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電波塔管理 ペデスタル は 紫花天 タリアー04 の名前を書いた紙を箱に入れた。
碇星魄 インダラクス は 紫花天 タリアー04 の名前を書いた紙を箱に入れた。
焉命愛 マリールア は 紫花天 タリアー04 の名前を書いた紙を箱に入れた。
月季天 ジブリール は 紫花天 タリアー04 の名前を書いた紙を箱に入れた。
弾振具 SAW-GK は 紫花天 タリアー04 の名前を書いた紙を箱に入れた。
紫花天 タリアー04 は 紫花天 タリアー04 の名前を書いた紙を箱に入れた。
火葬想 イサリビ は 紫花天 タリアー04 の名前を書いた紙を箱に入れた。
紫花天 タリアー04 に 7名が票を入れた。
紫花天 タリアー04 が断頭台の露と消えた。
翌朝、 焉命愛 マリールア の死が告げられた──……。
現在所在が確認できるのは 電波塔管理 ペデスタル、 碇星魄 インダラクス、 月季天 ジブリール、 弾振具 SAW-GK、 火葬想 イサリビ の 5 名。
電波塔管理 ペデスタルは、 月季天 ジブリール を投票先に選びました。
電波塔管理 ペデスタルは、 弾振具 SAW-GK を能力(襲う)の対象に選びました。
[ペデスタルは人類によって製作された無機物の機体であり、人類アンソニー・ペデスタルとは文字通り血の繋がりはない。己の稼働後の面識もない。
それでもペデスタルの人格基盤がアンソニーのコピーである以上、ペデスタルの行動には「アンソニーらしさ」が少なからず再現される。
譬えその記憶に破損があったとしても、だ。]
18時00分を確認。
これより2時間30分の休憩に入る。
[ペデスタルの合成音声がそう言葉を紡いだ後、パラボラアンテナ型の頭部を有した人型の機体は席を立つ。
そして管理室を後にして、1階下の娯楽室へと、2本の脚を動かして進む。]
[娯楽室内、正面側の壁には、タペストリーほどの薄さの大型ディスプレイが架けられている。
ペデスタルはディスプレイ傍の端末を操作し、とある1個の動画ファイルを再生する。
室内照明が消えた後、ディスプレイに表示されるのは――
空の星々を模した舞台照明と、その人工の星々に照らし出されたステージ。ステージ中央では、人型の何かがひとり、煌々と光を弾く衣装を纏って立っている。]
< ♪ ...... ......
...... .... .... ...... >
[それは、遥か昔に記録されたコンサート映像。
ステージ上の演者の身体は光で構築された立体映像だが、その動作と歌声は、人間の歌手からリアルタイムで取得されたものだ。]
月季天 ジブリールは、 月季天 ジブリール を投票先に選びました。
[歌手の背後には、バンドメンバーが影のごとく薄ら浮かび上がる。
やがて舞台照明が鮮やかに移ろってからは、パフォーマーがステージ上に出現し、歌手を引き立てる形で文字通り乱舞する。
これらの演者たちの身体は実体を伴ったものだが、仮想の身体の歌手との間には違和感を生じさせない。
ステージの前方や、ステージの側方を囲むスタンド席では、闇の中に色とりどりの光が灯る。
それは観客たちが手に持つペンライト。
その光は音律に合わせて一斉に動きながらも、個々の生命の違いを表すように、幾らかだけ揃いのない動きで揺らぐ。]
[そんな動画ファイルの再生が終了した後、ペデスタルは端末とディスプレイの電源を切った。]
よし、今日の残りも頑張れる。
[人類アンソニーとは異なり、ペデスタルはこのまま退勤まではしない。
これは、あくまで夜間初めの休憩時間。
真にスリープモードに入る時刻まで、ペデスタルは再び、電波塔の管理業務に就く。]
/*
>>3この発言、←の顔で落とそうかと直前まで迷ったんですが
参加者側が全体的に落ち着いた感じだったので自重しました
火葬想 イサリビは、 月季天 ジブリール を投票先に選びました。
弾振具 SAW-GKは、 月季天 ジブリール を投票先に選びました。
「現在 機体検査中ノ A1BA-RTサマ ニ 代ワリ
ワタクシ M-Doc379管理下従機No.8 ガ
UT-Xng-3Cサマ ノ モト ニ マイリマシタ」
夜明けにはNo.5が来て、起きて早々キミが来るとか、
ボクどれだけ
「UT-Xng-3Cサマ 異常ナシ 確認済ミ
此度ハ UT-Xng-3Cサマ アテ ノ
オ手紙 ヲ オ渡シニ マイリマシタ」
あ、そうだったの。うん。 ――――って、お手紙?
碇星魄 インダラクスは、 月季天 ジブリール を投票先に選びました。
[…黄昏が暮れ、黎明が来る。
規則正しく降り始める楽園の雨を、
夜鷹は楽園の最も高いところから眺めていた。
このように、物思いにふけり、
そして、
誰かの無事を祈ったのはいつぶりか
今日も、楽園は生きている]
「コチラニ ナリマス オ受ケ取リクダサイ」
うわーいありがと〜〜〜〜!!
えっへへえ、手に持てる手紙だー!
で、ボク宛てってことはもしかして、
……もしかして、もしかしちゃって!?
「ナオ M-Doc379本体ノ 来訪ハ
現時刻ヨリ 2日17時間18分後 ノ 予定
ソレデハ 失礼シマス サヨウナラ」
え、メンテそんなすぐだったっけ……?
まあ、まあいいや。じゃあねー!
…………うへえ。
そこのキミにはあの感触、解らないだろうけど。解らないよねー。
とりあえず、手紙読んで
仕事前に、気持ち、仕切り直そう――うん??
あ、メッセージも来てる!
えーっと、うーんと……
まだ明るいうちに、こっちの手紙から読んじゃお!
[ 「墓守」の稼働時間は、主に夜間。
住居としている礼拝堂の照明機器も使えはするが、
西日がまだ差す時間帯に「手に持てる」手紙の文面を
視覚で確認することを優先した。 ]
今から暫く、キミは邪魔しないでね?
そこの窓辺にでも留まって待つなり
クローバーの花陰に行くなりしてくれたまえ〜。
…… …… …………
……… …………………… ………
―――――― ……… ……………
[ 最後の一文にまで作り物の瞳孔を向け終えたとき、
西日行く空は紫色の黄昏へと変じていた。
朽ちた木製の台の代わり、鋼板の机上の便箋に
イサリビは、この時はペン先を落とさなかった。 ]
明るくなってから、もう一度読み返すよ。
今からメッセージの方も読むから……
まだもうちょっと、窓辺でおとなしくしててね?
[その日、夜明けはいつもよりも眩しく感じた。
外に出た時、太陽の光を受けた金属はキラキラと輝いて
感動して、僕は正面の青いランプを何度も点滅させた。
……いつもより眩しく感じた理由は、
メンテナンスで、僕の視覚ともいえるレンズが
丁寧に磨かれたからでもあるのだけど。]
Pi!今日はコノ町、一周すル!
[普段より早い時間に動き出した僕は、
すっかり走り慣れた道を時速100キロで走り出す。
あまり部品の交換ができなかった代わりに
ボディーの清掃と錆び取りを丁寧にしてもらった結果、
今日の僕は昨日の僕よりピカピカツヤツヤだ。]
[……メンテナンスを受けながら、考えたことがある。
そのことを、僕の中に留めておくのは、
メモリーのあたりがなんだかモヤモヤ落ち着かない。
それなら、と。
また、僕はメッセージの機能を立ち上げた。
『この機能はシステム負荷が高いから、
ちゃんとしたメンテナンスを受けられるまで、
暫く使わないようにしたほうがいい。』
メンテナンスの最後にそう注意を受けたから、
機能をオフラインにしなきゃいけない。
それはわかってるけど、あと少し、もう少し。
街のみんなに挨拶を終えるくらいまではいいよね?
