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机城勤務 コルンバ は "トラッシュ" イオニス の前に死神のカードを置いた。
探偵殺しの泥 ガァド は "トラッシュ" イオニス の前に死神のカードを置いた。
"トラッシュ" イオニス は "トラッシュ" イオニス の前に死神のカードを置いた。
"トラッシュ" イオニス に 3名が死を宣告した。
"トラッシュ" イオニス の命が儚く散った。
翌朝、 探偵殺しの泥 ガァド の姿が消えていた……。
今宵も頭上に月が輝く。
鳴り響く咆哮は、止むことはない。
もはや、地上は狼達の楽園なのだ――!
名前 | ID | 生死 | 勝敗 | 役職 |
---|---|---|---|---|
崩壊都市 □□□□ | master | 2日襲撃死 | 敗北 | 村人 (村人を希望) |
机城勤務 コルンバ | sakanoka2 | 生存 | 勝利 | 人狼 (人狼を希望) |
探偵殺しの泥 ガァド | sleepsheep | 5日襲撃死 | 敗北 | 村人 (村人を希望) |
越境貿易商 マーチェンド | sakanoka | 4日処刑死 | 敗北 | 村人 (村人を希望) |
ものがたりさっか ベアー | tanuki | 3日襲撃死 | 敗北 | 村人 (村人を希望) |
"トラッシュ" イオニス | ぽぽぽんぽん | 5日処刑死 | 敗北 | 村人 (村人を希望) |
さいごの住人 コルデリア | uiro | 4日襲撃死 | 敗北 | 村人 (村人を希望) |
煙霞山 山主 蓬儡 | 蒼生 | 3日処刑死 | 敗北 | 村人 (村人を希望) |
/*
皆様、お疲れさまでした!
特にエピ天声などはありませんので、すぐに中身発言を解禁くださって構いません。
/*
コルデリア、ういろさんだったのか
きづかなかった。いつもお世話になってます。今回は天敵でした?ね?
がおーたべちゃうぞ
/*
お疲れさまでした。
文句を一つだけ言わせてください!
ガァドさんのロールプレイ美しすぎたから!
(その後出辛くてずっと悶々してた。)
手紙村の真骨頂って感じですごく感動してました!
/*
>>-3
ですです。こういうRPをしたくてこのチップを描いたと言っても過言ではない(?)
えへへ。こちらこそお世話になっております。ぐわー
/*
独り言をもうちょっと残しておくべきだった。
各所美しいロルで手紙に触れていただくたびにわぁいってなっておりました。
ありがとうございます。
お返事かけてないガァドさんからのお手紙ね。
ちょっと気合い入れて書かないとなっています。よ。
/*
そしてコルデリアさんの中の方がわたし(※コルンバチップ)の作者さんだと知って中身が恐縮しています……
(ひとつ前の手紙村でも狼NPCでペデスタルを使っていました)
素敵チップ、ありがとうございます! 村へのご参加もありがとうございます……!
/*
>>-11
リージョンの名前を決めるにあたって実際サガフロってどんな名前のリージョンがあるんだろう→
「ボロ」「スクラップ」
じゃあ「トラッシュ(ゴミ箱)」でいいな!
となりました…。
/*
>>-12
こちらこそこちらこそ〜、使ってくださりありがとうございます。
描いたくせに今まで一度も使った事がないと思い至り…良い機会があってこちらも嬉しかったです
村の設定が変更されました。変更された箇所は以下の通りです。
村の更新日が延長されました。
/*
実は村の作成をこちらのIDでやってしまったので
更新直後の村建て業務でコルンバとマーチェンドを行き来してすっごくややこしくなっていたポンコツ村建て人です……延長までちゃんとやったので村建て権限はこのままでいいかな……
というわけで予定通り、さくっと延長してエピ4日間にしました!
あ あとこれあえてwikiには書いていないんですが、
エピではオンオフや在離席予定について言及しても大丈夫です。
(手紙村の必須ルールの都合上、メモに書くのだけはやめていただけると有難いです……!)
皆様、無理なくのんびりお過ごしくださいね。
今日は良い天気だ。
花は咲き 小鳥は歌う。
嵐に耐えきれず焼け落ちた巨木
燃え尽きた瓦礫たちの下から
ぐずり、ぐずりと何かが動いた。
『 ゴホッ、 ゴホッ! ゲホッッッ!!! 』
腕を突き出し、手紙や鞄を抱えながら
なんとか地面を這い出た泥の骸
……こーいうのって ここで
しんでおくのが おやくそく と いう やつでは?
