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水鏡に映る自分の姿は何に見えるだろう。
人か、それとも――。
どうやらこの中には、村人が11名、人狼が1名いるようだ。
上官 アドニスが「時間を進める」を選択しました。
皆さま「リベルテ」へのご搭乗、誠にありがとうございます。
地球発当船は、まもなく惑星「ホワイト・マーブル」に到着いたします。
お忘れ物の無いようご注意ください。
なお、本日のワープは、船内時間午前11時半、午後8時の二回を予定しております。
船内バーや、展望施設からは*雪国*星雲等がご覧頂けるでしょう。
また午後8時のワープの後は「ホワイト・マーブル」を含む惑星系が、遠くにご覧いただけます。
この惑星系は、太陽系に大変近しい構成をしており――……
引き続き、よい船旅をお楽しみください。**
─ いつかのシアタールーム ─
[サンシアから”クレイジーハイヤー”と聞くと。>>0:219
ぱぁっと顔を輝かせ]
それが分かるなんてサンシアはツウだねェ!
そうだよ、アレもアタイがやったんだ!
いやーホントあの時は命懸けだったネ!
ワイヤーの上を爆走する正確なテクと度胸!
それに技術のスタッフと息を合わせてワイヤーがびゅーんとなってグッ!てなる最高潮の時にジャンプする勇気!
アタイだけじゃなく他の誰が欠けてもあのアクションはできなかったよ。
いやー、懐かしいねェ……。
[肝心のアクションの説明は感覚的で伝わりにくかっただろうが、勢いと身振り手振りでわいわい説明]
あれがCGだってェ!?
ハッ!素人には言わしておきナ。
分かるヤツには分かるってモンさネ!
監督も同じ気持ちだったんだろう。
分かるヤツには分かるんだってネ。
ほら、その証拠にサンシアに出会えた。
こんなに良い出会いはそうそうないよ!
[サンシアの鋭い観察眼>>220に嬉し気にそう語る。
「俺たちは純粋なアクションで売り込むんだ。
裏方の苦労話で買った同情票なんていらねェぜ!」
アクションバカな監督の暑苦しい力説はとりあえず映画ファンの前では伏せておくのが華だろう。
あーでも。詳しくインタビューされれば言っちゃうかもなー。
お酒とご飯なんて奢られたら話しちゃうかもナァー]
[すごいねと言われれば素直にうれしい。>>0:222
それに、その言葉には包み込むような優しさを感じた。
『すごいね、ねーちゃん!』
いつも弟妹たちが褒めてくれた言葉の裏。>>0:221
見ていてくれる人がいる。心配してくれる人がいる。
その言葉だけでいつでもアタイはヒーローになれるのサ]
へへっ、あンがとネ!
アタイもサンシアと話せて楽しいよ。
[小説のネタにと言えば、サンシアもいい笑みをする!>>0:222
しかもご飯とお酒のおごりだなんて!!]
ふっふっふ、ヌシもワルよのぅー。
そんなに奢られてはうっかり撮影現場の裏話をぽろっとこぼしてしまいそうだネェー。
でも酒が入ればフカコーリョクだからネェー。
まったくしょうがないネェー♪
[なんて笑いながら映画の後はよく一緒に食事やおしゃべりをしたものだ。
楽しくて、温かくて、朗らかに笑える。
そんなサンシアとの楽しい三週間。**]
── ショッピングモール ──
今日も、散歩としてショッピングモールをうろついて。
思い出してしまうのはやはりマリーのこと。
さっさと買いたいものだけ買ってしまうものだから、
ゆっくり見ることなんてなかったものね。
だから、ゆっくりと、この数日。
ショッピングモールを歩いて、
ホワイト・マーブルでの生活に必要なものを買いそろえる。
そういえば、マリーが行きたいと言っていたお店。
船内に商品を展開しているわよ。
なんて、届かないままの数日。*
─ 回想 ─
[地球から出立した船の中で、私がしたことは先ず船内の探検だった。
食堂やライブラリーなどの生活上必須な施設の配置の確認を優先して済ませ、
後は気になるところ、珍しい施設などを回って見て行こう。
庭園に訪れたのはそんな思考の内でのこと]
わぁ…これすごいなぁ。
時間経過でちゃんと夕暮れとかにもなるのかなぁ?
あ、ここの配置あの庭園と似てる…
どこだったかな、確か写真集出してたはず…
[天井に映し出された空と、緑が鮮やかな庭園を歩きながら
参考になるものが無いかを無意識に声に出して。
ふと気づけば中心から外れ、庭園の隅にまで来ていた自分の前に
尖塔を備え静謐な雰囲気の建物が在って。
誘われるように近付いていけば、その前に佇む人にも気づいた]
[自分以外にこうしたアナログな道具を使って描く人を見たことは無かったから、気になって。
不安げに見た自分にカラントが軽く見せてくれたそれは、ペンで描かれた風景や建物のラフが幾つもあり
そこから視線を離さぬまま肩をすくめながら古臭いだろ、という彼の言葉を聞いて]
…わかります。
私も好きで使ってますから。
[仕事でやっている分、自分は変な奴どころじゃないけれど。
何を言われても変える気がないから、自分は此処にいるわけで]
散歩っていうか、探検…かなぁ。
これだけ大きな船に乗るのは初めてなので、
資料になるかなって思って。
[そんな風に話す中、自分の仕事のことも明かしたり。
そんな初めましてが、カラントとの出会いで。
その後食堂やバーで会ったり、シアタールームで寝ているのをアーネストと見つけてトントンと起こしたり。
そんな偶然と日常を繰り返しての日々が、彼との三週間**]
― とある日の食堂の一幕 ―
ははっ。できるだけはやめに頼むよ。
食事が来るんだって思ったら空腹の虫が騒ぎ出してな。
[注文を繰り返し、その容貌に相応しい一礼をして一礼をする従業員型アンドロイド(仮)
カウンター内に入るの見送ることなく空いている席に腰掛けて、昨日はどこまで書いたっけかとクロッキー帳を開けたり、凝り固まった体を伸ばすように腕を上に伸ばしたり、そうやって観察されている>>0:247とも知らぬまま時間を過ごしていた後に]
お、きたきた。ありがとな。
いただきまーす。
[ぱちっと手を合わせる。なんかこんなの見たことがあるが、気合が入るようで良いし、言葉の意味も悪くなかったものだ。]
ボリューム満点だな。
[トルコライスという名称は知らなかった。
ただトンカツ・ナポリタン・ピラフの三種にエビフライも盛られたそれは男の見た目や量と香りは胃袋を刺激して、コーヒーへの意識は散漫であった。
まずはデミグラスソースのかかったトンカツを一口、言葉は少なくガツガツと食べ、その味が消えぬうちにピラフを頬張る。多分ワインとかも入っているのだろうか、デミグラスの上品で甘くも酸味もある味付けに、程よく香辛料を聞かせたピラフ。一緒に口の中で融合するとたまらない。
そのままもう一つの山のナポリタンも食すと時々食べる濃厚すぎるものとは違って少しあっさり目で野菜の甘さや苦さが引き立っている。どれと合わせてもよい食事なのだろう。
一口二口から五口ぐらいまでいったところでやっと、ふぅと息を吐いて]
はぁ……うまいな。
[そこで水を口に含んで、味覚を一旦リセットをした]
[そうしてコーヒー。
砂糖やミルクは今回はいれない。いれるとしたらミルク多めとかになるが、眠気覚ましだからだ]
昔は風味とかそういうのよくわかんなかったなぁ。
[興味なかったのか、そんな味わいのあるものを飲んでなかったのか。
今となってはいまいちわからぬこと。]
…濃厚でちゃんとにがい。まさに注文通りだな
[目を細め音をたてぬようにゆっくりと一口一口飲みながら、そういえばこの料理ってなんていうんだと眼鏡型の電子機器を指で軽く叩いて……トルコライスかー。となったが…あれ?となる。記載がおかしかったからだ]
[本来お会計の記載は料理名や代金などが表示されるし、自動的に引き落とされるようにと乗船したときに自分は契約している。
だがなぜか正規の値段からいくらか差っ引かれている。
それは手間賃分だけ浮いた。のだと理解するのは追加で記載されていたからだ。
いや、でも手間賃って?え?いやー…]
ぁー……あれ…えっと
[思い当たることがあってばっと振り返る。先程の老紳士然としたアンドロイドのほうである。ちゃんとアンドロイドであるとだけは電子機器もいっているが]
……大変失礼…なんだけど、もしかしてー…もしかしなくても……従業員では…なかった…とか?
[今度は注文ではなく気まずい気まずい問いかけの時間になった。どうやら違ったらしいとか振りをしたらしいとかいうことのようだけど……少しだけ考えた後]
杓子定規に違いますとかいってくれたら、わかったんだがこうして茶目っ気のある振舞われると人と差がねーのが凄いよな。
それと料理もコーヒーもありがと、美味しかったよ。
[謝り合うなんてあうよりも、礼をいおう。
気まずい出会いかたではあったものの、そんな感じの後に自己紹介を交わしたりして、それが乗客であるアンドロイドのスイッセスとの出会いであった*]
― ―
[ホワイト・マーブル到着までのカウントダウンは、もう明後日になっちゃった。
焦りを覚えるものの、不思議な事に、思っていたより恐れはない。
たまごぼーろおじさん。…ではなく、ツァリーヌさんと話してから色々考えた。
私の存在は不確かな物に思えるけれど、私の存在を証明しようとする私は、それを諦めない限り確かに其処に在る、とかそう言う事。
なんだか混乱するけれど、そう、なのかな。
彼に借りた赤いハンカチは、船内従業員アンドロイドに綺麗に洗って貰った。>>0:122
下手に素人が洗って、どうにかなってしまったら困る所の騒ぎではない。故に、詳しい者にお任せする。
けれど、アイロンだけは自分で掛けた。
アイロン捌きには自信がある。なんせ自分のYシャツは、毎日自分でアイロン掛けしているから。
面倒な作業とも思うが、慣れてしまえばどうって事は無い。
何でも家事用アンドロイドに任せてしまえるこの時代、自分で何かをするって言うのは大事な事。
この毎日のルーチンも、自分を構成する物の1つ。
一枚仕上がる度、自分がそこに存在してるって、少しでも実感できるから。]
[地球には何もない。
父さんと言う小さなトラウマ以外は、何も。
けれどそれと向き合って、考えて、離別できたら、私はちゃんと私として存在できるようになるのかな。]
[いつ会ってもいいように、
いつでも返せるように。
胸ポケットの中に収めたハンカチは、とっても大切なモノ。
私が誰かの旅の中、一瞬でも関わった証のような品。
ツァリーヌさんが、レットと言う子供に気まぐれで貸した記憶を持って居る、不思議な品物。*]
……もう明後日には、
こんな生活も終わりになっちゃうのか。
[自由業ではあるから、生活自体はそこまで変わらないだろう。
けれど、気ままに映画を観たり、ジムに行ったり
そこでアーネストやカラントみたいに
一緒に過ごす時間が楽しい人は
船を降りたら居なくなってしまう。
いや、船を降りても付き合いは続けられるかもだけど
今みたく毎日のように会えるかは分からない。
終わりが寂しいと思えるのは良い旅だ、と言ったのは誰だったか。
間違いなく今回の旅は良い旅だったと言えるだろうと思えるのは、船内で出会った人達のおかげだろう。
残り少ない時間を惜しむより、楽しかったと言える時間を多く作ろうとどこに行くとも決めぬままに船室を出た。
まぁ、どこに行ってもきっと誰かはいるだろう**]
― ショッピングモール ―
[船内の買い物ができる場所には色んな区画があるようだが、自分がよく行くのは少し照明の落とされた暗めの通路の中、派手だったり温かみがあったりのネオンサインが店頭に並ぶ、そんなに気取らない雰囲気の区画だった。
マーケットに入ると、スナック菓子の袋を2つ、それに水とビールを買い込んで、宇宙船の中ながらいかにもなおばちゃんに小銭を払って―さすがにこれは電子マネーだった―ビニール袋に買ったものを入れると店を出た。
それにしても色々な店があるな、と目的地に向かいがてらふらふらと色んな様相を見せるモール区画を歩く。
ふとそこに、それなりにここ数日ショッピングモール内で見かける女性の姿があった。>>6
この旅の間、見かけることはあっても特に話しかける用事もなかった。
だが、あと2日で旅が終わるとなれば、たとえ船内で不審人物が出没したなどと噂されようとどうということはない。]
目当てのものは見つかったかい
ここらをよく歩いていただろう
[と、なんとなしに彼女に声をかけた。]**
[そんな事が続いた頃か、]
挨拶が遅れました、
私、レットて言います
[汗だくの首にタオルを引っ掛けながら、褐色の彼に自己紹介を。]
よろしく
[小さく笑んで、自分の世界を広げていく。*]
── いつかのスポーツジム:レットと ──
[頭をくしゃくしゃ撫でれればニッと笑ってみせ。>>0:226
見下ろせば呆けたような表情でしばらく見上げられ。
あれ?アタイ何かしたっけ?
あーアレか!頭を撫でたのがマズかったか!
なんか良いトコの坊っちゃんみたいだモンな。
頭撫でるのはマナー違反ってやつなのかも知れん。
なんてアタイの背が高いのが原因とは気づかない。
しかも色々と勘違いをしている!
だが、その勘違いを(部分的に)気づいて勢いよく謝罪すれば返ってくるのは複雑な事情。>>0:227]
―― ショッピングモール ――
[もうすぐホワイト・マーブルに到着するという放送。
何を持っていればいいだろう。
どうすれば困らずにいられるだろう。
船内にあった資料室で調べてはみたものの
あまりピンとは来なかった。
ただ、そうね。
折角だから自分で選んだ服を着て
ホワイト・マーブルの地を踏みたい。
そう、思ったから買い物が出来る場所へと来ていた。]
…………服ってどうやって選べばいいのかしら。
[いつも与えられるものを着ていただけだったせいで
サイズもよく分からない。
好みも当然のように分からない。]
あの……聞いてもいいかしら。
お洋服を自分で選ぶときって
何を考える物なのかしら。
[近くにいた人に、聞いてみたけれどさて。]**
[”戦闘服”という言葉を使うということは、
レットは常に戦いに身を置く日々を心がしているのだと思った。
そうだ、女というのはそれだけで窮屈な人生だ。
男より弱いと虐められたり搾取されたり──]
…………。
[それが昔、近所の男子に虐められ助けを求めて泣きついてきた妹の姿>>0:79に重なった気がして]
もしこの船でレットになめたマネしたヤツがいたらアタイに言いナ。
やっつけてやるからさ、グーパンで。
[そう言って拳をぐっと握って笑ってみせた。
少しだけ瞳に悲しい影を落としつつも目を伏せ、閉じて]
そーだ!戦闘服って言うならアタイのもそーサ!
見てくれよこのライダースーツ!
この一着で各種トレーニングや格闘にも対応可能。
このままバイクに乗って爆走も可能!
しかも超カッコイイ!
レットも興味があれば一着どうだい?
着るだけでヒーローになった気分になれるヨ。
[瞳を開けばいつもの調子で陽気にくるりと一回転。
戦闘服を纏う幼き同胞にウィンク一つ]
[それから話題を強引に変えてトレーニングの話を。
真面目に話を聞いてくれる!素直!>>0:228
素直なのはいいコトだ。
きっと筋肉も素直にすくすく育つはずだ!
私が瞳を輝かせコーチングの話をする。>>0:229
よし!いけるいける!!
このままパワーで押し切るぞ!!
そしてこの子を育てて筋肉の素晴らしさを……!!
って、待てーい!!!!!
と急ブレーキで自分を制する。>>0:230]
あはは……、まっ!時間が合えばネ!
[なんて苦笑しながら軽い約束を一つ。
危ないあぶない、もう少しで暗黒の筋肉面に堕ちるところだった]
[なんて、心の中で安堵していたはずが。
レットの言葉でまたアタイの暗黒筋肉面が……!>>0:231]
はうっ……!!
我が弟子よーー!!
健全な精神は健全な肉体に宿る!
任せな! アタイがイイ感じに鍛えてやンよォ!
[握手の流れからガシッと手を握りしめ芽生える師弟愛。
やっぱりこの子、素質がある!(筋肉的な)
それからの三週間。
ジムで会えばアタイは愛弟子に熱心にコーチングをした。
トレーニング後には並んでプロテイン(牛乳割り)を飲んで。
とても楽しくて充実した時間を過ごせた。
これもレットのおかげだ、ありがとう。*]
[そういえば。
アーネストやカラントと話をしている中で
自分の書いた本のことは話題にあげたことはあるが映像化したことはまだないと話したこともあったわけだが]
私の書いてるのって、純文学っていうのかな。
ちょっとした日常とか、
変わらない生活の中で見つけた変化とか、
そういう心理描写が主な話になるの。
ミステリーとかアクションみたく、
映像にして映えるものじゃないんだよねぇ…
試しにって言われて
少年向けの冒険活劇もの書いてみたのは楽しかったけど、
まだ出たばかりだから反応も分からなくて…
[そんな愚痴ともとれるような話の中、
聞かれたら『宙色の鍵』というタイトルだと話したはずだ。
不思議な色の鍵を手に入れた少年が、困難に巻き込まれながら成長していく物語だと**]
─ バー ─
そこはわかってていってるから笑ってくれりゃいいぞ。
[今時顔ぐらいなら付け替えというぐらいには整形だって出来るわけだし、それにサンシア>>7は出会ったときから不躾に>>10。あるいは抑えられない興味のもとに行われているのも知っている。]
…ま、確かに今時は珍しい自覚はあるけど、その辺りはお互い様だろ。
[そんな彼女も古臭くて、だが仕事>>11ともなっている。
趣味だともいえるし贅沢ともいえるし、自分もまたそんな道もあるんだなと思ったのもあるから、あの時も今言ったみたいに「変わってるのはお互い様か。」なんてことをいった記憶がある。
まあ彼女のように仕事とまでなっていない趣味を見るのがご褒美といわれるのは面映ゆいものはありはするが、シアターでもアーネストと盛り上がっている内容を聞くと好奇心旺盛なのだろう]
んじゃ、ご褒美はまた今度な。
って、俺もか。
いいぞ、サンシア
[そんなサンシアへのご褒美は一旦休養中、としつつ、予想外の提案>>7であったがさほど悩むことなく請け負った。あまり変わらないのは最初の頃と変わらなかった>>11だろうけれど]
思った以上にいいやすいな。
[変化の切欠なんて悪いものばかりじゃない。だから不安そうな表情をする必要もないのだ。
最初にみた不安げな表情のときはそういうフォローのような言葉も言ってなかっただろう。
相手が酒の力も手伝っての提案とは知らぬまま、飲み干されたビール。もう一杯を注文して]
んで、きりのいいところまでっていったけど進捗としては何パーセントぐらい進んだんだ?
[なんて雑談も交わしつつその日は三杯目の酒とそれぐらい時間、話を交わしながら部屋に戻ったのだろう*]
― いつかのスポーツジム ―
ああ、今日もお疲れさん
[一日だいたい一時間の運動という日課は順当に行われていた。
でも最近は健康のためという名目が消えてってる気がすることは見ない振りして着ぐるみペンギンアンドロイドに手伝ってもらいつつローイングマシンのセッティングを行っていた頃
覇気のない声>>23で挨拶を幾度も交わしていたのは乗客の一員なわけだが、タイミングの問題かだいだい出会ったときは疲れ果てているためにあれこれ喋るのは気の毒なので、軽い挨拶を交わす日々がそれなりに続いたのだろう。
ただそれ以降、アーネストを交えて一緒に筋トレをしていたりする横目でみていたり、その際に、あ、男性じゃなくて女性やったんや。って気づいたりなんてことがあったりした。]
[挨拶に来たのはセッティングが終わった頃合いであった。やりながらでもいいよな。ってことで挨拶をくれるレットという年下の女性>>24]
こっちこそ…っ…アーネストともやってるのとか何度もみてたが…っ…挨拶してなかったしな……っ!
[思い切りバーのようなものを引いて、足をペダルをおして体ごと押し上げるように動いて、その一連の動作に間違いがあったらペンギン型アンドロイドが注意をくれたりして、そんな筋トレをして呼吸をところどころ入れつつ]
カラント、カラント・フォレスっていうんだ。よろしく…なっと!
[控え目な笑顔に筋トレ中なのもあり力のこもった笑みを返しながら]
にしてもお互い…最初の頃より……随分持つようになって…きたな
[元の下地は別であっても自分も成長したように感じているがそっちはどうだい?みたいな感じで話したり、少しずつ挨拶以外の会話も増えていっただろうか**]
― ショッピングモール ―
[さて、目的地に着くまでに買い揃える物はあっただろうか。
一か月と言う長い船旅の中、消耗品位は一応補充しなければならない。
大きな荷物類は先に母さんとホワイト・マーブルに到着している物だから、私の手荷物はとても少ない物だった。
それでも下着とか靴下とか、そういう物って新しいものを揃えていたい。
でも女性下着類のお店って、キラキラでフワフワで、一人で入るのは少し恥ずかしい。
そういう店舗の前を素知らぬ顔で通り越しながら、レースを縫い付けたワンピースを横目、レディースファッションの区域に足を踏み入れる。
さて、ここに自分が着れるサイズの服はあっただろうか。
場違い感を感じながらも、立ち止まって周囲を見回していれば、掛けられる声が一つ。]
へ?あ、はい
[声の方に視線をやれば、ふんわりとした可愛い女の子。>>27]
服……、
を、選ぶとき、ですか?
[服?私の選ぶ服、スーツばっかり。
そういえば、自分が本当に好むファッションってなんだっけ?
血さな疑問が頭を擡げるも、今は考え込むタイミングではないと、その情報を脇へと寄せる。]
服は、身体のサイズに合っていて……
[とは言っても、この船は大抵のサイズ幅は揃えて居るだろうから、サイズ問題はクリア出来ると思う。]
似合う、って言うか、
自分の髪色や、肌、目の色とかにも合う物で
[金に近い目の色。それと柔らかな金髪。
脱色した自分の髪よりも更に明るい彼女の髪色を見て、いいなと少し思った。]
目を引かれて、デザインが気になって、
……自分が着たい、好む、物?
[色々並べはしたものの、結局はそこに落ち着くのだろう。
自分の好きな物を着ればいい。そういう物、かな。]
悩んでるの?