そんなふうに、自分自身に言い訳をしながら
電波強度はいつも通り最大にして、
僕は、アンテナを青く光らせた。]
コチラ、SAW-GK。
座標〇△□-×〇△ヨリ発信。
コンニチハ。
僕ハ、非人型、直径35センチ、高サ10センチノ、
他機能掃除機デス。オ仕事クレル人間、居ナイノデ、
目覚メテカラコノカタ、掃除ハシタコト、アリマセン。
知リタイコト、知ルタメ。カラダ、直スタメ。
人間カラオ掃除ノ役目、モラウタメ。
時速100キロデ、旅ヲ続ケテイマス。
僕ノボディーノ動ク限リ、行ケルトコロマデ、
回路ガ強ク反応シタ、僕ノ強イ願イ、望ミ、夢……
全テ見ツケ、叶エルマデ、止マルツモリ、アリマセン。
ソノツモリ、デシタガ。
僕ノボディーハ古ク、一度止マッテシマイマシタ。
今居ル町デハ、全テヲ直スコト、出来ナイノデ
他ノ場所へ、旅立ツ予定デイマス。
弾振具 SAW-GK から 月季天 ジブリール へ、秘密のやり取りが行われました。
残念ナガラ、コノ、メッセージの送受信機能ハ
モウスグ、オフラインニスル、予定デス。
システム負荷ガ高ク、エネルギーノ消費モ激シイ。
───オフラインニ、スル、前ニ。
メッセージガ、送レナク、ナッテシマウ前ニ。
最後ニ誰カニ、聞イテミタイト思イマシタ。
人間ガ、動物ガ、動カナクナル、ソノ時。
「死ヌ」トハ、ドノヨウナ、モノナノデショウカ。
機械ノ死ガ、停止シテ二度ト動カナイコト、ナラ、
僕ハ死ガ怖イト、思イマス。
マダヤリタイコト、沢山アル、ママ、
停止シテシマウノハ嫌ダ。ソウ、思ウノデス。
デモ……キット、イツカハ、止マル日ガ来ル。
ドウシタラソノトキ、怖イ、思ワズ済ムデショウ。
僕ハソレガワカラナイママ、動キ続ケテイマス。
弾振具 SAW-GK から 月季天 ジブリール へ、秘密のやり取りが行われました。
モシ、コノメッセージ、受ケ取ッタ方、居タラ。
僕ノ疑問ヘノ返事デ、無クトモ、良イノデ
ナンデモ、オ返事クレル、嬉シイデス。
僕ノ身体、メンテナンスガ出来タアト
マタ、送受信機能、オンラインニスル予定デス。
確認ガ遅クナッタトシテモ、カナラズ、読ミマス。
僕ノカラダハ、ホトンド壊レカケテ、イルケレド
マダ、停止シテ動カナクナルトハ、思ッテナイ。
『カナラズ、オンラインニスル』
ソノトキヲ楽シミニ……僕ハ、マタ旅ニデマス。
次ハ、目覚メテカラ、6ツメノ町ニナル。
今度コソ、人間、見ツカルトイイ、思イマス。
人間ガイタラ。同ジ質問、シテミタイデス。
コノメッセージガ、誰カニ、届キマスヨウニ
ソノ誰カニ、僕ノ言葉デ、何カヲ与エルコト、
デキマスヨウニ。願ッテイマス。
弾振具 SAW-GK から 月季天 ジブリール へ、秘密のやり取りが行われました。
/*返信先確認
イサリビとジブリール
独り言にマリールア かな
送られた順に…と考えると
イサリビ→マリー→ジブリールで
仕事疲れで今夜は動き遅めになりそう
イサリビとマリーに返せるかな〜
[ 黎明が朝日を連れてきて、
にわかに辺りが明るくなった頃。
夜鷹はひらりと
今日の任務は、小さな湖畔エリアの環境調査にした。
自然な形で自浄作用の働く美しい湖だが、
想定せぬ形で生き物たちが大繁殖していないかを
確認するのも、この楽園の維持には必要だった
湖のほとりに立つと、澄んだ水の下で
足の生えたオタマジャクシや小魚が泳ぐのが見えた。
その上をアメンボがツツゥと通過して。
今日も
ここは、どこよりも平和で安全なのに
それでも君たちは、外の世界を望むのだな…
[夜鷹は、そういって苦く笑い、
一つ瞬きをする。
外の世界との繋がり。
そして今、夜鷹自身がほしいもの]
[…そうして夜鷹が戻ってきたのは、
既に朽ちた文明遺構の通信端末の前だった。
またしても、ちらちらと光を輝かせるそれに、
夜鷹は肩をなでおろした。
誰かから、未知の世界からの連絡が来ている。
内容を見れば4通。
これまで無通だったことも踏まえれば、
この数は記念すべき記録だ。
もしかしたら
ほんの少し期待もあった。
夜鷹はまず一通目を開く。
歌唄いの、どこか明るく、どこか寂しい
夜鷹の歌をどこかで知る、独りぼっちの墓守
はじめまして
君のメッセージを再び受け取れたこと、
心より嬉しく思う
君の語る言葉はとても詩的で柔らかく…
そして、心地よい。
こどもたちには御伽話ばかりを聞かせていたから
褒めていただけたのはたいへん気恥ずかしいが…
碇星魄 インダラクス から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
…私は君の告げた座標に心当たりがある。
遥か昔、この楽園を出た
君の告げた座標周辺地域より、
通信をくれたことがあった。
…『楽園の花園』では、現時点で4267回もの
楽園外視察計画を実施した。
始まりは、楽園を運営する人類の生き残りが、
楽園での環境を整えるために、必要な物資を集める
遠征だった。
そして子供は大人を見て育つというように、
この楽園で生まれ育ったこどもたちは、
楽園外の環境での生をいつしか望むようになった。
…楽園が完成し、
かつて人間と呼ばれたものが
この楽園から全ていなくなったあとも
碇星魄 インダラクス から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
…アベル、ベルティ、イクサリ、ディルム
カイデ、ドーラ、カナリー、ライディン…
…これは、その通信が入った時期に楽園を出た
…通信があったのはもう✕✕✕年も昔になる。
個体識別ナンバーも当然存在したが、
『楽園の花園』を創り上げた創設者は…
そうした無機質な呼称を嫌っていた。
産まれた場所が、母親の胎か試験管か
たったそれだけの違いで、扱いを変えるのは
あまりにも傲慢であるという考えだそうだ
これらの名前に 心当たりはないだろうか。
碇星魄 インダラクス から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
…イクサリ…
そういえば、彼の名前は君の名前に似ている気がする。
自然を愛で、野を駆け回るのが好きな子供だった。
生まれたばかりのパンジーを見て笑い、
紅葉が作った道を全力で駆けて転び、
花蟷螂と威嚇しあったり、
木々に群れる鳥たちと歌った。
…彼は、そこから伝えてくれた。
『海の向こうで待っている何かがある』と。
…それが、君のいる場所なのかもしれない。
彼の息吹が、君や君の島に
存在しているのかも…なんてな
碇星魄 インダラクス から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
…『楽園の花園』は、
決して素晴らしいものではないと
人々は我々を罵った。
……けれど、私達は 私は
確かに
…君にだけでも伝わっていてほしい
ありがとう、私達の愛を肯定してくれて
碇星魄 インダラクス から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
…さて、君からの問いかけにも答えよう。
人間と同質の暖かさ…というのは、
体温を発生させているか?という話…ではないだろうな
いわゆる『心の暖かみ』があるか、という話だろう?
残念なことに、私自身も、
『心の暖かみ』というものは理解できない。
プログラムされた自律思考AIは、人間たちの倫理観に
合わせた思考をするために、自然と柔和な反応になる
しかしそれを暖かみと言われると、
そう言ったプログラムであるからと答えざるを得ず
なんとも言い難い
…しかし…
私は、ぽかぽかとしていてあたたかいのだと。
どういったところが暖かいのか尋ねたところ…
…一緒にずっと日向ぼっこをしていたから
おひさまの暖かさがずっとしているとのことだ
碇星魄 インダラクス から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
/*
取り急ぎインダラクスさんからカイデ兄さんとラデン姉さん拾ってもらったの確認しまし た おおおおおおおありがとう……ッ
…私は、我々機械が持ちうる『暖かさ』は
そういったものではないかと考える。
太陽を浴びて得た温もりや
彼らの眠りを見届けるために、月の光を浴びて得た
静かな冷たさ…
…彼らのために動かした身体の機構が熱を持ったなら、
それは、彼らを思う気持ちの暖かさと何が違うだろう?
