、考えて。迷った末にとりあえず一言、ぽつりと零す。]
そう見える? 自分じゃ、花が好きだと思ったことないんだけど。
[どう思う?と少し肩を竦めて問いかける。それから。]
ケンくんさ。ちょっと正直者過ぎるよ。あんまり友達、多い方じゃないっしょ?
正直なのは悪いとは言わないけど、さ。
でも、正直過ぎてもいい目は見ないよ。経験してんだろーけど。
なんで急にこんなこと言ってんだって感じだけどね。
んー、聞かれたくないことが人にはあるんだよ。踏み込まれたくない部分があるの。
そこを上手く見極めて適当しといた方が、ケンくんも噂にならなくていいと思うんだけど。
先輩のお節介ってやつだな!うん!
[軽く笑い声を上げて飯島は笑う。複雑な色がその目に宿っていた。
あるいはそれは、彼から見て薄らいだと思われていた怒りの残滓も含まれていたかもしれない。>>316]
― 舞台裏/撮影再開前 ―
[監督からOKの声がかかる>>353と根岸はほっと息を吐いた。
自分の精いっぱいが形になった。皆の下へ届く。
それがただ嬉しくて嬉しくて、でもプロとして諫めねばならなくて、
根岸は興奮を抑えるように一度鋭く息を吐いた。
採用されたということは、
今からもう一度繰り返さなければならないということでもある。
だって、松本と結月のシーンには目撃者がいたのだ。>>306>>307
ある程度は同時に撮影できただろう。
しかし、カメラが映ってしまう角度は別撮りしなければならない。
窓に映るシルエットなどは特にそうだ。>>308]
─梅雨・放送準備室─
失礼しまーす。
アンプと、マイクとマイクスタンド。
文化祭の練習に向けてなんだけど
体育館の放送室? のを使わせてもらえるなら
そこのチューナーも弄らせてもらって良いのかな。
返す時には元に戻すから。
期間は夏休みの練習日と、文化祭前と本番。
[>>347海堂の他にも生徒がいたのでそちらにも軽く頭を下げる。
遠慮なく部屋に入ると、差し出されたクリアファイルを覗き込む。
軽く頭をかきながら期間も告げた。
彼とはあまり話したことがない。
去年は同じクラスだったはずだし、こうして機材の貸し借りが生じる部活同士でも、接点はそこくらいだった。
それでも同輩という認識はある。海堂という苗字も知っていた。
その彼と視線が合わない。
そんな海堂の横顔を、竹村茜はじっと見つめてみる。
そして、ちらりと同室の後輩に一度視線を向けた後、また彼に視線を戻した。]
機材も全部こっちで持てたら良いんだけどね。
放送部にはいつもお世話になってます。
ところで、私ってそんなに
人食いそうな見た目してる?
[首をこてりと傾げながら問いかけた。
本当に不思議そうな、純粋な眼差しで。
何せ目を合わせてくれないのだからと、原作の竹村茜の内心は語る。
ひょい、と彼の顔を覗き込もうとしながら。]*
[ひとしきりおどけるように笑ってから、飯島は言葉を続ける。]
ケンくんさ。前に俺に怒ったときは怒った顔したらって言ってくれたけどさ。
そんなことしたら友達がいなくなるんだよ。白けるしさ。
それに、ケンくんだって、ブチ切れたって話聞いたことあるけど。あんまいい風に言われてんの、聞いたことないよ。
面倒だって思わない?怒って変な噂立てられんの。
まあ、ケンくんはあんま気にしないのかもしれないけどさ。
なんだろう、距離感?とか協調?っての、しといた方が楽だと思うよ。
んー、ま、なんにせよ俺はビビりで、その上寂しん坊だからさ。
周りから距離を置かれたらきっと泣いちゃうな。
だから、あんまし怒りたくない。分かる?
[冗談めかして笑って。何か言われるなら、その言葉に耳を傾けて。一区切りついたところで、飯島は席を立つ。]
ちょっと休憩しよっか。俺、飲み物奢るよ。好きなもん言って。
[そう言って、飯島は自販機へと飲み物を買いに走る。
自分でも言語化できない感情が、胸の中に燻っていた。]**
/*
確認してますよ、ありがとうございます!