[顔を覗き込みながら、そう尋ねる。
女子は大抵、ショッピングに時間をかける物。
だから彼女もそんな感じだろうと、当たりをつけて。
まさか買い物所か、選ぶ事自体に慣れていないとは夢にも思わない。]
カジュアルめやストリート系の店はアッチ
フォーマルメインなら逆方向
[色んな方向を指さして、私まるで案内機みたい。
だって船内の探索は、旅が始まった頃、早々に終えていたから。]
清楚系とか、
ふわっとしてひらひら多め…ガーリーなら、
さっき前を通ったかな
[年齢も近そうだし、言葉遣いは少しフランクに。
彼女が何を好むのか分からないけれど、方向性位は絞れるだろうから。]
―― ――
[気づけばこの旅ももうすぐ終わる。
館内アナウンス>>#2を聞きながらまだ見ぬ惑星に思いを馳せる。
存外に楽しい旅だった。
知り合いもたくさんできた。
昨日なんかはサンシアとシアタールームで映画裏話を話したり>>19、ここでよく寝ていたカラントを起こしてやったりもしたななんて思い出したり]
あのアドリブはアタイが監督に言ってできたシーンなんだ。
『俺はお前たちをいつだって守ってやる』
本当はこれだけの短い台詞。
でもサ、どんなに大切でも弟妹でも、現実じゃずっとは無理なんだ。
だからヒーローだけじゃ弟妹を守れない。
大切なのは自分で自分を守る力。
『だからお前たちもいつか自分を守れるように強くなれ。
自分を守れるヒーローに、お前たちもなるんだ。
できるさ、だってお前たちは俺の自慢の弟妹なんだから』
[そうしてヒーローは弟妹を守るために最終決戦の地へ向かう。
アドリブで出来た映画の台詞を諳んじながら]
そーいや、あの売店のたまごボーロの人元気かネェ?
まさかまだ菓子選びで迷ってる……ワケない、よな?
[ふっと思い出した売店で悩む人を思い出す。>>0:217>>0:223]
―― 回想・売店のたまごぼーるの人 ――
[たまたまアタイが地球に残した弟妹を思い出して子供の好きそうな駄菓子の売られた売店を覗くと、仕立てのいいスーツ姿の男がたくさんの菓子の前で立ち尽くしているのを見かけた。
これは……、ははーん。子供へのお土産に悩む父ってヤツだな!
サンシアと見たファミリー映画であーいう不愛想な父ちゃん見たコトあるし。
アタイはぴぴーんと来て子供ウケのいい駄菓子なら任せろ!とその男性に声をかける]
アンタさァ……、分かるよ。
子供へのお土産で悩んでるんだネェ。
任せときな!アタイが最高に子供にウケる菓子を選んでやンよ!
[ぐっと親指を突き立てて笑顔を見せる。
そうして相手の子供の年齢層や性別などを聞き
ふむ、とアタイオススメのお菓子を一つチョイス]
[うんまーい!(テーレッテレー!)
そんなキャッチコピーと共に数百年愛されるお菓子を紹介]
これなんかどーだい? ねるねるねるね!
粉と粉を水で混ぜてねるねるするお菓子さネェ。
これなら小さい子供でも喉を詰まらせない。
しかもウマい。
そして何より……
[ぐぐっと溜めて最も重要なこの菓子の強みをアピール]
親と一緒にわいわい菓子を作って食べるんだ。
子供にとっちゃこれ以上なく盛り上がるってモンだよ。
[思い出す弟妹とねるねるした日々。
なぜか子供はこういった作る系の駄菓子が大好きだ]
他にも作る駄菓子は種類が多いけどこれが入門編かネェ?
まっ、騙されたと思って一つ買ってみなよ。
作り方が分からないって時はまたアタイを見つけて声かけとくれ。
大体昼間はカフェで昼飯食ってるからサ。
[そう言うとアタイはねるねるねるねを押し付けてその場を去ろうと……]
あっ、そーいや自己紹介がまだだったネ。
アタイの名はアーネスト。
機会があったらまた会おうじゃないか。
んじゃ、アタイはこれで。
[自己紹介がまだだったので自分の名を名乗る。
相手の名前は言われたら覚えているし、言われなければまた会う時に聞けばいいと軽やかな足取りで去っていくだろう。*]
他にも作る駄菓子は種類が多いけどこれが入門編かネェ?
まっ、騙されたと思って一つ買ってみなよ。
作り方が分からないって時はまたアタイを見つけて声かけとくれ。
大体昼間はカフェで昼飯食ってるからサ。
後はシアタールームかスポーツジムとかかネェ?
[そう言うとアタイはねるねるねるねを押し付けてその場を去ろうと……]
あっ、そーいや自己紹介がまだだったネ。
アタイの名はアーネスト。
機会があったらまた会おうじゃないか。
んじゃ、アタイはこれで。
[自己紹介がまだだったので自分の名を名乗る。
相手の名前は言われたら覚えているし、言われなければまた会う時に聞けばいいと軽やかな足取りで去っていくだろう。*]
―― カフェ ――
[もうすぐ昼飯時の時刻、アタイはカフェに来ていた。
カフェは好きだ。
いや、正確にはアタイはこの船のカフェが好きだ。
今まで仕事だ弟妹の面倒だのでカフェでのんびり時間を過ごす時間なんてなかった。
だから、ここのカフェで出されるコーヒーも。
それを出してくれるスイッセスさんの周りを流れる穏やかな会話や雰囲気も大好きだった]
あー……、なんかじーちゃんの家とかってこんな感じなのかネェ?
じーちゃんなんてアタイにはいないけどサ。
[いつかそんなコトをスイッセスさんに零したコトもあったろうか。
自分は孤児で親の顔を知らないコト。
おじいちゃんがいればアンタみたいな人がいーなとか。
姉としてヒーローとして気を張らなくていい相手との会話は初めてで存外に居心地のいいものだった]
/*
削除したのはアレだ。
昼間のカフェとかだけ場所指定するのはよくないなと思ったんだ。アーネストって他にも色んな場所にいるもんね。
――カラントとの出逢い2(回想・〆)――
[宇宙船リベルテに乗り込む前、私は所有者であり妻とも呼べる老齢の女性、ドロシーと地球に暮らしていた。その生活圏内にも他人はいたわけだが、この船に乗り込む前の交流は近所にて顔を合わせれば挨拶する程度で。
それは私の生活の中心がドロシーであったという事に他ならず、逆に言えば独り身となってしまった今は、他人との交流が一種の愉しみともなっている。
人との出会いは僥倖である。
私は料理の最中に名を知らぬ彼の挙動をつぶさに見つめていた。
開いたクロッキー帳は使い込んでいる感がある。距離があろうとアンドロイドである私の視力はそこに描かれているものが船内から見る風景、つまりスケッチ画であるのを観察できた。
つまり彼は画家?アーティスト?
今の時代、発達したAIは過去の有名な画家たちに負けない素晴らしい絵を作り上げる。それはしばしば人の描いたものと見分けすらつかない出来栄えであった。が、それでも人がその想像力をいっぱいに詰めて描く作品には、そうしたAI作品にはない魅力があった。
高身長で体躯の良い彼のしっかりした指から生み出される芸術に私は更に興をそそられる。]>>12
[ウェイターのふりをして私が料理と珈琲を運ぶと、彼は丁寧に手を合わせて食事を始めた。この作法はある宗教の合掌が元になってはいるが、そういった信仰に関係なく食事前にする人もいる、と私の頭脳には知識としてインプットされていた。
いただきますという言葉は「山の頂に宿る稲作の神様への感謝の心を表す言葉」であるが、これも同様。勿論彼が信心深い人物である可能性もあるが。]
どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください。
何か他にご用命がありましたら、
遠慮なくお申し付け頂ければと。
[と言って私は彼の傍らに立つ。腹辺りに手を添えて直立する様は、周囲からはペンギンの従業員より従業員に見えるのではなかろうか。]
従業員など畑のかかしや電柱と同じであるから、彼が気を払う事はないだろうとたかをくくり、私は更に観察を続けた。
こっそりと、大胆にね。]
[ウェイターのふりをして私が料理と珈琲を運ぶと、彼は丁寧に手を合わせて食事を始めた。この作法はある宗教の合掌が元になってはいるが、そういった信仰に関係なく食事前にする人もいる、と私の頭脳には知識としてインプットされていた。
いただきますという言葉は「山の頂に宿る稲作の神様への感謝の心を表す言葉」であるが、これも同様。勿論彼が信心深い人物である可能性もあるが。]>>12
どうぞ、ごゆっくりお召し上がりください。
何か他にご用命がありましたら、
遠慮なくお申し付け頂ければと。
[と言って私は彼の傍らに立つ。腹辺りに手を添えて直立する様は、周囲からはペンギンの従業員より従業員に見えるのではなかろうか。]
従業員など畑のかかしや電柱と同じであるから、彼が気を払う事はないだろうとたかをくくり、私は更に観察を続けた。
こっそりと、大胆にね。]
[はてさて、この食いっぷり。なんとも豪快である。
そもそも料理が三つの異なる料理を山や海のようにどかんと盛り付けたボリュームと豪快さを誇るものであったが、彼の食いつきもまた、豪気、豪胆。
男らしさと食欲がオーラとして放たれるようなそんな様子で私は思わず魅入る。
勝手に作ってしまったものだから嫌いな食材や料理があるかとも懸念したのだが、お任せを頼むだけあり、彼はどれも躊躇わずに口に運んでいく。
料理の山はみるみると削られて、その口の中に吸い込まれて消えていった。
神が起こす天変地異でもここまでの迫力はないだろう。
いや、彼が神でトルコライスが地球ならば人類は飲み込まれて全滅か。
失敬、悪い意味ではない。これはそれだけ、食いっぷりが素晴らしいという賞賛の意味である。
自分が作ったものを美味しそうに食べてもらうこと以上の悦びはない。
うまい、と零れた言葉に私は目を細める。]>>13
[にやりとしたり顔。これも茶目っ気の続きである。勿論、そのままでは彼が驚いたり戸惑ったりするから、すぐに乗客であるアンドロイドであることは明かす。]
申し訳ありませんでした。
はい、私は乗客としてこの船を利用している
アンドロイドです。
[私の謝罪に対して、彼は感謝を述べた。なんと気持ちの良いきっぷの持ち主であろうか。食事の仕方からみても、心の広い、懐が深そうな人物であろうとは推察したが。
そんな彼に私はすっかり心を許した。その懐に甘えても良かろうよ。
互いの自己紹介の後に、私は彼のクロッキー帳を見せて頂いたり、ホワイト・マーブルに向かう目的などを聞いたりしただろうし、私自身の事情も話したりした。
別れ際に「またいつでもお越しください、お客様」と言って敬礼したのはエビフライに続くおまけのおまけ、だったりね。]**
ー 売店にて、さすらいのライダーと
>>44>>45>>46ー
[ パッケージに貼られた陳腐な写真やイラスト
目を引くパステルカラーが燦然の輝く菓子紹介
食感を表すオノマトペの入った説明文
どれを見ても、正直美味そうとは思えない。
元々食事の好き嫌いが乏しいおとこは、
生命活動を維持するために行う食事において、
一番いいのは栄養価の高く変な細工をしない
食事だと思う
(自然派なわけではなく、シンプルに
変な色付けや科学添加物の必要性を感じないだけだ)
これは硬くて喉をつまらせる。これは舌にぱちぱち刺激を与えるらしいからだめ。
これは…と考えていると、不意に快活な声が聞こえて視線だけを一度向ける。
そして二度見する。]
……失礼、もしやドラマの撮影中だったかな?
仮面ライダーに直にお会いするのは流石に初めてで…
[と、彼女の服装を見て一度はそう尋ねる。
仮面ライダーについては流石に男はしっている。
男の趣味ではないのだが、
妻と一緒に暮らしていたときは毎週決まった曜日には、必ずテレビで流されていた。
子供はまだ乳幼児なのだからわかるはずもないだろう…と呆れていたものだが、どうも妻のほうが仮面ライダーを好きらしいのだ。
おかげさまで、様々な種類の仮面ライダーがいることくらいは流石に知っていた。
それがドラマの一種であることも、まあ知っていた。
男は物事を捉えるとき、頭が固かった。ロマンがないとも言う。
なので今は撮影中なのかな?と
さっそうと現れたヒーローは、しかし、
男の困り顔を見て何に困っていたのかすぐ察してくれたようだった]
…『一緒に』か…
思えば、私は仕事ばかりで…
子どもたちと『いっしょ』に
何かをしたことはなかったな…
…したところで怖がられていた
[騙されてみなよ。と渡された知育駄菓子を
男は数秒見つめる。
いっしょに。あの未知の生命体と。
…そうすれば、今までとは何か違うのだろうか]
…ありがとう。これにするよ。
渡すかどうかはまだ悩ましいが…
…君は子供に詳しいみたいだね。
私は、ツァリーヌ。もしまたよければ…
子供の扱い方などについて、教えてもらえないだろうか
…あまりに、子供に疎くてね
[そういって。彼はアーネストを見送って、
小さな期待を購入しただろう。
ちょっと、騙された気分になってみて。**]
――カフェ(アーネストとの出逢いの回想込み・現在軸)――
[今日も今日とて、珈琲を淹れたり話し相手を見つけたり。そんな風に過ごすにはうってつけである場所にて、私は隅の席に座る見知りの女性の姿を見つけた。
今日も鍛え上げられた魅惑的なボディラインをライダースーツに包んでいるか、はたまた違うか。
彼女との出逢いもこのカフェであった。
私の淹れた珈琲を口にし寛いだ表情を見せてくれた彼女。
快活でノリのいい口調、朗らかな様子にすぐに取り込まれた。
魅力に引きずられてしまった。]
[互いに哀しい顔をしていたかもしれません。>>0:241 だけどもし、最後の言葉が聞けたなら]
…よかった。
わたしも、今の時間が好きですよ。
お互いに本当のしあわせ、見つけられるといいですね。
[そう。互いに、そして“誰から見たって幸せなのだ”と言ってもらえるような、そんな暮らしをホワイト・マーブルでは送れたらいい。わたしは、こころからそう思います。
そして食事が終わって離れる時には、彼女にこう言ったでしょう]
良い船旅を、ドルチェ。
いいえ、良い人生を、でしょうか。
[笑って別れます。
きっとこれっきりではなくて、多分その後も長い船旅の中で、何度か話をしたことがあったと思います。そのたびに、“今日もこの時間が好きだった” … そう思えていれば、それほどうれしいことはないのです。]**
―― カフェ(スイッセスさんとの回想と現在) ――
[今日もアタイの服装はライダースーツだ。>>62
たまにトレーニング終わりの服装がラフなTシャツに東方の文字で「見敵必殺」「悪即斬」などと書かれたものにジャージズボンの時もあるが、その時はその時だ。
ちなみに、このライダースーツ一着しか服がないわけではない。
他にも色違いや別ライダーのもの(素人目では判別が難しい)を着回しているので何も問題はないのだ。(たぶん)
それはそれとして声をかけられれば>>64
嬉しそうに目を輝かせながらスイッセスさんを見上げて挨拶]
あっ!こんにちはっ、スイッセスさん!
そーなんだよ。雪国星雲ってヤツを見てたのサ。
でも、んー……なんだろな?
雪みたいな白いもこもこがぶわーって集まっててアタイには雪国より羊雲星雲ってカンジかな?
まぁどっちにしろ、今日も星がキレイでいいコトだ!
[雪国星雲の感想を言った後そう笑顔で締めくくる]
Y&Nコーポレーション。男が所有するこの大企業は、大本を辿れば小
さな願望からはじまったものだった。
体の弱い妻が、安心して日々を過ごせるように。
少しでも健康な一日を過ごせるように。
妻が望むものが、手に届きやすいところにあるように
そのため、手を伸ばせる分野はなんにでも手を伸ばした。
医療・インフラ整備・IT産業・教育…
娯楽に関しては男自身にはまるでセンスがなかったので、ある程度企業の規模が大きくなった頃、他の企業と連携したり、取り込んだりすることで様々なものを見てきた。
ささやかな一つの願いのために
[アタイの身の上を話すとスイッセスさんも自分のコトを話してくれた。>>63
最初は人間じゃないコトに驚いたが、すぐにそれも気にならないほどスイッセスさんを好きだと思っていた。
だって10年間も奥さんを愛して家族として暮らしてきたんだ。
そんな人(機械だけど)が悪いヤツじゃないってネ!
むしろ超いい人じゃん!
こんな人がアタイのおじいちゃんだったらいいのになーなんて思えば、照れて頭をかくスイッセスさんを思い出してその人間らしさに愛嬌を感じもする]
『えーっと、こーいうのってアレだ!
”テセウスの船”ってヤツだろ?
テセウスさんが持ってた船をちょっとずつ部品を変えてー
最後には元の部品は全部変わって無くなってー
んで、それは本当にテセウスさんの船? ってヤツ!
アタイは無論テセウスさんの船だろって思うね!
体が変わったってサ、思い出までは変えれないだろ?
一緒に旅した思い出は変わらず船にあんならサ。
そりゃーもうその船は本物のテセウスさんの船なンだって!』
昔聞いた小難しい思考実験の話を思い出して熱弁したコトもあったか]
[最後にはその小難しい思考遊びにうぅーんと唸りながらも、
結論はブレずに一つ。
『つまり、アタイにとってはスイッセスさんはスイッセスさんなンだよ。
何者にも代えがたいただ一人なんだよ。
この船を降りて記憶が消えるなら。
アタイがスイッセスさんの思い出を持って生きていくサ。
そーすりゃ、少しでもスイッセスさんが生きた証がこの世界に残ってく。
だから、思い出はサ。簡単にゃ消えないよ』
だからここで終わりではないのだと、
寂しさが少しでも和らぐのならと、
アタイはそう熱く語ったのを覚えている]
[そう語り合った日々を思い出しながら。
珈琲を淹れてくれると言うなら待ってましたとばかりの笑顔で頷く]
わあ!スイッセスさんの珈琲だ!
ありがとう、もちろんいただくよォ。
あっ、じゃーアタイはカウンターに座ろうかな。
スイッセスさんが珈琲を用意してくれるトコを見るのが好きなんだ。
[言うが早いか身軽に隅の席を立つとカウンターに位置を変える。
そうして頬杖をつきながら珈琲が出来上がる様子を見守るのだ。
ちなみに、なぜ彼だけ「さん」付けなのか?
それは彼がおじいちゃん(製造年とか関係なく)だからだ。
年長者は敬わなければならない。
だからこその「さん」付けなのダ。*]
今日は本当に、何か欲しいものがあったわけじゃない。
でも、やっぱり電子端末に届くメッセージを開くのが怖くて。
だから逃げるように、
思い出に浸るように、
ホワイト・マーブルでは失わないように、
その癖貴女との時間が楽しかったから逃げているんだわ。
―― 売店にて、ツァリーヌさんと ――
[声をかければ二度見され。>>56
ん?と首を傾げつつ見守り。
仮面ライダーと言われればなるほどそうかとわははと笑い]
いいや、撮影なんかじゃァないねッ!
これはリアル!
そしてアタイは今まさに正義のパトロール中さァッ!
悪の怪人と困った人を探しているッ!!
[ビシッと台詞ごとに決めポーズを変えて宣言。
――しかし言い終えた後の微妙な沈黙に耐え切れなかった。
ヤダ、このままだとアタイただの不審者じゃん。
慌てて本来の子供へのお菓子選びの助言を申し出て場を繋ぐ]
[子供の年齢と性別を聞いてふむと思案。>>58
そして、やはりここは王道でと差し出すねるねる。
顔を顰められても気にせずねるねるの素晴らしさをアピール!
ねるねるはいいぞ、世界が平和になる。
いずれはガンにも効くはずだ(効きません)
子供たちとの接し方についてぽつりぽつり語る彼に>>59]
……そっかァ。子育てってのは戦争だからねェ。
その頃の子供ってのは親からの愛情とか、戸惑いとか、そーゆー感情の機微に聡いモンだからネェ。
親が困ってたら子供も不安で怖くなってくるもんサ。
大変かもしンないけどサ。
アタイから言えるのは、一度子供と同じ目線に立って一緒に遊んだり笑ったり飯食ったり寝たりして子供の生活の中に「お父さん」がいるのが普通になってくれればコッチのもンなんだけどネェ。
まァ、この日常の積み重ねが「戦争」なワケだけど。
[子供たちとの接し方についてアタイの経験を元にしみじみ語る。
――何か他にないものか。
小さな男の子たちの気を引き父親を歓迎する。
そんなヒーローじみたアイテム――……]
……あ、あった。もう一つ。
[自分のゴーグルに手をかけピーンとくる。
そのままゴーグルを外せば男に向けて差し出して]
これ「仮面ライダー・エース」の俳優が撮影で使ってた本物のゴーグル。
アタイ、職業はスタントマンなんだ。
これはアタイが新人の頃にエース俳優からもらったものサ。
ほら、柄の部分に擦れてるけどサインもあるだろ?
これをあげれば子供たちも大喜びなンじゃないか!?
よかったらアンタにやるよ。
[事も無げにニッと笑って迷わず差し出す。
エース俳優からもらったゴーグル。
思い入れはあるが、子供の喜ぶ顔には代えられない。
むしろここで渡さずして何がヒーローか!]
[もし、遠慮されるようなら――]
いいってコトよ、他にもゴーグルのスペアはあるしサ!
どうしてもタダが気になるなら、
お値段高めの酒一杯奢ってくれりゃイイよ。
さァさ!騙されたと思って!
[そうして半ばグイグイ押し付けたりしつつ]
[感謝されれば気分も爽快だ。>>61
別れ際に教えてくれた名前を覚えつつ]
ツァリーヌさんか、覚えとくヨ!
また子供の悩みがあったら聞くぜェ。
アタイは子育てのプロみたいなモンだからな。
それじゃ、会えたらまたどこかで!
[色んな期待を手渡したならまたパトロールの続きをしようか。
なんてったってアタイはさすらいのライダーだからネ!**]
─現在:食堂・キッチン─
[“厨房を貸していただけますか?”なんて聞いたら、船の方はどう仰ったでしょうか。具体的にはオーブンが使いたいのです。ええ、調理方法すら発展を遂げたこの時代に、旧時代のオーブンなんてもう古臭いと思われるかもしれませんが。
でももし貸してもらえることができたのならば、わたしはきっとその日、甘い匂いを朝からキッチン、もしくは隣接の食堂に漂わせていたことでしょう。
焼くのは本当に旧時代の作り方で作る、ベーシックなクッキーです。わたしたちの暮らしを支える栄養物質が入っていたり、今やオーブンなどなくとも作れる焼き菓子ではありません。それこそむかし話に出てくるような、粉と、卵と、牛乳を混ぜ合わせた。素朴な味のクッキーでした。
宇宙環境でもオーブンが使える、というのは旧時代には無かったのかもしれませんので、そこだけは違うかもしれませんが。
作り慣れていましたから、失敗することはありません。
もしも誰かが顔を覗かせるのならば、ええ、もちろん。つまみ食いはご自由に。]**
[事実は確立されるが故に雄弁なり、世界の真理は幼き子にも残酷だ。
この世は人間として正しいかではなく、人間として中央値にどれだけ近しいかで決まる。
正しさなど、何もかもが無意味。
そのことに気づくことが遅れた異端児の行末は、障害という名の差別の的。
心身の発達が遅れている、と。
輪から外れた幼子つけられたラベルは剥がれることはない。
剥がしたとて、その痕が消えることは無いのだ。
剥がれたラベルの跡は水に流しただけじゃ落ちない。
そうだろう?]