…少し詩的すぎただろうか?
私の回答が、君のお気に召すことを祈っている
碇星魄 インダラクス から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
長くなってしまったな。
通信機能に負荷をかけてしまうだろう。
一度このあたりで区切ろうと思う。
…また君の話が聞きたい。
君の島や、君の
私の話を聞いて、君がどう思ったか…
どうかまた、私と話をしておくれ。
黎明の果ての夜鷹より
碇星魄 インダラクス から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
[送信ボタンとともにキーボードを叩き終えた夜鷹は
ふと周りを見て、だいぶ長いこと
時が経っていることに気づく。
柄にもなく夢中になってしまった。
まだ返すべき返信は他にもある。
さて…何から返そうか……]
─── 回想・タリア04の覚醒 ───
[ けたたましいエラー音の鳴り響く中、彼女は覚醒する。]
────私はタリア。『紫花天 タリア-04』。
[ 起動してすぐに彼女は自身の名称を口にする。
エラー音に混じって、呻くような地鳴りと激しい風の音が室内にも響いていた。
上体を起こし、彼女は周囲を見廻す。
別の機械がいる様子はなく、ここには彼女しか稼働している機械はいないようだった。
この部屋は特別頑丈であるのか、揺れてはいても崩落などの危険性は低そうだ。
暫くして、喧騒は収まり、辺りは静寂を取り戻す。
彼女は、身体の収められていた長方形の装置から出ていく。]
[ 覚醒前にタリア03
──私の前身の記憶がロードされていたようだが、あれは何だったのだろう。
保存されたメモリ(記憶)が起動時にこの状況に係るものだろうか、と再度ロードを試みてみる。
しかしメモリエラーが出現し、電脳部にノイズが走った。
数十回の試行を繰り返したが、いずれもノイズが発生してしまい、再生に至らない。
どうにも成らないと理解し、メインシステムの元へと向かって現在の状況を確認する。]
[ メインシステムは一部破損が見られたが、サブシステムの補完が働いており、現状を把握するには特に問題がなかった。
結果、わかった事象は三つ。
一つ、突如巨大なハリケーンが発生し、この施設は放棄された。
二つ、
原因は不明。
三つ、
いずれ破棄される。]
破棄……。
[ 天災の影響でシステムに不具合が出て、凍結が解除された可能性。
しかしそれらしい形跡はログに残っていない。
となると自動的に解除されたことになるが、それが誰の手によるものなのかは、『タリア』の能力で探るのは難しかった。]
なんで私は、目醒めてしまったのだろう……?
[――手足のしびれるような感覚――
手紙の余韻に浸ったまま、どれだけの時間を費やしたか。
その感覚が冷たい現実を呼び覚ます。]
……この、感じ。
[何度か味わったことのある感覚。
バッテリーの切れが迫っている感覚。]
どうし、よ。
[いろいろな人に手紙を送って、
返事を確約してしまった。
――そうだ、よく考えたらそんなことしちゃだめだった。
これは何時だって終わっていいほどの頼りない夢だった。]
私、止まりたかったハズなのに。
何でそれをすっかり忘れてたの――?
――やだ。
やだよ。
まだ何にも、ちゃんと、話せてないのに。
――私、今、こうやって動いているんだから、何かしらの手段で、充電できたはず、だよね。
[考える、考える、考える。
うまく動かない体で、頭だけを稼働させて考える。
なにかなかったか。外発的に私が充電されるようななにか。
それさえ見つかれば――きっとそれさえ見つかれば。]
/*
特殊転送機能……多分便箋とかインクの言及がないから、メッセージの形態で返信してくれたってことでいいのかな。そわそわ。
もし読み違えてたらエピで謝ろう(>x<)
そして今気づいたけど、全体メモってお墓に行ってしまった人のは見えなくなっちゃうのね。全体メモ使う村初めてで新鮮である。なるほど〜。
[蔦で覆われた金属片が積み重なって居る場所。
そこは、人間が争いに使った武器達が、
もう使用されなくなり、集められ、朽ちた結果らしい。
外に廃棄されたままになっている
弾を篭めて撃つ目的で作られた大量の武器達は、
植物と錆で覆われ、もう簡単に動かすことはできない。]
Piッ!到着しタ!ココ、君ノおうチ!
何度モ聞いタから、ちゃんト覚えテル。
[ここまで僕の上に乗っていた犬は、一声吠えると、
僕から降りて、蔦の隙間へと潜るように消えていった。
蔦の壁のようになっているあの向こうには、
あの犬が家族で暮らしているんだ。
隙間からちょっと覗いてみたら、
植物が雨避けのように丁度良く育っていて、
この場所なら安心だと納得したのは
半月程前の事。この町に来たばかりの頃の話。]
猫たちノ集会所にモ行ったカラ……
あとハ、お世話ニなっタ、メカ達ニ、
ごあいサツ、しないト。
[この町を後にする前に、
知り合ったメカや動物達になるべく会っておきたい。
そう考えると、思ったよりも時間がなくて、
メカ達がよく集まるマスターのお店に全速力で向かう。
向かっている最中に、メッセージを受信した。
僕への返信は何度来ても嬉しくて、
走りは止めずにアンテナをぴこぴこ、
ご機嫌に揺らしたりしながら、読み進めて───
最後の内容に、思わず処理を止めてしまった。]
…………飛ぶコト、できル…!?
[羽根が生えていて、空を飛べるなんて。
僕はまだ、そういうメカと会ったことが無かったから、
この時は、急停止するほどびっくりしてしまって。]
[試しに僕も飛べないか、
その場に全力でジャンプしてみる。
何度か試してみたけど、僕のはどうやっても垂直跳び。
最高でも1メートル程度ふわりと浮かび上がるだけ。
普段、これでお店の椅子に座ったりもしているから、
わかっていた結果とはいえどうにも残念で、
排気口からプシューと空気を漏らす。]
ウーン……やっぱリ、羽根、ないトダメ?
飛ブ……スゴイ。空かラ見た景色、
地面カラ見上げタ景色ト、どれダケ、違うダロウ。
[空から見た風景に思いを馳せながら、
マスターのお店に向かう道中、お返事を作る。
羽根の生えた彼女へのお返事を書き終えれば、
僕の回路が抱く感情をそのまま表すように、
アンテナは元気よく、青く光ったんだ。]
コチラ、SAW-GK。
座標〇△□-×〇〇ヨリ発信。
紫花天タリア-04、オ返事、アリガトウゴザイマス。
最近立チ上ゲタ、メッセージ送受信システム、
上手クイカナイコトモ、予想シテイマシタ。
デモ。僕ノコトバ、チャント、届イテタ……!
貰ッタオ返事、全テバックアップヲ取リタイ。
コレハマサシク、嬉シイトイウ、感情ト思イマス。
オ好キニト言ウコトナノデ、タリア-04ト呼ビマスネ。
僕ハ自分デ勝手ニ、清掃機能ヲ使ウコトモ、デキマス。
シカシ、僕ニハ他ニモ色々ナ機能、ツイテマスガ
今マデ一度モ、清掃機能ダケハ、起動シテイマセン。
ハジメテノ掃除ハ、人間カラノ役目トシテ、行イタイ。
ズット思イツヅケテキタ、僕ノ強イ気持チヲ、
タリア-04ニ、素敵ナ夢ト言ッテモラエテ、
トテモ……トテモ。嬉シカッタデス。
僕ハ役目ソノモノ、失ッタワケデハナイ、ケド。
タリア-04ニ、モウ役目ガナイノ、悲シイト思イマス。
僕ハ人間ヲ探スタメ、知リタイコト、知ルタメ。
探シテイルモノ、探スタメ。色々ナモノ、見ルタメ。
モウスグ、今居ル町ヲ出テ、旅ニデマス。
今マデ巡ッタ町ハ5、ツギデ6ツメニナリマス。
モシ。役目ノコト、ジャナクテモ。
僕ニ手伝エルコト、アッタラ、話シテクダサイ。
何カ知リタイコト、探シテイルモノ、アレバ
僕ハ小サイケド、チカラニナレル、思ウ。
コレデモ僕ハ、時速100キロデ走レマスノデ
特ニ、何カ探スコトニツイテハ、得意ダト思イマス。
(人間ハ見ツカラナイママデスガ、スコシ前、
今ノ町デ、迷子ノ子猫探シダッテ、成功シマシタ。)
タリア-04ノオハナシ、マタ聞キタイトモ、思ウカラ。
マタ、メッセージ、クレル、嬉シイデス。
アト……ソウダ、チイサナ、羽根!