まあいいか。とりあえず きょうも うみへ てがみを。
/*
村建てさんことマーチェンドさんもお疲れさまでした。
一杯色んな所に手紙出してて凄いなあって思いました。
あとパンパスコートの革命の話とかも好きでした。
あ、一杯構ってくださってありがとうございます!
握りしめた拳が、"敵"の頭部に頂いた"球体"を捉える。
それは、
銃弾を全部叩き込んで、剣が捻れて使い物にならなくなるくらい
殴って殴って殴り続けて、いよいよ武器がなくなって
最後に拳を叩き込んだ…時。あのレーザーの起動音が鳴る。
「…もう一回、か」
最初の頃と比べて、レーザーの頻度がかなり下がってきていたから
そろそろ"敵"も根をあげるだろうという希望的観測のもと
だが、いくら慣れたとはいえ、痛みも熱も感じるものだから
それにそろそろ疲労と消耗が無視できないレベルで蓄積していて
/*
とりあえず生存報告のロルだけ(にっこり
>>-4 イオニス
ありがとう、どういたしまして?(その答えでいいのか)
謎解きパート、いるよなと思ってつい。
思ったより、筆が乗っちゃった。
出てきにくしちゃったのは、ごめんね
直打ち勢だからサンドイッチメーカーなんだ…
いよいよ、防御を捨てていかないといけないか、と
逡巡をしていて…気付く。
例の起動音が鳴るのに、一向に光が収束しない様子。
いつの間にかテストパターンから砂嵐に変わっていた映像のモニター
宙空にあったそれは、力をなくしたように地面に落ちてゆく。
それら全てが落ち切った時。拳を叩き込んだ球体に罅が入った。
瞬間、周囲の風景が金網の床の室内のようなものだったのが
先ほどまでいた森に変貌していって。
周囲には相変わらずのドローンの残骸と
恐らくレーザーのお陰で抉れたであろう地面と。
ぶぅーん、という電源が落ちた時の稼働停止する時のような
そんな音が聞こえたから、"敵"を観察してみれば
それはもう明らかに戦闘不能になったようで
力なく頽れたんだ。
「……終わった…?」
私の疑問に答える声は何もなかったけど。
今度こそ敵性の存在の気配が完全になくなったと安堵したとき
私の身体はどうやらストライキを敢行したようで
地面に仰向けに倒れこんで、指一本動かせる気がしなかった。
限界を超える、という経験は一度や二度でもなかったけれど
冒険者をやめてからは、経験したことはなかった。
「…まずいなぁ…」
脅威は排除できたけれど
もう身体は「もう絶対に動かない」と宣言してらっしゃる。
ご機嫌を取るためにはしばらく休まなければならないだろうけど…
「…心配、させちゃうかもしれないなぁ…」
帰ってこない、って悲しませてしまうかもしれない。
心配して様子見にこないかなぁ、なんて都合の良い事考えるけど
私が帰ってくるまで森に入るなって言ったものだから
きっと、気を揉んで待ち続けているんだろうな、なんて苦笑い
「あー…疲れた…。」
心の底から大きく息を吐いて
瞳を閉じれば、眠りの世界に誘われるのはあっという間。
だけど、今日の夢見はきっと悪いモノにはならないだろうって
そんな確かな予感があった。
/*
>>-19
どちらかというと、
「このロールの後に私が書いていいのか…」
とか、そういうプレッシャーというかハードルが上がった感じというか、そういうのでした…。
皆の手紙を収束してるように見えて
「これが手紙村なのか…」って凄く感心しました!
/*
こちらでもご挨拶。皆様、お疲れさまでした!
お手紙の遣り取りをはじめ、様々な縁をいただけて毎日幸せでした。ありがとうございます!
独り言のお手紙もじっくり拝読しつつ、エピでものんびりお付き合いいただけたら幸いです。
そしてマーチェンド、思いっきり全員に会いに行こうとしていますが会う会う詐欺にならないようにがんばります……エピは4日間……ッ
>>-17イオニス
いえいえ! メカ売って貰った縁からついあれこれ気に掛けちゃうおっさんになっていました。お手紙お返事に嬉しくなりながら、中身は表バトルをどきどき見守っていました……!
