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電波塔管理 ペデスタル は 月季天 ジブリール の名前を書いた紙を箱に入れた。
碇星魄 インダラクス は 月季天 ジブリール の名前を書いた紙を箱に入れた。
月季天 ジブリール は 月季天 ジブリール の名前を書いた紙を箱に入れた。
弾振具 SAW-GK は 月季天 ジブリール の名前を書いた紙を箱に入れた。
火葬想 イサリビ は 月季天 ジブリール の名前を書いた紙を箱に入れた。
月季天 ジブリール に 5名が票を入れた。
月季天 ジブリール が断頭台の露と消えた。
翌朝、 弾振具 SAW-GK の死が告げられた──……。
現在所在が確認できるのは 電波塔管理 ペデスタル、 碇星魄 インダラクス、 火葬想 イサリビ の 3 名。
電波塔管理 ペデスタルは、 電波塔管理 ペデスタル を投票先に選びました。
[この電波塔の開発の主体は人類である。
当然のように、電波塔の建設・稼働目的も、人類本位のものであった。
地球上の広範囲への電子情報の送信とて、それはあくまで人類の利便と福祉のための事業。
それが結果としてメカたちや、あるいは人類以外の生命体への利益となることもあったが、あくまで副次的なものに過ぎない。
寧ろこの一方的な電波の送信によって、あるいはこの巨大塔の建設そのものによって、害されたり住処を追われたりした存在も少なくない。]
[今この地球上で稼働するペデスタルの人格と役割は、人類アンソニー・ペデスタルの複製なれど――。
ペデスタル自身は決して人類ではない。
ホモ・サピエンスに連なるものでも、地球外生命体に括られる種の人間でもない。
それでもペデスタルはなお、「人類のために造られた」電波塔の管理に従事する。
昨日も、今日も。
明日も機体が動くならば、明日だって。
地球が幾度目の自転に入っても、何度太陽のもとを一巡りしても、きっと、これは変わらない。]
[ペデスタルは認識している。
自分が管理する電波塔からの電波を、人類の遺物たるメカが各々に利用しているのだと。
それは己の稼働を利する情報取得のためであったり、特に利にならない情報のためであったり。
あるいは――人類なきこの地球上で、遺されたモノたち同士の
「人類のため」のモノは、人類滅亡を経た今、「遺されたモノたちのため」のモノとなっている。
そして遺されたモノたちの中には、人類ならぬ他の生命のために動くモノ、在るモノがいるのだということも、この電波塔の管理者は認識しているのだ。]
今日の渡り鳥たちのマナーには関心する。
塔に激突する個体も無し。良い日だ。
[「アンソニーなりの」ジョークを交えながら、ペデスタルはドローン越しに電波塔を見つめる。]
火葬想 イサリビは、 電波塔管理 ペデスタル を投票先に選びました。
……… あ、キミ、ここにいたんだ。
巣を作られるのは困るけど、なんか、外、
やっぱりすっごい嵐が来てるっぽいし……。
仕方ないや。今はここに避難していて。
……手紙とペン、念のために持ってきといて良かった。
地上階も多分、まだ保つとは思うんだけど、
ちょっと今は上がる気はしないからさ……。
ここで手紙の続き、書くよ。 だから大人しくしててね。
[ 眠る前に書き綴っていた手紙に続ける形で、
イサリビはペンを進めていく。
この文面もまた、この日のうちには海を越えていかない。 ]
まず「恋」のことなんだけれど、これって
人間、というか生物一般にとって、
自分の子孫を残す行為に関わることなんだって
「人間が機械に恋するのはおかしい」って考えは
こういう性質から来ているみたい
って言っても実際には、同じ種族であっても
子孫を作れない、作る指向のないものどうしで
恋し合うこともよくあるっていうから、
必ずしも繁殖が「恋」の条件ではないみたいだ
実際、あの人もボクにそこまで求めてなかったし
それ以外で、「恋」と「愛」の違いっていうと
「恋」は自分の幸せを求める「好き」
「愛」は相手の幸せを求める「好き」
っていう話はよく聞いたよ
ボク自身、あの人からの「恋」と「愛」は
そんな感じに区別して感じるようになってた
そのせいか、人間たちの中には、
利他的な「愛」のほうが「恋」より尊いとか、
「恋」が高次化したのが「愛」だとか、
「恋」は卑しいとか、そんな話をする人もいた
恋が繁殖に関わるのであれば、恋こそが
ヒトを存続させたものの一つだったろうにね
それでさ、自分の幸せと相手の幸せが共通すれば
「恋愛」みたいに一纏めにできるけれど
そうじゃない時は 区別の対象になるみたい
だからベン図みたいに一部だけ重なる形、かな
そのせいか、誰かを「愛」しはするけれど、
別の誰かに「恋」もする、って形の
好意の分け方をする人もいた
自分の妻と子供を愛してるって言いながら、
遠い国の歌手に恋してたおじさんとか
妻の人は全くいい顔してなかったけどね
だから 「恋」と「愛」とで、
対象にできる範囲の広さや
領域が違うってことは 十分あることだと思う
あとは、繁殖の話とも関わるんだけれど
「恋」を複数の相手に向けると、
子孫を残すチャンスの奪い合いになって
争いが起きやすくなる……とは言われてた
この点、「愛」なら繁殖が前提じゃないから
いろいろな人に向けても問題ないのかな
……って書いたけど、上でも書いた通り
「恋」が繁殖の絶対条件じゃない可能性も
考えると この話、しっくり来ないんだよね
単純に、「愛」のほうが尊いって価値観や
「他者のために尽くす好意」って捉え方から
愛は多くの人に振りまいてもいい美徳、って
人間は考えていたのかもしれないね
ボクは役目柄、神様の話もよく聞いたけれど
「神様は人間を愛する」はあっても
「神様は人間に恋する」とは聞かなかったし
……この辺りは宗教や地域で違うかもだから
なんか 自分が聞いた話と違うなって
思ったら 違うってことにして!