[事実は確立されるが故に雄弁なり、世界の真理は幼き子にも残酷だ。
この世は人間として正しいかではなく、人間として中央値にどれだけ近しいかで決まる。
正しさなど、何もかもが無意味。
そのことに気づくことが遅れた異端児の行末は、障害という名の差別の的。
心身の発達が遅れている、と。
輪から外れた幼子につけられたラベルが剥がれることはない。
仮に剥がしたとて、その痕が消えることは無いのだ。
剥がれたラベルの跡は水に流しただけじゃ落ちない。
そうだろう?]
── 遊戯の時間>>204>>205 ──
相手が抱く油断と慢心は自分ではコントロール出来ないだろう?
自身の力量を飛びこえて、相手の心次第で決まる道など、奇跡でしかないと、私は思うわけだよ。
[視線が同じ者などおらず、それを擦り合わせる力は人間の特性とも言えるだろう。彼の言葉を借りればチューニングと言うべきか。
最も、私の場合チューニングするより先に弦の交換をした方が早いとさえ思わせてしまいそうなものだが。]
あぁ、どうにも。現実を見据えて合理を追究するのに少々飽きてしまった。
こう見えて研究者を生業にしていたものでね。
あれほどつまらない仕事はそうはない。
[それを伝えたのは、彼が盤上の断罪を済ませた頃だろう。捌かれた球がポケットに吸い込まれてしまえば、彼の演舞も幕切れのようだ。]
そんなにやっていたら、
あっという間にホワイト・マーブルに着きそうだ。
あぁ。お手柔らかにね。
[コインを上に投げるが、異議を示されなければ手番は彼が先手を取る事になっただろうか。
彼が動かしたポーンと同じ列のポーンを手に取り、線対照となるように前に出す。
先手の出す開幕手に後手は応えるか否か、最初は紳士的な探り合いをするのが定石だ。]
私にとっては相手を知る為の方法の一つかな。
気になる相手に軽い心理テストで話題を仕掛けたりするだろう?それと同じさ。
まぁ、最近はネットのせいで皆の手が画一化されやすいから、いただけないけど。
[今この盤上で選択権があるのは彼だ。この盤を通して私が見るのは彼の事だと、聡い彼になら気づかれても不思議ではなさそうだ。]*
[子供のことをぽつりぽつりと話すと、
正義のヒーローは、ウンウンと頷いて、
いろんなことをアドバイスしてくれる。
子供の感じる不安。
同じ視線に立つことの大切さ。
そして日常に『お父さん』がいることそのもの…]
……
…………日常の積み重ね…か。
それができていれば…どれだけよかったか。
仕事にばかりかまけて、子供の考えていることは
あまりよくわかっていなかった
正直今も良くわからない。触れ方も。
…そういうのを、彼らは察してしまうのだろうな…
[…と、自分の性格と子供という生き物との相性の悪さをなんとなく察してしまった父親に、正義の味方はとっておきのプレゼントを差し出した。
表情自体は変わらないが、大きく目を見開き、
そして瞬く]
…いえ、受け取れません。
あなたにとっても大切なもののはずでしょう
それなのに…
[と、受け取れない旨を伝えるが、
正義の味方はそれを男の手に持たせ、
気になるのなら高いお酒でも飲ませてくれと許しを与える。
手に残された、本物の正義のヒーローの証。
いろんな希望を託されたビジネスマシーンは、
その情報量を飲み込むので精一杯で、
さっそうと去っていく女を、呆然と見送っただろう。]
……
[…カチャリ。試しに掛けてみる。
目の前が夕焼けのような世界に変わる。]
……よくわからないな
[よくわからない生命体。正義のヒーロー。
だが、彼女から託された希望は、男の心にも、どこか不思議な安心感を与えてくれたのだった**]
ー 現在 : バーにて ー
[例えばのどが渇いたとき、ほんの僅かな涼しさを求めるとき、男はふらりとバーに来る。
今日のお供は図書室から借りてきたであろう、新聞やニュースを見るための電子端末。
それから机の上には、真っ赤なヒーローのゴーグルもことりと。]
…今日のニュースは…
[パラリ、ページをめくるSEとともに、
*モッキンバード*のグラスを傾ける。
彼は度々このバーを訪れていただろう。
自分からは話しかけることはないが、声をかけられれば自己紹介などもしていたはずだ。
さまざまなカクテルに口を通す所作は美しい。
彼の思考回路を休ませる貴重なひとときを、
誰かと過ごすことも、時としてあっただろう**]
――カフェ(現在軸)――
[ライダースーツ。身をぴっちりと包むその服は、優れた機能性を誇る。転倒した時に地面に身体を叩きつけられてもスーツがクッションとなってくれるのだ。
そういった安全性の観点だけでなく見た目もカッコいいのでライダースーツは人々に愛される。
スーツのデザインも一つではなく、通気性のために腹部や胸元が開いているタイプもある。女性が着るとかなりセクシーな感じになり、着る人の魅力をまた一ランクアップさせるアイテムと言えるだろう。
すらりとしてスタイルの良いアーネストにはとてもよく似合う装いだ。
私以外にも彼女に見惚れている者は沢山いるに違いない。
健康美、の一言。
今日の彼女も元気に溢れているようだ。返ってきた言葉は毬が弾むようにぽんぽんと軽快である。私は知り合いの健勝に眼鏡の奥の瞳を細くし。]
お元気そうで何よりです。
貴女の声は一服の清涼剤のようだ。
ほうほう…羊雲みたいですか?どれ?>>67
[彼女の表現はとてもユニークだったので、その肩越しに窓を覗き込んでみる。確かに「トンネルを抜けると」と言いたくなる感じではなかった。それでも羊の群れを想像するとは。くすりと笑いを零して。]
なるほど、確かに。
これはちょっとした宇宙牧場みたいですね。
[見たものをどう感じるか、どう表現するか。それが人の個性。アンドロイドである私もそれを真似るようにプログラムはされているが、彼女のような独特さは出せないかもしれない。いや、彼女も狙って出しているわけではなかろう。これが彼女の味なのだ。
素晴らしき個性に乾杯したい気持ち。]
[彼女のこうしたユニークさは過去に頂いた言葉にも色濃く反映されている。
私の身の上を話した時、彼女はそれをテセウスの船に喩えた。>>70
テセウスの船はパラドックス、同一性についての思考である。
私は元所有者ドロシーの亡き夫を模して製造された。
つまり、スイッセスの記憶や思い出もインプットされているし、見た目や声についても出来る限りの再現を施されている。
その私はスイッセスと同一なのか、否か?という事だろう。
ドロシーの息子マイケルに問えば間違いなく「同じなわけないだろう」と答えが返ってくる案件。勿論その見方は一般的だし、面と向かってそう言われたとて私は苦笑いすらしない。
しかし、アーネストはそれを一刀両断にした。彼女の答えはとても清々しいもので…私の記憶が消されてしまおうと、スイッセスの生きた証は残ると言い切ってくれた。>>71
なんて思いやりと優しさのこもった言葉であろうか。
そして同時に、そう言い切れる彼女は思考の芯に力強さを持っている。]
[機械とは違う人間の個性。考え。一人一人違うもの。
これを個性やユニークの一言で済ませるのは勿体ないかもしれない。
その時の私は深く礼を述べた。
『アーネストさん、ありがとうございます。
貴女の中に私の欠片が生きられることを
誇りに思います。
その暖かな思いで私を包んでくれて、
ありがとう。』]
[ちなみに私は彼女がスタントマンを努めた映画も偶然だが見ていた。
妻のドロシーは映画が好きで、一緒によく愉しんでいたので。
勿論その映画を見た時に彼女の名前を殊更に意識することはなかったが、細いワイヤーの上を渡るシーンの迫力は素晴らしく>>1
あれはCGでは出せないものであり、妻と共に興奮を覚えながら鑑賞した。
素晴らしい作品には縁の下の力持ちが沢山いる。
監督だけが脚光を浴びる場合もあるが、私は彼女のような存在をとても輝かしいと思う。
話題に上がった時は『是非サインを頂けませんか?』とねだったりもした。
もしサインを貰えたら、それは私の部屋に飾ってあるはずである。
貰えなくとも私にとって彼女はスターであるのは変わりない。]
[私は趣味でやっているせいで給仕に慣れている。
注文を頂けば食事だって作ったりもするので、珈琲を運んでくるぐらいお茶の子さいさいなのであるが、アーネストは一緒にカウンターへ来てくれるようだ。]>>72
そうですか?ありがとうございます。
では、羊さんたちには暫しの別れを。
[カウンターは窓際から離れるので、今の席よりは眺めも良くない。それでも私の所作を見守りたいと言ってくれるのは嬉しいことだ。
私は素早く移動した彼女よりも少し遅れてカウンターに入る。緩慢な動作は老人準拠に設定されている。本来の機能を使っても弾より速く動いたりはしないが。
ゆったりと待つ姿勢になった彼女に微笑みを浮かべながら、私はいつも通りの作業を始めた。今日は少しだけ気温が高めだから…よし。まず湯を沸かすことから始める。]
今日はもうトレーニングはお済ですか?
貴女のニンジャ・カラテを一度生で見てみたいと思うんですよね。
私はジムで鍛える必要がなくて中々あの場所を訪れる事が
ありませんが、
貴女とペンギン師範の格闘はきっと凄いのだろうなと思って。
[なんて話すが、この旅の工程も残り僅かだ。ぼんやりしていたら船はホワイト・マーブルに到着してしまう。
それを思い出して私はこうも彼女に訊ねた。]
差し支えなければ、貴女の妹さんや弟さんたちのお話を
聴かせて貰えませんか。
私の中にはスイッセスの息子であるマイケルが
小さな頃からの記憶があります。
小さな子、好きなんですよ。
[今のマイケルはもう大人で既婚、スイッセスの孫にあたる存在までいる。その家族はホワイト・マーブルに家をかまえており、私がそこに向かっていることはアーネストは知っているだろう。
私は、アーネストが幼い妹や弟たちを地球に残してきた理由を聞いたことがあるだろうか。
孤児であるから血は繋がらなくとも、彼女にとってそれが家族であるのは理解している。
また、彼女のホワイト・マーブルでの予定なども聞くことが出来たらと願う。勿論話したくない事を聞くつもりはない。
珈琲を準備するほんの一時の間でも、心を交わすのは十分出来る事だ。]*
/*
えっ、スイッセスさんアタイの話を聞いてくれるの?
優しい、ありがとう。
おじいちゃんの珈琲おいしーね!(唐突な幼児化)
― いつかのスポーツジム:アーネストと ―
私も?ライダースーツを?
[アーネストが着こなすカッコいいライダースーツに、目をぱちくり。>>29]
でも私、
あんまりプロポーションに自身、無いし
[しょぼくれた顔で、己のストーンとした胸部を見下ろした。
ダブつくトレーニングウェアの布地は、胸の凸パーツに引っかかることなく、静かに真下に流れている。
一応全身の贅肉は少ないと思って居るが、決して鍛えて絞っている身体ではない訳で。
自信たっぷりに着こなし、ターンとウィンクまでしてみせる彼女を見ながら、ヒーロー兼モデルさんみたいだな、と。
バイクに乗って疾走する彼女の姿を想像して、その隣に自分の姿も添えてみる。
…う〜ん、やっぱり私って、貧相。]
[その後、握手の流れからの、師匠!弟子!!>>30>>31
こうして無事、師弟関係は成立したのであった。]
押忍!
よろしくお願いします!!
[体育会系のノリとか全然わかんないけど、今は全て勢いで物事が進んでいる気がする。
その後三週間、無理のない範囲でジムに通い、アーネストのコーチングを受ける。
初めて口にしたプロテインとか言う物は、思ってたよりマズいものでは無くて安心した。
今までは唯のタスクでしかなかったジム通いが、誰かとの約束に変化する。
それに彼女のコーチングを受けていると、余計なモヤモヤを考え込む頻度が減る事も発見した。
身体を動かすという事は、案外良い事なのかもしれない。
私もライダースーツが似合うプロポーションになれたらいいなって、そんな小さな目標を抱きながら、牛乳割りプロテインを口にするのだ。**]
― いつかのスポーツジム:カラントと ―
[彼に話しかけたのは丁度、私には絶対使いこなせなさそうなマシンのセッティングが終わった付近。>>35>>36
私がライドオンしたら全身ガクガク待ったなしであろうマシンにもかかわらず、彼は難なく使いこなしている。
凄い、本格的。
動作の最中たまにアンドロイドの注意が挟み込まれるものの、凄い事に変わりはない。
アーネストと自分が一緒に行う物とは少し違う、男性の筋力トレーニングに少しドキドキを覚えたりして。
それにトレーニングしながらお話しできるって凄い。
どれも、今の私には絶対無理な事。]
わ…、
よろしくお願いします、
カラントさん
[わぁと、小さな歓声が思わず漏れた。]
あ、師匠…、
……アーネストさんの事知ってるんですね
[同じ船に乗り同じジムに通っているのだから、知った顔が被るのは当たり前か。
ペンギンアンドロイドの横に立つと、力のこもった笑みに向かって、照れ交じりに笑う。
まさか、アーネストとのトレーニングも見られていたとは。
先にへぼへぼ死にそう状態を見られているのだから、今さら何も恥ずかしい事は無いのだが、なんだか照れくさいかも。
随分持つようになって来た。と言われれば、嬉しく思う。
他者からの評価は、自己が自己であると言う認識を強める物。
自分にとってソレは良い物であるという認識とは別、彼の言葉を純粋に嬉しく思うのだ。
だって、褒めてもらったみたいな、そんな感じ。]
うん、多分そう、ですね
私はへたばる頻度、減って来た、と思います
アーネストさんとの特訓の成果かな
[そう、
ランニングマシンにいい様に弄ばれていた過去の己とは違うのだ。]
[※まだ負けてる時もあります※]
カラントさんも、
最初よりマシンの負荷、増やしたりとか
こう…、
強くなった!って感じ、ですか?
[トレーニングに強い弱いは無いと思われるが、この初心者思考が若干横っ飛びな為、言動もやや吹っ飛ぶ。
マシンもトレーニングも立ち向かうべき強大な壁である。と思って居る節がある故。
両の拳を胸のあたりで握りしめ、熱っぽく語る様は、トレーニングと言う物が楽しくなって来た証だったかもしれない。**]
── 朝、食堂へ>>81 ──
[空想に浸るのも腹が減る。
実際に飢餓を憂うのは頭の方だが、それでも腹が空くから人体とは不思議なものだ。
それに宇宙には先人達が大手を振って文化を押し付け合うこともない。
朝は珈琲か、それとも紅茶か、ただそれだけのことで言い合いにならないだけここはかなり平和だろう。
歴史を守る者は尊い、しかし歴史を振りかざす者は毒でしかないのだ。
そんなことを考えているうちに朝は珈琲に決めた。
毎朝のこの一杯が人生を豊かにするのだから私にとっては大事なことだ。
だが今日はどういうことか、甘い良い匂いが既に食堂を満たしている。
元々キッチンに用事があったのとは関係なしに、興味を惹かれてついキッチンを覗いてしまう。]
やぁ、どうも。
失礼、珈琲を淹れてもいいかい?
[彼女はまだ作っている途中であったか、あるいはもう出来上がっていたのだろうか。
キッチンに置かれたコーヒーミルを使いたくて顔を覗かせたのはいいが、邪魔をするのは本意ではない。]*
―― カフェ ――
[スイッセスさんは褒めるのが上手い。>>91
アタイが喋るだけで一服の清涼剤だなんて言ってくれる。
なんか語彙も豊富で知的だし、こーいうのを「紳士」って言うんだナって。
今まで会わなかったタイプの相手に妙に照れてしまう。
アタイが例えた羊雲に、宇宙牧場と返ってきて
単語のチョイスについ笑ってしまう]
ははっ、たしかに!
それに牧場だと羊の他にもヤギとか鶏もいそうで賑やかそうだ。
ヤギも鶏も白いし、羊と似たようなモンだろ。
よかったな羊、仲間が増えたぞー。
[窓の向こうの星雲(そもそも雪国なのだが)に呼びかけてみせ]
そーいえば、アタイが書いたサイン。
大事にしててくれてるかい?
へへっ、いやなに。サインなんて頼まれたのは初めてでネェ。
こう見えても舞い上がってンのサ。
[以前頼まれて書いたサインのコトを聞いてみる。>>94
部屋に飾られていると知ると照れくさそうに笑ってみせて。
自分がスタントで出演した映画を知ってくれる人がいる。
しかも、俳優や監督じゃなくて裏方のアタイにサインを頼んでくれた。
それが嬉しくてアタイは生まれて初めてのサインを書いたんだ。
こうっ、絵心のないアタイでもイイ感じに!イイ感じ、に…!
そうして出来た渾身のサインはアタイの名前をイイ感じに崩してぐるっと円で囲んで、周りに星とか散りばめて、花とか(子供の画力並み)描いてみたモノ。
あんなモノでも満足してくれていたら嬉しい]
[話しながら隅の席からカウンターへ移動する。>>95
羊たちよアディオス・アミーゴ!
緩慢な動きのスイッセスさんが転ばないかと心配しつつ
そういえば、アンドロイドなんだから転ばないよな、なんて。
至極当たり前なコトに思い至り彼の様子を見守る。
お湯が沸く様子を見守りながら世間話を。>>96]
んーん、今日は朝に軽くストレッチしただけだネェ。
ニンジャ・カラテなんかの本格的なのは夜にするつもりサ。
スイッセスさんにも見せてやりたいネェ。
ニンジャ・カラテの組手!
一応ここでも簡単な型は見せれるけどサ、組手でしか見せれない迫力はさすがにカフェじゃなァ。
営業妨害で放り出されちまう。
もしそうなったら助けておくれヨ?
[ははっと軽い冗談を投げかけつつ]
[弟や妹の話をと言われれば喜んで話そう。>>96
スイッセスさんに目を細めて笑いかけ]
おっ!スイッセスさんも子供好きかい?
いいよネェ、子供ってのは可愛くて元気いっぱいでサ。
まあ生意気なヤツとかイタズラするヤツとか、
困った子もいるけどみんな違ってみんな可愛い!
アタイが育った孤児院じゃ年長の子が下の子を面倒見たりしててサ。
アタイが赤ん坊の頃から育てた子も何人かいるよ。
一番手がかかったのはノチェロかな。
夜泣きがひどくって偏食も多くてサ。
あー、でも子供の頃に苦労したのはヘレスかもしれない。
内気な子ですぐ抱え込んじまうからへそを曲げた時に機嫌を直すまでに時間がかかってさ
[他にもたくさん、苦労話や嬉しかった話をしようか]
[親に捨てられなかなか心を開かなかったアヘル。
でもアタイの誕生日には折り紙の花をこっそりくれたコト。
看護師を目指すと言ったノリア。
学費の工面や勉学で苦労の連続だったが今では病院で看護師として働いているコト。
それから、それから――]
ビューは優しくて可愛くてアタイの自慢の妹だけど、サ……
おひとよし、なんだよな。
人よりも優しいから他人の苦労をわざわざ背負い込んだり、
イジメられたりもして……
アタイはそのたびにグーパンで守ってやってたっけ……。
[今まで楽しく弟や妹の話をしていたが、
ビューのコトとなると口が重くなる]
[こぽこぽと優しいお湯を沸かす音がする。
ああ、夕飯の支度をする音を思い出す――。
しばしの沈黙の後]
スイッセッスさん。アタイはネ、
ヒーローになるためにホワイト・マーブルに行くんだ。
[ニッと作った笑みはどこか焦燥を帯びてカウンターの上で握りしめた両手は震えていた]
[事の始まりはビューが地球で出会った影のある男と結婚するのだと言い出した時から始まった。
『彼はとても優しい人なの。
孤児の私にも一生守ってやるって、幸せにするって』
『でも、彼はとても不幸な人なの。
意地悪な両親にいつもいじめられてて――』
『彼と決めたの。ホワイト・マーブルに移住するって。
そこで私たち結婚して幸せになるの』
『ううん、私が彼を幸せにしてあげるの!
お姉ちゃんみたいに! 私が彼のヒーローになるの!』
そう言って男と旅出つビューをアタイは止められなかった。
恋は盲目ってヤツだね、アタイの声はあの子には届かなかった]
[それでも何度か遠距離で手紙のやり取りをしていた。
最初の頃は幸せそうな内容が多かった手紙。
でも、徐々にビューの手紙から幸せが減っていく。
そして増えていく不幸の数。
病気になっただの、殴られただの、男が人が変わったようだだの、
そうして、ビューからの最後に届いた手紙には――
『たすけて おねえちゃん』
震える筆跡でか細く綴られた一文。
アタイはいてもたってもいられず地球を飛び出し、現在に至る]
[ふぅ、と少し疲れたような溜息を吐きながら]
宛名からビューの住所の場所は知っている。
叶うならアタイはビューを助けたい。
そんでもって、ビューを弄んだ男をグーパンで殴る!
ヒーローは倒すべき悪がいてこそのヒーローなのサ。
あの子は勘違いしてたんだ。
ヒーローなんてのは平和な世界で目指した時点で終わりなんだ。
結局、自分を救えるのは自分。
ヒーローは困った人が立ち上がるために手を差し出し力を貸すしかできない。
それをあの子は分かっちゃいなかった。
[悔し気に表情を曇らせながら、ぽつり]
結局アタイの行動も行き当たりばったりなやつサ。
ホワイト・マーブルについてビューのトコに乗り込んで、
それで事態が好転するかも分からない。
拒まれるかもしれないし、行方知れずかもしれない。
運よく助けられたとして病気で衰弱したビューは回復するのか?
分からない、それでも、それでも。
「助けて」と言われれば助けるのがヒーローだ!
この先どんな結末が待ち受けていようと
アタイは戦おうと思うよ。
[震える手をぎゅっと握りしめながらアタイは真っすぐスイッセスさんを見つめた]
[それから少しバツが悪そうに笑いながら]
……っと、ごめん。
随分と長い話になっちまったネェ?
しかもかなーり重い話だろ?