革命の話はわりと即興のノリで書いたものだったんですが、好きと仰っていただけて嬉しいです。てれてれ。
/*
挟まれてしまった。
泥入りサンドイッチ?(食べられません
>>-20
ハードル上がっちゃったかー。
■は、イオニスのロルとっても素敵だと思ってたよ
仲間のことを思っての後悔や苦しい気持ちや、葛藤が
とても人間らしくて きらきらだったから
ラスボス戦 すごくわくわくしてみてたよ
だからプレッシャー感じるかもだけどあまり気にしないで。
イオニスのロルにしかないものがあるんだから
/*
ガァドとイオニスの両生存を確認して(※RP上の話です)ほっとしつつ
>>4:61からのこれまでの手紙のお話については、ぼくも おおおおおおおお……!!! って熱くなりましたね! うっとり。
/*
生きていてよかった。
ガァドのロル、とても丁寧でしたから…
よいな…と思いつつじっと見惚れておりました。
/*
そうだこれ 4dコルンバメモでもちらっと書きましたが
ぼくとしては基本的に サンドイッチは だいじょうぶだもんだいない!! の構えです!
星狩国さんは抽出周りの機能がものすごく便利なので(個人抽出と種別抽出が併用できたりもするので)その意味でもお気になさらず。
(>>4:-3思いっきりバレてたの恥ずかしいですね……どんまいありがとうございます……)
/*
>>-25こうは言いながらも、村建て様ロルに挟んじゃうのを自分でやってしまった場合は大変居た堪れなくなるので、マーチェンド墓メモでああ書いたんですけれどね……。
独り言の表誤爆も、一番ショックを受けるのはうっかり誤爆してしまったご本人だと思うので(ぼくも過去にありましたので……)
>>2:-22>>2:-24コルデリアさんは本当にどんまい……!
/*
この国初めてだったんで独り言ボタンが別にある仕様に慣れず…( ˘ω˘)
ベアーちゃんカワイイがバレてしまった…
/*
>>-22
ありがとうございます。
ロールプレイ村に参加すると日常生活で個々の事を考えてない時間がなくなってたのでヤバかったです(小声
/*
ベアーは可愛いからねしょうがないね
そういえば、■も貝とか砂とかきのみとか送ってしまってたな。ミス。
申し訳ない。きのみ送ったときに、あれそういえばまずいのではと気づいて粉々にしたけど、それより前に送ってたやつは普通に忘れてて…
/*
>>-27これぼくもすごくわかります……(エピで油断した時にうっかり通常発言のほう押しちゃったりする)と頷きつつ、
>>-28はじめての国の仕様に出会うと間違えるのも……ほんとうに……わかります……
ベアーちゃんカワイイにはほっこりしちゃいましたが! ベアーちゃんはまじかわいい
ベアーちゃんかわいいといえば、これ>>4:-115、ベアーに向けたお手紙なのに一カ所マーチェンドって書いてしまっているという痛恨の(PLの)ミスがありますが、
手紙やり直し禁止ルールなので、特に訂正とか補完とか無しで原文ママで読んでください……おっちゃんの知り合いは電気街での過労でマーチェンドの自称が頭の中で抜けてなかったんだ……。
/*
お疲れ様でした。
入村時のロル終わりの記号は大変失礼いたしました…。
皆様のロル、眼福でした!
未プレイ勢です。
村Wiki以外はサガフロ1のWiki以外の情報はない状態でロルを打っていました。
至高とする信念に関する描写は恐怖:誇り:美貌の総合点が高い=妖魔としてと格が高いいう事なのかな?と思いつつ、一番がそれという解釈にしました。
後はこういうのが好き、を詰め込んだリージョンでした。
/*
今日昼は一旦これにて離脱**
みんなに送っていた小説はすべて順番バラバラなので
どっかで順番正しくした並びにして見せたいな。
途中は遺書に使ってるのでちょくちょくぬけてます
/*
>>-30>>-31ガァドさんコルデリアさん
まず、お二方とも気を付けてくださいね! と村建て人としてお伝えしつつ……。
物品送付禁止ルールを明確に設けている手紙村っておそらく最近のぼくしか建てていないと思うので(全部の村はちゃんと調べきれていないのですが)うっかり送っちゃうのもあるあるかな、とは思っていました!