いろいろ書いたけれど、
これが正しいかどうかは判らないや
ボク自身も 恋どころか愛ですら、自分自身の感情としては
きちんと意識したこと、無かったからさ
だから ボクに恋し、愛しもしてくれた人に
ボクが本当に「愛」を返せていたのかも
自分では自信がないんだ
彼がどう捉えてくれたかは別としてね
恋と愛の話って もしかしたら、
いくら考えてみたところで、
答えなんて出ないのかもしれない
それでもボクも、キミと一緒に考え続けたいと想う
こうした思索が この地球上に遺された
ボクらの使命……とまでいかなくても
遺された意味、なのかもしれないから
ところであの追伸、
彼の恋心はボクにとって迷惑じゃない、って
一応伝えなきゃってだけの話だったけれど
キミにとっては、ご主人様の最期の願いは
しんどいもの、だったんだね
率直に教えてくれて ありがとう
キミの抱いている思いを想像はできても
共感までは ボクにはできないから
他人事みたいな意見になるかもしれないけど
それでも良ければ この後の話も
読んでくれると嬉しいな
ボクは「墓守」として造られた機械
故にプログラム上、ボクは死者のことを
今でも「いる」ものとして認識しているんだ
有機体の一個体としては
土に還ったり灰になったりして
「いなくなった」と解ってても、だよ
だから ボクを愛してくれたあの人は
今でも「いる」と、ボクは認識しているし、
ボク自身、その認識を受け入れている
作られた認識ではあるけれど、そのお陰で
ボクは「まだ存在している」彼の愛を
覚えていたいと、喜んで想えるのだと思う
一方でキミは、ご主人様を「いない」、
「いなくなった」って認識しているんだよね
このことは別に変でも、おかしくもないと思う
人間の中にも、宗教心がある心算の人でも
「いなくなった」って感じちゃうこと、あるみたいだし
自分の存在意義になっている人間がさ、
「ずっと覚えていて」「ずっとここにいて」
って願った上で いなくなるとか……そんなの、
遺された側にとっては堪ったものじゃないよ!
ご主人様に全く悪気はない、ってのは
ボクもちゃんと解った上で、それでも書くけれど
これは、うっとうしいって感じる方が
正しい反応だって思っちゃうな……
ご主人様の意思は ボクら機械にとって
とんでもなく重大なものになるっていうのに!
それでも、ご主人様に最期まで愛されたことを
幸せに思っていることに変わりがないなら、
一つ、試してみてほしいことがあるんだ
「自分の心の中で、ご主人様は生き続けてる」
っていう、自己暗示
自分のもとから「いなくなった」という認識を
自分の心の中に「いる」、に上書きするんだ
これ、人間が親しい人の死を克服する際に
しばしば使っていた方法なんだって
ボクが知る人間の中にも、そういう人がいた
ボクら機械がこの方法を使う場合は、
プログラム自体を書き換えないと
上手くいかないかもしれないけれど……
キミの思考回路が複雑で柔軟なものであれば、
心で思うだけでも、上書きできるかもしれない
ただ「心の中で生き続けている」っていっても
生物としての死には変わりないし、
心の中で生きている相手が、生前のように
ボクらの言葉に応えてくれるわけでもない
だからこの方法で本当に「覚えていたい」と
思えるようになるか……それどころか、
キミのしんどさが少しでも和らぐかすらも
判らない、けれども、さ
ボクからの提案は、以上!
なんだかボクも長々と書いちゃったけれど
何かしら、ほんの少しだけでも、キミの力に
なれる手紙を書けたなら 嬉しいよ
最後になったけれど、改めて
ボクに手紙をくれて、ありがとう
実はね、こうして形のある手紙を貰ったこと
あんまりなかったから、新鮮だったんだ
貰った手紙、大事にするね
そして、ボクの大事な人のことも、
ずっと大事に想い続けるよ
荒れた風に、激しく打ち付ける雨音、
その中でも未だ形を留める屋根の下で、キミを想う
/*
とにかくお返事お返ししたい気持ちと勢いで日を跨いでしまったけれど
これを実際にマリールアさんに送るためにはエピで改めて秘話に載せないといけないな……
(さすがにこの物理手紙の分裂は避けたかったので、今は送られない、と書いてしまった)
/*
そういえばプロローグ中の独り言で、物理→電子変換のことに触れていますが
後から考えてみて「これ自律型じゃない(自分の意思を持たない)メカに電子化or物理化してもらえば、手紙内容を第三者が読むことには当たらないから大丈夫だな」と気づいたのでし た なのでまったくだいじょうぶでした
(1dくらいから気づいてはいたのだけれど、その時独り言に落とす余裕がなかった)
ジブリールさんからのお手紙、物理で送られていたのに、さらっと電子だと思い込んでしまっていました ね…… 失礼いたしました……!
手紙の物理化・電子化周りで気を遣ってくださったかなと思うので、本当に恐縮です……
さすがにこんな天気じゃ誰も来そうにないし、
この手紙は今日は出せないな…… うん??