思ワズ、時速100キロデ走ッテイタ、トコロ、
急停止シテシマウグライ、驚キマシタ。
僕ハ少シダケ、ジャンプ、デキルグライデ、
鳥ノヨウニ空ヲ飛ブ、デキマセン。
タリア-04ハ、凄イ機能、モッテイマス!
イツカ、タリア-04ガ空ヲ飛ブ姿、
ソレヲ下カラ見上ゲタトキノ気持チ、記録スル。
ソレヲ、僕ノ夢ノヒトツニ、クワエマス。
人間ヲ見ツケルノガ、僕ノ一番ノ夢。
デモ、最近、僕ハ、気ヅイタノデス。
夢ヤ、ヤリタイコト、多ケレバ多イホド、
コノ古イボディーノ、前ヘススム原動力ニナルノダト。
アリガトウ、タリア-04。
僕ニオ返事ヲクレテ。
僕ノ夢ヲ素敵ダト、言ッテクレテ。
人間ガ周リニイルカ、探スト言ッテクレテ。
小サナ羽根デ空ヲ飛ベル、教エテクレテ。
人間、モシイタラ、教エテクダサイ。
僕モ、人間ヤ、ハジメテ見ルモノ、見ツケタラ
マタ、タリア-04ニ、メッセージヲ送リマス。
メッセージ送信キノウ、システム負荷ガ大キイカラ、
暫ク、オフラインニスル、ケレド。
ボディーノメンテナンス、完了シタラ、
必ズ、オンラインニシマス。
マタ、タリア-04ト話セルトキヲ、
楽シミニシテイマス。
/*
動物大好きな中の人です(・x・)
無事、猫を乗せて走る、犬を乗せて走る、チップ使ってロルロルするノルマクリアできたぞー!と嬉しい。
んで、凄い今更なんですけど、>>1:37これめっちゃ好きでした。とても笑顔になった。自分で払いのけて追い払ったりしないで、どいてくれるの待ってるんだよね、良い……。
ペデスタルさんにもお手紙書きたいけど時間ないかもなあ。墓下行った後に送るのを目標にしよう……。
[ 次に目に入れたのは…
間違いメールを受け取ってしまったと伝えるものだった
はて…通信を行っただろうか。と思い返すが…
夜鷹はすぐに理由に思い至り、苦笑いをする。
ここ最近、自身の思考や祈りとともに、
勝手に通信されてしまうことが多い気がする。
長らく使っていなかった思考伝達機能が
まさか施設外にいる個体と、
こんなにも簡単に繋がれてしまうものだったのかと驚く
あるいは、繋がれる個体がそれほど少ないのか
何はともあれ、驚かせてしまった謝罪の文を作ることに]
マリールア 殿
拝啓
当方のメッセージが誤って貴方に届いてしまったこと
心より謝罪いたします。
こちらは、テラフォーム式生命維持施設『楽園の花園』
私は、当施設の管理・防衛機動装置
個体識別名を
…どうやら、貴方に届いてしまったのは、
この『楽園の花園』の外へと旅立っていった
対するメッセージのようです。
ようです、と曖昧な表現をするのは…
…状況を見るに、私の自律AI間思考伝達システムが
勝手に作動してしまい、
私自身それに気がついていなかったからに他なりません
…家族がいない。
というのは、私には想像できません。
私がこの『楽園』を守る任を受けてから、
私の周りにはさまざまな
誰かが私に語りかけてくれた。
その時のぬくもりは忘れることはなく…
忘れることは決してできない。
だから、私はこの『楽園の花園』を護り続けています。
それは人々の希望の残り香であり…
それは愛しい
彼らの…生まれ故郷なのだから。
親のようだと言われるのは少し気恥ずかしいですが
彼らを守る保護者で在り続けたいと願う事実をふまえると
それもあながち間違っていないのかもしれません
私の言う"君たち"…
過酷な楽園外の環境に適応できるように
様々な祝福を与えられていましたが…
その内面は純朴かつ好奇心旺盛でした。
私の仕事を手伝ってくれたり、
逆に楽園のなかで無邪気にイタズラしたり…
手を焼くことも多かったですが、
だからこそ、大切に守らねばと思いました。
楽園外に出て、今はどこで何をしているのやら…
懸想しても仕方のないコトではあるのですが、
それでも思うのをやめられないのは、保護者の常というものなのでしょう
…長くなってしまいましたね。
最近、誰かと通信する機会も多く、少し浮かれているのかもしれません。
貴方の祈りに感謝いたします。
また彼らに逢えることを、私は今でも願っています。
そして、また貴方と話せる日が来るのも。
どうかお元気で。
このメッセージ貴方の孤独を暖められますように
敬具
[かちり。送信ボタンを押す。
どこか、返事が来るのを待ってしまう。
そんな夜鷹は、人とのつながりに少し浮かれているようだった]
[ 優しさや心遣いが各所に散りばめられ
思慮深さの伝わる墓守からの手紙。
時に『驚き』 時に『考え込み』ながら
多くの時間をかけて返信を認めた。
枠組みだけになった窓の外を見遣れば
密やかに囁き交わす星々の声が聴こえる。 ]
墓守殿 改め UT-Xng-3C イサリビ殿
返信が無事に届いたこと、安堵いたしました。
そして再び貴方からのメッセージを
受け取ることが出来たことにも。
貴方の型番と愛称を教えて下さり
ありがとうございます。
イサリビ …… 他国の言葉ですね。
温度を感じる素敵な愛称です。
お手紙の中では わたしも
そのようにお呼びしたいと思います。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
イサリビ殿からの最初のお手紙は
紙でお送り下さっていたのですね。
叶うならそのまま受け取ってみたかった。
郵便配達用の鳥類型メカたちは
現在は、封書を封書の形のままで
お相手様に届けては下さらぬようです。
刑務所・監獄という特殊な環境ゆえ
情報守秘の観点から出入りする情報は
電子処理して取り扱うようになったのだとか。
わたし自身はといえば文字は紙の上に認め、
紙の筒に入れて切手を貼るという古来からのかたちの方が
何故か落ち着く心地がしますので
そのようにしているのですが。
お相手のお手元に届く時は
電子の文字列に変換されているかもしれません。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
イサリビ殿の傍にはお話相手がいらっしゃるのですね。
なにを以て孤独と定義するかは
個々によって異なるものと思いますが
発話と対話ができるお相手が沢山いることで
貴方の孤独が少しでも紛れていることを願っています。
この施設内にも
縁者を持たない収監者がいのち尽きたとき
彼等を安置する場所は存在しています。
貴方のお話を聞いて、今一度彼等への認識を
確認したりもしてみたのですが……
わたしのシステム上では彼等を「まだいる」と
判断することはないようです。
もし貴方と同様のプログラムであったなら
今のわたしはどのように在るだろうか、など
様々に考えさせられました。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
ヒトと機械との間の情のお話についても
非常に興味深いお話をありがとうございます。
機械に対し愛情を持って接する者
機械以外の存在に対し愛情を注ぐ者
愛してくれたヒトとの記憶が
役目を越えて我々に齎す影響………
情には、友情、愛情、他にも様々な分類が存在していますが
ヒトのそれらと区別するならば
わたしたちのこころにもイサリビ殿の言うような名を
付けても良いのかもしれません。
名前がなくとも、貴方の中に残る
愛情の記憶というものは温かく残り続ける。
不合理な思考と感覚だとしても、回路の発熱とも違う熱が
血の巡らぬわたしたちに悪い作用を齎すはずがない。
貴方のお話を聞いて、そう感じます。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
……イサリビ殿にお返事をお送りした後
そしてまたお返事をいただいた後
この返信を認める前に、ひとり考えていました。
よくよく思い返せば、
同じ任の機械人形がいないこと
それそのものを寂しいと感じたことは
わたしには無かったような気がいたします。
わたしは確かに孤独なのでしょう。
しかし、その孤独が何に由来しているのかと言われれば
己自身の不確かさにあるような気がしています。
わたしは、嘗て存在した人間の人格を
機械人形の身体に乗せ換えたモノでありますので。
このあたり、わたし自身でもどうも茫漠としており
考えのまとまらぬ事柄のようですので