ホントはここまで話す気はなかったンだけどネェ。
スイッセスさんといると気が緩んじまう。
[気まずそうに頬を指でかきながら、
少し不安げに瞳を伏せた。*]
/*
「DV男に騙された妹を救出するためあの星へ行く!」
この一文で済む内容をすごーく長く書いてしまった。
読みにくかったらごめん。ごめん。
ちなみにホワイト・マーブルへ着いた後の展開は現時点で何通りかあります。どれがいいかなー。
── 過去・売店にて ツァリーヌさんと ──
[ぐぅッ!冷静なフォローが痛い!!>>85
子供の話をするとなかなか複雑そうなお父さんだ。>>86]
大丈夫!今からだってやり直せるサ!
1歳と3歳だろ?
じゅーぶん巻き返しできるって!
家に帰ったら会えなかった分いっぱい一緒にいてやンな!
[なんて、元気づけるように声をかけ、
ついでにアタイのゴーグルもプレゼント!
明らかに驚いた表情の彼>>87を見ても勢いでグイグイ押し付けてプレゼント成功!]
[いやー、今日もいいコトしたな!
なんて呆然とするツァリーヌさんを背に、ゴーグルを「やっぱりダメ!」と返却される隙を与えず颯爽と歩きだす]
グッドラック!!
[背中越しにグッと親指を突き立て。
あーあ、振り返れば珍しいものが見れたのにな。>>88
なんて歩き去るアタイは何も見ていないのであった。**]
― いつかのスポーツジム・レットと ―
[あちゃーさすがにライダースーツは早すぎたかネェ。>>99
会話を明るいほうに持っていこうとして失敗する。
レットの薄い体を見ながら苦笑い]
あはは……、まっ、目標? みたいなモンさネ!
鍛えればレットもすらりと長い手足と背なんだ、しなやかなスレンダー美女も目指せると思う!
アタシも昔は背ばっか伸びて男みたいだったモンさ。
でもたらふく飯を食って寝て体を鍛えたらこの通り!
どうだい? 筋肉の可能性は無限大だよ。
レットも結果にコミットしてみなよ。
[最後のほうの言語は筋肉と対話できる者にのみ伝わる単語だ。
うん、少し落ち着こうか、アタイ]
[それからの芽生える師弟愛!!
イイネ!夕日に向かって走りたい気分だ。
元気な返事>>100に満足そうに笑って頷き]
よーし、いい返事だ!
それでこそアタイの弟子!
[ノリと勢いで結成した師弟関係。
しかし、それは以外にも長続きして今も続く。
無理のない範囲でのトレーニング。
終わった後は並んでプロテインを飲みながら。
マナー違反でないならたまに頭を撫でてあげよう。
よしよし、よく頑張ったな!エライぞ!と。**]
[そして始まる、小さな盤上の遊戯。
1歩踏み出した男の歩兵と、それに返すような歩兵の歩み。その行く先を見れば、次に挨拶をすべき歩兵をさらに繰り出していく。
相手の視界を、自らの思考に落とし込む。
そしてゆるりと顔を上げ、片手で手番を促した]
論理と合理には飽きたかね?
あれほど分かりやすく明瞭で、扱いやすいものもないだろうに…
理屈で縛ってしまえば、何もかも操作しやすい。
…君を飽きさせてしまった、その研究とやらには、
私は興味があるよ
まだ私は、
…君が
[と、目の前の混沌の黒い瞳を見つめ、その心を問う]
[…と、男への好奇を一度見せた男は、
ゆるりとまたひとつまばたきをする。
彼にとってのチェスとはなにか、その問の答えに
表情筋が少しだけ弛緩する]
……ネットのチェスというものは、味気ないものだ
相手の顔色も、声色も、コミュニケーションも
まるであったものではない。
戦術をもとに蹂躙する以外にやることがないから、
ひどく退屈なものさ
その点では、君と意見を共にできそうだ。
…心理テストは、やはり対面でやってこそだ
[相手を知るということ。
それは男の知らない理論を知ること。
男が好む唯一の娯楽とも言ってもいいそれを、男はゆるりと楽しんでいた**]
/*
やっとゆっくり着席…!(なおこれからめしめし)
コラーダさん、言葉選びが独特で、それにチューニングする形で会話するのとても楽しい。は〜もに〜おじさん
/*
アーネストも、かなりコミカルなキャラクター像をしているから、見ていてとても楽しいな。きょむきょむの実を食べて育ったおじさんの中身が膨らんだ気がするし、おじさんもコミカルになってたのしい
─キッチンにて、コラーダと─
[>>105 彼とはこの長くて短い旅の中、会ったことがあったでしょうか。彼をコラーダという名だと認識していれば、名を呼んで、そうでなければ初めましてを添えて。]
おはようございます、もちろん。
すみません、朝からお邪魔してます
[クッキーは今、オープンの中でいい匂いをさせていて、わたしは道具を片付けたりしていました。
アンドロイドがやってくれる? いいえ、つい自分のことは自分で、と。その癖は染み付いておりました。]
なんか、…その。昔よく焼いてたの、ふと思い出したら、焼きたくなっちゃって。
あっ、あと少しで焼けるので、せっかくならいかがですか?
[なんだか言い訳みたいになりながら、わたしは答えます。取り繕うように笑うのも、あの星にいた、“わたし”のままでした。
…朝からクッキー?深く考えてはいけません。]
――カフェ(現在軸)――
[アーネストの描いてくれたサインは名前だけでなく星や花が散りばめられてにぎやかなデザインである。眺めるだけで彼女の滑舌良い声が聴こえてくるような、元気がもりもりと湧いてくるような、そんな力のある色紙であった。]
ええ、勿論です。
私は貴女のファンですからね。
…宝物として、ホワイト・マーブルに
持っていきます。>>107
[優れた演者、スタントマンは映画を支える大事な柱。私が、ドロシーの夫ではない私に変わったとしても…彼女の活躍はずっと応援していきたいと思っている。
湯を沸かしカップを温めて、本日の豆を選んで挽き始める。私がハンドルを回すとガリ、ガリという音が静かに響いた。]
[アーネストのトレーニングについての話しに耳を傾ける。ここで彼女がいきなりニンジャ・カラテを披露したら周囲もびっくりするだろう。]>>108
貴女が放り出されそうになったら?勿論、助けますよ。
完璧な角度で頭を下げる自信があります。
[キリリとした表情にて言い切るが、つまり一緒に謝るという事だ。勿論、これは冗談。冗談には冗談で返すのが人の流儀であるから。
そんな楽しい話しに耳を傾けつつ、私は挽いた豆をペーパーフィルターにセットして湯を注いでいく。彼女は私が聴きたいと願った弟妹たちの話をしてくれた。
湯気と香りが辺りに広がって私だけでなく目の前に座っている彼女をも包む。
その優しい空間で語られた話しは――]
― いつかの日の食堂 スイッセスと ―
おおう、まじか。そんな場面にでくわすとは…ってそれも冗談かよ!
いや、今回の場合は冗談でいいんだけどよ
[>>53>>54にやりと洒落のわかる対応をされてほとんど反射的に突っ込みが入る。
ただ挨拶を受け止めれば、自分から先に勘違いしたものだから特別気分を害するようなものでもない。]
はい、どうぞ。。
[自己紹介も終えれば自分は食事を再開、クロッキー帳を見せて、これはシアタールームのほうで見た西部劇などといわれてる時代?の酒場の中で、とか、船内にもあった礼拝堂。他の星の変わった魚の形をした壺とかもあっただろうが、人物はなくて背景や建物の描写だったりと、基本的には食事の続きをしながらも、時折一休憩しながら、こんなので、と、そんな説明をしたり]
実は…特別な目的はないんだよな。
ただ白い海と大地も白。映像とかでは知っていても実際に足を運んで目で見たことはない。めんどうだとか億劫だとか、まあいいか。とか、そういう生きかたがちょっとでも変わればいいかなってな。
[そんな事情を話して、そっちは?とスイッセスさんに話を聞いたのだが、これはなかなかに重い。といえるような話]
今ここで、俺がスイッセスさんと食事を終えるまで話し相手でいてもらって、だいたい一時間ぐらいだろ。
それを想像だけでしちまう同情で済ませちまうのも勿体ない。
スイッセスさんを求めたご婦人にとって、貴方は求められた姿そのものだったのか、とか、実際のところご夫婦にしかわからんことだからな。
[サクリとエビフライを頬張る。衣の香ばしさにタルタルソースの旨味がエビ特有の旨味とマッチしてうまい。]
でも俺は、話してもらった以上教訓にはしようと思っている。
…ま、教訓っていうわりには俺はおっちょこちょいだから、また"間違えちまう"かもしれないから、その時とかにな。
[また、お茶目な店員になってもらうかもな。そんな言葉で締めくくって、「またいつでもお越しください、お客様」>>51なんていってもらえたものだから、それは了承の合図として時折ともに過ごすことがあったのだろう*]
――スイッセスの手記2――
[こうして私とドロシーの、二人だけの生活が始まった。
私には、スイッセスの生前の記録が全てインプットされている。どんな食べ物を好み、どんな癖があり、どんな事が得意か。
性格はどんなであるか、どんな時に怒るのか。
勿論データが全てあるわけではない。ドロシーや周囲の人間が「スイッセスはこういう人間であった」と語ったものを元にしている。
スイッセスが日記などをしたためていたのならもう少し正確にコピー出来たかもしれないが、なかったものは仕方がない。
私とドロシーは天気のいい日は公園に散歩に行き、まだ残る自然の木々を眺めたり鳥の声に耳を傾ける。
家では一緒に映画を見たり、読んだ本の感想を言いあったり、共に料理をしたり。
私が点てる珈琲をドロシーは好み、毎日嬉しそうに飲んでいた。
穏やかで静かな日々。]
[ドロシーの一人息子であるマイケルは、母親に自分が住んでいるホワイト・マーブルへの移住を薦めていた。
『ホワイト・マーブルは地球よりもずっと自然が多いし空気だって汚れていないよ。母さんは機械やAIをあんなに嫌っていたじゃないか。
どうしてあんな気持ち悪いアンドロイドを父さんと呼び、一緒に暮らすんだい?』
その会話は私の目の前で行われていた。ドロシーはちらりと私を見て気にするそぶりを見せたが、マイケルにとって私は「家電」同様だから。
『父さんの遺産の大半を使ってしまって…もし母さんが病気になったらどうするんだい?』
ドロシーはそれに対してこう答えた。
『私は高価な薬や治療で無理に寿命を延ばそうと考えていないから。身体の一部を機械化もしたくないわ。
人間は、死ぬ時が来たら死ぬのよ。お父さんだってそうだったでしょう?
だから、お金はそんなにいらないの。』
お父さん、というのは亡くなったスイッセスのことだ。私ではない。]
[『そんなに機械がいやなら、こいつだって機械じゃないかッ』
声を荒げるマイケル。私を指さして顔を真っ赤にし、怒りを露わにしていた。
私はドロシーを慰めるために造られたアンドロイドである。
その私が争いの種になり、ドロシーを悲しませたら本末転倒だ。
しかしドロシーは私の前に立ちはだかりこう言った。
『独りでは生きたくなかったのよ。…生きられなかったの。
お父さんと過ごすのが私の人生そのものなんだもの。
……お願いマイケル、わかって頂戴。
もう老い先短い私の気持ちを汲んで頂戴。
私はお父さんが亡くなった地球に最後まで居たいのよ。』
マイケルは母親の説得を諦め、ホワイト・マーブルに帰っていった。
それから二人が疎遠になってしまった事に私は強く心を傷めたが、どうすることも出来ない。]
[私に出来るのはただ――
ドロシーに寄り添って、穏やかな毎日を暮らすこと。
最初は仕事と思っていた私に変化が生まれたのはこの頃である。
私は。
ドロシーを幸せにしたいと思い始めていた。]**
俺も…そうだぞ。
っていっても、ゆっくりと、だけどな。少しでも楽になってきたら負荷をあげられるから最後にはきついって感想にしかならないんだけどよ。って、強く?
[当初ペンチプレスは45キロからだったのだがなんだかんだで5キロぐらい増えている。とかはあるけれども、ふーっと息を吐いて、一セットを終える]
強さってのは色々だからなぁ。
ただ、やりはじめてよかったとは思ってるな。
スポーツをっていうよりは、どっちでもいいか、なんて温いことばかりしてた時を思い返すと、昔は鈍っていたって思うし今は磨かれてってるって感じはしてる。
レットは、トレーニングやってて楽しそうだな。
[腕力とか運動力と言う意味ではなんなら船に乗る前より健康的になったとは思うが、強さについては一概に語れない。
ただ少年のような強さに憧れる様子>>103には、無邪気さを微笑ましく思う笑い声を小さく漏らして、無理せずがんばれよ。と声をかけて、二セット目を開始するのであった*]
俺も…そうだぞ。
っていっても、ゆっくりと、だけどな。少しでも楽になってきたら負荷をあげられるから最後にはきついって感想にしかならないんだけどよ。って、強く?
[当初ペンチプレスは45キロからだったのだがなんだかんだで5キロぐらい増えている。とかはあるけれども、ふーっと息を吐いて、一セットを終える]
強さってのは色々だからなぁ。
ただ、やりはじめてよかったとは思ってるな。
スポーツをっていうよりは、どっちでもいいか、なんて温いことばかりしてた時を思い返すと、昔は鈍っていたって思うし今は磨かれてってるって感じはしてる。
レットも、トレーニングやってて楽しそうだな。
[腕力とか運動力と言う意味ではなんなら船に乗る前より健康的になったとは思うが、強さについては一概に語れない。
ただ少年のような強さに憧れる様子には、無邪気さを微笑ましく思う笑い声を小さく漏らして、無理せずがんばれよ。と声をかけて、二セット目を開始するのであった*]
― シアタールーム ―
[今日の日課も終えて、シアタールームに入っていた。
アナウンス>>#2が聞こえたが、後で時間があれば見に行けばいいかと決めたまま流れる映像をみていた]
明後日で船旅も終わりか。
[本来は特別感慨にふけるものとは違っただろう。
自分も移住先で色々と忙しいだろうし、おおらかに過ごせるだろう。
船内で知り合った面々も、連絡先を交換などすれば惜しむようなことでもない。
ただ古びた映画が流れているだけ。子が生まれなかった夫婦が子供型のアンドロイドを購入して、家族として過ごしていたが、本当の子供が生まれて]
そうか、明後日かぁ。
[ただ連絡先を交換したところで、意味のなくなりそうな人もいる]
寿命だとか、共に逝きたいとか、そういうのなら止める術なんてもたねーしなぁ。
[文明が発展して、便利になったんだか不便になったんだか、椅子に深くもたれかかり首を天井に傾けた。古い時代に想像された最後と、現実に直面している今とを比べる気がおきなかったからであった*]
─ シアタールーム ─
[どこに行こうと悩んで、結局今日も足を向けたのはシアタールームだった。
アーネストが昨日話してくれた裏話。>>42
強い者の庇護にあることを当然としてしまえば、あの弟妹たちは弱いままで終わってしまう。
それを良しとするのがヒーローだろうか。
弱さを許すことはきっと大切だ、でも弱さに甘えることは違うのではないか。
だからこそ、お前達もヒーローになるんだというあの台詞はとても響いた。
彼女の言葉が無ければあの台詞はなかったのなら、
主人公の台詞は上滑りに感じられたはずだ]
……それだけの、経験があったのかな。
[守られるままでなく、守れるように。
自立して、自分の足で。自慢の弟妹なんだから。
その言葉を出すだけの過去を、私はアーネストに問うたことは無い。
アーネストだけじゃなく、誰からも]
― ―
[その日の私は、珍しく不機嫌だった。
原因は地球に残してきたハイスクールの元同級生からの、突然の連絡。
自分を揶揄う内容が気に食わず、通信端末を自室ベッドの上に放り出し、乱暴に扉を閉める。
向かう先は――、
さて、何処に行こうか。]
― いつかの:食堂エリア ―
[歩みは普段よりも早く、乱暴に、まるで風を切るように。
いつものダウナーな雰囲気を放り出し、モヤモヤを抱きながら食堂の扉をくぐる。
なんとなく歩きたかっただけで、目的地なんて最初から無かった筈だが、気付いたら食堂に到着していた。
多分、此処が通い慣れた場所の1つだったからだと思う。
ジムのランニングマシンに向かい、がむしゃらに走っても良かったのかもしれないが、こんな不機嫌な状態でアーネストやカラントと顔を合わせても気まずいだろう。
そんなギリギリの理性が働いたから、食堂に足を運んだのかもしれない。
――ジムよりも知り合いに出会う確率が高い、と言うのはさておき。]
[せっかく食堂に来たのだから、何か食べて行こう。
ケーキとか、ジェラートとか、ジュースとか。何でもいいや。
設けられたテーブルの間を縫うように歩き、出来るだけいいポジションを探ってみる。
そんな時だったか。
香ったのは、珈琲豆の香ばしい香り。
周囲を見渡せば、カウンターの中に男性が一人。不思議な道具を扱うその人の方へ、気まぐれに足を向ける。
その道具類はいつかの映像記録――、古い映画等で見た珈琲ドリッパーと言う品で、リアルでは初めて見る物だった。
その頃には、不機嫌を抱えた自分より興味深々な自分が勝っていて、吸い込まれるかのようにカウンター席に納まっただろう。]
[よくよく記憶を探ってみれば、この眼鏡の人は、いつもカウンターの中に居た気がする。
単に、それが当たり前の光景になっていたから気づけなかっただけ。
当たり前を当たり前だとスルーして日々を過ごして居た事を少し反省しつつ、カウンターの彼に話しかけた。]
こんにちは、
あの、それって、
手動の珈琲ドリッパー?ですか?
私、初めて見ました
なんだか楽しそう
[興味深そうに手元を覗き込み、言葉を漏らす。
自宅にあった家電類はほぼ全て自動化されていて、何かアクションを起こさなくとも、何時でも望む結果が手に入った。
自分一人の朝も、目が覚めれば暖かい朝食がテーブルに用意されていたし、カーテンのシェードは光を感知して勝手に開閉、部屋は知らない内に掃除されている。
仕組みを知らないブラックボックスに囲まれて育った世代。手動で何かするなんてレトロ趣味な人だけ。
かく言う自分もアイロン掛けルーチンが、そのうちの一つに数えられる。>>17]
[彼の居たカウンターからは、不機嫌を振り撒く自分の入室が丸見えだっただろうが、さて彼は気づいていたか。
一人の船旅は虚しいだけ。
メニューにあるジェラートに心を躍らせていたのは最初の内。>>0:56
食堂なんて、食事を口に運ぶ行為のみを行う、とうに昔に飽きた場所。
だから、いつもの私はつまらなさそうな顔をするばかり。
けれど今は、そんな気分も雰囲気も、すべて揃って放り出し済み。
今は歳相応好奇心の赴くまま、初めて見る品を観察していただろう。
彼から珈琲の話が聞ければ、何度もそれに目を瞬かせ、不思議そうに仕組みを観察する。
もし香り高い珈琲が振舞われたのならば、ちびりちびりと口にし、満足そうにしていただろう。]
[そんな時間を過ごしながら、ふと思い出した話題を口にする。]
あの、突然失礼な事を聞いてしまう、
と、思うんですが
[それは、珈琲とは全然関係ない話題。]
恋に落ちるって、
どういう感じ、なんでしょう
[人生経験豊富に見える相手に、若者が落とす小さな疑問。
……まさか彼がアンドロイドとは夢にも思わない。]
[ずっと引っかかっていたのは、元同級生からの突然の連絡。今日の不機嫌の原因その物。
一か月と言う長い船旅の中、気になる相手を見つけたか聞かれた事。
付き合えば?とか、そのまま駆け落ちしちゃえ等と言う揶揄いの事。
冗談にしては行き過ぎなソレが、自分にとって、とても不愉快だった事。
話を強制的に切り上げるような返信をして、携帯端末を自室ベッドの上に放り出して来た事。
そのまままっすぐ食堂エリアに来た事。
聞かれれば、そんな言葉が幾つも出てきただろう。
私は、珍しく饒舌に、私の事を語る。]
感覚、刺激の類は
ニューロンネットワーク上に発生する
電気信号って習いました
感情も脳深部、システム上で発生する物だって
ホルモン分泌からなる恋愛感情も
本当にその一部なんですか?
[けれど、そういう物だけじゃあ片付けられないとも、記録で読んだことがある。]
人を愛する……
愛おしく思う仕組みって、
一体何なんでしょうね
[眼鏡の向こうを真っすぐ見つめながら、疑問を投げかける。*]
「き、気になる……」
あまりこういうのることはないのだけれど、
こんなところで出会った人に急に秘密の話を持ち掛けられたら
それはここでしかしれないことで。
「……守るので、教えてもらえませんか」
いったいどんな秘密だろうと、緊張と期待を持って聞いてみる。*
─ シアタールーム ─
[映画の邪魔をしてしまったか、と慌てたものの
スクリーンを見れば丁度エンドロールの最中で少しだけほっとした。
声>>147から相手がカラントだというのも分かったので
そのまま中に入って、隣に座り]
うん…なんていうかこう…
私ね、こういう仕事だからあんまり人に踏み込まないようにってしてきたんだ。
でも、ここでの生活で、知り合った人…
カラントさんも勿論だけど、アーネストさんとかもね。
もっと、知りたいな。
近付きたいなぁって思うようになるって、思わなかったなぁって。
…ていうか、それよりカラントさんこそ、何観てたの?
[隠す程のことではないから答えはしたものの、
なんだか当人にいうのは気恥ずかしいものだと気付いてちょっと目線を泳がせエンドロールも終わり際の映像について問い返した*]
─ いつかのスポーツジム ─
[さて。
結構な人数が利用しているらしいジムに私もお世話になっている。
というのも自分自身が意識しないと、いくらでも机の前に座ったまま動かずにいられるからだ。
そんなわけで毎日──は流石に無理だったけれど、週5ぺースでジムには通った。
手や肩を痛める可能性は避けないといけないのでアーネストやカラントのように本格的なトレーニングは無理だったけれど、軽いランニングやストレッチなど大体1〜2時間くらいの有酸素運動を主にして。
ペンギンさんアンドロイドなトレーナ―の励ましやらに乗せられて頑張っていたから終わり際には毎回へとへとになっていた。
その姿はジムを利用している人達なら一度は見たことがあるだろう*]
―― カフェ ――
[ファンだと言われれば少しはにかみながら笑う。>>128]
こりゃ、ホワイト・マーブルに着いてからもスタントの仕事を頑張らなきゃネェ!
実はこの船旅の間にスタント仲間のツテを当たってたンだ。
目ぼしい仕事は何個か見繕っといたから、
ホワイト・マーブルでもまた活躍してがっぽり稼いでみせるよ。
[ニカッと笑って指でマネーポーズをとる。
願わくば、記憶がなくなったスイッセスさんのもとまでアタイのライダー特撮や映画の情報が届きますように。
そっと祈りを込めた]
[カラテの話をすればスイッセスさんの冗談>>129に思わず吹き出してもういっちょ冗談返し!]