物品送付禁止ルールを入れていたのは、ひとつ前の手紙村(暁20村)で極力テキスト情報に特化した手紙村をやりたいなーという気持ちから採用してみたら手紙村としていい感じになったかな……! と考えてそのままこちらの村にも適用した、という次第でした。
テキストだけじゃなく物品のほうの情報も重くなってしまうことで、お手紙を受け取る側にも送る側にも負担が大きくなってしまったら……という考えもあったんですよね(実際結構いろいろな意味で重い品物も過去にあったので……)
/*
お疲れ様です。
ほうらいさんにずっと縁故繋げたかったなぁって思ってた人の顔
冒険者時代ならいざ知らず引き籠った状態じゃ過去の縁なんて思い出したくないだろうなってことで泣く泣く見送り…
/*
ガァドさんのお手紙の砂などは進行中の表からも見えていたので悩んだのですが、ボトルメールのボトル=封筒扱いと考えた際に「これは切手などと同様に、手紙資材の描写とみていいかな」と考えて、ひとまず村建てからは何も触れないことにしたんですよね。
ちなみにボトルメール自体は「手紙あるある」だと考えているので、OK!の方針でした(なのでコルンバからも一通送っています)
/*>>-36>>-38
ありがとうございます。以後気をつけます。
ボトルメール許された。ありがとう。
ボトルメールでの偶然のやり取りがやってみたかったというのもおおきくて。
前回村、お手紙のやり取りメインだったから、より言葉のやり取りがきれいだったように感じたな。(エグい重みの物品がなかったりだからこその言葉の大切さが際立つ)
今回も、そういう『手紙』や言葉の大切さがよく出ていたなとしみじみなのでした**
/*
あ あと敢えて(という名のなんとなくの雰囲気で)こちらの顔で言いますが
>>-36
>いろいろな意味で重い品物
具体的には、酒好きを公言したキャラのもとに毎日のように中身入りの酒瓶が送られてくるという事態が発生した村がありまし た
いやその時はその時でめっちゃ楽しかったんですけれどね……贈り物で毎日酒盛りしていたような記憶が……
/*
>>-36
確認不足してました、申し訳ない。
なるほどなるほど…手紙村参加ははるか昔にいっぺんやっただけなので
割とえっちらおっちらやっておりました。
いろいろな変遷があったんだな…お酒…
私は、診療所の一室で目を醒ましていた。
あれから結局、バジルは町の人を連れて森に来たらしい。
どうやら、夜なのに昼かと見紛う程の強い光が出たらしく
その光の発生源は私と別れた所で、大人を連れて森に入って
そして、寝ている私を発見して、診療所に叩き込んだ
という事らしい。
全く記憶になかったし
正直(個人的な感覚では)疲労が溜まってるだけだから
もう大丈夫だよってベッドから抜け出そうとしたら
お医者さんに「一日くらいは安静にしろ」って
ものすごく怖い顔で言われたので、仕方なく私は此処にいる。
少年に聞いた話だと、どうやら家は
ドローンのナパームによって完全に燃えてしまったらしい。
今までもらった手紙がすべてなくなってしまったこと
この事実に、私は自分でもわかるくらいに消沈してしまった。
招待状と、たんぽぽ便箋の手紙と、境界商人の手紙
そして、物語の一節と送られてきた手紙。
招待状に関しては解決策はあったし、境界商人へは
"トラッシュ"に来た時に頼みごとの序に話せばいいけれど
連絡がつかないのはもう二通のほうだ。
その中の一通。たんぽぽの便箋の手紙。
それを書いた人の事が、ずっと頭から離れずにいて。
どうせ、今は何もやることはないのだしと
私はベッドの上で手紙を記すことにしたのだった。
たんぽぽ押し花の便箋あなたへ
あなたのもとへ届いてほしいと思いながらこれを書いてます。
先日、住居に放火されて頂いた手紙は全て消失しました。
その中にはあなたの手紙も含まれていました。
そのことをどうしても謝りたいと思ったのと
あなたのお陰で、私は大事なことを思い出して
そして、自分でも立ち直れたと思ったので
お礼をいいたくて、手紙を出します。
仲間の犠牲、献身によって生きながらえた私と
大事な人の為に犠牲、献身をなされたあなたと。
立場の反対だったあなたの言葉の中で
私は大事なことを思い出せました。