(村建て透けちゃうのでメモは後ほど!)
あちこちで面白い展開が起きてる、ま、混ざりたい
ー 舞台裏 飯島、ケンの作業シーンNG ー
[息を吸う。珍しく飯島が饒舌になるシーンの撮影だ。
長文台詞があり、普段の飯島よりは畳み掛けるように言葉を発するだけに、個人練習のときに失敗しがちだったところだ。
ケンくん役の、千木良くんの演技に静かな説得力があるだけに、僕も負けていられない。笑顔を浮かべて言葉を紡ぐ。]
そう見える? 自分じゃ、花が好きだと思ったことないんだけど。
[ここで一拍置き、相手の様子を窺うようにしながら肩を竦めてみせる。真剣になりすぎないよう、おどけた様子で。]
ケンくんさ。ちょっと正直者過ぎるよ。あんまり友達、多い方じゃないっしょ?
正直なのは悪いとは言わないけど、さ。
でも、正直過ぎてもいい目は見ないよ。経験してんだろーけど。
なんで急にこんなこと言ってんだっってぇ、かんじだけどね。
[カットがかかる。僕は渾身の力で謝罪した。]
噛みました!ごめんなさい!
[現場のスタッフが、落ち着くようにと声をかけてくれる。が、羞恥と申し訳なさはなくならない。
よりいい演技で取り返そうと、気合いを入れ直すのだった。]**
噛みました!ごめんなさい!
[現場のスタッフが、落ち着くようにと声をかけてくれる。が、羞恥と申し訳なさはなくならない。
よりいい演技で取り返そうと、気合いを入れ直すのだった。]**
─梅雨・放送準備室─
[>>357希望されたのは、軽音部ならではのもの。
体育館の設備の管理も任されているので、リストにはそちらの機材も載っていただろう。
軽音部なので予想はしていたが、やはり文化祭に向けての練習に使うらしい。
先輩が応対していたのを思い出しながら、後輩の手本になるようにと動いたものの、来年は自分の応対を思い出しながら後輩が応対するのかもしれないと思うと緊張が増した。
視線を落としているのは、喋り慣れていない人と視線を合わせると緊張するからだ。]
わ、分かりました……。
軽音部さんなら、扱いも慣れていると思うので、触って貰って大丈夫、です。
[彼女の要望をメモに取る。
一年間クラスが同じでも、話さない人とは話さないもの。
部員以外の女子とは必要最低限しか話せない部類の少年は、横顔に視線を感じて背を丸めた。]
ぜ、全部、買い揃えるのは、予算が厳しいんじゃ……。
[生徒会からの予算で高価な機材を揃えるのは、中々に厳しいと思う。
放送部の機材も、体育館や放送室の体裁を成す機材は学校持ちだが、映像制作に利用する機材は主にOBOGからのカンパである。
そう頻繁に買い換えられるようなものではないので、型遅れの機材を壊れないように大事に使うしかない。]
へっ?
[人食いそうな見た目、と言われ、思わず竹村の方を見れば、思った以上に距離が縮んでいて。]
いっ、いや、そそ、そんな事ないです。
僕が女子と話すの、慣れてないだけで……っ。
[キュウリを見つけた猫のように飛び上がりそうな勢いで少年は後退る。
後輩の前で醜態を晒してしまった羞恥で少年の肩が僅かに震える。]
き、気を、悪くされたら、すみません……。
[最後の方は消え入るような声量で謝罪した。*]
― 夏 ―
[6月の体育祭、7月には授業でプールも始まった。
学生たちは日ごと苛烈さを増す陽光の元、伸びやかに動く。
乱反射する光と匂いまで伝わってきそうな濃い緑と
跳ねて流れる汗と雫が象徴的に切り取られて。
ここが自分のテリトリーだと実感しつつある一年生と
まだ将来の選択に猶予のある顔をしている二年生に
徐々に緊張感が増して研ぎ澄まされていく三年生。
夏の日差しに紛れて
幾つものショットが遠く近く様々な角度で抜かれた。]
……あつ。
[夏は好きだ。
だが、日本の夏は蒸し暑すぎる。
学校から少し先のアーケードには>>176
夏限定のかき氷店があって、不意に無性に食べたくなった。]
チャリ、借りていい?