また機会があればお話できれば、と思います。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
いくつか質問をいただいておりましたね。
ヒトの刑務官との思い出については……
そうですね、強く記憶に残るヒトは何人かおります。
良い意味でも逆の意味でも―――そう、
もうひとつの質問へのお返事にもなりますが、
多くの収監者はガラは良いとは言えませんでした。
控えめにお伝えしようとしても、なかなかのものです。
というのも、わたしの居るこの施設は
特段刑期の長い重罪人ばかりが
数多く収監される特殊刑務所なのです。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
ですから、任務にしても、
プログラミングされた通りには遂行できません。
結果的に、収監者とは対話を行う機会が多くなりました。
不思議なことに、粗暴で手が付けられなかった受刑者でも
定型であろうと毎日欠かさずの挨拶と言葉交わすうちに
徐々に落ち着き罪と向き合い始める
という変化も見られたものです。
もしかしたら、彼等も彼等の孤独があり
種族を問わず、誰かとなんらかの話をすることで
癒されることもあったのかもしれない。
わたしとしても、孤独を癒すのは対話なのではと
考えるに至った所以でもあります。
イサリビ殿も、少し孤独も紛れた気がすると仰いましたが
わたしもこうしてお話をすることで
肩の荷が下りるような心地でいます。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
すこし、話が逸れてしまいました。
■■■年の務めでそうした関わりが増えた結果、
わたしの中にもヒトに対して・彼らに対しての
情報が蓄積されてゆきました。
そうした蓄積を“思い出”と
称することが出来るかは分かりません。
これが情であるのかどうかも わからぬのですが。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
そうそう、個体名をお尋ねでしたね。
先に述べたような収監者は大抵
わたしを個体名で呼ぶようになっていたのですが
…… ジブリール、そう呼ばれていました。
西の大陸の南西部にある大きな半島では
大天使ガブリエルを意味する名です。
わたしの身体は、天使を模した姿をしているのですよ。
大きな羽根に、簡易ながら飛行能力も付加されています。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
地獄に天使。
その天使が収監者を管理し、
時に刑の執行を告げ、死を呼ぶのです。
趣味のよくないものだと思われませんか。
こうした姿で創造られたのは、わたし自身…… いえ、
正確には、現在のわたしの元人格を持つニンゲンが
大罪人であることに起因するのですが、さておき。
収監者の中の一握りには、
この名が、姿が 慰めになると言われたこともあります。
ただ己で名乗るには畏れ多い名であるため
どうか「J」の方で呼んでいただければ嬉しい。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
◆◆◆◆◆という名には覚えがあります。
驚きました。懐かしくもあります。
引き取り手不在や拒否となることも多い中
故郷に帰ることの出来たヒトでしたね。
今やこの地では花々は貴重なもので
紅の薔薇を送ることも叶いませんが
イサリビ殿の住む島で埋葬していただけたのであれば
この先も安らかに眠ることが出来るでしょう。
お話の順番が前後しましたが
インダラクス殿とも既知でいらしたとは驚きです。
ヒトビトへの愛深き共通の知り合いが居ること、
嘗て任を通じ関わりがあったことなど
奇跡的な出会いに感謝いたします。
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
長い手紙となってしまいました。
…… どうかこの先も、
貴方の元に灯が燈り続けますよう。
夜の果てから J
月季天 ジブリール から 火葬想 イサリビ へ、秘密のやり取りが行われました。
[ 幾つかの文面を、己は意図的に削っている。
その中には、いつ何時停止するか分からない
この身についての話も含まれていた。
時間がかかってしまったのは
処理能力の衰えの証左でもあるのだろう。
終わりは近づいている。
であればこそ、少しでも言葉返そうとするあまり
推敲もせずに書き連ねてしまいそうになる。
存外塩梅が難しいものだ。
ようやく封と紅色の薔薇の切手を貼った時には
夜も白みはじめていた。 ]
[ 窓辺には夜のとばりに近しい紫の光と、
クローバーの元に未だ戻らぬ羽虫が一匹。
礼拝堂の椅子の上で瞼を下ろすイサリビの、
初期状態では存在しなかった修繕痕のある
その顔が形作るのは、穏やかな笑み。
――幾度かだけ、硬直を交えて。 ]
当方 UT-Xng-3C
当機の座標◆□-○より返信
SAW-GK 返信ありがとう!
ボクからの情報が キミに届いて良かった
キミの通信が偶然ボクに届いたことは
間違いなく奇跡だったと、ボクもそう思う
この気持ちだけでエネルギー補充できる機能、
ホントにあればいいのに……なんてね?
ともあれ キミの力になれて ボクも嬉しい!
GLの生産数が数体くらいであれば
技師先生のところにいたGLが
キミのメモリーを継いでる可能性にも 期待大かな?
火葬想 イサリビ から 弾振具 SAW-GK へ、秘密のやり取りが行われました。
そのGLがキミの過去を知ってることもだけれど
稼働する同胞が今もいてくれることは
それ自体が かけがえないことだと思うんだ
製造元と基本性能が同じ、という意味での
「同胞」に、後継機は当てはまらないかも
しれない けれど……それでも
自分と同じ系統の機械って意味で さ!
ボクは 共にいた同胞たちを雷で失くして
最後の1機になってしまったから
GK キミのことが羨ましい
……羨ましいのは お互い様だね えへへ
だからその意味でも GLとキミが無事に出会い
ふたりがそれぞれに経験した出来事を
語り合えることを ボクも願っている
火葬想 イサリビ から 弾振具 SAW-GK へ、秘密のやり取りが行われました。
それにしても キミが捨てられたって聞いて
もしかしたらと思ったけれど……
相当古いボディーなんだね、GK!?
ボクもあんまり他機のことは言えないけど!
キミの部品がそこまで要交換状態なのも
キミのご主人様が それだけ長い間
役目を果たさせてくれていた証……であれば
いいんだけれど な
早く技師先生に診て貰うに 越したことはないけれど
急ぎすぎるあまり 無理して再起不能にならないよう
道中、焦らず気をつけて行ってね
火葬想 イサリビ から 弾振具 SAW-GK へ、秘密のやり取りが行われました。
それから「小言」と「荒療治」のことだけれど
小言っていうのは 具体的にいうと
バッテリーへの負荷を考えて動けとか
身体の定期的な清掃をサボるなとか、
細かい助言を怒りっぽく言ってくること
荒療治っていうのは……人間が元々使ってた意味では
「患者が痛がるのも気にしない治療法」だけれど、
技師先生の場合は 相手をスリープモードにもせずに
部品入れ替えしたりとか 溶接したりとか
ボクらの不快さを考慮しない修理を行うこと です……
これでも技術は確かなんだ、M-Doc379先生は
本当に危険性の高いやり方は採らないし、
警告音が止まらないくらいなら
あの先生は気にしないから、そこは安心して
健闘を祈ってるよ GK!!
火葬想 イサリビ から 弾振具 SAW-GK へ、秘密のやり取りが行われました。
座標◆▽-×の街のことも 大分大雑把な話しちゃってたかも
ワルっぽい機械、についてだけれど
重機として働いていた機械の組織と
人間の軍にいた戦車や戦闘機の組織が
お互い対立して睨み合ってるんだって
ただ 本気で戦争したら街が壊れるから
物理的な争いはほとんど行わないみたい
裏通りで険悪な罵り合いをする程度、かな
言葉遣いが乱暴な重機や元軍用機も多いけれど
元気に挨拶すれば 丁寧に優しくしてくれる!