私の為に命を繋いでくれた人。
大事なあの人達の言葉を、正確に。
知らないうちに、仲間の尊厳を傷付けていたこと
それを思い出させてくださって、ありがとうございます。
自分の事を嫌いでいることはなくなりそうなのは
あなたのあの時の手紙のお陰です。
あなたの大切な人もきっと
あなたの身を案じて、あなたをたすけることを
きっと考えてくださっていると思います。
あなたの大切な人の事と、あなた自身の事
大好きになれますように。
たんぽぽ押し花の便箋の人へ。
あなたの手紙を、私は受け取りました。
あなたがどのような状況にあって、どんな決断をしたのか
そして、何を思って自らを犠牲にすることを選んだのか
それを理解することはきっとない、と思います。
でも、あなたの犠牲、献身によって助かった人の気持ち
それならば、少しだけ理解できる気がします。
私は、仲間の献身…いえ、仲間を見捨てて生きています。
助けを求める仲間を見殺しにして。手を伸ばすこともなく。
他人の犠牲によって、今の私は生きているのですから。
あなたが今、幸せに、何不自由もなく暮らせている
そう、あなたの献身を受けた人が思っているのなら
その限りではありません。
けれど、あなたの献身を知って
そしてその献身によってあなたが不自由な状況に置かれる
そういうことが僅かなりとも想像できるのならばきっと
その献身によって救われた人は
何かの契機の度に、あなたのことを思い出すでしょう。
そして、あなたの献身を受けるしかなかった自分に
どうしようもない無力感を、嫌悪感を受けて
自分は、幸せになってはいけないのだと
その十字架をきっとずっと背負うことになるでしょう。
もしかしたら、あなたの窮状をなんとか救わんと
一所懸命に奮闘しているかもしれません。
/*
おつです!
やりたいこといっぱいあったけど体調不良で大減速していまいました。
みんな生きててよかった―――!!!!
あなたの大好きな人達は
あなたが孤独に咽ぶことを、苦しむことを良しとする
そんな人たちではないだろうと思います。
そんな人たちであったのなら
あなたが献身を選ぶことはない筈でしょう?
だからどうか、その人たちの事を疑わないで上げてください
私はあなた事は知りません。
だから、どんな愚痴も、不満も、悪い事は私に吐き出してください。
誰にも言えない事。言っても仕方がないと諦める事。
貯めこんで我慢するより、吐き出してください。
名前も知らない、所在も解らない
決して出会う事のない私相手なら、
何を言っても大丈夫ですよ。
けれど、あなたの願いがあの手紙の文面のように
なかったことにしたいというのであれば、このお節介は不要でしょう。
どうかこの手紙はそのまま処分してください。
優しいあなたの心が少しでも楽になりますように。
"
/*
三回目の神様が届くって言ったから…
順番的には二回目のお手紙→一回目のお手紙って順番だと
美味しいかなとか思いました。(同時でも。
幸い、リジェットXは大規模ステアの発生源から離れたところにあったのと、ステアの移動速度が予想よりも早かったため、数日の不便があった程度で終わった。
発生源に近いリージョンでは停泊中だった大型船が混沌に飲み込まれたり、混沌の影響でインフラが壊滅状態になったところも。
……あるのだが、それはベアーにとっては全く関係ない話で、今日のベアーはこのリージョンが研究施設であったころ、研究員のリラクゼーション目的で作られた森でいい感じの落ち葉を探していた。
「これぇ?」
拾った葉っぱを一緒に来た植物に詳しいロッカ……ムーヌーと呼ばれる動物のキメラに尋ねた。
『ちがぁう。もっとまぁるい、あまぁいにぉい、する』
ベアーよりもはるかに大きいロッカはゆっくりとした喋り方をする。
「におい……」
落ち葉を鼻に近づけてみる。
……無臭だ、いや、しいて言えば葉っぱのにおいがする。
「あまくないからちがうなぁ……」
ぽいっと落ち葉を放り捨てた。
/*
>>-37イオニス
お手紙送りたかったな、と思っていたんですが、落ちるからな…と思って断念しました。
こちらは最初のコルデリアさんのような手紙や、事故で別の友人宛のだったり、何パターンか想定していましたね。
過去の縁故はマーチェンドさんが拾って下さっていましたしね。