[自転車置き場に居た見ず知らずの生徒に声かけて、
商店街まで飛ばす。
きめの細かいミルク氷。
持ち帰るわけにはいかないから、店で食べて
戻った時には午後の授業はとっくにはじまっていた。]
[『 遅れた理由は? 』
『 かき氷食べたくなって 』
呆れたような教師の顔を見るに、
納得できる返答ではなかったのだろう。
ついでに買ったまんじゅうは
お土産などといって、その日会った誰かに贈ろうか。*]
― 春・五月/登下校 ―
[美術部を退部したからといって、幸阪結月は消えたりしない。
特徴的なツインテールを揺らし、大神高校の中で生きている。
移動教室のタイミング、購買の人ごみに流された昼休み。
体育の授業に、毎日の登下校。
去年の靴箱は特に大変だった。
出席番号順に割り振られた場所が上の方だったのだ。
届かない訳じゃない。背伸びも必要ない。ちょっと取りにくいだけ。
片手をぐっと伸ばして靴を取るのは一日二回の日課だった。
結月が癖のように花壇に視線を向けると、
今日もまだ萎びた花が横たわっていた。>>295
なぜかその様子が気になって、彼女は毎日一瞬だけ足を止める。
紙芝居を一枚捲ったように
色とりどりのパンジーが消えたのは五月下旬のことだった。>>313]
『 名前のない人を見つけるのは難しい。探そうと強く思わなければ尚更だ。
少なくとも、ちっぽけな結月が世界のすべてだと錯覚してしまうくらいに大神高校は広かった。』
[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]
『「幸阪さん、アイツと知り合い? 幸阪さんのこと聞かれたんだけど」
「……ううん、知らない人」』
[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]
/*
今日七月まで辿り着きたい気持ちがある
なお、まだ六月の体育祭を書いていないものとする
八月夏祭り行きたい
強欲と遅筆が両立できない
そもそも読み落とし齟齬がこわい
返しにくいの書いてたらすみません……!
あいはいっぱいこめてる
─梅雨・放送準備室─
まあそうだよね…。
うちは、他と違ってコンクールとか無いし。
[厳密にいえばあるのかもしれないが、そこまで本気で取り組んでいる部員は居ないと言うことだ。
参加もしていない。それを検討すらしていない。
そんな部活に、生徒会の予算が少しでも割かれてること自体に有り難みを覚えなくてはならない。
故に真面目に参加する部員が少ないことを、竹村茜は密かに悩んでいた。
音楽が好き。歌うことが好き。でも合唱部は性に合わない。
だから竹村茜は軽音部に比較的真面目に取り組む少数派でもあった。
>>365それにしても目が合うと後ずさられ、竹村茜は目をパチパチと瞬かせる。
そうしてから、ふるふると首を横に振った。]
あ、ううん、ごめん。
別にあんま気にして無いけど、ほら、
私の髪派手でしょ。
だから怖がらせてたなら申し訳ないなって。
おしゃれでしてるだけなんだけどね。
[指先で自分の髪の毛を摘む。
メッシュの入った髪色は、彼のようなタイプには驚異に映るかもしれないと竹村は考えていた。
だから同輩まで怖がらせたか、と。
後ずさられたのを追いかけることはない。
追いかけることはないけれど。
震える肩を見て、伸ばしかけた手が止まる。
宙できゅっと握りしめた後、そのまま降ろした。]
驚かせちゃったならごめんね。
でも、…そんなに女子、苦手?