[ 蓋をした棺形の充電器の前、
閉じた封筒を黒衣のポケットに
収めたところで、ぱちぱちと瞬く。 ]
メッセージだ。ふたつも。
こんな天気でも、ちゃんと届いたんだ。
うん、良かった。……良かった。
こっちのから読んじゃうね。
キミはまた暫く、大人しくしてて――
……………… 何なの 今の
ちょっと、落ち着くね。
落ち着いて
…………………………、 ………
上手く、
読み込めないけど、なんだろ、これ
この島に、紅葉なんて、ないのに
[ この孤島の荒涼とした厳しい環境では
気候にうまく適応した低木であればまだしも
紅葉が道を形作る類の木々は生息できない。
小鳥が羽を休める止まり木も、
人間が鳥のために設けた人工物。 ]
技師先生がくれたデータじゃ ない
ダニーが 島の人が
見せてくれた写真でも ない
ボクは 何処で これを
………………… そういうこと なの ?
[ 作り物のくちびるがそう紡いだ後、
同じく作り物の目は、幾らか長い間、閉じられる。 ]
[ 黎明を越え、朝が来る。
まだ返事を書き終えていないものがあるのに、
これほど時間がたってしまったと言う事実は、
それだけ夜鷹の中に語りたいものがあった…
ということも物語る。
人とも、AIとも話さなくなって久しかった。
ただただ切に願っていた
…最初のうちは続いていた通信が
ひとつ、またひとつ…途切れていく様は…
彼らの運命を物語るようで…
それでも、夜鷹にはこの『楽園の花園』での任が
彼らを助けに行くことを拒んだ]
[…外の世界を謳歌し、
そこで生きることを選んだ
その生命の果を誰かに繋げたのだろうか
そういうことばかり考える
相も変わらず自然の摂理に忠実なのだ]
[ 一日が過ぎたが、 通信用端末の機能は未だに回復しない。
暫く冷たい床に座り込み膝を抱えていて項垂れていたが、
ニンゲンに出逢って自分の役目を果たしたい、と話してくれた子に、ニンゲン探しを手伝うといったのだ。
それに、この羽根があれば、他の機械たちのところに行くこともできるかもしれない。
届いた手紙から位置情報を読み取る。
通信用端末が使えないため、精度は落ちるが、だいたいの位置は特定出来たはずだ。
彼女は確りとした足取りで施設の外へと歩いていく。
背中の小さな羽根を展開して、ふわりと空へ向かう。
初めてこの場所を離れるのが空からになるなんて、考えもしなかった。]
[ 他の誰かと手紙を遣り取りするようにならなければ、
きっと自分は機能停止するまで施設から出ることなく、
独りぼっちで朽ちていくはずだった。
けれど、いまは違う。
自分以外の誰かがいることを知った。
彼らと話すことの喜びを、他者と繋がれることの尊さを、
彼女は知った。
飛んだところで何も見つからず、辿り着けない可能性だってある。
でも、試してみなければ。]
私が目醒めたのは、きっと、このためだった。そう、信じて。
4通目は…送れていなかったな
本日の職務の前に、送ってみるか
[そう言って
無機質かつ、人間的な、生真面目なメッセージ。
公文書のようにも見えるその礼儀正しさに、
この楽園にまだ職員がいたときのことを思い出す
彼らは、やたらめったらと上下関係にこだわっていた
そうしてラインを引くことで、
自分と相手の尊厳を守ることに長けていた。
職務に忠実な彼に告げる
その手紙のお礼の気持ちを]
ICQCQ ICQCQ
応答せよ、応答せよ
こちらは、テラフォーム式生命維持施設『楽園の花園』
私は、当施設の管理・防衛機動装置 インダラクス。
…貴殿の返信に大いなる感謝を。
……
きっと喜びを知りましょう
私のことを知っているあなたと出会えた幸運に。
かつて離れた故郷の姿が、かつてと変わらず
彼らを愛していることに。
ありがとう、親切な方。
…お陰で私は、今日も職務に励めます
碇星魄 インダラクス から 電波塔管理 ペデスタル へ、秘密のやり取りが行われました。
こんばんは インダラクス
黎明の果ての夜鷹よ
またメッセージを、そして物語を
(御伽噺じゃなくても)聞かせてくれて ありがとう
まず、キミが伝えてくれた幼子たちの名前
数字なんかじゃない、ヒトらしい名前
3人について、聞き覚えがあったよ
イクサリ
カイデ
ライディン
この3人が 昔、島で暮らしてたって
礼拝堂勤めのじいちゃんから聞いたことがあるんだ
×××年前って時期とも矛盾しないから
島に来ていたのは間違いないと思うよ
火葬想 イサリビ から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
この時期は「
ボク自身は全く面識はないのだけれど
3人とも、島の墓所の埋葬者の中に
同名の人間がいた記録はないから、
皆、何らかの経緯で島を出たんだと思う
その後の消息は何も分からないけれど
幼子たちが望んだ 外の世界
夢にまで見た波や生き物たちに
確かに会えたんだと思うと ……嬉しいな
それと、キミの言葉に触れるまで、
自分でもすっかり忘れてちゃってたけど……
ボクも含めた「墓守」の愛称は、
あの3人から採ったものなんだって
火葬想 イサリビ から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
ボク、イサリビの他の2機の愛称は
それぞれ カイデ と ラデン
じいちゃんが言うには、配備された「
3機ともそれぞれ、あの3人にどこか似てたから
名前の上だけでも、またあの子たちに
この島で暮らしてほしいって気持ちもあって
3人にちなんだ愛称を じいちゃんがつけたんだって
ただ、全員そのままの名前を付けるのは
マズいって意見も出てきたみたいで、
イクサリ は イサリビ 、