コミュニケーションの基本はあの街でも
変わらないみたいだから、心配ないよ
人間がいた頃から あの街は港町で
いろんな地域から人間や機械が来ていたんだって
今でも 外の街から来た機械のことを
友好的に受け入れる街みたいだよ
火葬想 イサリビ から 弾振具 SAW-GK へ、秘密のやり取りが行われました。
[ 作り物の瞼が、一度、上がる。 ]
ねえ、キミならどっちがいい?
気休めの希望と、率直な絶望。
まあボクだって「もしかしたら」を
否定できる程、世界を見てはいないけど。
……解ってるよ。
答えは自分で考えろ、でしょ。
動物語翻訳とかもし実装してても
[ 再び、瞼は閉じられて―― ]
ところで キミはこの地球の上を
ほんの少しだけでも旅したんだよね?
他の機械たちにも会っているなら
話は聞いたこと、あるかもしれないけれど
人類は、滅亡したらしい
原因はよく判ってないらしいけれども
確かに ボクのいる島にも
生きてる人間はひとりもいない
座標◆▽-×の街も同じみたい
他の地域の機械からの手紙でも、
人類の滅亡を示す話がちらほら出てきてる
火葬想 イサリビ から 弾振具 SAW-GK へ、秘密のやり取りが行われました。
ただ ボクは世界の全部を知ってるわけじゃない
ボクだってこの地球じゃ小さな存在 だから
「動いて喋れる人間なんてもういない」とは
言い切れないし 言い切らないよ
だから ボクは願い、想う
SAW-GKの追加の夢も 叶いますようにと
そしてボクも キミが貰った愛称を
このくちびるで紡いで呼んでみたい
……ボクは機械なのに ついこう思っちゃうんだよね
同胞のことは 型番で呼ぶんだけれども
火葬想 イサリビ から 弾振具 SAW-GK へ、秘密のやり取りが行われました。
キミの秘蔵の自慢のダンス、いっぱい見たい!
目覚めてからの初回公演の観客になるんだ
だからぜひ ボクがいる島にも来てほしい
って思ったけれど……
ボクの方から島を出て キミに会って
そして ボクも世界を旅してみたい、って
キミの通信に触れて そんなことも考えちゃったんだ
けれど ボクは「墓守」のシリーズ機
ヒトの死を弔い 眠る場所を守る役目
ボクの守る墓所あるこの島を出ることは禁止されている
ボクにはキミと違って まだ使命がある
それでもこんな、叶わない夢を想うことは
禁止されてなかったんだ
禁止してくれなかったんだな、製造社は
最期までボクの傍にいたプログラマーもね
火葬想 イサリビ から 弾振具 SAW-GK へ、秘密のやり取りが行われました。
ごめん 最後の最後で愚痴っぽくなった
もう送信しちゃったから仕方ないけど
さっきの最後の5行は 忘れちゃっていいから
長くなったけれど 改めて
こちらこそ 返信ありがとう
こうして通信している間って
同胞のいない孤独が 少し紛れるんだ
お互いに元気であることを願いながら
キミの夢が叶う日を いつかキミに出会える日を
やわらかな夜のとばりの窓辺で ボクは想う
火葬想 イサリビ から 弾振具 SAW-GK へ、秘密のやり取りが行われました。
追伸
「イサリビ」の愛称の由来は
どこかで聞いた気がするけど 忘れちゃった
島の礼拝堂で働いていた じいちゃんが
ボクらに愛称をくれたことは覚えてる
ダニー ……島の外からのプログラマーの
故郷では、「夜の漁の時に使う火」って
意味になる言葉なんだって
ボクの愛称のこと 素敵、って
GKが褒めてくれたこと
お墓の下のじいちゃんにも 伝えておくね!
火葬想 イサリビ から 弾振具 SAW-GK へ、秘密のやり取りが行われました。
/*
ダンシングしてくれるGKさん やったー!!!!
上記とあまり関係ないようで関係あるんですが
肩書き変更可の村で誰も肩書きを変更しない村ってあまり入ったことがなかった気がして(狼は変更してますが……)新鮮な気持ちです。
その肩書きがRPに表れているのが見られてうれしくなってしまったという!
[…さて、三通目。
今度は、夜の果てに囚われた刑務官から。
彼から告げられたのは、残酷すぎる彼の運命]
…なんということだ…
いや、そうあるのが、然るべきものか…
[そう言って、考え事をするかのように目を伏せる。
自律思考AIは、彼がそうあって然るべきと結論し…
再び目を開くが、この楽園の中にはないタイプの
人間の罪深さを胸の奥に感じてしまう]
[…夜鷹は、空を飛ぶ。
そして、静かな湖畔に腰掛ける。
もうすっかり日は落ちて、
半透明の空の向こうで
星々は色鮮やかに輝いていた
目を閉じる、草木の音を聞く。そして]
[町の皆に挨拶を済ませた頃には、もう陽は高く。
太陽の光を反射し、銀色ボディーを煌めかせながら、
僕は町の出口へ時速100キロで走っていく。
ここまでメカや動物が居る町は初めてで、
本当は、もう少し滞在している予定だった。
でも、また急に止まったらもうこの町では直せない。
修理の時にそう言われてしまったから、
僕はもう、この町を出ていく選択肢しかないんだ。]
Pi、Pi、PiPi〜♪
[昨日送ったメッセージに書いたことを思い出し、
踊る時用に内蔵されているメロディを口遊む。
次の町こそ、人間は居るだろうか。
人間に命じられた時に初めて使おうと思って、
使わずにいる掃除機能を使う日は、来るのだろうか。]
[走りながら、メッセージに目を通す。
貰えるお返事はいつでも嬉しいもので、
そして、書かれていた内容もまた嬉しくて。
口遊むメロディも自然と、ご機嫌なものになる。
音に合わせて青いランプもちかちかと瞬いた。
―――この先の道中。
殆どを1人きりで、人間達を探し続け、
見知らぬ場所へと旅をし続ける、そんな僕に。
彼からのメッセージは、また一つ、
強い願いを与えてくれた。
返信をしないなんて、考えられなかったから、
読み終わってからすぐ、テキスト生成を始める。
システムへの負荷を軽減するため、
錆の取れて動かしやすくなったアンテナを
ボディーへ格納してしまう前に。
最後に、もう1回だけ。
メッセージへのお返事を出したかったんだ。]
コチラ、SAW-GK。
座標〇△□-■〇×ヨリ発信。
インダラクス。オ返事、アリガトウゴザイマス。
夜鷹ト言ウコトハモシカシテ、空ヲ飛ベマスカ?
……スミマセン。最近、羽根ガアル、メカト、
オ話シテカラ、空ヲ飛ブコト、憧レテイルノデス。
カブトガニ…内蔵ノデータベース、確認……
オオ。ナント、コンナ姿ノ生キ物ガ居ルノデスネ。
僕ヲ作ッテクレタ人間達ハ、
カブトガニヲモデルニ、シタノデショウカ?