[そこにいた後輩はどちらだっただろうか。
どちらでも構わない。
チラリとそちらを見た後、腕組みをして。]
なんか嫌なことされたとか…とかって
いきなり私みたいなのに聞かれても困るね。
ごめんごめん。
[一瞬、眉を寄せて真面目な顔つきになったが、それを掻き消すようにひらひらと手を振った。]*
― 5月下旬・飯島センパイと ―
見える。
それか、責任感があんだろうなって。
[>>356 飯島の問いに簡潔に答えた。
作業の間、彼はずっと何か考えているようだった。
作業と思考、同時にこなせるさまに半ば感心しながら
難儀な人だなとも感じて。
疲れてしまわないだろうか。
彼の思案の先に、
謎解きみたいな答えが用意されているとは到底思えず
手放してしまえば楽になるのに
そんな気持ちで、ただ、繊細に色を変える表情を眺めていた。]
―――― え?
[苦言と助言のない交ぜになった言葉の羅列。>>361
思わず、噴き出すように小さく笑ってしまった。]
オレのこと?
飯島さん、案外面白い……、あ、
[思い悩んだ表情の因がまさか自分のことだとは思わなかった。
つい先日知り合ったばかりの迷惑をかけてきた後輩について
こうも真剣に考えてくれる人間はそうそういない。]
いや、面白い……は、ちょっとあれか。
いい人だね、ありがとう。
変な噂…………まあ、多分、
間違いじゃないだろうし…………、
嬉しくはないけど。特に、
[間違えているのは自分のほうだから、>>119
割と受け入れてしまっている。
それは事実ではあるのだが、
飯島の目に宿る怒りの残り火を目にして
恐らく自分は嬉しいのだ。
笑い声と茶化した声音という飯島の鎧を、
みっともないとは思わない。
人にはそれぞれの武器がある。>>222]
[飯島さんは敏くて親切な人間だから、
そんなに防御しなくても、独りになることはないのだと。
彼のように雄弁に伝えられたら良かったのだけど、]
分かる。あと、大丈夫だよ。
んー……と、カフェオレ。
[軽く頭をたたいて、例のごとく
拙い単語を零すのみ。]
[自販機に走るのは本来後輩の方ではないだろうか、
などという考えに至ることもなく、
飯島が戻ってくる間、
気の利いた言葉を持たない自身を、
少しばかり恨めしく思う。**]
/*
高校生なのにラブが少ないので
片思いしたいんだけど
唯一絡みのある(未エンカでは?)女子幸阪さんは
交流過多に見えるゆえ悩む&自分のキャパが足りない…
─梅雨・放送準備室─
……そう、なんですね。
[>>374軽音部の大会などの事情には明るくないが、軽音部は表彰などの機会もなかったように思う。
文化祭はクラスの出し物に並んで文化系クラブの活躍の場だが、去年も彼らからそこまでの情熱を感じる事はなかった。
勿論、彼女のような部員もいたが、少ない方だったと記憶している。
──少し勿体ないな、と思う。
自分も切欠は切欠だったが、何だかんだで部活動を楽しんでいたから。]
だ、大丈夫です。
そういう事は思って、ないので。
[>>375確かに大人しいタイプの方が話しかけやすくはあるが、怯える事はないと首を横に振ってみせた。
メッシュの入りの髪は、とても少年の真似出来るものではないが、彼女によく似合っていた。
至近距離から見る事は今回がほぼ初めてだったかもしれないが。
お洒落は自分を表現する方法の一つ。
自分の好きな色に髪を染めて、堂々としている彼女はむしろ眩しく、格好いいと感じられるもので。]
[>>376ちなみに先輩の醜態を見る事になったのは男子生徒だった。
少年が上がり症である事は把握しているので、気づかわしそうに見るものの、間に入る段階ではないと判断したようだ。
竹村の顔つきの変化には気付いたものの、掻き消すように手を振る様子に深追いはせず。]
あ、あの、本当に、竹村さんが何か悪い、とかじゃないので。
安心して下さい。
[彼女の所為ではないのだと、言葉を重ね、仄かに口の端をあげてみせた。
視線は重なる事はないが、先程よりは顔が見えるようにして。]
あの、文化祭、頑張って下さい。
楽しみにしてます。*
「交代してくれて良かった。
コウ君の分も頑張らなきゃいけないの、疲れるし。」
『さんざん迷惑をかけてしまった級長の片割れの女子生徒が友人と話すのを聞いてしまったのは、不幸な偶然だった。
海藤は唇を噛み、黙ってその場を立ち去った。』
[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]*
─舞台裏/梅雨・放送準備室 NGシーン─
[同級生の女子と話すシーンでそれは起きた。
後輩の手本にならなければという使命感と、話慣れていない女子生徒と喋っているとあって、少年の不器用さを切り取るシーンだ。]
へっ?