ライディン は ラデン に変更されたらしい
カイデだけ変更されなかった理由は
よく判らないんだけれども
ダニーが……島外から来た人間が言うには、
彼の故郷の言葉に「イサリビ」「カイデ」「ラデン」
どの語も、海に纏わる語として存在するんだって
言葉の統一感から、カイデだけ残して貰えたのかも
火葬想 イサリビ から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
それで、なんだけれど
自分でも まさか、って
いまだに思うんだけれど
イクサリは
ボクの疑似人格のモデルかもしれない
それどころじゃなくて、ボクの人格は
彼の人格のコピー なのかもしれない
火葬想 イサリビ から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
キミが唄ってくれた イクサリの子供の頃のこと
生まれたばかりのパンジー 紅葉の道
花蟷螂 鳥たちが群れる木々
……ボクの記憶の中にも、あったんだ
上手く思い起こせまではできないから
たぶん、破損したデータだとは思うけれど
画像の内容からいって、これらはボクが
この島で見たものじゃ 絶対に無い
他の人間や機械から、データや写真の形で
見せて貰ったものでもないよ
キミの唄を どこかで聞いた気がするのも
イクサリの記憶が移ってるから、なのかな
……伝えるだけ伝えたくて書いたけれど、
ちょっとまだ、自分でも 頭と心の整理がつかないから、
この話は一旦、ここまでにするね
火葬想 イサリビ から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
ボクの疑問にも答えてくれて ありがとう
うん 物理的な熱のことじゃなくて
心の暖かみ、って呼ばれるもののことだよ
キミにも 心の暖かみ、は解らないんだね
もしかしたら キミには人間への情が
あるのかなって感じたりもしたけれど、
あくまでプログラムとしての反応 なんだね
(実はボク、 J って名乗る刑務官に
キミについての勘違いをちょっと、
伝えちゃった覚えがあるんだ
もしあの
火葬想 イサリビ から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
それでも、人間のために動いて機構に生じた熱は
人間の気持ちの暖かさと変わらない、
キミが詠ってくれたその詩を、ボクも信じてみる
プログラム上の反応にも人間が「心」を見出せるなら
実際に人間のために生じたり籠ったりした熱が
「心の暖かさ」になるのは自然だな、って
譬えボクらが心のない機械だとしても、
その熱で人間に温もりを、愛を 返せてたって
考えてみても いいよね
火葬想 イサリビ から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
……この話で 思い出したんだけれど
さっき ダニー って名前を出したけれど
彼が ボクを人間みたいに愛した人なんだ
ラデンも カイデも 壊れちゃって
島にいた他の人間も皆亡くなって
ダニーとふたりきりになっちゃってから、
晴れた日に丘の上で一緒に昼寝したんだ
彼のすぐ傍に寄り添う形で寝てたのに
あの人、なんだか寂しそうに見えたから、
ぎゅって 抱き寄せてあげたらね
「あたたかいな」って、笑ってくれたんだ
なんだかさ 日向ぼっこの暖かさを幼子たちに
分けてあげたキミみたいな気がして、
ちょっと不思議な気がしたよ
こども と 恋人 っていう違いはあるけれどね
火葬想 イサリビ から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
通信機能のこと、気にかけてくれてありがとう
ボクも無理はしないでおくね
ちょっと今、島の天気が荒れてて
いつ通信が途切れるかも分からないし
また落ち着いたら、メッセージを送るね
島のこと、ボク自身のこれまでのこと
まだまだたくさん 伝えたいこと、あるし
キミのことも 知りたいから
風吹きすさび雨霰打つ屋根の下で、キミを想う
火葬想 イサリビ から 碇星魄 インダラクス へ、秘密のやり取りが行われました。
……ねえ、ボクはどうして、
叶わない夢を立て続けに見てしまうんだろうね。
ボクに何度も巣を壊されるキミからすれば、
いい気味だ、って思うかもしれないけれど。
……嵐が止んだら、ダニーに文句言ってやる。
/*
無茶振りに対応してくれてマジでありがとうございます…
ありがとう…ありがとう…
インダラクスは、プログラムとして人間を愛してるけど、
それが誰かに伝わり暖かさになればそれは心と言ってもいいのでは…とおもう派…
あらしのよるに、過去の自分の記憶と向き合うイサリビくん尊い…
[かつては整備メカもいたのだろうけど、
今走っている道路は、碌に整備されなくなって
かなりの年月が経っているように見える。]
Pi♪PiPi♪Piッ、Pi〜♪
[そんな道を走りながら、僕はご機嫌に歌を歌う。
道端に放置された機械は錆び切って動かず、
たまに、何かの骨のような物がカメラに映る。
以前なら、こんな道を通るときは寂しくなって、
できるだけ何も考えないようにしながら、
次の町を目指して突っ走っていた。
けれど、今、僕の回路に走る処理は止まる気配はない。
昨日までいた町で受け取ったメッセージの数々……
僕は町を出てから今までの間、
それらを何度も何度も、読み返していた。]
/*
インダラクスさんからのお返事(+>>14)に照れている電波のひとです
以前から 電波塔つながり! とどきどきしていたの です が ありがとうありがとう!