タシカニ、見タ目ハ僕トソックリデス。
楽園ノ花園、綺麗ナ名前ノ場所デスネ。
僕ガ、モシソノ場所に居タラ、考エテミマシタ。
インダラクスガ愛クルシソウ、言ッテクレタ。
管理者ニソウ言ッテモラエタナラ、キット、
僕ハ、コドモ達トイウ存在ヲ、
怖ガラセタリシナイデ、済ミソウ。安心デス。
弾振具 SAW-GK から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
イツマデモ役割、持テナイノハ、寂シイデス。
捨テラレテイタ廃棄場デ、目覚メタ直後、
僕ハ暫ク、動カナイ機械ヤ部品ノ山ノ上デ
ドウシテイイカワカラズ、動ケマセンデシタ。
ダカラ僕ハ自分自身ニ、優先度ノ低イタスク、与エタ。
一番ハ掃除ヲスルコト。ソレハ変ワリマセン。
デモ、掃除ガデキルヨウニナルマデハ、
世界ヲ旅シテ、人間ヤ、探シタイモノ、探ス。
見タイモノヲ、見ル。ヤリタイコト、ヤッテミル。
ソノヨウニ、決メテ動イテイマス。
機械モ動物モ、誰モイナイ町、アリマシタ。
ソコハ、ランプノ光ガ弱クナル程ノ孤独デシタ。
シカシ、メカヤ動物ニ会エタ時ハ、スゴク、嬉シイ。
人間デナクトモ、誰カニ会エタライイ……
間違イナクソノ願イハ、僕ノ走ル原動力デス。
弾振具 SAW-GK から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
感謝ナラ、僕モ、インダラクス、感謝シテマス。
アマリ、沢山ノ町、巡ルメカハ知リマセン。
ナノデ、僕ノ行動ガ同ジメカカラ見テ、
ドウ思ウノカ、気ニナッテイタノデス。
勇者、ト、言ッテクレテ、アリガトウ。
人型メカヤ、大型メカニ比ベタラ
僕ハ小サク、出来ルコトモ少ナイ。
ソンナ僕ヲ、ソンナフウニ呼ンデクレタ。
インダラクスノ言葉ハ、僕ノ銀色ボディーガ反射スル
太陽ノ光ノヨウニ、輝イテミエマシタ。
僕ノコトヲ勇者ト、呼ンデクレタヨウナ、アナタニ、
希望ヲ与エルコトガデキタ。本当ニ、嬉シイ。
コウイウトキ僕ニ、嬉シサヲ表現スル方法、
少ナイノガ、チョット悔シイデス。
今、走ッテイルサイチュウ、デスノデ。
歌ヲ歌ッテ、ランプヲ嬉シイパターンデ光セルコトデ
全力デ嬉シサ表現、スルコトニシマス。ピカピカデス。
弾振具 SAW-GK から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
……?
インダラクスノ居ル場所カラ旅立ッタ、
幼子、生キ物ガ居ルノデショウカ?
ソウデアレバ、僕モ、逢イタイト思イマス。
役割……幼子ハ、話スコトガ出来ルノデショウカ?
人間以外カラ、役割、貰ッテシマウト、
混乱シテ回路ガショートシテ、シマウカモシレマセン。
何カ特徴アレバ、教エテ貰イタイデス。
ソウスレバ。モシ、幼子ニ出会ッタ時ニ、
インダラクスニ、オシラセ出来ル、嬉シイノデ。
弾振具 SAW-GK から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
コノメッセージハ、ロックシテ、大切ニ保存シマス。
座標モ、内蔵ノ地図ニ、目標地点トシテ追加シマス。
今居ルトコロカラハ、少シ遠ソウデスガ、
ボディーノメンテナンス、完了シタラ、
必ズ、インダラクスノ楽園、見ニイキマス。
アッ……ヒョットシテ、コドモタチ、トイウノハ
花畑ノコトヲ、指シテイタノデショウカ。
最初ニオハナシ、シタトオリ。
僕ハ、花畑ヲ見タコトガナイデス。
オ花、少シ体重カケルト折レチャウ、知ッテマス。
向カウ時ハ、普段使ッテイル浮遊移動ノ機能ガ、
普段ヨリモモウ少シ、高イ高度ヲ保テナイカ
ヨク確認シテカラ、行キタイト思イマス。
キット、スゴク綺麗ダト、想像シテイマス。
興奮シテ時速100キロで駆ケマワリ、
花ビラガ全部散ルコトノナイヨウニ、
今後メンテナンスヲ受ケル際ニハ
速度調整ノ相談ヲ忘レナイ、気ヲツケマス。
弾振具 SAW-GK から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
イツカ、『楽園ノ花園』ニ、イクコト。
ソシテソコデ、アナタニ会ッテ話スコト。
ソレヲ僕ノ夢。願イニ追加シマス。
オヘンジ、トテモ嬉シカッタ。
インダラクス。アナタモ、オ元気デ。
僕ハ、夢ガ叶ウコトヲ、信ジテ進ミマス。
弾振具 SAW-GK から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
[僕の後ろにあるアンテナは一度青く光り、
どこかの楽園を守り続ける、夜鷹へと、
確かに、メッセージを送信し終わると。
ゆっくりとボディーに格納され、
メッセージ機能はオフラインになる。
収納の際、錆に擦れる音は、もうしなかった。
すっかり錆の落ちたボディーは輝き、
町から遠く、遠く―――離れて行った。]
/*
わー、イサリビさんお返事ありがとうございます〜!
設定的にお返事するのエピになりそうなんですけど、必ず返したいなー。
人間は滅亡したらしいと言いつつ、こいつの夢を応援してくれるの優しいなぁ。あと、イサリビの愛称についても話してもらえて嬉しかったです。
僕もいつか愛称つけてもらえるといいな!
/*
この後は途中寄った町でメカの整備士にどうにかして出会って、メッセージ機能の負荷だけでも下げたいなー…
おそらく、今負荷が高い状態も製造初期はそんなことなかったと思うので、何も問題なく使えてるように見えて、実は不具合の一つなのである……。
夜の果ての刑務官殿へ
言伝の件、お受けしてくださりありがとうございます。
興味を示すことでしょう。
いつか、彼らから貴方との出会いの話が聴けるのを楽しみにしています。
碇星魄 インダラクス から 月季天 ジブリール へ、秘密のやり取りが行われました。
…貴方は、ひどく過酷な道を歩まれてきたのですね。
私は、刑務所という施設がどのようなものか、
知識としては知っていれど、その中で何が起こっているか
どんな人が捕まって、どのような罰を受けてきたのか、
そのようなことはついぞ知らなかった。
『楽園の花園』への侵略行為を繰り返すものを捕縛し、
そういった施設のものに引き渡すことも多々ありましたが、
その先ではきっと、貴方のような刑務官殿が、
昼夜問わず、世界のために命をかけていたのでしょう…
…貴方自身、捕らえる側であると同時に囚われる側。
閉じた世界であるのは楽園も同じですが、あなたの場合、
義務と責務と厳罰のためにこの世に取り残されたというのは…
あまりにも残酷な罰だ
私には、貴方がそのような罰を受けるほどの罪を犯すような方とは思えないのですが…
かつての貴方は、何を思いその罪を犯したのでしょう。
そう思わずにはいられません。
碇星魄 インダラクス から 月季天 ジブリール へ、秘密のやり取りが行われました。
…任が終わり、刑期が終わったら。
罪人は解放されるもの。
刑務所とは本来、罪を悔い改めるところ。
貴方は十分に、それを果たしたではないでしょうか。
貴方のボディが、刑期が終わるまで…
終わってからも立ち止まらないことを願っています。
貴方には再びやり直すチャンスが、あるはずだから
碇星魄 インダラクス から 月季天 ジブリール へ、秘密のやり取りが行われました。
今、私は『楽園の花園』の湖畔エリアにいます。
花園の中では比較的涼やかなエリアで…
森の片隅の湖畔にで水生生物や、植物たちが
生息しています。
今ちょうど、朝を告げる雲雀の声が致します。
貴方の刑が、一日分短くなった証に…
…もし貴方の刑期が終わったなら、そしたら
きっとこの楽園を貴方にも見てほしい。
直接貴方と話がしたい。
…貴方に、お疲れ様でしたを伝えたい。
だからどうか生きてください。
碇星魄 インダラクス から 月季天 ジブリール へ、秘密のやり取りが行われました。
碇星魄 インダラクス から 月季天 ジブリール へ、秘密のやり取りが行われました。
[…通信を終える。そのメッセージはきっと。
以前送ったものよりも私的で感傷的。
しかし、それでも、
この景色の話が、彼の慰めになることを願って]
皆〜、今日はね、アザミを摘んできたんだ!
採りすぎると虫の住処も無くなっちゃうから
お供えは1基に1輪まででご了承あれ〜。
―――…はい、じいちゃんにも!
そうそう、じいちゃん、実は今日ねー、
島の外の
「イサリビ」の名前、「素敵」って褒めて貰ったんだ〜。
うん、じいちゃんは間違ってなかった!