[思わずと言った様子で竹村の方を見た少年は、思った以上に距離が縮んでいた事に気付き、勢いよく──]
っ、う……。
[後退り過ぎて、CDの並んだ棚に右肩をぶつけた。
僅かに漏れる声。
CDケースが幾つか床に落ちる。
醜態を晒した羞恥ではない理由で、肩が震える。]
い…っ、いや、そ、そんな事ないです……。
僕が女子と話すの、慣れてない、だけで……。
[痛みを堪えて芝居を続行しようとしたものの、海藤では有り得ない関西訛りのイントネーションにカットがかかった。]
[スタッフが駆け寄ってくるのに片手で応じながら、周囲に頭を下げる。]
すみません!
いけるかと思ったんですけど、意外と痛かった……。
[そこで初めて、羽藤は棚に打ち付けた肩を手で摩った。
そうしながら、海藤ならあの場ではどう動くのが正解だっただろうか、と思考を巡らせる。
公演中に身体をセットにぶつけても、小道具を落としても、アドリブで拾うか、あるいは何事もなかったように続行するのが舞台演劇だ。
幕の上がった舞台にやり直しは存在しない。
そうした緊張感を羽藤は好んでいた。]
大丈夫です、続けられます。
皆さん、よろしゅうお願いします。
[棚との位置関係を計った後、監督に向かって羽藤は笑いかける。
撮り直しでは、肩を打った事を感じさせない演技を見せた。**]
ー 舞台裏 共演者についてインタビュー ー
そうですね。初めて共演する方が多かったんですが、皆さんそれぞれの演技がとても魅力的で、一緒に仕事ができることを誇りに思いますし、皆さんの演技から沢山のことを勉強させていただいています。
僕の演じる役、飯島明良くんは知り合いが多いので、他の方のシーンでも背景にちらりと映ることがあって。
直接関わりがないシーンではあるんですけど、他の役者さんの演技を間近で見られることがとても多くて、すごい感動しましたね。
同じ作品に出ていても登場シーンが被らなければ、間近で演技を見る機会がないことも多いので、今回、すごく機会に恵まれているというか、いい経験だと思っています。
それぞれの役者さんについてですか?