こんな風に、ストンと落ちるものなのですね。
受け身を取る一瞬の間もない、とは。
[ 身を護る為に備わっているはずの
防衛機能は咄嗟には働かず。
意識が途絶えることを認識する間も無かった。
完全な『独り言』を口にしながら
『手指』をゆっくりと閉じては開いて動作を確かめ
ひどく打ち付けたらしき『後頭部』をゆっくりと擦る。
確かめる限り、衝撃による大きな損傷はなく
剥離も増えてはいない様子だが
己では内部回路については分からない。
任が任であるため、荒事にも耐え得る造形ではあるが…… ]
[ ―― つい先刻まで開くことが出来ていた
通信回路が使えなくなったことには、未だ気付けない。
異変が起きるまでに届いていたメッセージについては
のちの時間に受け取ることになるだろうか。 ]
……
[ ”終わり”を迎える時も、
このように突然なのだろうか。
一抹の『不安』を過ぎらせながら
身体に付いた砂を静かに掃い落としている。 ]
! ………… …………………
………………………… …………
…… ……………………… ………………
………………………
………… ………… ………………
[ 生成したテキストを、電子の波に乗せる。 ]
J 夜の果ての刑務官よ
こちらこそ 手紙の返事をありがとう
ボクの通信も 無事に届いて良かった
この返事も 届くといいのだけれど
イサリビ の愛称 キミにも「素敵」って
褒めて貰っちゃった!
うん、他国の言葉なんだ いちおう
ボクに似た子の名前が 元になってるんだって
この愛称をくれた お墓の下のじいちゃんに
キミのこと 伝えておくね!
最初のボクの手紙 やっぱり電子処理されてたんだ
そうだね、刑務所だと機密性とか
厳格にしないと いけないもんね
ボクの方も キミからの手紙は今回も
電子のテキスト情報で届いてるよ
こんなこと言ったら、郵便配達機の
伝書鳩たちに 怒られそうだけれど
キミが送ってくれた紙と紙の筒、
それに切手も 触ってみたかったな
こうした電子の通信が、ボクにとって
懐かしいのは事実なんだけれど
それはそれとして、形のある手紙って
ボクのところに なかなか届いてこないから
ただ今日は こっちは大分天気が悪いから
紙の筒入りの手紙のままだったら
無事に届かなかったかも
だから電子処理されて良かった、とも思ってる
話し相手は 確かにたくさんいるし
ボクもそこまで寂しくないから
孤独も紛れてはいると思う、けれども
それでも「ひとり」を意識しちゃうのは
対話まで叶う相手が 少ないからかも
キミが手紙の最後の方に書いてくれた、
収監者の それも手に負えない罪人の
その孤独を癒したのは対話だったのでは……
って話を読んで そう考えたんだ
キミも含めて、今も稼働する機械たちは
確かに、ボクにとって対話が叶う存在
けれども お墓の下で眠る皆は
誰一人として 言葉を返さない
……うん、返せないのは 解ってるんだ
動物たちには動物たちの言葉があるけれど
ボクには 動物語翻訳の機能は未実装
相手にボクの言葉が解っているのかも
実のところ いまいち判らなくてさ
……キミが長い間、
収監者たちと続けてきた対話が
今、ボクの孤独も癒してくれてるんだね
っていってもボク自身は
ガラの悪いこわ〜い重罪機じゃないし!
むしろ墓荒らしを取り締まる側だし!
ボクのモデルだって絶対純真無罪だし!
って、ついジョークっぽく書いちゃったけれど
キミの言葉が癒しになってるのは 本当
こうやって話をすることが キミにとっても
心地が楽になるみたいで 良かったよ
話が前後しちゃったけれど 戻すね!
キミのシステムでは 「墓守」みたいには
亡くなった人が「まだいる」とは
判定されないんだね
もしキミが 「
プログラムを組まれていたら……
長い刑期を終える前に亡くなった人のことも
「まだいる」以上は、刑期が終わるまで
生きてる人と同じように収監し続けるのかな
……囚人が気の毒なことに なっちゃうね
機械とヒトとのあいだの情のこと
実はあれから、少しだけ考えてたんだ
最期までボクの傍にいた人間の情は
本当に恋や愛だったのか、とか
ボク自身は彼に対して愛を返せていたか、とか
結論だけいえば どんな形であったって
あいつからの情は ボクにとって、「愛」だ
そしてボクからも、あいつに
ヒトとは違う形態でも「愛」を返せてた
詳しく話すと 惚気話? とか
他にもいろいろ 長い話になりそうだし
通信負荷も気になるから 今は控えるけれど
たとえ 孤独を塞ぎ切るものにならなくても
この愛情の記憶は ボクを支える熱になる
……うん、熱だ ボクもそう信じるよ
J キミの蓄積してきた ヒトの情報
ろくでもない収監者たちとの関わりも 良い変化も
ヒトの刑務官たちとの良い記憶も、そうでない記憶も
「思い出」と呼べるか、情であるかすらも
わからないとしても さ
何かひとつ ひとかけらだけでも
キミの機工に灯る熱になるならばと、想う
キミ自身が不確かで、人格の元が大罪人でも
もし仮にその人格元が、どんな人間からも
許されないことをしたのだとしても ね
……キミの孤独の由来のこと、もしも
話せるようになったなら その時に聞かせて
ひとまず、同じ任の機械がいないことを
寂しく感じたことがなかった気が、って聞いて
そのことには ほっとしてるよ
それから キミの個体名のこと
名乗るのも畏れ多い名前を、それでも
綴って 教えてくれて、ありがとう
ジブリールの御名には馴染みがなかったけれど
ボクも役目柄 ガブリエルの御名はよく耳にしたし
かの御使いが描かれたステンドグラスの下で
人間が祈りを捧げていたのもよく見たよ
だから、悪趣味っていうの 解っちゃう
それも 姿と飛行機能まで 天使らしく
再現されちゃってるなんて さ!