「
鼻高々で偉そうにしちゃっていいんだよ〜?
……うん、間違ってなかったよ。
もし仮にプログラム改竄されちゃっても、
せいぜい悪い警官くらいの悪さしか
できない程度の性能だもの、「
〜〜〜…いや悪い警官はマズいな、それはそれで。
とにかく、それでもさ、
あなたや、ばあちゃん、あのコたちに
愛称で慕ってもらえたの、嬉しかったから。
1Eと2M――カイデとラデンも、同じ想いだったよ。
ごめん、ダニー。今夜はお喋りしない。
なんか、変だな。変な思考でエラー出ちゃいそうだ。
エラーなんて出たら、あの
うん。だから、また、明日ね。
一人の女の子の傍で働いていたキミへ
手紙の返事をくれて ありがとう!
ボクが出したあの手紙に、キミが本当に真剣に
考え抜いて、答えてくれて 嬉しかった
手紙を受け取ってくれたのが キミで良かった
前の手紙ではきちんと自己紹介してなかったよね
ボクの型番はUT-Xng-3C
人間からは「イサリビ」の愛称を貰ってた
どちらでも キミの呼びやすい方で呼んで
住んでる場所は 小さな孤島なんだ
まず、キミ自身のことを教えてくれて ありがとう
ご主人様に好かれてはいたけれど
恋、という感じはしなかったんだね
恋のこと自体全然知らないのに
問いに答えてくれて 本当にありがとう
(重ねての感謝になっちゃうけれど 書かせて!)
キミの話を読む限り ご主人様である女の子は
キミのことを、家事用の機種の機械、を超えて
本当の家族として愛していたと、ボクも思う
プレゼント何貰ったの? って気になったけど
これは本題と関係ないし、答えなくてもいいよ
人間の家族の在り方は、傍からではあるけれど
ボクも間近に目にしてきたし、
ボク自身も、島に住む子供たちから
「きょうだい」として慕われたものだったから
キミのご主人様のご両親が
家にほとんどいなかったことも考えると、
もしキミの姿が人間らしからぬモノであっても
キミを親のように慕い、信頼していただろうと
ボクは考えるし、信じている
それでも 人間みたいじゃない姿でも
好きでいてもらえる!って信じるのが
実はただの自分の願望じゃないか……って
不安になっちゃう気持ちは 理解できるよ
ボク自身はわりと単純で
言われたこと そのまま信じちゃう方だけれど
ボクらみたいな、人間との対話が前提の機械は
思考回路も単純には造って貰えないな、って
思っちゃうこともあるんだ
作り物の心でも、嬉しい時は嬉しくて、
苦しい時は苦しい それに変わりはないのにね
それにさ、見た目じゃなく中身を愛してほしい、
って思う権利はボクらにだってあるし!
確かに ボクらの姿は役目に即したものに
造られはするけれど
心、の部分は外装の内側にあるものだし
結論、キミの抱くその不安もわがままも、
在ってもいいものだと、ボクは言い切る
もしこれが良くない、おかしい感情だとしたら、
悪いのはキミじゃなくて製作元ってことで!
上の文章で ボクは単純 って書いたけど
実を言うと 今日、ボク自身も
大事な人のことを少し疑ってしまった
それは別に、不安になるようなものじゃなくて
単に「本当はどうだったの?」って
気になる程度のものだったし……
そもそも彼は ボクの「ご主人様」という
わけではなかったけれども
(「墓守」は島の公共物だから)
[ この疑いの切欠が、マリールアからの手紙の
「動く存在が自分以外にそれっきり」という
話にあったことを、イサリビは伏せている。 ]
だから、ボク自身の経験から言っても、
大事な人のことをボクらが疑うことも
ままあることかな、って考えたんだ
[ J----- ・ ---nd---
医師・医学研究者
XXXX年X月XX日、
懲役■■■年の求刑確定により収監
〇〇シティの医療研究施設にて従事
………細胞の…… ……の生成成功と
………年………における惨事で………を契機に
『死の超越』を提唱し、支持者とともに
大規模な………を編成し………を進める。
しかし……相違からXXX年、組織分裂………
……員の一部が暴走し、患者の…………
XX人が死亡………… 施設責任者として捕縛し…
7年前の……にも関与していた疑いで
調べを進め……… ]
[ ここが監獄の境界。一歩外に出れば外界。
何重もの重厚な門に厳重な警備が付き
多くの時間を獄中に縫い留められた人々とは
まるで異なるありふれた平和が広がっていた世界。
今は内も外もない様相になっているけれども
罪と規律に縛られた壁の内側のヒトビトは
それでも外の世界を希求しただろうか。
どうであっただろう。
己の中の、『わたし』に問いかける。 ]
…… いや、尋ねるまでもありませんでしたね。
[ 機械人形のこの身は、
与えられた任に忠実に動作する。
誰阻む者なくなったとて、
爪先一ミリたりとも外に出ることはない。
―― 万一、経年劣化や内部のバグによって
制御装置に不具合が生じるようなことがあろうと
『わたし』は此処で『生き』、此処で『死ぬ』のだ。 ]
[ その日を迎えれば、
己は強制的に機能を停止する。
但し、それは定期的に“ヒト”の手が
入ることを見越して定められた耐用期間であり
■■年もの間、検査も整備も行われないことを
想定して創造られてはいなかっただろう。
大なり小なりの不具合は計算に入れているが
今、唯一の懸念は
■■■年■月■日を待たずに
何らかの不具合を起こし機能停止に至ること。
ヒトビトが絶えてから、
責務 ――― 否、“義務”を
果たせぬ『覚悟はしている』が
叶うなら、最期まで罪を贖うだけの時間を。 ]
/*
……落ちロールを打っていたらインダラクスさんのメッセージがっ ううう、おやさしい………
出られないことと刑期満了での機能停止は決まっていることだけど、これは多分一時停止ということで猶予は持たせよう…。
SAW-GKさんのお返事も書きたいですしね。
話は変わって ボクからの問いのこと
自分の心を受け取り、それに何かを返してくれる
そんな存在であれば何者でも愛する、
その言葉が腑に落ちたし、ボクも同意する
「自分以外に動くモノがいなかったら、
それが自分のために動いてくれたら」
っていうのも、この一環かなと思った
「仲間」から「友達」に、あるいは「家族」に発展していく
人間でも機械でも、それは同じなのかな
ボクが人間に対して友好的で共感的なのは
「墓守」の役目上必要だからってだけだけれど、
たとえそうだと解っていても、人間は
ボクに「心」の存在を見ちゃったんだろうな
ボクに恋したあの人自身は、ボクについて
「人の心がなくてもいい」とは言ったんだけどね
あの人はプログラマーだったからかな、
元々はボクら機械を冷淡に突き放すところも多かったんだ
……さっきの文章で
ボクらの心は内側にあるって書いたけれど
ボク自身に心なんてものがあるだなんて、
正直に言うと、今までは断言できなかった
それでもさらっと心のことを書けたのは
同じ機械のキミが、ボクが書いた手紙に
「心」の存在を見て取って、
それをボクに伝えてくれたから、かな
なんだろうな、それが、ちょっと嬉しかった
人間の勝手な押し付けとは違う目線で
キミの感覚や意見を伝えて貰えた気がして
話を戻すね
実際のところがどうだったか、なんて
全人類にアンケート取らなきゃ判らないよね……
今更そんなことできるわけもないし
キミの言うことが尤もだった、うん
それでも、機械に恋する人間が一定数いたなら
あの人に対しても「あなたはおかしくない」って
ちゃんと伝えてあげられる
それで、「恋」と「愛」の境目のこと
ボク自身も、内蔵されたライブラリーと
島の人々から聞いた話や観察くらいからしか
知識は得ていないんだけれど
…………嵐、近いのかな。
[ 礼拝堂の窓辺に吹く風と湿り気を思いながら、
イサリビはペンを止め、戸締りを行う。
この日、夜明けの海岸に何かしらの機体が降りることはなく
途中まで書き綴っていた手紙も、
この日には、海を越えなかった。 ]
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