皆さん素敵な人なんですけど、共演できると聞いたときに凄く嬉しくて、同時に緊張したのは行平さんですね。
僕、『錠の輪』がとても好きで、平たく言ってしまえば、行平さんは僕にとっての憧れの人で、いつか共演したいと思っていたんです。
そのいつかが、こんなに早く訪れたことに驚いたんですけど、共演者の名前に行平さんを見つけたとき、嬉しいような信じられないような気がしましたね。
丹野さんは一度だけ共演したことがあります。
『100万年後のタイムカプセル』という作品で、その時は僕はエキストラでしたけど。
そちらでは間近に関わらせていただく機会はなかったんですけど、挨拶したとき丁寧に返してくださったのが印象的でしたね。
現場の隅々まで、一緒に作品を作る一人一人にまで気を配っている方というイメージでした。
今回は前回よりも近い立場での共演で、より丹野さんの役者としての姿勢というか、現場に対する熱意を感じられている気がします。
姫野さんは、とても生き生きとした演技をされる方だな、と思います。
なんだろう。本当に真宮寺さんが現実にいるみたいな。
役を役としてじゃなく、そのまま現実に生きている人だと思わせる力があるというか。
役者ってそういう仕事ですけど、そこまでの迫力というか、現実感は僕には欠けているような気がして。見習いたい、というよりも、追いつきたいですね。
そうなれるように努力していきたいと思っています。
烏藤さん。初めて顔合わせをしたとき、どこかでお会いしたような既視感があったんですけど、僕の見ていたドラマに出演されていました。ちょっとお会いした気になっていたみたいで。
その時はもっと別の雰囲気の役柄を演じられていたんですけど、今回はまたぐっと印象が変わっていて。
演じる役柄によって印象が全然変わるのって、その役の持つ雰囲気が違うからですよね。
僕、烏藤さんは演じる役によって体格まで見え方が違って見えるの凄いと思ってます。
そういう細かい仕草が役ごとの印象の違いにつながっていくんでしょうから。
それじゃ失礼しましたー。
[用事は済んだとばかりに、軽く声をかけて放送準備室をさっていく。
スタスタと歩いて。
足早に手近の女子トイレに駆け込むと、その表情は一変している。
眉を寄せて、洗面台に手をつき項垂れる。]
[例えば、この気の弱そうな同輩を隠れ蓑にして言いくるめて、彼を巻き込んだとする。
そして付き合っているとなったならあの子は納得するのだろうか。
好きな人がいるから無理です。
付き合っている人がいるから無理です。
女同士が無理だとか、アンタに興味がないよりはよほど優しい振り方なんだろう。
だが、竹村茜はそんな嘘がつけるほど情緒が成長しきってはいなかった。
本当に誰かを好きになった時、その相手に顔向けできなくなるような、そんな気がしてしまっていた。
そしてその考えが一瞬でも浮かんだことを、恥じる人間だった。]
[「─玉響に“なけ”─」一部抜粋]*
─舞台裏/梅雨・放送準備室 NGシーン─
[>>386そのアクシデントに、ビクッとこちらの方が肩を震わせてしまった。
その瞬間、剥がれ落ちる。竹村茜の仮面が、私から剥がれ落ちて素に戻ってしまう。
頭の中は真っ白で、どうしよう、大丈夫?と、声をかけて良いのか迷って、目を見開いて半端に手を伸ばそうとしてしまっていた。
だから、そこでカットが入ったのは良かった…と言うより、こちらのほうもNGの原因だったに違いない。]
ああいえっ! 大丈夫でしたか?
私も驚いて素になっちゃったんで…。
[頭の中が真っ白になった挙句、何故か『心配ないさー!』とハクナマタタなセリフが頭をよぎっていたので、カットが入って救われた。
大丈夫大丈夫。始まる前に胸に手を当て深呼吸。
3、2、1。
スッ、とスイッチを入れて切り替える。
演技に慣れてないとは言え、今は竹村茜を演じよう。
苦手なもの、慣れないものはより真剣にやらなければ。
だから今は、私は竹村茜になる。
竹村茜の仮面を被る。]**
村の設定が変更されました。
定員: 10人 (ダミーキャラを含む)
最低開始人数: 10人
開始方法: 人狼BBS型(更新時間が来たら開始)
役職配分(自由設定時)
― 六月/幸阪家 ―
[誰かが言い争うような声が聞こえる。
両者ともにヒートアップしているのか、
耳障りの悪い甲高い声が音量を上げていった。]
わたしだって頑張ってるもん!!!