収監者への嫌がらせっぽく感じちゃったけれど
慰めを得られた人間も、少しはいたんだね
慰めが贖罪に繋がったなら いいのだけれど
それで実際、なんでそんな名前と姿に……
っていうのは これも
キミが話せる時が来たら 聞かせてほしいな
◆◆◆◆◆ってば、本当に
キミのところの囚人だったんだね!
それに、キミがインダラクスとも
任務で関わりがあったなんて
こんなに縁が重なってて ボクも驚いたよ
ホントに、本当に不思議なめぐり合わせだ
こっちでも 紅の薔薇は
ちょっと手に入りづらくなってるけれど
またちゃんと お供えしたいな
キミが◆◆◆◆◆を覚えてくれていたことも
お墓の下の彼に 伝えておくね!
人類がいなくなってきてから
だいぶ 地球の姿も変わっているのかな
島から出られないボクには
世界のこと 判らないことも多いんだけれど
キミのいる夜の果ての地でも、
花々がまたよく見られるようになったら、
なんて、想ってしまったんだ
改めて 手紙をくれて ありがとう
この機工の熱を、心の灯を
絶やさないようにするよ
キミの元にも、夜を照らす灯を
届けることができたらと、雨霰の中で想う
[ 暫くの間閉じていた目を、再び開き、
未だこの地下室に留まる蜘蛛を
微かに動きのふらつく、人工の瞳孔で追う。 ]
あの
……うん、ちょっと さすがに、くらっとする。
これじゃ、キミが糸を張り放題になっちゃう、な。
こんな嵐のせいかもしれない、けど、
うっかり調子乗って、回線に無理させた かな……
………、あの
もっと、しゃんとしてから、書き直すよ。
あいつへの疑いも、ボク自身の「愛」のことも、
今のボクなら、ちゃんと、答えを言えるから。
……「あいつ」って、さっきも書いちゃったな。
ま、いいか。
ダニーにはそのくらい、覚悟して貰うんだから、な……
/*
ところでダニーはたぶん本名ダニエルだと思うんですが(まだロルで落としてなかった)
大天使ガブリエルについて改めて調べ直したらダニエル書が出てきて あ…… となっております
※村内に登場する国・地域・民族・宗教などは、全て架空のものとします
wikipediaで調べてみたら、通信や郵便の守護天使でもあるらしいとのことで !!!! とびっくりでした
(そこまで考えずにジブリールを使用推奨チップに入れていた手紙村村建て人)
[ 『楽園の花園』は、今日も美しく生命を語る。
今日の任務は、紅葉エリアの
健康状態の確認だった。
今はまだ、新しい葉を青々と茂らせる木々は、
時期が来ればその身を真っ赤に燃え滾らせ、
最後の生命の輝きを、人々に託してくれる。
木を一本一本観察し、弱っていないか確認する。
樹皮の下にある樹液に誘われた虫達が、
その蜜の甘さに、過剰に食い荒らしてしまわぬよう、
そういった兆候の見える樹木には、
虫達が寄り付かないように、除虫効果のあるコケや
植物を植え、間接的に木々を護る。
コケと樹木は上手く共存しているようで、
今のところはまだ、樹木の生命は長く伸ばされ
同時に、コケたちの住処として、穏やかな色を
通り道に作り上げている]
[まだ、ゆるく背丈を伸ばすだけの秋桜。
まだ、夏にさえなっていない紅葉の世界は
背伸びをするばかりの、小さな
次の秋に向けて、自分の生命を広げるために
大きく、大きく。深呼吸をしていた]
…やはり子供というものは
自分を手に入れ、そして外へ外へと
花開いていくものなのだろうな…
…新たな地を求め、根付き、そしてまた…
…その種子を、遠く遠くへ運んでいく
[紅葉エリアの巡回中は、
他の職務よりも随分と余裕がある。
夜鷹は、辺りを照らす自然光を全身に浴び、
太陽光発電システムを稼働させる。
安定した陽光を得られる『楽園の花園』では、
最後まで遺すべき『保護者』という人材を、
以下にして残すかが注視されつづけてきた。
その結論は、保護者となる機体が半永久的に稼働ができるよう、その個体内でエネルギー循環を確立しておくこと。何があっても見送る立場になれるように]
[…
人類の永遠の未来の責任をおしつけるのではなく。
自らここを故郷と言ってくれるように
…なあ子どもたちよ、君たちが空気見たかったそれは
今尚、美しくあるだろうか…]
…ん?
[くちばしの先がテキストデータを受信する。
空を大きく見上げ、そして受け取ったのは…一通。
幼さを感じる、あの勇者からの便り]
――遠い昔の回想――
『……ちゃんとわかる? 見える?』
……? はい。
『家事とかって、一式、できるんだよね?』
一応。本来そのために造られた存在ですから。他機種と比べてその点の性能はやや劣るようですが。
『……いや、問題ない。君の仕事場はここだ』
はい。
『最初に、一つ。君の主人は、俺じゃない』
……?