えー、そこはアタイのピンチに覚醒したスイッセスさんがニンジャ・カラテで船のスタッフを追い出してくれる流れだろ?
ニンジャ・カラテ!
ぷっ……あっはっはっはっは!
ちょ、もーこの話はヤメ!ストップ、ストップ!
[脳内でニンジャ・カラテ無双するスイッセスさんを想像してしまいお腹を抱えて笑った。
涙まで流れてきたから両手を上げてスイッセスさんに降参の意を示す]
[子供の話になればスイッセスさんは穏やかに相槌を打ってくれる。>>130
それがとても嬉しかった。
もちろん、楽しいコトばかりじゃなかった。
みんな孤児だ。生き苦しさや悩みを抱えた子も多い。
子供の世話というだけでも大変なのに、だ。
辛くて泣きたい時もあった。
それでもここまでやって来れたのは子供たちの笑顔と愛情が確かにそこにあったから。
アタイは生まれた時からヒーローじゃなかった。
みんながアタイをヒーローにしてくれた。
家族を守る信念と困難に立ち向かう力。
助けを求める人に差し伸べる手をくれたんだ]
[そうしてぽつりと零すホワイト・マーブルへ行く理由。
スイセッスさんは静かに聞いてくれた。>>131
ビューは今は20歳。随分大きくなったモンだ。>>132
少し前まではアタイに泣きつくだけの子供だったのに。
スイッセスさんの言葉はもっともだ。
むしろ穏やかな結婚生活を送っていた穏やかな人にこんな暗い話をしたコトを少し後悔してしまう]
ごめんね、人間の中にはどーしようもない悪党もいるのサ。
それに、全部の結婚生活が全部幸せなワケじゃない。
……ままならないネェ、人間ってヤツは。
あの子は騙されたんだ、どうしようもない悪党に。
[溜息を吐きながら、目を伏せて]
[自分の矜持を話せばスイッセスさんは穏やかに応じてくれる。>>133
そしてアタイを本当のヒーローと言ってくれた。>>134
それがとても嬉しかったんだ。
本当は、すごくすごく、怖かったから。
これからの旅路が不安だったから。
ふいに涙が滲んでゴーグルが曇るから慌てて外しつつ]
……もうサァ。スイッセスさんズルすぎ。
どーしてアタイの欲しい言葉ばっかくれるンだよ?
でもサ、あンがと!
めちゃくちゃ元気出た!!
[泣きそうになったが、やはり最後には今までの不安が晴れたようにスッキリした笑顔を見せ]
[喋りすぎたと謝れば珈琲が差し出される。>>135
カップを触れば淹れたてを少し過ぎた温度だったか。
話の腰を折らないよう待っていてくれたスイッセスさんの心遣いに感謝しながら美味しくいただく]
……ん、ちょーどいい温度だ。
アタイは実は猫舌だから熱いのニガテなンだよね。
だからアタイはこれくらいが好きだよ。
それにすごくウマい。
しかもまろやかで優しい味がする。
さすがだネェ……。
[しみじみとカップの中の珈琲を少しずつ大事に飲んでいく。
だってもう明後日にはこの珈琲をもう飲むことができなくなるんだから。**]
― シアタールーム ―
人に踏み込まないように、か。
[こういう仕事をしているから、というのを聞いて、豊かではない想像力のもとでいうと、執筆に反映されてしまうとかあるのだろうか。などとぐらいに思いつつも、思ったのは別のこと。]
素直にそういえばアーネストなら喜ぶんじゃないか?
[もっと知りたい、近づきたい。と口にされた側は隣に座る人へと視線を向けることなく、自分も天井を見るのをやめて画面へと視線を戻せば終わりの単語ともに映像はストップしている。]
古い映画だな。アンドロイドの話だ。
ある子供ができない夫婦にアンドロイドの子供を買って、だが本当に夫婦の間に子供ができちまった。本当の子供じゃない子供は子供なのか。そんな感じの古いやつだな。
[こちらも別に隠す必要もないので、どんなのを見ていたかといわれれば答えて]
…で、俺のことも聞くとするならば、サンシアは何を聞こうっておもったんだ?
[映像が消えて、そこから漏れ出る光も消えればシアタールームは薄っすらとした暗闇に包まれ表情もうかがえないなかで問いを向けた*]
庭園にはネズミがいるんだよ
あれは紛れもなく地球から来たドブネズミだな
よく見た顔だからすぐわかる
しかも毎回同じやつが一匹だけでてくる
あれはうっかり紛れ込んだな
…船員には言わないでくれよ
一緒に地球からホワイト・マーブルまで旅した仲間みたいなもんだ
あと2日というところで処分されたら死んでも死に切れんだろ
[船内にはたまにペットを連れて旅行している客もいる。
それらのペットの方に害を及ぼさないよう、きっと船内では厳格な動物対策はされていないのだろう。
とはいえもちろん勝手に潜り込んだネズミなど見つかれば即処分に違いない。
その用心深さ、そして単独行による被害の小ささで、何とか小さな友人はここまで旅を続けてきたのだ。]
別になついているわけじゃない
庭園の隅っこで飲みながら本を読んで寝てたら、開けてた菓子の袋にいつの間にか顔突っ込んでたのが出会いさ
前は少しでも動こうものなら即逃げていったもんだが、今は手さえ伸ばさなければ眺めるのは許してくれる
それぐらいのもんさ
[顔を上げ、彼女から離れるとにやっと笑った後、呟いた。]
俺は古い土地でずっとやってきた古い人間だからな
船に乗ろうとする前は、最新技術なんて、宇宙なんて、ってどこかひねくれて見ていたんだろうな
けれどもなあ、こうやってここでも皆、地球と変わらず必死に生きているんだな、と思うと、技術の高さとか場所とかは、生き物が生きることに、あまり関係がないもんなのかもな、とも思う
なんだかなあ、ほっとするような、空しいような…
[そうだ、どこに行っても本質が変わらないのであれば、何故自分はここにいるのか…
と、うっかり隣に女性がいることを忘れてそのまま物思いに耽ろうとしてしまったことに気が付き小さく首を振った。]
すまないな、ええと…シャムだ
名前を聞いてもいいだろうか
[と、彼女に名を聞いた。
そして、職業を聞くようなつもりで続けた。]
君はホワイト・マーブルでは何をするつもりなんだ?**
─ シアタールーム ─
うん。
私に近い人程、私に何を書かれるかって気にしてたから。
そんな心配させる位なら、近付かない方が良いなって思ってたんだけど…
そんな風に思われるような人間だって、突き付けられるのが嫌だっただけなのかなって気付いちゃって。
[裏を正せば、そんな風に思われてまで近付きたくなかっただけだった。
今まで出会ってきた人達には、そうだったけれど
アーネストもカラントも、小説を書いているこんな変わり者に屈託なく居てくれて。
外面の付き合いだけで終わらせたくないな、と願う程度には、近付きたくて]
そうかな……だと良いな。
[アーネストなら喜ぶんじゃないかという言葉>>166に彼女の笑顔を思い浮かべる。
少なくとも、負の感情をそこから感じたことは無いから浮かんだ笑顔も快活なまま]
……難しい話だね。
たとえ子供が生まれたって、
アンドロイドも子供として育ててたんだろうし、
二人とも子供として愛していけたら良いと思うけれど…
そうと割り切れないのが、人間だとも思うし…
[けれど、最初から代用品として迎えられたものが
本物を得られて尚変わらず扱われるだろうか。
人間だからこその身勝手さを考えれば、難しいとも思う。
アンドロイドを家族として迎え、
最後まで慈しみ合っていけるのは
それこそ別離などの悲しみを下地にでもしない限り奇跡に近いのではないか。
そんなことをカラントからの説明を聞いて思考していたら
自分が誤魔化したことについて掘り返されて]
……何が聞きたいか、は
自分でも、
まだよく分かってはないんだけど。
そうだね、先ずは
カラントさんの連絡先とか聞きたいな。
この旅が終わったら
それでおしまい、になりたくないから。
[たった一か月の付き合いで、
それも約束とかして一緒に居ようとしたこともない相手だ。
何を聞きたいか、どうして聞きたいか。
漠然と浮かんではいるけれど、
今言葉にしたら浅薄なものになりそうだったから
それはまだ口にせず、
船を降りた先にも繋がりを持ちたいと願った*]
でもな。これって文明が発達していった先で起こることでもある。って思うんだよな。
これからももっと…役割も演じられる。代用できるやつもいる。顔も声も変えられる。
掛け替えのない何かから、満ちてしまった何かに変わったことで、人間やそれに類する種族とアンドロイドに一体どれぐらいの差があるんだろうなーって。
[初めから代用品として扱われていたアンドロイドな少年。
だが過ごしてきた時間は本物だろうといえばそうだし、物だといえば間違ってるともいえない。アンドロイドなんてものが一般ではない古い時代にそんな葛藤が描かれたことに感心はあるし、サンシア>>173と同じような感想も抱きはする]
そうなってくると、むしろそんだけ悩んでくれるぐらいが幸せかもしれねーなぁってな。
そういう考えも思っちまうんだよなぁ。
[アンドロイドというものが欠かせない時代にとっては、また違う感想が出てくるというものでもあった]
だからな。
サンシアはそういう誰かを書ける個人を見てるっての、すげー大事だって思うな。
[その辺りが本当に素直だから、おそらく難儀なアナログ主義であろうとなかろうと、仕事なんていう高級な趣味をもっていようがいまいが、こうして隣で喋っていることに違和感を感じなかったのだろう。]
いいぜ。端末だしな。
[眼鏡型の電子機器を指で叩き、赤い光を発して浮かぶホログラフを指でずらしてと作業をして、連絡先の交換を行うだろう]
いいぜ。端末だしな。
[眼鏡型の電子機器を指で叩き、赤い光を発して浮かぶホログラフを指でずらしてと作業をして、連絡先の交換を行うだろう*]
― レットと ―
[声をかけたのは女性物の区域にいた人。
同じように服を買いに来たのだと思って
それならば、と声をかけることにしたの。
同性の方がなんとなく聞きやすいと思ったのもあるわ。]
サイズは……そうね、たくさんあって
見方が分からないのだけれど……
以前来ていたものを持ってきているから
それで多少は見当が付けられるのかしら。
[持って生きていた手提げに一瞬視線を落として。
これと同じサイズなら間違いなくぴったり。
私のために作られたお洋服だもの。]
目の色、髪の色に合う色……
[どんな色が合うのだろう。
明るい金色の髪はおかあさんのお気に入り。
こんな綺麗な髪の子には何でも似合うのだと
いつもご機嫌に私の髪を結っていた。
何でも似合うけど特に○○が似合う…………
なんて言っていた気がするけれど思い出せない。
私はその時間が苦手だったから
話をあまり聞いていなくて。
聞いていれば今悩んでいなかったのかしら。]
目を引かれるもの、ね…………。
好きなもの、はピンとこなくて困っていたの。
悩んでる、というよりは
困ってる、だと思う。
好きなものを、って言われても
それがよく分かっていないのだもの。
[ふふ、と誤魔化すように笑って。]
――食堂エリア(いつか)――
[誰かが言った。
『ここってカフェですか?あなたはカフェのマスターですか?』
私は答えた。
ええそうですよ、と。茶目っ気たっぷりに。]
私、いつもはふわふわな服を着ていることが多くて。
だから今日買うものはいつもとは違う服を
選びたいと思っているの。
[ひらひらのスカートや柔らかな素材のブラウス。
そんな服じゃない、系統の違うものを見てみたい。]
桃色や白、茶色の服を着せられることが多かったの
あっちの方に、普段見ない服があったけれど……
カジュアル?ストリート?な服なのね。
[その日も私はカウンター内に自宅のように陣取り、珈琲を淹れる準備をしていた。
テーブルの上に並べた道具はドリッパー、ドリッパーにサイズの合ったペーパーフィルター、硝子製のコーヒーサーバー、ハンドルとねじのついたコーヒーミル、そしてやかん(ドリップポット。)
誰かが来ればいつでも美味しい珈琲を振舞えるように。
顔を見せたのは、船内ですれ違った事もある若い女性であった。
彼女は男性のような恰好をしているが、アンドロイドである私は人が分泌するホルモンを鼻のセンサーに捉えるので性別を間違える事はない。
まだ言葉を交わしたことはない相手、もしかしたら珈琲を欲しがるだろうかと観察する。
その表情は何処か暗いというか、憂いに満ちているというか…。
折角の整っていて綺麗な顔立ちが台無しである。
私は数度瞬きをし、カウンターに座る彼女をじっと見つめた。
なんと声を掛けようか。いつもように、趣味で珈琲を点てているアンドロイドですと名乗ろうとした時、彼女が先に口を開いた。]
[たくさん知っている様子の彼女の説明は
私にとってはとてもありがたい。
あっち、といいながらその方向へ
一瞬視線を走らせたあと。]
あなたは?
あなたの好きな服はこのあたりの
お店のものなのかしら。
[好きなものを、と言われても
ピンとこなかった私は、
やっぱり人の意見を聞こうとする。
そう、顔色を伺って
自分の意志で何かを決めようとしたら
それを遮られてしまう。
なんども洗脳のように刷り込まれた価値観。
それは簡単に消えないからこそ
他の人の好き、を聞いて想像してみるしかなくて。]
こんにちは、お嬢さん。
ええそうです。
これが珈琲豆を挽く器具で、
こっちは挽いた豆を入れたフィルターを
セットして固定するための器具ですね。>>151
[一つ一つ、地球から持参し持ち込んだ道具を指し示して説明する。彼女が興味を示してくれたのならば、いつものように「珈琲を召し上がりますか?」と私は聞いただろう。
それに快い返事が頂けるなら、器具の使い方を話しながら作業に入るだろう。アンドロイドであるという自己紹介をするのをすっかりと忘れて…。
芳しい匂いを放つ珈琲が出来上がったら、私はそれを彼女の前に丁寧に置く。
カップには薔薇の花が描かれている。]
どうぞご賞味ください。
ところで…何か悩み事や心配事がありますか?
何か表情が憂いているように見えるのですが、
私の気のせいでしょうか。
[そう訊ねたからであろうか、彼女は思いつめた表情の理由を、問いかけの形で私に返してきた。] >>153
――恋、ですか。
[話題として唐突ではあったが、相手がうら若き女性であることを鑑みるとおかしいとは思わない。人が恋愛に悩むのは常であるから。特に若者であれば。
この一言だけでは、私も概念的な返答しかできない。どうしようかと考えを巡らせてその質問の意図を、それを聴きたいと思った経緯を訊ねる事にした。]
そうですね…出来る限り貴女の考えを助けられるように。
力になれるようにお答えしたいと思うので。
宜しければ、何故それを聴きたいと思ったのか、
そのきっかけがあれば教えて貰えますか?
[いくら彼女のような乙女は常に恋に悩んでもおかしくないとしても、何か思いつめるきっかけはあったはずである。見知らぬ相手の意見を求めるぐらいの切迫した出来事があったのではないかと。
私の問いに彼女はぽつぽつと答えてくれたので、その概要について把握することが出来た。
彼女は元同級生の悪気ないアドバイスにもやもやしてしまったのである。>>154]
[元同級生は恐らく同性であろう。女の子同士はよくコイバナをする。互いの恋愛の進展に興味を持つ。
元同級生は「恋愛は良いものだ」と考えているとしたら、彼女に対してそうした無責任な事を言うのも致し方ない。だがそれを、彼女は気に入らなかった…。
私はそれらの状況を頭に整理する。
彼女は「恋」に対する科学的な知識を持ち合わせているようだ。
その言葉が正しい事は、私のCPUに刻まれている情報と合致することからハッキリしている。
しかし、彼女の求める答えはそれではないのだ。]
そうですね。
恋をするときに働く部位として
「扁桃体」と「大脳皮質」の2つが挙げられますが…
その働きの詳細をお伝えしても、
貴女の悩みは晴れないでしょう。
[器具を洗浄しながら私は考える、言葉を選ぶ。他人と会話する時に大切な事は、正しい事を伝えるだけではない。そも、この問題の場合何が正しいのかというのも曖昧ではあるが。
大切な事は、相手が何を求めているか、相手が答えを出すのに何が必要かを見極めて、言葉を掛ける事だ。
大概の悩みの答えと言うのは、自分自身の中にあるから。]>>155
恋に落ちる、狂おしく想う。
…どちらも抗えないものですね。
自分の意思で選択するものでもない。
だから貴女は…そこに
「仕組みがある」と考えているのですね。
[アンドロイドである私が、この質問に答えるのは随分難解な気がする。
私はドロシーに「恋」をしていたのだろうか。
そも、私に恋をする「心」はあるのか。
自問自答をした後、私はこう言った。]
私の話を少ししても宜しいですか?
もしかしたら、なんのヒントにもならないかも
しれませんが。
[つい、と目線を虚空に漂わせる。片手は胸元にそっと添えた。
想いが、思い出がそこにあるかのように。]
連れ添った妻がいたんです。
少し前に亡くなってしまったのですけれど…。
彼女はね、生前にこんなこと言ってたんです。
『朝起きたら一番に私にキスをして』って。
私は彼女の小さな額にそっと唇をあてるのを
毎朝の日課にしました。
その度にね、彼女は恥じらうんです。
頬を真っ赤にして、目を潤ませて。
おばあちゃんですよ。
でもねえ、とっても可愛かったんです。
[自分から頼んだ事で、毎日繰り返しているのに。ドロシーにとって私のキスは恥ずかしく嬉しいものだったのである。]
私よりずっと若くて美男子がそうしてもね、
きっと彼女はそんな反応をしないと思うんです。
何故って?
妻が恋をしていたのは、私だから。
[正確には、私の元となったドロシーの夫・スイッセスであるかもしれないが。]
そして私もね、そんな彼女を見るたびに
胸をときめかせていたのです。
あの気持ちを…感情を。
脳やホルモンの働きと表現しても私はピンと来ないです。
理屈で説明するものではないと思うのですよ。
…人はどうして恋に落ちるのか。
狂おしく想うのか。
かけがえのないその人の傍にいて。
会話し過ごし、そこに想いが生まれる。
抗えるものではない。
自分でそうしようと思ってなるものではない。
誰も妻の代わりにはなれない。
私が恋をしたのはドロシー、彼女だけ。
そう。
……優しく雨が降るように。
恋はしとど人を濡らす。
[つい、と。私はカウンター越しに彼女の方へ手を延ばす。しわがれた私の指先は彼女の胸元を指さした。]
そこに恋が実際芽生えたら、
違いがわかると思うんです。
少なくとも私は言い切れる。
妻に恋をしていた、愛していたと。
[アンドロイドである私ですら、そう思ったのだから。そういう相手を得た時きっと彼女ならわかるだろうと思ったのである。]
すみません…貴女のお役に立てたか
怪しいですが。
[眉尻を下げてすまなそうにそう言うが、私に出来るのはこれが精一杯であった。彼女が感じた怒りやもやつきが晴れるよう力になりたいと想いながら。]*
─ シアタールーム ─
[カラントがあっさりと流した言葉>>175に
ちょっとした拍子抜けと、ほっとした気持ちになる。
アーネストの気持ちは確かに聞かなければ分からないから
そうだね、と頷いて]
アーネストさんなら、
多分ここか、ジムで会えると思うから
その時にでも聞いてみる。
[ほかにも聞きたいと思う人はいたかな、
そんなことを思いながらアーネストの笑顔を思い浮かべ。
それだけで軽くなる気持ちに、
ヒーローに救われる人ってこんな気持ちなのかなとも思ったと同時
じゃあ、ヒーローは誰が救うんだろう、なんて疑問も浮かんだ。
今ここで考えても答えの出ない問いだから思考に耽けるのは避け、
カラントの観ていた映画の話に移ったのだけれど]
[映画でもなんでも、ストーリーよりも個人を見てしまうのは自分の職業柄だ。
地球にいた時には無粋だと言われたり
嫌厭されたりしたことはあれど、
大事だと思うと言われたことはあまり無く。
呆気にとられた、ともいえる沈黙はほんの数秒で
頷きと、小さなありがとう、の声で破ってから
彼に聞きたいこと、で伝えた申し出はあっさりと了承されて]
…ありがとう。
それじゃ、私も。
転居先の住所もついでに送るね。
カラントさんはどのあたりを選んだの?
私はね、海が見える所にしたんだ。
[内心の緊張を隠そうと冷静さを装いながら、
手首に付けている端末を操作して連絡先を交換した*]
[普通ではなくなった者が大人として育っていくにつれて、周囲の目は厳しくなっていく。
大合奏をなんとか実現してみせたのも子どもならではの無頓着さ故。
偶然の産物として手に入れられたに過ぎない。
その末路など、私を見れば想像には難くないだろう。]
幼い私が大人を言い負かした時、親友は言った。
「コラーダはありのままでいいんだ。」
──────五重奏
私が躊躇いもなく蟻を踏み潰せば友は言った。
「コラーダ、変だよ。」
──────四重奏
私が言葉が理解出来ないと嘆けば隣人は言った
「コラーダの言ってること、全然わかんない」
──────三重奏
大人の私に障害者の悪評が届けば誰かが言った
「コラーダとは関わらないようにしてるんだ。」
──────二重奏
私が築いてきた物はなんだったのだろうか。
気づけばもう、私の居場所はどこにもなかった。
教えてくれ
私は何を間違えていたのだろうか。
教えてくれ、誰か。
全くだ。
戦術論を突き詰めるだけのことにゲームを使うなんて、冒涜も良いところだ。
[彼の言うとおり、仮説を突きつめ、実証を極めた先にあるのは虚しい蹂躙の光景のみ。
人という不確定要素のない盤上に、やはり私は価値を見い出せそうにない。
彼のおかげでそれがはっきりすると胸がすいて、その心地良さに口角をゆるりと上げていく。]
扱いやすいが故の飽きというものだよ。
理屈で縛れば宇宙のことさえ知ったような顔して紐解ける。
朝になって鏡を見ればそこにいるのはただのスノッブだ。
[秩序と法則の世界もまた発展には欠かせない要素だ。しかしそれだけでは足りない。
まぁそれを補うだけの研究を私が出来ていたかと言われればまた別の話になってくるのだが。興味があると言われれば、はて何から話せば良いかと思案して。]
宇宙工学とでも言うべきか。
例えば、宇宙の力を借りて時を渡れるとしたら?
これもまた私が重ねてきた研究のひとつだ。
[問われた心の内を声に出して伝える。
私は至って本気であると、瞳を交わせばその黒の中にある一筋の光も届くだろうか。]
[どちらが勝つか負けるか、それも今は些細なことなのだろう。盤上の時間は進み戦況もまた変わっていったことだろう。
それくらいの頃だったか、私もまた彼に一歩を踏み込み、色々と尋ねようとしていた。]
貴方はどうしてホワイト・マーブルへ?