[子どものような悲鳴をあげたのは結月だ。
彼女は僅かに息を切らせながら、目の前の女性を睨みつけている。
スーツまでは行かずともきっちりとした服装のその人は、
その見た目から生真面目さが覗いていた。
母親なのだろう。額に手を当てながら大きなため息を吐く。]
「じゃあ、どうしてこんな点数しかとれないの?」
[ぐ、と結月は奥歯を噛み締める。
テーブルの上に乗ったテストに赤点は存在しない。
しかし教科によってばらつきはあるが、半分を切るものもあった。]
『 結月の両親は二人とも教員だ。幼い頃、帰りの遅い両親の代わりに結月の面倒を見てくれたのは、隣の家の兄のような人だった。』
[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]
『 清々しい気分だ。このまま、ずっとずっと遠くまで走って行けたらいいのにと思った。それなのに顧問の松本の声が頭の中に木霊して現実に引き戻される。
逃がさないって、何。どうして逃げちゃいけないの。
涙が溢れそうになって、結月は走るスピードを上げた。』
[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]
[何かを堪えるような表情をしている結月の後ろ、
応援する生徒たちの中には真宮寺>>286の姿もあっただろう。
一瞬で走り抜けてしまった結月と彼女の視線が交わることはない。
結月のことをユッキーと呼ぶ彼女。>>275
結月は彼女のことを真宮寺"先輩"と呼ぶ。
何の因果か彼女の肩書であった"3-A"を引き継いだ結月は、
真宮寺の壁を取っ払う挨拶>>277に出会わなかった。
彼女が結月に尋ねることを躊躇うように、>>276
結月もまた、真宮寺に声をかけることがなかなかできない。
彼女の親友である美濃を傷つけた自覚があるからだ。>>328
だからと言って、真宮寺が結月を恨んでいるとは思っていない。
……もしかしたらそうかもしれないけれど。それでも。
結月は真宮寺のことだって、偽りなく好きだったから。]
『 図書室にいると部活動の音がよく聞こえる。野球部の掛け声、テニス部のランニング、放送部の発声練習、軽音部の演奏。
――美術部の音はない。ないはずなのに、ふとした瞬間に真宮寺の明るい声を懐かしく思ってしまう自分に気づいて、結月はゆるく頭を振った。』
[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]
『 図書室にいると部活動の音がよく聞こえる。野球部の掛け声、テニス部のランニング、放送部の発声練習、軽音部の演奏。
――美術部の音はない。ないはずなのに、ふとした瞬間に真宮寺の明るい声を懐かしく思ってしまう自分に気づいて、結月はゆるく頭を振った。』
[『─玉響に“なけ”─』より 一部抜粋]
[結月は腕を伸ばした。
小さな手が落とすことなくバトンを次の走者へ手渡すと、
もう走る理由がなくなってしまう。
ゆるゆると速度を落とし、足を止めた。
ゴールを目指す生徒たち、応援の歓声が響く中、
少女は一人、取り残されたように立ち尽くしている。]*
/*
勉学の話まったく主軸じゃないってことをト書きにねじ込みたかったんだけど、上手くできなかった……!
真宮寺さんのテリトリーだと思ってるしそこを侵すつもりはないのだ 信じて
最初のインタビューで書いた通り、割とわがままで身勝手なので
読者の好き嫌い分かれそうな感じを目指していますが、嫌い9割になりそうで懺悔している これは中身の技量のせい……
そして遅筆が極まりすぎて、上記でやっと松本先生へのお返事を書き終わったんですよ 内面だけなの で これも懺悔
/*
>>400は海藤さんメモ見た上でなので安心してほしいというメモを残しておこうね
体育祭は放送部活躍できるかなと思って生やしたので触れてくれるなら嬉しい
お分かりですか 割と行き当たりばったりです
美術部やめたことと夢と現実の狭間で迷ってることと絵を描くきっかけがあったことだけ決めて入村しました
あと隣の芝生が青いから〜のやつ その関連でバスケかバレーの話はしようとも思ってた ケンくんが素敵なボール持ってたからバスケにした ノリがバレる
だから小柄なのも決めてたな 年齢はもう少し上だったけど調整して下げました
なので兄のような人も詳しく決めてないし、参加者さんを優先したいので全然主軸じゃないです
夏祭りは行きたい あと家出はする グシャグシャに泣く
赤窓できたらメイキングカメラも回してみたい
成績が伸びないのは努力してないからです 熱がない
だから勉学主軸じゃないの 熱量の方だから
七月がまったく間に合わなかったね 仕方ないね
ノープランだからね いっそ八月まで飛ばす説ある
考え纏めながらおやすみます
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