[ 導かれるままついていった先。三階、子供部屋。貴方は、そこに、日差しを浴びて座っていました。黒い髪と、赤っぽい茶色の大きな瞳。]
『ほら%$#*。ご挨拶なさい』
[にいっと。小さな手を振りながら、貴方は笑いました。]
[毎日毎日、貴方はこれでもか、というほど、暇さえあれば語りかけてきました。私は、それらになるべくちゃんと答えたはずです。
それは子供が頻繁に抱くいわゆる「なぜ?どうして?」といったものだったり、私に対する質問だったりしました。
三日くらいしてから、貴方は私を「マリねーね」と呼び始めました。
五日目にはやたらと手を握りたがるようになりました。
一週間もすれば、夜に一緒に寝たがるようになりました。
……私は、毎日ではないとはいえ、頻繁に充電されなければなりませんでした。充電は当然、充電器で行う必要があります。
だから私は、申し訳ないと思いながら、断りました。
そうしたら、貴方は、一瞬、今にも泣きそうな顔になりました。]
[ ――後で知ったことですが、貴方の両親は、ともにとても忙しい仕事でした。
ですからご両親にはめったに会うこともなかったですし、あったとしてほとんど深夜でした。
だから、貴方は片手で数えきれてしまうほどしか、「誰かと一緒に眠る」という体験をしていなくて、一晩中一緒にいたことに関しては皆無で――それに憧れていたのですね。
貴方はずっと、家では一人だった。
友達はいるから、一人ではない。だけれど友達はどこまで行っても友達で、彼らは彼らの家に帰ってしまう。貴方はあなたの家に帰らなくてはならない。
どこまで仲良く遊んでも、母親と手を繋いで帰る友達の背中を、羨ましそうに見ていた。
食事の時も、一人で食事をしていました。
両親が返ってきた次や、その次の食事以外では、調理なしで食べられる食品しか食べていなかった。
貴方はまだ小さかったから、一人で料理は出来なかった。
ご両親は――もちろんそれは気にしていました。しかしそう簡単に転職できるようなお仕事でもなかったようです。
それが私がここに来た理由でした。
貴方を温めてあげる存在として、私は必要とされていました。]
[私は、充電が不要な日は、眠るあなたの傍にずっと付き添ってあげるようにしていました。そう決めた時、貴方は抱き着いてくれて――。
充電しない日は、眠れませんから、貴方に抱き着かれたまま、その寝顔を朝までじっと見て過ごすことになります。ある意味ではつまらないと言えるかもしれないけれど――実際にはそこまででもなかったです。
本当の意味で、貴方と同じように眠れないことは悔しかったです。
でも、貴方はそれで満足してくれた。
じゃあ、充電が必要な日は?]
[そんな日にはあなたは、本当に寂しそうな顔をして、『マリねーねもおやすみ』……そのように言いました。
少しでもその寂しさが和らがないか。私はいろいろ考えました。
そうして私が作ったのが、くまさんでした。
大き目のくまさんでした。
家にはほかにも人形はありましたけど、片手で持ててしまうほどのサイズでしたから、夜を一緒に越すには少し心もとなかった。
買ってもよかったのかもしれませんが――自分で作りたかった。
貴方に私が作ったものを使ってほしかったし、貴方もその方がいいんじゃないかという、期待もありました。
……貴方にとって、市販のものと、手作りとで、なにか違いを感じるのかは分からなかったですけれど。]
[町に疫病が流行って、貴方も罹患して――
死期が迫ってきたあなたは、私にくまさんを返す、と言い出しました。
『これはもともとマリねーねの物だから』
……どうして返してくるの?
それが必要なのは、私じゃなく、貴方だよ。
『……ちがうの。私ね、お願いがあるの』]
『パパもママも、私のこと嫌いとかじゃないのはしってる。でも私に一番いっぱい色々くれたのはマリねーねなの』
……そんなこと無いよ。私は、何にもしてない。
『マリねーねは、そう思うんだ……。
でも私にはマリねーねが一番なの。
そんなマリねーねに、一個だけ、わがまま言っていい?』
……。
『あの、ね。私のこと――』
/*
>墓落ちしたPCは、何らかの事情で手紙を受け取れなくなり、地上に手紙を出すこともできなくなったメカ
「地上に」とあるので一緒に墓下にいらしたSAW-GKさんへのお返事は出来るのかを考えていたのですけど、多分できないのですね…。
受け取りはOKということですので、インダラクスさんからのお手紙共々拝みつつ受け取らせていただきますね。お手紙という形でなくとも反応させていただければよいのですが。
実は数日前から右中指を怪我しておりまして、只でさえ遅いロールが何倍も時間がかかっています。
色々と申し訳なく、とこちらで。(平伏)
…ふふ。なんとも…
[メッセージを少しずつ受け取り、
記憶領域へと保存していけば
そのメッセージに込められた飛び跳ねるような喜びを
こちらも感じられるようだった。
無垢で無邪気。かつていた
好奇心旺盛で。まだ見ぬ大切な何かを求めて
どこまでも進む様子は、あまりにも眩しい ]
…
君に似ていると書いたら、
また何か勘違いさせてしまいそうだ
[苦笑いをしつつ、
まだ緑の映える楓の木の幹によりかかり、
少しずつ、思考の中から返信を
ICQCQ ICQCQ
応答せよ 応答せよ
こちらは、テラフォーム式生命維持施設『楽園の花園』
座標ポイントは{+$#9^→8✕、gwtcdtpg、\28>+1,}
君の返信を無事受け取った。
長き旅の中、消耗も多いだろうに、
私に言葉を返してくれたことを感謝する。
私は飛べるのかという質問には…YESと返答する。
私は、『楽園の花園』の警備をする関係上、
別の場所にすぐに飛び立てるように、
飛行ユニットが取り付けられているんだ。