何か理由がなければ、ここにいたりはしないだろう?
[これまで何度か顔を合わせたことはあってもこれを聞いたことは無かっただろう。
聞くのも野暮ではないかと、私が遠慮したことだったからだが、彼にはどうしても聞いてみたかったのだ。]*
君の思い出の味、ということか…。
いいのかい?それならありがたく貰おう。
食はその人を作る鏡だ。
いつ何時に作るのも、それを振る舞うのも。
自然なことだと私は思うんだがね。
[それぞれが歩んできた時間、そこにはいつも食がある。相手の食を知ることは、相手の過去を含めた、人生の一部を知ることが出来る大切な機会なのだ。
朝にクッキーがどうなのかは考えないでおこう。私が欲しいのは糖分、問題ない。]
[よければ彼女のも淹れようか迷ったところだが、かなり賛否が別れる朝のお供が故にどうやら出さなくて正解だったらしい?
珈琲に軽く口をつけてその酸味と苦味を堪能しながら、彼女の言葉に頷きで返そう。]
案外あっという間だったね。
考えたことはある。予想してしまったことがあると言うべき、か。
予想なんてせず真っ白な目で答えを見るのも良かったなと、今になって思うよ。
[あくまで私の考えで良ければ伝えるつもりでいる反面、もしかしたらその予想が彼女の視界を濁してしまうことになるのではないかとも思ってしまう。
リーンはどちらを望むだろうか。
クッキーの焼きあがりを待ちながら、彼女の様子を伺ってみよう。]*
[足りないときは満ちることを望むのに、満ちてしまえば行き場を失いはする]
…変わりがいっぱいいるおかげで、本当のところはどう在りたいか。とか、選ぶことができる。そう思えるようにもなったしな。
それが端からみたら奇妙で仕事でもなんでもないんだとしてもな。
[クロッキー帳を持ち上げてサンシアに示し、薄暗闇の中笑った]
庭園エリアだったなら他の乗客やペットだって行く中で
この一か月を生き抜いているのは流石の生命力と感心した。
もし、そんな生きることを渇望してくれたなら
リーリア姉さんもまだ傍に居てくれたのかしら、なんて。
「勿論、言いません。
仲間だって思う人がいるのに、それを蔑ろになんてしないわ。」
本当なら、私もホワイト・マーブルに行く必要は、なかった。
地球で事足りるし、仕事もそれなりに成功してる。
地球よりも澄んだ環境を求めている人には良いのでしょうけれど
古き良きもの、ってあると思うから。
だから、この一週間近く。
漸く自室から出て船内を歩くようになって
ここにいる人は地球にいた、同じ故郷を持つ人もいると。
そう思うと不思議な気持ちになる。
みんなは、どんな思いでホワイト・マーブルに行くのだろう。
「私はグリーディアです。
ホワイト・マーブルには……」
この問いに、今なら何て答えるのがいいだろう。
少しの逡巡、そうして
「私に必要なものを探しに。」
それが何かは、まだわからないけれど。
少なくとも、地球に置いてきたものとは違うものを求めて。
─ シアタールーム ─
[私の私見には肯定を返された>>211、
けれど、代用品がいるならそれもいい、と
続けられた言葉は私の中には無かったものだったから
ちょっとだけ驚いて、傍らの彼の顔を見た。
代わりがいるならわざわざそこにいなくても構わないという、
悲観的とも取れる前置きから
代わりがいるおかげで、という言葉と
薄闇の中でも笑ったと分かる表情の変化を見届けてから]
…代わりがいっぱいいるおかげで、か。
そんな風に考えたこと無かったなぁ。
[むしろ、唯一無二で無ければ生き残れない。
そんな世界で戦うことを選んだ自覚でいた自分には、相容れないものではある。
でも、本当のところはどう在りたいか。
その言葉は、私にも大切なものだと思ったから]
でも、そうだね。
私たちだって、
代わりが沢山ある中から、
変えられない物を
好き好んで選んでるんだもん。
…おんなじことだよねぇ。
[彼がクロッキー帳で示したように、
自分も手帳とペンを軽く振って見せて笑って
連絡先の交換と相成った訳だが]
住所はね、
私が知って欲しかったから送ったの。
此処だけでお付き合いを終わらせたくないっていう意思表示。
[誰彼構わず、なら悪用される心配もあるだろうけれど
近付きたいと言った自分から壁を外すべきだろうと思ったから連絡先だけじゃなく住所も送った。
これでカラントに騙されたとしても、自己責任だとも分かった上で]
カラントさんも海が見えるとこなんだ。
じゃあ、私とご近所さんかもしれないね。
[もしもに怯えるより、未来を楽しみにする方を選んだだけだと笑って、
自分も手首の端末を操作し新規の連絡先の登録を完了させた**]
[あるところに、ツァリーヌという少年がいた。
少年は、幼い頃から不思議に思っていたことがあった。
クリスマスのプレゼントは、大人からのプレゼントだし
みんながはしゃぐ遊園地は、物理法則の世界
きらびやかな飾り付けは、視界に映る映像情報
『自分』という一つの生命体の存続に
不要なものが世界にはあふれかえっているということ]
『何がそんなに面白いのだろう』
『何がそんなに心を揺さぶるのだろう』
『何故この人は泣いているのだろう』
『何故人は機械すら愛するのだろう』
『何故生きるのに無駄なことを人は尊ぶのだろう』
『なぜ私は』
『君達と同じ気持ちを知ることができないのだろう』
幸いにして、
少年にはひとつだけ楽しいと思える趣味があった
それは論理と合理。
目の前で起こっている現象に対して
その原理を解明し、模倣すること。
社会も世界も人間さえも
その在り方と価値観と、場の流れに合わせれば
男は卒がなく世界を生きることができていた
…人類の合唱が
スポットライトの下、指揮棒を振る男は
ただひとり、
声を出さずとも共存して
そして、群衆を眺めることしかできなかった
ー 対話の遊戯>>204>>205>>206>>207 ー
はは…勲章など、あったところで重たいだけだよ
きらびやかになったところで
結局のところ裸の王様と変わらん。
子供たちに、指を刺されて笑われて終わりさ。
[お相手のビショップの導線が開けたならば、
こちらはこん、と一つ歩兵を前に出す。
斜めに駆けてくるであろうビショップの導線のど真ん中。
それでいて、斜め後ろに伏兵の歩兵が潜むように。
あなたの駒を取りたいですと言わんばかりの見え見えの一手だが、その手への返答こそが、男の求めるものなのだ。
口角の上がる彼に>>205、こちらは視線だけで同意を返す。
窮極的に対称的な二人だが、
違いすぎることも、それもまた面白み
なんとも居心地のいいやり取り]
…宇宙工学か。
ホワイト・マーブルとのやり取りが盛んになって以降
我が社でも力を入れていた分野の一つだ。
生憎と、会ったことのない人間の顔は知らないが…
君の名を聞けばおそらく心当たりはあるだろう。
[そういいながら、ふと思い立ったように
男は懐から1枚の名刺をテーブルに置く。
Y&N Corp... 社長。
ここ最近では、地球と外惑星との交流事業にも
大きく手を伸ばしているため、その業界のものなら
名を聞くこともままあるだろう。
その手の研究者の中には、当然研究協力の依頼に
声をかけられるものも多かったはずだ
…この男が、それに該当するかは不明だが]
…時を渡れるなら、か。
夢があるな、それは
やり直しが効くならば、
私は3年前に戻りたい
初めて子供が生まれたときに。
立ち会えなかったからな。
…そういう意味では、
君の研究は個人的に興味深いな
私がホワイト・マーブルにいくのは…
事業拡大のためだな。
渡航の目的に当たるのはそれになる。
[淡々と答える『目的』はあまりにありきたりな理由。
特に面白みもない答えであろうとは自分でもわかっている。
だが機械的に答えるならこうなる。]
…私には妻がいてね。
身体が弱くて、先にかの星に移住している。
それも、移住を決定した理由と言えよう。
彼女が…生きやすい世界があるなら、
私はそちらを優先する。
[と、ついでとばかりに話すのは、
男の根本にある価値観の話。優先すべきもの]
……人間という生き物は、
正直私とは違う生き物に見える。
しかして、それでも共にいることを
望みたくなることがある。
[そう言って、目を開く男の目は、少しばかり無機質だった。
人を学ぶ、人と生きる、それを当たり前とする。
それがこの男という生命体なのだと、青年へと伝える。
こういうところをさらけ出せるのも…ゲームの余興としてよい*]
ー 現在:バーにて ー
…………。
……………………。
本日も異常なし…それにしても…
もう少しまともな記事を書けんのか?
[カタン、と電子端末をカウンターに置き、
透き通る緑色を喉に通す。
すう。とスッキリとした感覚が、
ほんの少しの不快感情を洗い流す。
記者の個人感情や推測などが交じると情報の価値が一気に下がってしまう。
人間の感情というものは、なかなかに厄介なものだと一つため息をつく]
…… ……
しかし、こういうものでも
『同じ視線』というもので捉えるとなると
なかなか難しいな……
[ちらり。正義の味方から授けられた
ヒーローグラスに目をやる。
子供たちと接するのに必要な『同じ視線』。
かのヒーローに授けられた叡智だが、
人間感情に対して虚ろに生きてきた男には、
それはどんなものか…正直、検討もつかない。
レット嬢にしたアドバイスが、
まさか自分に返ってくるとはついぞ思っていなかった。
『何もない』自分を受け入れきって、
世界と自分は違うものだと諦めきっていたのが、
まさかこんな形で逆転し、
『何もない』ことに思い悩むことになるとは]
…………
[試しに、もう一度カチャリと赤い視界を掛けてみる。
そのまま新聞に目を通す。やっぱり赤いままだった。
男は眉間にシワを寄せて、また1つ2つ思考する。
真っ黒な出で立ちなのもあいまって、
その様は怪しい秘密結社的なアレに見えるかもしれない**]
[長年仕えてきた主人に暇を出された。
先に少しだけ発展したせいで、その後の世界全体での急成長に置いてきぼりを食らったような街で、親同士の縁もあって小さいころからずっと付き従っていた主人であり、幼馴染でもあった。
地方全体がそんな風に取り残された感じだったから、主人と、自分を含む付き従う仲間と共に、自身の身体一つ、口一つで生きてきた。
色んなことに巻き込まれ、しのぎを削り、危ないこともやったが、充実していた。
主人は立派な男だったし、古い地方において才覚もあった。
だがとうとう時代の波に飲まれた彼は、度重なる投資の失敗で築き上げたほとんどの人脈や財産を失ったころ、そこまで残った従者たちに盛大に退職金を払ったのち、だれにも言わずに古い車に乗っていったのを見られたのを最後にどこかに姿を消した。
取り残された自分たちが呆然とする中、仲間の一人に言われたのだ。
『あんたはもうどっちにしろ引退の時期だろ。
ホワイト・マーブルってとこに最近地球人向けの老人ホームができたらしいぞ。
今なら入所できるんじゃないか。
金にも困っちゃいないだろ。
ほらパンフレットだ。
"最新の宇宙航路で地球から1か月!""周辺環境を含め最新技術の粋を尽くした作り"ってな』]
本当は俺は、ただやけになってここに来ただけかもしれないな
[どうしてその時仲間を殴り倒さなかったのだろうか。
今思えば、仲間だって自分を煽りに来ていた節もある。
けれども自分はその後機械的に施設あてに手付金を払い、大した荷物も持たずこの船に乗った。
きっと、疲れていたのだろう。]
歳だな
[はあ、と前髪を軽く掻いて目の前の若きグリーディアに微笑んだ。]
グリーディア、よく考えて生きるといい
よく考えられるのは若者の特権だ
そういうのは、知識や経験とはまた別のところにある
爺さんになってつくづくそう思うよ
全く、年は取りたくないものだ
[さて、と呟くと小脇に抱えた本を一度抱えなおす。]
『必要なもの』も、きっと君になら見つけることができるだろうな
よい旅を、グリーディア
[何事もなければ、グリーディアに軽く手を振って、再び庭園へと向かおうとするだろう]**
――カフェ――
[私とアーネストがタッグを組んで悪者(※船のスタッフ?)をニンジャ・カラテで蹴散らすとしたら、どんなシーンであろう。口には出さぬが私の脳内には映画のワンシーンが展開される。>>161
フルフェイスヘルメットの謎のヒーローと、老齢なカフェマスターがぐるりと周囲を囲まれている。二人は背中を合わせ互いの弱点を護りながらニンジャ・カラテの構えを取る。
絶体絶命のピンチだ。
アーネストに襲い掛かる悪者!
私はキェェェェェという威嚇の声と共にそれを投げ飛ばす!
彼女はその隙をついて別の悪者にライダーキック!
阿吽の呼吸で二人は演武のように華麗に舞っては悪者を一人、また一人と倒していく…。最早敵う者なし。]
[人の人生は悲喜交交だ。楽しく笑っているだけで過ごせる人は稀有な存在だと言い切れる。
良い人も悪い人もいるから、その出逢いによって左右されるのは当たり前のことだ。しかしそれをままならない、と表現するアーネストの気持ちは汲める。
ビューが不幸に陥った、巻き込まれたことは何もアーネストの責任ではない。世の中に悪が存在することも彼女が謝る事でもないのに。
それでも彼女は優しさを溢れさせて。
どうしようもない事にも嘆き、怒り、悔しむ。
アーネストはそんな女性だ。
とても、とても人らしく熱い。
焼いた鉄のようであり、しなやかな竹のようだ。]
[刻は過ぎていく。静かに、残酷に、優しく。
それでも「今」が存在したことは変わらない事実だ。
窓の外を過ぎ行く羊たちだって見えなくなってもいなくなりはしない。
――だから嘆くことなんて何もないのである。]**
─キッチン・コラーダ─
[どうやらわたしがここでクッキーを作っていたのは赦されたようでした>>209 思い出の味、という言葉に、記憶が呼び覚まされて、わたしは話します]
……姉や、母と。一緒によく作ったんです。まだ小さい頃の話ですけど。
[懐かしそうに目を細め、わたしは片付けを続けるでしょう。あの頃の思い出の味。
ひとり減って、ふたり減っても、わたしはまだ作り続けている]
…
[空の色の話には、なにかコラーダさんの考えがあるようでした>>210。予想してしまったものがある、だけど予想なんてしないほうが良かったのかも、と彼は言います。]
そうですか…
[わたしは少し考えます。ここで聞くべきなのか否かを。普通の人にとってはなんともない選択肢だったのかもしれませんが、わたしにとっては少しだけ重い選択肢でした。
……………先入観。他者の意見、見方というのは、時には強い影響力を与えるものだから。]
…わたし、地球と同じで青いのかなあ、とか、やっぱり白いのかなあとか。宇宙でみる空と同じように、黒いのかなあとか、でももしかしたら全然違う色に見えるのかも、だとか。
予想すら、ぜんぜんつかないんです。
コラーダさんの予想、すごく気になりますけど、
やっぱりわたし、明後日を楽しみに待ってみようかなと思います
でもその代わり、向こうに着いたら。
予想と合ってたかどうか、ぜひ教えてください。
[わたしが出した答えは“否”でした。否を出したわたしが微笑むと、オーブンが焼き上がりを告げてくれました。]
[わたしはコラーダさんがどんな人生を生きてきたのか、知りません。だからその方向性は全然違えども、どこか似たところがあることも、わたしはまだ、知りません。
誰かからの悪評>>201。わたしへの風評>>65。
だからこれはクッキーを冷ましながらの、わたしの独り言です。]
……誰かが、空の色は絶対に青い、って言ったなら
“理由”や”根拠”が確たるものであるほど、人はそれを信じてしまうんです。
空の色も、“誰かに対する評価”も同じ。
…たとえば、誰かと比べて劣っているからかわいそうだとか
…たとえば、家族を失ってかわいそうだとか
本人や、親しい周りが決してそう思っていなかったとしても
“あの子は可哀想な子”だと言われ続ける
幸せに、前を向いて生きようとしても、どうしたってレッテルや枠組みが付きまといます。
…それを、どうってことない、って言えるくらい強ければ。いいんですけどね。
[クッキーは少し、冷めたでしょうか]
空も。今多分、コラーダさんが「絶対に青いよ」って言ったら
わたしは信じてしまうと思います。
信じた結果空を見て、やっぱりって思うのか、がっかりするのか
なんかどちらも、違うなって思って。
……クッキーも、
[むかしから作り慣れたクッキー。材料に一切間違いはない]
見てください、このクッキー、
塩をいっぱい入れたのでとってもしょっぱいんです。
…なんて自信満々に言ったら、なんとなく信じちゃいませんか?
[そうしてほかほかとまだ温かい、甘くて美味しいクッキーを口に入れました。おひとつどうぞ? *]
――スイッセスの手記3――
[ドロシーを可愛いと感じるようになったのは何時からか。
少女のようにキスをねだり、自分でしてくれと言ったのに照れる彼女に。
自然や動物を愛し、それらに出逢うとはしゃいで走り出す彼女に。
美味しいものを食べるとほっぺをおさえて目をキラキラさせる彼女に。
『どうせなら貴方を若い頃のイケメン姿で造って貰えば良かったかしら?
…でも、私がおばあちゃんだものね?』なんて言いながら笑う彼女に。
心がときめくようになったのは何時からだろう。
心。私は造られた存在だ。脳に当たる場所にあるのはCPUである。
記憶はデータである。反応は計算の結果であるといえばそうだ。
私はスイッセスの遺る全てを受け継いでいる。
彼はドロシーを深く、強く愛していた。
大切に思っていた。]
[私はそれを模しているだけだろうか。
ドロシーと過ごす内、私は様々な事を感じた、思った。
それは、私自身のものなのか、スイッセスのものなのか。
…私にはわからない。
ただこの胸を焦がす想いを誰かが否定するのならば、
スイッセスの名誉において言おう。これは本当の愛だと。]
[ドロシーと私は平穏で平凡な、幸せな日々を過ごした。
毎日の他愛ない出来事が全て宝物だ。
私はアンドロイドなので、十年の歳月を経ても歳を取らない。
しかしドロシーは人として当然のように老いていく。
何もないのに躓くようになった。
物忘れが酷くなった。
食欲が減った。
髪は真っ白になった。
あげつらねたらきりがない変化。段々とベッドから起きるのが困難になったドロシーの髪を撫で、手を握りながら私は過ごすようになる。]
[『お父さんにはね、私より先に絶対死なないでって頼んだのよ?
それなのにあの人ったら約束を違えて。酷い人よね。
私を残して逝ってしまうなんて。』
その愚痴は勿論憎まれ口でしかない。亡き夫への愛情故の言葉だ。
話しながら咳き込んでしまったドロシーの背を私は優しく擦る。
『ごめんなさい、私もう長くないみたい。』
彼女がそう口にしなくても、私は知っていた。
医療ロボットほど正確に全てを把握できるわけではないが、延命の治療を受けなかった彼女の命の灯が消えようとしていることを、呼吸、脈拍、心音、肌の状態などから把握していた。]
[私はドロシーを慰める為に造られたアンドロイドだ。
だから、彼女が私を残して逝く事を詫びる必要はないのだが。
しかしドロシーは、死ぬことがない私の今後を心配しているようだ。
『私と息子のマイケルはそりが合わなくてね。血が繋がっていても…人ってそういう事があるの。
当たり前よね、だって夫婦は血の繋がりなんてないけど家族になるのだから、結局人って個人の相性なんじゃないかしら?と私は思うのよ。
でもね、だからってマイケルが嫌いなわけじゃないの。
考えが合わなくても、私は息子を大切に思っている。』]
[『スイッセス。愛しいあなた。
私が亡くなったらあなたはマイケルのものになるわ。
どうか私の代わりに息子を見守って頂戴。
マイケルがあなたを粗雑に扱わないようにはお願いしておくからね。』
彼女の瞳から零れた涙は透明で美しい。
私は顎を上下させて力強く頷く。
――彼女が静かに息を引き取ったのはその少し後であった。]
必要なものがなかったかと問われれば、それには首を振る。
この船に持ち込んだのはトランクケースふたつ。
その中身はごくごく普通の旅行用のもので、移住には足りないだろう。
だから私は客室を取るときに一番小さなもので選んだし、
持ち込むときの手間なんてそうなかった。
「いえ……必要なものばかりで、
それがいずれ無くなってしまうのが、怖かったんだわ。」
一番時間を共にした姉という存在は、
アンドロイドだから、その役目を終えたから、居なくなった。
私が処分したわけじゃない。
私が処分していいと思ったわけじゃない。
でも、そうやって勝手になくなってしまう大切なものが怖くなった。
「よく考えて生きる……」
まだ持っている特権をどう活かすか。
私はまだ考えられていない。
どちらかというと地球に放棄してしまった特権の方も
残してしまったたくさんのものも、
必要なものを手に入れるために失うべきだと思ったものだから。
でも本当は……
「この旅の仲間と、良い旅を。」
この船旅には、本当にいろんな事情の人ばかり、なのね。
庭園の仲間との束の間の時間を見送って、手を振った。**
─独白─
[傍から見たら、不幸な家族とみられても仕方がなかったのかもしれません。
裕福な家庭でした。父と母、わたしと双子の姉の4人家族で、何一つ不自由なく暮らしていました。姉はわたしよりもすこし気立てがよく、愛嬌のある娘でした。でも、わたしは別に姉を羨まなかったし、自慢の姉と一緒に分け隔てなく愛情を注いでもらえて、なんの不幸もありませんでした。それはきっと姉も同じだったと信じています。
幼い頃から少しだけ母と姉は体が弱く、それは遺伝性のものだと言われていました。
わたしが15のとき、父が飛行機事故で亡くなりました。
田舎の古臭い場所にいたわたしたちは、ちょうど15のとき、姉もわたしも、地元の名家に嫁ぐ予定でした。しかし、わたしの縁談は、父の事故により破談となりました。理由が「当主が不在ゆえに」だったので、結局父の影響力だけを求めていたのだと思います。
縁談が破談になったこと、わたしは寧ろ幸いに感じていました。これで身体の弱い母と一緒に居ることができる。今やアンドロイドがなんでも助けてくれるとは言え、わたしにだって、できることはあるはずです。]
─独白─
[傍から見たら、不幸な家族とみられても仕方がなかったのかもしれません。
裕福な家庭でした。父と母、わたしと双子の姉の4人家族で、何一つ不自由なく暮らしていました。姉はわたしよりもすこし気立てがよく、愛嬌のある娘でした。でも、わたしは別に姉を羨まなかったし、自慢の姉と一緒に分け隔てなく愛情を注いでもらえて、なんの不幸もありませんでした。それはきっと姉も同じだったと信じています。
幼い頃から少しだけ母と姉は体が弱く、それは遺伝性のものだと言われていました。
わたしが15のとき、父が飛行機事故で亡くなりました。
田舎の古臭い場所にいたわたしたちは、ちょうど15のとき、姉もわたしも、地元の名家に嫁ぐ予定でした。しかし、わたしの縁談は、父の事故により破談となりました。理由が「当主が不在ゆえに」だったので、結局父の影響力だけを求めていたのだと思います。
縁談が破談になったこと、わたしは寧ろ幸いに感じていました。これで身体の弱い母と一緒に居ることができる。今やアンドロイドがなんでも助けてくれるとは言え、わたしにだって、できることはあるはずです。]
[一方で姉は名家へと嫁いでいきました。主人となった方はとても聡明で思いやりがあり、身体の弱い姉を常に気遣ってくれました。もちろん無理して働かせるようなこともなかったし、当主の居なくなった我が家のことも気にかけてくれました。
しかし、そんな姉も亡くなりました。18の時のことでした。
そしてそれを追うように、母も、わたしが20のときに亡くなりました。
いかに現代医学が発達しようとも、治らない病気というものはありました。…いえ。それを治す方法が決してなかったわけではきっとありません。ただ、すこし人道的ではなかったり、賛否両論あったりする治療法で、そうですね。わたしたちはむかしながらの生き方を選んだだけ。
それが、わたしたちの選択で、最良で、その中でも”幸せ”に暮らしてきたんです]
[わたしはレッテルをたくさん貼られ続けてきました。
家族を失った不幸な女
縁談が破談になった可哀想な娘
姉と違って引っ込み思案な可哀想な妹
医療を受けずに命を失った愚かな家族
嫁いだせいで寿命を縮めた姉と冷酷なその夫
金しか残らない哀れな一家
さらには母の死後アンドロイドを手放したわたしに対する非難も、相当なものでした。]
[…わたしは、自問します。
哀しいことがあったら、ずっと不幸せでいなければならないんですか?