具体的には、背面に主翼パーツが…と、
これはテキストで伝えても、わからないだろう。
いずれ、君が楽園に辿り着いたとき、お見せしよう。
君を抱えて飛ぶこともできるかもな
…君のように、自らの命題を果たすために、
小さなタスクを組むことができる
自らの役割を果たすことができない
その思考プログラムの壁を前にして、
多くが機能を停止した。
(…楽園でもそのような事例は多々あった)
それを踏まえると、君の走る力は、希望は
私にとっても本当に輝かしいものだ…
…私もあまり内面の喜びを表現する手段がないが、
せっかくなのだから、夜間用ライトを光らせて
喜びを表現してみよう。チカチカだ。
[ チカチカ。チカチカ。
夜鷹は両目に備えられた夜間用ライトを瞬かせる。
色はちょっと赤みがかっており
若干おそろしげな雰囲気もあるが、
そこはご愛嬌。]
君にはまだ話していなかったね。
私の語るこどもたちには、二種類の意味がある。
一つは…君のいうとおり楽園で育てられた植物や花畑。
それから、小さな虫や生き物たちをいう。
『楽園の花園』が品種加工し、生存に特化した
今日も元気に花を咲かせて、太陽の光を謳歌している。
そして…楽園の外へと旅立った
彼らは、過酷な楽園外の環境に適応するべく
人間をベースに様々な
人類…いや、新生人類というべきものだ。
かつて『死の超越』を目指した医学研究者の技術を
ベースに、頑丈さや生命力の高さを持つ人類として
設計されたが…
…フフ、中身は通常の人間と大して変わらないよ。
よく笑い、よく遊び、よく歌う。
自然と心を通わせる、私にとっては愛しい
…君のメンテナンスが、無事終了することを祈るよ
君の冒険は、まだこれからなのだから。
きっとこの世界にはまだ、
…君が『楽園の花園』に立ち寄ってくれる日を
心待ちにしているよ。
そのときまで…私はこの楽園を護っていると約束しよう
また、君と話ができる日を心待ちにしている。
どうか君の旅に、幸多からんことを
[瞬かせていた瞳を一度閉じ、そして開く。
無事、メッセージは送られただろうか。
肩に触れる楓の葉を指ですくいあげ、
色ツヤや状態を確認する。
次の秋には、美しく真っ赤に染まりますように
君たちの命の炎を見せたい
こんなにもいるのだから]
…かつての記憶。
夜鷹が起動し、この花園の番人となった初期の頃。
その頃にはまだたくさんの人間がいた。
研究者、作業員、医学関係者…
まだ無口だった頃の夜鷹に、彼らは言葉をよく零した。
『楽園の花園』の源流となった
医療研究施設への大規模な立ち入り調査…
施設責任者の捕縛…混乱…
そしてその手が、『楽園の花園』にまで及ぶという話。
…かつて袂を分かったはずの場所と再び同一視され、
今から生まれて来ようとする
危害を加えられるという決定的事実。
彼らはそんな夜にも勝る恐怖から、夜鷹を生み出した。
"…私は拒絶する。
これから生まれ来る
未来を奪う何もかもを。
どのような経緯であれ、どのような過去であれ、
生まれてきた命に罪はなく、
今を生きたいと願う心に、なんの間違いもないのだから"
ただただ健やかにあれと望まれた
ただただ未来を生きてほしいと願われた
ただただ次に繋いでくれと乞われた
そんな
夜鷹はただただ、刀を振るい続けた。
それが役割だった。
それほどまでに、愛していた。
…そのうち、この施設から元の人間たちは居なくなり、
彼らを弾圧する勢力も、次第に姿を見せなくなった
…正直、人類の間でどのような話があったのか
『楽園の花園』の外の情勢がどうなっていたのか、
夜鷹には興味がなく、また関係もなかった。
…ただただ、生きることを願われたなら、
生まれてくることを願われたのならば、
それを助け、護ることが、夜鷹の使命。
[ …今日も、楽園の花は咲く。
誰よりも好奇心旺盛な
誰かに出逢える外の世界を望まないわけもない。
…どれだけ過酷な世界でも、
彼らがどこかで生きていることを願う]
『ねえ、きょうだいのイサリビ、
イサリビたちは全然お喋りしないけど、
3人とも仲が悪いの?』
ううん? そうでもないよ、ニーナ。
たま〜に意見食い違って論争になるけど。
それにね、実はねー、「
『そうだったの!? 聞いたことない』
ふっふっふー、ボクら機械だけに聞こえる
内線での内緒話なんだなー。すごいだろ〜。
『なにそれ! わたしも聞きたいー』
『……そこに居たか、3C。
キミは前回のメンテナンスを拒否したらしいな』
げ、ダニー。だってあれさー…
『馴れ馴れしい! 誰だこの人格設計した奴は……。
3C、ワタシのことは姓で呼べと言った筈だ。
言語機能上、発話に支障があるなら
せめて「ダニエル」の方で呼べ!』
≪ 当方 UT-Xng-1E
2M回収のため
◆◆◆一家の墓所区画へと移動する ≫
< 1Eに警告
1Eの行動内容: 2Mへの要請内容と矛盾
落雷による機体損傷の危険性大
礼拝堂内での待機を要請 >
≪ 当方 UT-Xng-1E
3Cの要請を拒否
2M回収のため
◆◆◆一家の墓所区画へと移動 ≫
キミらとこうしてお喋りするようになったのも、
思い返せば、あの落雷があってからだった。
ペット相手でもない限り、「
基本的に必要ないからね、
1Eみたいなことにはならなかったけど、
それでもやっぱり、ポンコツ……どころか、
本当におかしくなってるんだろうな、ボクは。
…………、キミらと話そうとする、っていう、こと。
もしかしてこれも、とも、思っちゃったけど。
……顔の
うん、嵐の時って、だいたいこうなるんだ。
こういう時にさ、あいつ、わざわざ
ボクの傷跡に触ってきて、さ。
……不思議と、安心、したんだよ。
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