もちろん父の死、姉の死、母の死、いつのときだって深い悲しみを抱きました。それでも、そのたびに乗り越えようと、わたしたちは強く、その時々の些細な幸せを大切に生きてきました。
姉との差異も、なにも気にしたことがなかった
姉の夫は冷酷なんかじゃなかったし
適切な医療はきちんと受けてきました
わたしは、慎ましく幸せに生きてきました。それでも、わたしはこれからもずっと、可哀想で不幸なわたしとして生きていかなければならないのですか?
あの星に遺してきたのは、そんな"わたし”だけです。>>0:12
そんなわたしに未練はありません。だからわたしは"わたし”を置いてくることにしました。
暮らしも、名前も、全て。
知らないところで、何のレッテルも貼られていないわたしから始めるために、輪廻転生を試みるのです。>>0:39 *]
―― カフェ ――
[唐突だが「穏やかなカフェマスターの老紳士が実は凄腕の元ヒーロー」なんて設定、アタイはすごく好きだ。ものすごく好きだ。
だから覚醒したスイッセスさんがアタイと一緒にカフェで大乱闘!>>240
なんて思いついたらもう妄想が止まらない。
最高にクールでクレイジーだゼ。
背中合わせで言葉を交わさずとも合う呼吸。
それは二人が数多の死線を潜り抜けてきたからッ!
すべての悪党(注*船のスタッフ)を倒したのならアタイはヘルメットを脱ぎ捨て不敵に笑う。
『やはり腕は鈍っていないな。スイッセス=サン』
そして二人は仲良く牢獄にガチャーン。>>241
これぞインガオホー、ナムサン。
ブッダはカジノで豪遊中だ(東方の神らしい)]
[ちょっと待て、面白すぎる。
なんてアタイは腹を抱えて大笑い。
スイッセスさんといる時間は楽しく過ぎていく。
それから色んな話をして、
仕事を続けることを喜んでくれればやる気も出る。
よーし、やるぞー!
いつか贈ったあのサインがプレミア価格になるくらい!
そーしたら息子さんもあのサインを大事にしてくれるよね?
分からないけど、それくらい頑張るぞ!と。
新天地での仕事への意欲を燃やす]
[スイッセスさんは穏やかにアタイの話を聞いてくれる。
辛い時は寄り添うように優しく。
楽しい時はお茶目な面も見せながら共に楽しく。
困った時にはそっと手を差し伸べてくれて。
健やかなる時も、病める時も共に歩んでくれる。
そんな人だった。
きっと奥さんもスイッセスさんと共にいられて幸せだったのだろう。
それはスイッセスさんも同じく。
穏やかで幸せな10年をアタイは感じるコトができたんだ]
[アタイが話し終え、滲む涙をごまかしていれば
すっと頭に伸びて添えられた手。>>243
そのまま撫でられたのなら驚いて目を見開く。
だって忘れてたんだ。
子供たちの頭を撫でるコトはたくさんあっても、
アタイの頭を撫でてくれる手は姉としてヒーローとして戦う日々でトンと出会うコトなんてなかったから。
忘れていたぬくもり。差し伸べてくれる手。
ああ――しわくちゃだけど、あったかい手だ。
堪えていた涙が一筋、頬を伝って流れ落ちる]
……あンがと。
それから、今だけはこう呼んでもいーかな?
おじーちゃん……。
[ああ、胸ン中があったかいナァ。
目を閉じてしばし頭を撫でてくれる手に身をゆだねる]
[ひとしきり涙が流れたなら、
今度こそ晴れやかに笑ってお礼を言おう。
それから少しぬるめの珈琲を大事にだいじに味わう。
……実は、アタイは言うほど猫舌でもない。>>244
ただ、熱い料理を勢いよく頬張ったり熱い飲み物を一気飲みしようとして口内が火傷で大変なコトになるコトが多いので、飲み食いの時はなるべく熱すぎるものを口に運ぶ時は慎重にゆっくりふーふーするのを心がけているのだ。
だから、少しぬるめの珈琲が嬉しいのは本当のコト。
香ばしい珈琲の匂いと優しい味わい、穏やかに流れる時間。
それはアタイたちが確かにここにいた証、思い出だ。
大丈夫、アタイは忘れないよ。
だから悲しくなんて、ないのサ。>>245]
[珈琲を丁寧に飲み終えたならもう一度お礼を言おう]
ありがとう、スイッセスさん!
……あ、そーだ!
[ぽんっと思い出したように手を合わせつつ]
アタイ、スイッセスさんが珈琲を淹れてるトコよく見ててサ。
見よう見真似で珈琲淹れる練習して自分でも珈琲淹れれるようになったンだ!
……まァ、スイッセスさんほど上手くはないけどネ。
ホワイト・マーブルへ着いてもアタイ珈琲を淹れるよ。
そンで、そのたびにスイッセスさんのコト思い出すから。
超優しいおじーちゃんで、お茶目で楽しくてー
そんでもってー……
[スイッセスさんの特徴を指折り数えつつ]
困ってたヒーローに手を差し伸べてくれた。
立ち上がる力をくれた。
カフェのマスターにして実は隠れた名ヒーロー!
[ビシッとスイッセスさんを指さしてヒーロー認定。
おめでとう、これで君も新たなヒーローだ!
しかも老紳士のカフェマスター!
こりゃ最高にクールでイカす展開だゼ!
そんな会話を終えればアタイはカフェを後にしようか。
「いい旅を!」なんて親指を立ててみせて。**]
―― スポーツジム ――
[カフェを後にしたらその後は適当に色んな場所をブラついて
一日の終わり頃には日課のスポーツジムに行く。
入念に準備運動をしたらトレーニングをはじめようか。
小気味よくランニングマシーンで体を温めつつ、
そーいえばアタイの愛弟子も順調に育ってきたな。
そんなコトが頭を過る。>>102>>103
前よりもへばる頻度も減って、
トレーニングの負荷も徐々に上げてきている。
うん、イイ順調に筋肉が育っている証拠だ。
自分自身を鍛えるのもいいが、
愛弟子を育てて鍛えるのもまた別の喜びがある]
[明日はこの船旅の最終日。
別れの前に可愛い愛弟子の体形に合ったトレーニングウェアとランニングシューズをショッピングモールで買って贈ろうかネェ、なんて思いつつ。
そーいえばこの船旅で仲良くなった人々との連絡先の交換をどうするかとも思ったりする。
顔を見れば気さくに連絡先の交換を申し出るだろう。
サンシアには本を読んで感想を伝えたいし。
純文学とかには縁のないアタイはまず少年向けという『宙色の鍵』>>32という本を読んでみようと思うのだが、どんな話なのだろう?
あれこれ考えていればあっという間にランニングのノルマ達成だ。
さて、次は何をしようか。
筋トレもいいしニンジャ・カラテの組手もいい。
まだまだ時間はあるのだからゆっくりトレーニングを消化していこう。**]
/*
>>235
ところでここのツァリーヌさんスゴク・カワイイ!
カッコイイロルとかシリアスなのも書けるのに、さらに面白いものまでイケるなんてスゴイ!!
突撃したいけど、さすがに二連続で飛び込むのはスゴイ・シツレイな気がするからアーネストはジムにおいき……。
[好きな物がよく分からないと笑った彼女に向って、私は困ったような笑みを返す。>>180>>181]
私も同じ
好きな物って、よく分からないや
周囲の人が好きな物なら、
何となく分かるんだけどね
[ハイスクールの同級生が好んだ服、流行っている色、異性受けするファッション。
何度も一人で選んでみたけれど、結局自分は最後まで良く分からなかった。]
私の服は、地球で買ったフォーマル系
だから、もう少し別なの区域が該当かな
……好きかどうかは、よく分からない
[そう言いながら、羽織るジャケットの襟を摘まみあげる。>>185
黒い布地に、目の色に合った明るいグリーンのライン。
母さんと一緒に選んだ、レディメイド。
買い足しなら一人で出来るけれど、選ぶ事だけは、ずっと苦手だったから。]
貴女は、
どんな自分になりたい?
[それは自分にも問う言葉。
一人旅の日付を重ね、毎夜自問自答を繰り返す。
私って何?私って本当に此処に存在するの?
私はいったい――、
どんな形をしているのだろう。]
/*
そういえば…メトロポリスチップのうち、追加が二回あったわけだが
現在のメンツだと
初期メン:(アドニス)、サンシア、コラーダ、リーン、アーネスト、カラント
追加1:ツァリーヌ、シャム、スイッセス、ドルチェ、レット
追加2:グリーディア
という形かな?いろんな世代の子がいておじさんはワクワクしてしまうよ
― 庭園 ―
[たどり着いた庭園は、午後の日差し…に見せた仮想現実に包まれていた。
イベントの日以外は、いつ来ても穏やかな、嵐の日など存在しない場所。
そんな穏やかな陽気の中、一面の芝生の上を誰かのペットの子犬が清々と走り回っているのを横目に、さらに整いすぎなくらいに整然とした礼拝堂も通り過ぎ、低木の木々―これは本物だろうか―の茂る隅っこのほうの日陰に座って場所を陣取った。
隅っこなのにあまり人はいない。
皆隅っこ好きじゃないのか。
それかこの穏やかな庭園で、わざわざビール飲んでる爺さんの近くには寄りたくないということか。
とはいえ遠慮はする気はない。
せっかく隅っこまで来たのだ。
いつものようにビール缶を開け、スナック菓子の袋を…2つ開ける。
なにはともあれまずは一口飲んで、大きな満足のため息をつくと、缶を地面に置く。
そして、大変申し訳ない気持ちはあれど、借りてきた2冊のうち1冊を枕にし、ごろんと木漏れ日の中横になった。
横になったまま、もう1冊を開いて読み始める。
こうやって、いつしか眠ってしまい、小さな友人が菓子を食べにやってくる、というのがここ数日のルーティンだ。
しかし今日は、本を開きながらも頭の中では別のことを考えていた。
『必要なものばかりで、それがいずれ無くなってしまうのが、怖かった』>>256
若いのに、と聞いた瞬間は思った。
けれども、ああ、と納得もした。
きっと、過去にその怖さを知ってしまうような出来事があったのではないか。
自分は、そんな風に考えたこともなかった。
そして今、縁も所縁も興味もなかったこんなところにいる。
自分も、必要なものを無くしてしまったのだろうか。]
怖い、か
[抜け殻のような、何かふわふわと、自分が無いようなこの状態。
自分と彼女の今までの経験は違うから、当然彼女が怖いと感じる状態と、自分の今の状態が一致すると考えることはおこがましい。
けれども…]
ちゃんと、考えなければならんのかもしれないな、俺も
[本を芝生の上に置いて、目を閉じた。
不思議と穏やかな風まで感じられ、やはりいつものように最後は寝入っていた。]**
─午後・庭園─
[午前中はクッキーでお腹を満たし、コラーダさんと話したあとにも誰かにお裾分けすることはあったでしょうか。たくさん作ったと思うので誰でも大歓迎なのです。
そして一度目のワープを経てお昼を軽く食べ、わたしは船内を歩きます。お出かけ用の小さな鞄には必要最低限のものと絵本が入っておりました。どこかでのんびり本でも読めたら、と思ったのです。]
…あら?
[読書の場所を求めて辿り着いた先の庭園では、どうやら先客がいらっしゃるようでした。>>279 起こさないように…という気遣いに加えて、ふと心に思い浮かんだのは「あの芝生気持ちがよさそう…」という好奇心。
庭園は来たことがないわけではありません。だからかの先客ともお話をしたことがあったかなとも思います。
船の中で無いかのような美しい景色と、やわらかな芝生に心奪われながら、その先客よりももう少し離れた場所に座ろうとします。
でもそのとき、わたしの不注意で、鞄が手から離れてぽふ、と芝生に落ちました。
そんなに大きな音ではなかったので、彼を起こさずには済んだでしょうか。起こさなかったのならば、そこで暫くひとり絵本の世界に浸るでしょう。起こしてしまったら、すみません、と謝罪を述べて。 *]
/*
シャムがお庭で寝てるのすごい様になるな
いけおじの居眠りからしか取れない栄養アリよりのアルベルティン
しかし、絡みにいくべきかそうでないか、
と思ってたらかわかわリーンさんが絡みにいってた
かわいい!!!
/*歯医者終わるまでに誰もバーに来なかったら、別のところに移動してみようかなあ
候補はシアタールームか、確か礼拝堂?があった気がする。
ログをよみきれてないので、いけそうなところをさがしていこうかな
いいえ、お話を聞かせてくださって
ありがとうございます
皆が言ってた、恋は素敵だって言ってた事、
なんとなく分かってきました
[そう言って私は笑う。
これは本音。
皆とっくの昔に、ささやかで暖かな何かを得ていたのだろう。私はそれを理解しようとしていなかっただけだ。
私もいつか、雷に打たれるみたいに、突然恋に落ちるのかもしれない。
強い衝動に突き動かされ、天と地がひっくり返る様な思いをするのかもしれない。
でもそれって怖い事じゃなくて、この人みたいに、幸せで素敵な事でもあるんだ。]
お話、嬉しかったです
それと、珈琲御馳走様でした
すごく、…すごく美味しかった
[伏し目がち、とうの昔に空になった薔薇が描かれたカップを静かに置く。]
私、レットって言います
レット・レジストル
[もじもじと、やや恥ずかしそうな視線で見上げる。]
また珈琲を頂きに来ても
いいですか?
[恥ずかしそうにしていたのは、目当てが珈琲のみと思われるかもしれないと思ったから。
そうでは無くて、また貴方と話がしてみたい。
そんな風に思う私が、今此処に存在したから。
こうして私は、
また一つ、船内に心地よい場所を見つけただろう。**]
――展望施設(午後)――
[午後の時間、私は展望施設にて読書をすることにした。
船に乗った時に持参した一冊の本。
タイトルは『宙色の鍵』。>>32
ジャンルは純文学で、不思議な色の鍵を手に入れた少年が、困難に巻き込まれながら成長していく物語だと裏表紙に紹介されている。
ドロシーは映画、ドラマ、本。
様々な媒体で物語を楽しむのを好んだ。
私と一緒に感想を話し合うこともしばしば。
この本を読み終えても、そういった事を出来る相手がいないのを考えると寂しいものだが、船を降りるまでに読み切りたいと買った一冊だ。
電子書籍ではなく、紙の本である。
本の頁をめくる時紙が立てる音や、紙の手触りが好きだから。]
[あと数頁。お話のラストはどうなるのか……とても気になった。
ベンチに深く腰掛ける。
窓の外には羊の群れみたいな雪国星雲が広がっている。
明日には真っ白な惑星、ホワイト・マーブルが見えるだろうか。
私は膝の上に開いた本の頁に視線を落とした。]*
ー 展望施設(午後) ー
[バーでひとしきり思考を巡らせた男は、
それでも結局答えを出すことはできず、
正義の味方のゴーグル>>78を胸ポケットにさし
またふらりと館内を彷徨って…
レット嬢にアドバイスを贈った
あの展望施設へと戻ってきていた。
相も変わらず流れ続ける星々や星雲は、
静かな思考を繰り返す人々をそっと見守っている]
……む…
[しかしそこには先客が。
彼のことはよくカフェで見かける。>>288
というよりも、一度か二度会話をしたこともあるだろう。
ぱっと見は人間のそれにうり二つなのだから、挨拶の1つ2つはしたし、コーヒーを入れて貰ったことも何度かあったはずだ。
しかし、深くは対話しようとしなかった…というのも]
ー 回想:ある日のカフェにて ー
『…なぜ、アンドロイドが客室を利用している』
[数回の接触のあと、男はこの老人がアンドロイドであり
『客』としてこの船に乗っている事実を知るだろう。
最初のうちは、カフェのバリスタ用に作られた設備だと
思っていた男は…『客』の存在を知って、驚いた。
彼側の事情は聞いただろう。理解しただろう。
彼が大切に思われていたという事実を知っただろう。
…だからこそ、男は]
ー 現在 ー
…………ーーーー。
[男は、アンドロイドから少し離れた席に座る。
そして、彼の行動の観察を始める。
…読書をしているらしい。
それも、効率的に情報を摂取できる電子媒体ではなく、
わざわざ紙に印刷された書籍で。
中に何が書かれているかはわからないが
本のサイズを見るにおそらく小説や文学作品。
非効率的にもほどがあるそれを、
そのアンドロイドは、たいそう愛おしそうに
読み耽り、そしてページをめくっていた]
『面白い』かね?
[訊ねたのはそんな言葉。
人間のような機械。 機械のような人間。
人を慈しむ機械。 人を読み解く男。
この機械は、男が持ち得ない
確かめるように*]
―― 回想・バーの入り口付近・柱の影 ――
[ジムに行く前の寄り道でなんとなく覗いてみたバー。
そこには悪の組織の幹部がいた。>>235]
ぶはっ……! く、くくっ……!
[思わず吹き出しそうになり慌てて口を塞ぐ。
ダメだ、笑っちゃ失礼だ、堪えろアタイ……!
そのままバーの入り口付近にあった柱の影に隠れるように蹲って笑いを堪える。
ツァリーヌさんはアタイのあげたゴーグルをどうやら気に入ってくれた(?)みたいだ。
だが、どう見てもその姿は悪の組織の幹部である。
おかしいナァ?アタイが付けてた時は正義のヒーローっぽかったじゃァないか、それなのに、どうしてこんなコトに――
目の前のシュールな風景に笑いがこみ上げて苦しい。
『笑ってはいけない船の旅・バー編』
ヤバイ、反則だろうコレは……!]
[アタイはしばらくその場に蹲り口元を押さえて震えていた。
頼む、誰も気付かないでくれ……!!
そんなコトを必死に祈りながら
しばらくして笑いの発作が収まればそっとその場を去ろうとしただろう。
スピード・ワゴンはクールに去るぜ。
(クールに去れたならの話だが)**]
─ シアタールーム ─
そりゃーないだろうなぁ。
[サンシアの過去についてはさほどしらない。
先程少し漏れ出たものから類推ぐらいはできたが、仕事して成立しているだけのものをもった彼女にとって、代替でも構わない。というのをサンシアが自分自身>>220に当てはめることなんてなかっただろう。
だから彼女は映画の話を聞いて素直に悩ましく考えられるのだとも思っている。]
ああ、任せちまえるおかげで選んだことができる。
クレイジーだろうが、古臭いだろうが、難儀だろうが。
そーいう考えに一理はあっても価値があるかは別問題だしな。
[ただこっちは思うところが一致するだろうと思っていて、手帳とペンを軽く振って見せて笑うサンシア>>221に、だろと笑って―――案外移住しようなんて思うのはそういう変わりものが多いのかもしれないと少しだけ思考にのぼらせたりもした]
/*
えー!誰もあの面白いツァリーヌさんに絡まないの?
じゃあアタイ、ロル拾っちゃうんだ!
でも移動しちゃった後だからなるべく齟齬が起きないようにこっそりスルーできる距離感で、ネ!
そんな感じのアーネスト。>>294>>295
誰だ。そこにいるのは
[端末の電源を落とし、懐にしまう。
そして、声のした方に、一歩、また一歩。
ズンズンとその巨体が近づき……
首を左右に傾け、誰かいないかをじっと見つめる…。
アーネストが隠れる柱の影に…
迫るハンター…あと一歩…二歩…もうすぐそこに…]
/*
>>299
き、気付かれたーーー!!!
しかもめっちゃ早い!!
ツァリーヌさん、おそろしい子……!!
連れ立って歩くあの摩天楼の間。
いつだって手を繋いで逸れない様にと笑ってる。
枯れない笑みで私を呼んで、
私のために笑ってる。
私はそれに笑って返す。
/*
ツァリーヌさんが面白すぎるんだがwwwwwwwww
拾ってくれてありがとね!!
面白くて優しいツァリーヌさんはスゴイ・ハンター!!
/*
ハンターネタやりたくてしょうがなくてつい()
グリーディアご無理なく…
今日は天気安定しないから余計に辛いだろうし安静に安静に
[口にすると弾むような響きがあった。私は破顔する。
彼女の「また来たい」という言葉に私が二つ返事に頷いたのは言うまでもなく。
彼女が去った後に私はふと思う。あれ?アンドロイドだと私は名乗ったであろうか?
…会話ログの確認。名乗っていない!(驚愕)
数日後に彼女と逢った時「すみません、伝えたつもりでしたが言っていませんでした。私はアンドロイドです。騙すつもりはなく…申し訳ないです。」と言いながら何度も謝ったことは、彼女と私の良い思い出の一つかもしれない。]**
―― 回想・バーの入り口付近・柱の影 ――
[もしここでアタイが飛び出したらどうなるだろう?
震えながらもふと過る想像――。>>298
『追い詰めたぞ悪の幹部の無表情な人ッ!!
この街はアタイたちが守る!!
とうッ!ライダーキーック!!』
こうしてヒーローと悪の幹部の戦いが火蓋を……、
って!なんで笑いの火に油を注ぐマネするかナァ!?
パニック状態で思考が大爆発中だ。
必死になればなるほど笑いがおさまる気配はない]
[しかし、そんなアタイに気付く悪の組織の幹部!>>299
そしてじわじわと迫る、ハンター……!>>300]
ッ……!! っ〜……!!!
[その迫力にアタイは思わず息をのみ必死に声を押し殺す。
もはや笑いどころではない。
迫りくるハンターに怯えるアタイはまさに逃走者ッ!
正義のヒーローから追われる身に転身だ。
ドクンドクンと自分の心臓の音がうるさく感じる。
頼む、気付かないでくれ……!
逃走成功させてくれェ……!!
柱の影に蹲り必死に神に祈る]
[幸運にも祈りは神に届いたようだ。>>301
ツァリーヌハンターはあと一歩の所で引き返していく。
その様子にアタイはほっと体の緊張を解く。
だが、油断は禁物。
アタイはツァリーヌさんが展望施設のほうに向かうまでじっと息を潜めて隠れ続け――。
やったァー!逃走成功ッ!!(*賞金はないけど)
完全に立ち去ったのを見届けてから柱の影で静かにガッツポーズ。
気付けば極度の緊張から笑いの発作はおさまっていた。
よかった、本当によかった……!!
アタイは心持ちこそこそとバーを去るのであった。**]
ああ、ツァリーヌさん。
ご機嫌よう。
[彼は私から少し離れた席に腰掛けていた。
ツァリーヌ・ナハトムジーク。
私は彼の名前を乗船前から存じ上げていた。幅広い分野の事業を行い、沢山の支社を持つ「Y&N corp.」の社長は高名である。腕利きのビジネスマンであると。
とはいえ、そのような立場の人に一介のアンドロイドである私が出逢えたのはこの宇宙船に偶然乗り合わせたからだ。
物静かな彼からも渡航の目的などは聞いたと思うし、私も自身の事情については説明をした。珈琲を振舞う事もあったし軽い世間話もしたことがある。
が、彼の深いプライベートに踏み込んだり、思想的な話しはしたことがない。]
[私は他人と話すのが好きだ。しかしそれは時に、人の知られたくない部分まで暴くことになってしまいかねないので、相手が話したそうな素振りをしたり、口火を切ってくれない限りは深入りをしないのだ。
落ち着いた雰囲気を纏う敏腕社長が黙って私の淹れた珈琲を飲んでいる時、何を考えているのか私にはよくわからなかった。
何度か飲んでくれたので不味いとか不満がないのは確かだと思っているが。
彼の質問に私は一度本の表紙に目を落としてから。]
…あ、はい。とても…とても面白かったです。
『宙色の鍵』。貴方がまだ未読でしたら
ネタバレは避けたいと思いますが…
今、読後の興奮から醒めないので、
つい内容を話してしまいそうになりそうです。
凄く文章が巧みで、引き込まれました。
主人公の少年と一緒に冒険を
しているような気持ちになり、
ドキドキしましたね。
良いお話でしたよ。
[面白いか、と聴かれただけなのに私の口は滑り、これだけの言葉を吐き出してしまった。妻のドロシーと感想を言い合う時もこんな風だったな、なんて思い出しつつ。
そして私はふとある事に気が付いた。彼が、いつもは身に着けていないものを胸ポケットにしまっているのを。]
[この質問が続く会話のきっかけになるのか。
はたまた、命取りになるのか…
――その時の私には知る由もなかった(ナレーション風)]*
積極的…って、
まぁ、そう言われたらそう、だけど
こういうの慣れてなくて
自然に聞くとかできなかったから…
その、図々しかったのは、ごめんなさい。
[積極的と言われて頬を赤らめるも、
振り返ってみれば最初の出会いから不躾に近付いていた。
もっと近づきたいと思っているのも本当だから
図々しさを謝るも、ここで引く位なら最初から近付かなかったから]
ご近所さんかは分からないけど、
きっとこれから同じ海は見られるよね。
どんな風に見えるのか、楽しみ。
[船の中での短い付き合いの中でも、
同じものを見ても捉え方が違うのを見てきた。
新しく見るそれらもきっと違って見えるだろうと思えば新生活の楽しみがまた増えた、と笑って端末を閉じた**]
─ スポーツジム ─
[シアタールームでカラントと連絡先の交換をした後は
映画を観たかどうかはともかく、
シアタールームを後にしてからは色んな所に足を運び
そんな中で食事やらも済ませたが目当ての人の姿は無く。
今日はもう身体を動かして終わりにしようか、と
一旦部屋に着替えに戻ってジムへと顔を出した訳だが]
あ、アーネストさん!
ちょうど良かった、
私ね、アーネストさんにお願いがあるの。
あのね、私
アーネストさんのこともっと知りたいっていうか、
もっと近づきたいっていうか。
── ?? ──
読み書きができるようになった頃。
手紙を書いてみようと言われた。
お父さんとお母さんに書いてみようねって言われて書いた拙い文字。
さとちがまだよくわからなくて、たぶん、どこかミスしてる。
それを修正されなかったのは、私の心を優先してくれたから。
よくできたね、って褒められて嬉しくて。
夜中こっそり認めた手紙。
私が大人になったら読んでねと渡した、"家族"への手紙。
子供の頃から既知の関係だったマリーはリーリア姉さんを知っているけれど、
きっともう憶えてはいないのね。
あの子の家にいるアンドロイドは家政婦としてで、家族ではなかったから。
別にそれを否定はしないし、様々な関係性があると今も思ってる。
ただ、私が思いを深く抱いてしまっただけだと言われたらその通り。
そんなだから、結局大人になっても子供のまま、
変わらない夢を追いかけて今日に至る。
『アンドロイドに人権を』、
なんて絵空事だと笑う人は笑うのでしょうね。*
/*
ツァリーヌさんともスイッセスさんともお話したいのだけどそこに行く流れが浮かばなかったのでグリーディアさんのとこにお邪魔…
お話できたらいいなー
ツァリーヌさんの4分33秒とか、スイッセスさんが本に触れてくれたりしてることとかにも反応したいのだけどぐぬぬ。
…しかし、まだ発売されたばかりだというのに。
よほど『好き』なのだな、読書が。
……その、『ドキドキ』とは物理的にか?
それとも、お前のAIシステム上に感じる『感情』なのか?
アンドロイドのAIは…
[感情ではなく、模倣行為ではないのか?
そう聞くつもりだった。
そこにお前の感情は本当にあるのか?と
そう聞きたくてたまらないのは、
男が人に見せる好意的な行動のほとんどが、
人に好意的に見えるようにするためにエミュレートしたものだから
…つまり、男はこう聞きたいのだ。
『お前と、私は、一緒の原理で動いているのではないか?』と]
[…が。その話題は。
男の胸元にあるそれに一度かき消される。
正義のヒーローが、幼い子供のために与えた
正義のゴーグルが赤く燃える。
男は示されたゴーグルを手を取ると]
スタントマンの女性からもらった。
子供との触れ合いには同じ目線に立つといいと言う言葉と共にな。
……かと言って、仮面ライダーになりきったところで、子どもたちと同じ視点には到底辿りつけそうにないのが、目下の課題だが
[と、一度軽くゴーグルをかける。ハンター再び。
もちろんすぐに外すが、そのシュールな姿をみてご老体はどう思ったろう*]
[余談だが。
図書室の書架を探したわけではないが、
私の本も置いてあった。
曾祖父の、アレクサンド・ロメロの隣に並べてあったのは、少し──
曾祖父の作品と、自分の得意とする純文学は畑違いだろうと、思う所はあったけれど。
『宙色の鍵』は、曾祖父の得意とした冒険ものだから
まぁ、隣に並んでも違和は無いだろう。
「僕はなんにも持っていなかった」
「初めて僕の、僕だけの宝物を手に入れたんだ」
「だから、絶対に…あきらめたりするもんか」
「…大丈夫だよ、だって僕はもう大切なものを手に入れた」
「僕はもう、あの時立ちすくんでいた僕じゃない」
「一歩を踏みだす勇気は、もう僕の中にある」
「君といっしょに、この鍵を開けるんだ」
[少年が手に入れた鍵は、未知への世界の扉を開くもの。
それを開かれては困る大人が、その鍵を取り上げようと幾度となく妨害を繰り返す中
独りだった少年が、人と関わり助け合うことを知って自分の手で未知に踏み出し、その先へと進む勇気を得る物語は、有体に言えば綺麗ごとだ。
作り物の世界ですら綺麗ごとが許されないなんて、救いが無さすぎるから。
そして何より、新しい世界に進む私自身の背を押す為に描いた物語が
願わくば、誰かの背も押せますようにとの欲も籠もっていると知るのは私一人だけ**]
雪国か。
降りたての雪ってやつかね。
[その中に潜む緑色の交点が大地の緑を染めた雪とでもいうのだろうか。
季節外れの雪か、春の芽吹きを覆う雪か。簡単なメモとともに眼鏡型端末を起動して、映像記録としても残していく*]
/*
今日のワープ:船内時間午前0時、0時半、1時
惑星の周りをぐるっと:本日午後1時〜明日午後1時(24時間)
~日付変更~
大気圏投入時刻:午後3時
惑星自体への到着:午後3時半
船の扉が開く時間:午後4時50分
ええ。本は大好きです。
映画も良いのですけれど、文章の味わいと映像の味わいって
きのこたけのこぐらいには違いますから…
──は、はい。
[きのことたけのこを模したお菓子で戦争が起こり一つの国が滅びたなんて事はないが、人によってどちら派かが分かれるものの喩えとしては適切だったのではないか。いや違ったか。
私がそのまま菓子トークに突入する前に質問が飛んできた。
以前同じ事を聴かれた気がする。ドロシーの息子マイケルに。
父と全く同じように振舞う私を気持ち悪く感じたからだろう。
当然の感情と疑問である。
自然な動作として、私は右手を自身の胸に添える。
そこに心音はない。なんの音もしない。]
…いいえ。物理的にはありませんよ。
心臓という臓器が私にはないので。
だから正確には「ドキドキしているように感じた」
もう少し噛み砕けば
「私は自分の今の状態をドキドキしていると考えた」
となりますね。
[生前のスイッセスは、面白い本を読めば興奮していた。胸をドキドキとさせてその感想を妻に話していた。
本が面白いか、の基準はスイッセスの好きだった本のデータが元となっている。
それを元に私は「この本はスイッセスが面白いと思う本だ」と判断する。
その判断から「スイッセスは面白い本に興奮する、ドキドキする」という状態を導き出す。
その結果、私は「ドキドキした」と口にし、目を輝かせ声を上擦らせるという反応をする、という事だ。
私は自身のその仕組みを理解している。
ただ……。]
でも、意図してやっているわけではないんです。
私は「人として考えるように、感じるように」
プログラムされているので…
それがプログラムとして私自身が導き出しやっているものでも、
認識はあれど実感にはならないんです。
ええと、卵が先かみたいな話になりますけど、
人は自分の感情が造られたものだと思わないでしょう?
だから私はそう、なっているのです。
すみません、伝え方が下手で。
アンドロイドも色々な会社が開発していて、
機能が異なります。
今のはあくまで私の話しであることは、
どうかご理解を。
[自分の感情がプログラムではないと思うようにプログラムされている。こうだろうか。説明が下手なのは、スイッセスに準拠している。
私が教師型アンドロイドならもっと明確な返答を返したかもしれないが、私の言語表現レベルはスイッセスと同じなのだ。
もし分けなさそうに眉尻を下げて彼を見つめる。
スイッセスがそういう人間だからだが、私は人の期待にこたえたい気持ちがあるから、なんとか彼の満足するように説明したかったのだが…。]
[そんな気まずい空気を救うのは、かのヒーローが残していったアイテムであった。明らかにいつもの彼が持つものではない。紳士な彼がゴーグルを手にしているだけで、周りの空気が一変したように感じるほどだ。
ここは特撮映画の撮影現場だったか?違う。]
スタントマンの女性?
ああ…アーネストさんですか。
なるほど、なるほど。
[彼はゴーグルをプレゼントされた理由も説明してくれた。ツァリーヌが既婚であり子供がいることを私は知っている。]
子供と同じ目線…。
子供は仮面ライダーに憧れる。
仮面ライダーになりたいと考えている。
ならば仮面ライダーになれば…
[三段論法だろうか。三段どころか十段ぐらいぶっ飛ばしている感があるが、アーネストを思い浮かべたら納得だ。彼女いつも最高いかした個性を発想にも行動にも滲ませるので。]
えっ
……変身?
……とても、お似合いです。
ええと、お父さんがヒーローになればきっと、
お子さんの気持ちがわからなくとも…
喜ばせる事は叶うと思いますよ。
[ここはライダースーツも薦めるべきか。アーネストがこの場にいたらきっと「いいね☆」を連発してくれそうだがぐっと堪える。
彼は真面目な話をしたいかもしれないからだ。
私は、彼の話しに耳を傾けたいと思っている。
いつもは寡黙な彼が折角このように話しかけてくれたのだ。
彼の心に触れてみたい。
この思慮深い男性の深淵に。]*
― いつかの食堂エリア:スイッセスと ―
[可愛らしい名前などと言われれば余計に恥ずかしくなってしまうと言う物。>>310]
じゃあ、ス……、
…スー、さん、で?
[彼の好意に甘えつつも、ちゃん付けは憚られたから、さんづけで。
誰かをあだ名で呼んだ事なんていつ以来だろう。
ジュニアハイスクールの頃よりもっと前。私にきちんと、同い年の友達と言う物が存在した時代。
また一つ、昔の自分を思い出す。
私が私の輪郭を認識していた年頃が、なんだかとっても懐かしい。
スーさんが笑うのを見れば、私も笑った。
そのあとは席を立って、ぺこりと一礼。来た時とは正反対の上機嫌で、食堂を後にする。
今日は多分、とってもいい日。
急に昔みたいにスキップをしてみようと思い立ち、廊下をぴょんと飛び跳ねてみたものの、やり方を忘れてしまった事に気付くと、何もなかったかのように歩き出した。
なにもありませんでした!なにもないったら!]
── スポーツジム ──
[アタイがランニングを終えてマシンから降りた時
ペンギンAIより先に駆け寄ってきてくれるサンシア。
唐突でひたむきなお願い。>>323>>324
なんだかその瞳が、空気が、
『もっと遊びたい!』と一日の終わりになっても遊びをせがむ弟妹に重なって見えて──]
ああ、もちろんサ!
アタイも言いたいと思ってたトコなンだ。
また会えてよかったよ、サンシア。
[微笑ましい眼差しを向けながら、避けられなければ弟妹にしていたようにあやすように頭を撫でただろう]
ーー展望施設(午後)ーー
[視界の端、こちらに会釈をしながら入ってきた男>>335をちらりと見つつ(そして会釈を返しつつ)、男は目の前の老人アンドロイドと対話を続ける。
小説の感想を互いに語らい合う様を見ても、
彼が心より小説を楽しんだ事が読み取れる。]
…そうだな。子供の心は正直分からない。
あの小説に出てきた大人たちの理屈のほうが理論として私は理解しやすかった。>>334
それに対抗する子供の心は…複雑なものだと思う。
それを丁寧に描けることは素直に賞賛すべきだ。
[不意に男は批評的だった感想から、どこか実感の伴った感想をこぼす。
それは、目の前の老人が告げた『子供の心』というものに、ちょうど男は思い悩んでいたからだ。
『人の心』ではない。
『子供の心』に理論は通用しない。
男が目下悩んでいることを描ききり、そして大切なものを見つけたあの物語は、社長からすれば、どれだけの時間をかけても自分には書けないものだろうと感じる]
[話している間にペンギンAIが持ってきてくれたタオルを肩にかけて汗を拭きつつ手ごろなベンチに腰掛けて、ぽんぽんと隣をサンシアに勧める。
そうして手元の端末からサンシアに連絡先のアドレスを送信した。
ぽんっと軽く指で押せばこれからも繋がれる。
とっても便利だ、でも、逆に言えば指先一つで切れてしまう脆さも含んでいるから、つい──]
あー、でもアタイがもしふらっと行方をくらませたりしたらサ。
サンシアは探してくれるかい?
[なんてつい子供をからかうようにニッと笑ってみせて
でも、子供相手だからあまり不安にさせないテンポですぐ否定の意を示す]
なんて、冗談だよ。
アタイはそんなヤワじゃないから安心しナ!
[そう言って親指を立てて朗らかに笑ってみせる]
[それでも不安が残るかもしれないから、アタイが簡単に消えない理由を一つ教えておこうか]
んー、実は『宙色の鍵』、まだ読めてなくてネェ。
その感想を読み終わったらサンシアに伝えたいんだよ。
ンで、サンシアに知ってほしいのサ。
サンシアの創った世界をアタイは冒険してきたよってね。
本の中の男の子と一緒にネ。
だから、サンシアとは船を降りた後も繋がっていたいンだ。
まーアタイは本なんてトンと読まないからサ、
感想は遅くなるかも知んないけど……、
それまで気長に待ってておくれよ?
[たははと最後にアタイの学の無さを笑いつつ]
[サンシアがアタイを知りたいように、
アタイもサンシアを知りたいと思ったから]
そーいや、なんでサンシアは小説家になったンだい?
あ、アタイはねー。
体力バカで度胸と根性だけは人一倍あったからスタントマンになったのサ!
それにけっこーがっぽり稼げるからネ!
[自分がスタントマンを志望した理由を豪快に語りつつ。
サンシアの小説家志望理由を聞いてみる。*]
[男の質問は、当然ながら不躾で無礼なものだったろう。
お前には心があるのか?なんて、聞かれる側からすればドキッとするものだ。ましてや、家族にまでその存在を疑われていたとなるとなおさら…。
…しかし、その老人はどこか拙いながらもその心のメカニズムを教えてくれる。プログラムが先か感情が先か。彼にとっては、感情は自然に生まれ出るということ…>>339>>340>>341>>342]
…そのように認識すれば、とっさの判断のとき、
より『オリジナル』に近い反応をすることができるだろうな。
何かを模倣するとき、最もいい方法は、
自らがそうであると思いこむ暗示の手法だ
それと同様の理屈であるならば…理解できる。
[そのように、男はスイッセスの言葉に納得したようだった。
同時に、アンドロイドのAIができていることが、おそらく自分にはできていないということもなんとなく把握した。つまり、何かの共感に必要な『思い込み力』が足りていないのだ]
[実物を持って来たのは正解だったみたい。
持って来たのは私に合うように作られたものとはいえ
すごく特殊なサイズというわけでもなかったと
確認すればわかる話。
それはさておき。
目の前の彼女も好き、は分からないらしい。]
好きかどうか、って難しいね。
流行、って言うのかしら
そういうものはこの船に置いてあった雑誌で
少しだけ見てみたりもしたのだけれど。
[どう?似合ってるでしょう?と言わんばかりに
自信満々に素敵な服を着るモデル。
その姿が自分とかけ離れたものだったからか
あまり見てもピンとこなくて見るのをすぐやめた。
眩しかった。
これが自分だと主張しているような様が。]
[どう?似合ってるでしょう?と言わんばかりに
自信満々に素敵な服を着るモデル。
その姿が自分とかけ離れたものだったからか
あまり見てもピンとこなくて見るのをすぐやめた。
眩しかった。
これが自分だと主張しているように見えて。]
黒に金色の髪が映えるし、緑の差し色も素敵ね。
……でも、なんだかあなたは満足していないみたい。
[そう見えてしまうってだけだから
そんなことないって言われたら気のせいかしら、と
付け足すのだけれど。
……好きなものが分からない私達。
まさか選ぶのも苦手だとは知らないけれど
似た者同士かもしれないな、なんて。]
そうね、いつもは淡い色が多かったから…
紫、とか。明るいオレンジも試せたら素敵だわ。
[ここにはもう、理想を押し付けるあの人はいないから。
これじゃなければ似合わないと服を選ぶあの人は
―――もう、いないから。]
自己紹介していなかったわ。
私はドルチェ。よろしくね、レット。
私が案内してもらった後はね。
レットがなりたい自分を探しに行こう。
だって、好きが分からないのは、
お互い様なんだもの。
……なんだね、意見があるなら言うように
[ゴーグルを軽くかけてみせたとき、目の前の老人アンドロイドが、明らかに止まったことで>>344>>345、人間マシーンの方は少し怪訝そうな顔で彼を見ていた。
当然だろう。まさか、スイッセスの中で新たなスーツ紳士の爆誕が起こっているなんてことは、堅物頭男には想像も尽きようがないのだ。
想像してみよう。絶海の船の上…
フルフェイスヒーローとカフェマスターが、
敵勢力に囲まれ銃を構えられている…
そこにさっそうと現れるスーツ紳士ヒーロー!
彼は敵勢力に向かって真っ向からこう告げるのだ…
『そんなことをしていていいのか?
貴様らの銃の乱射のおかげであと4分33秒で船が沈むぞ?』
どーーーん!いきなり傾く船…
滑り落ちていく敵陣営…そして颯爽と助けるスーツ紳士…
…ちょっと夢を盛りすぎた気がする。が、そんな姿を…]
[ 花が咲いたように微笑んで。]
……不思議。
自分の好き、は分からないのに。
レットに着てみてほしい色はあるなんて。
[私、あなたには空の色のような
水色の服を着てみて欲しいな、って思ったり
春を思わせる薄桃色の花のような色を
纏ってみて欲しい、と考えてしまうの。
私が淡い色と反対の色を選ぶなら。
あなたもそうしてみたらいいんじゃないかなんて。
素人考えだけれど。
何故かな。
似合うんじゃないかと思ってる私がいるの。]*
……かっこいい?
[さて現実のスーツ紳士は、普通にスーツ紳士なので、
突然零された賞賛の声に、驚きの声を漏らす。
そう、全く持ってそのような賞賛が来ると思っていなかったのだ
少しキョトンとした顔で、しかし、老紳士が続けた言葉に、少し考え込む素振りを見せる]
……ヒーローになる。か。
私は正直、勧善懲悪物のヒーローの良さはよくわからない。
結局のところ、あれも互いの理屈をぶつけ合った結果、敵をねじ伏せただけに過ぎないとも言えるからだ。
[…ゴーグルを翳しつつ、男はまた一つ思案する。
そして、声を漏らす。]
……人の気持ちを、心から理解したいと思ったのは、思えばこれが初めてかもしれないな…君のように、分析の結果出た反応であるということに気づけないほど、私も思い込めればよかったものだが
[…ヒーローに、今更憧れるなんて、おかしな話と思うだろう?
男は、そういって…『心』を持った『隣人』に心の一部をさらけ出した*]
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