>>-40コルンバ
こちらこそ、素敵な村をありがとうございました。
そわそわwikiを見ていました。
COする勇気を持っていれば。
ロル終わり記号については、ありがとうございます。今後、気を付けます。
動画などないか、探してみようかとも思ったのですが、wikiを見て未プレイ勢にも優しい村だと感じていましたので、それに甘えさせて頂きました。
雰囲気を気に入って頂けたなら嬉しいです。
こういうのをやってみたかったので。
ベアーが落ち葉を探すのには理由があった。
「やっぱりさ、めずらしいのもらうと……うれしいよな……」
花が咲くのは当分先だから、花を植えた報告とお礼のためにこのリージョンにしかないものを送ろうと思ったのだ。
そして目を付けたのが森に植えられた、甘い匂いのする葉っぱだったのだ。
拾った落ち葉をバラバラにならないように特殊な加工をして、コルデリアに送る手紙に入れるつもりなのだ。
『ん−、べあー、このへぇんにあるの。それぇ』
手紙くれた人、喜ぶかな。なんてウフフしてるベアーの耳にロッカの間延びした声が届くと、慌ててそちらに向かう。
/*
>>-53イオニス
お気になさらず! むしろエピでどんどんロル落としていただけたら うれしい です !!!!(村建てとしても一参加者としても)
そしてぼくもお手紙お返事含めてロル書いてきます……っ
それこそマーチェンドにはペリアンス/リジェットX周りで書きたいこともまだかなりあるので、コルンバともどもちょっと潜ってきますね……**
なるほど、確かに微かに甘い匂いがする気がする。
『ふむとぉ、あまぁいにおい、するぅよ』
ロッカは枝に頭をぶつけないように落ち葉の上を歩く。
するとサクサクという音と共に甘い匂いが広がるのだ。
「わ!わ!」
ベアーも一緒になって落ち葉の上を歩くと、甘い匂いはさらに広がる。
「これだ!これ、こるでりあにおくるんだ!」
しゃがみ込んで形のいい落ち葉を探すベアーの姿を見て、ロッカは「白い丸いきのこが生えてる」と思ったとか思ってないとか……。
ともあれ、ベアーは綺麗な落ち葉を数枚確保することができたのだった。
/*
こちらも一旦離れます。
取り敢えず、望崋山から出てお手紙を受け取るところまでは進めないと。
電子書簡、蓬儡は興味あると思うのですが、メカ音痴なので受け取れないのが残念。**
[コルンバの鳩型の機体は
幾枚かのメモを咥えてシップ発着場へと飛び立ち、
MTの郵便船に送られる手紙の中に、それらを紛れ込ませる。]
[これは、幾枚かに分けられる形で舞い込んでくる、無地の白いメモ用紙。
メモ上の文字は活字体に酷似しているが、よく確かめれば、手書きで綴られたものだと分かるだろう。]
“ 人が本当に死をむかえるのは
誰からも忘れられた時だ――とは
遠い昔から、人がしばしば言い伝えること。 ”
“ ゆえに、わたしたちを覚えている人が
誰もいなくなってしまったなら、
確かにわたしたちは、この広い世界から
いなくなってしまうことになるだろう。 ”
“ けれども「いなくなってしまう」ことは、
はじめから「なかったのとおなじ」になるのとは
違うのだと、わたしは考えているよ。 ”
“ 確かに、わたしたちがいたという記憶までもが
この世界からなくなってしまっても、
かつてわたしたちがこの世界の中にいたことで、
この世に存在するものに、なにかしらの影響を
すでにあたえていることに、変わりはないだろう? ”
“ わたしたちを覚えている人がいなくなっても、
わたしたちが ちゃんとここにいたという証は、
たとえ、だれにも分からないかたちであっても、
この世界がある限り、残りつづけると考えている。 ”
“ それでもだ、それでも。 わたしたちが、
わたしたちのことを、わたしたちの物語を、
誰かにずっと覚えていてもらいたいと
そう願うことは、きっと、自然なことだと思う。 ”
“ だって、人の記憶のなかで生かしてもらえることは
きっと、わたしにとってうれしいことで。
わたしも、いなくなった誰かのことを
記憶の中で生かしていたいって、願うのだから。 ”
“ だから、血のにじむ問いの言葉を
わたしたちに届けてくれたきみよ。
その問いを残したきみがいたことを、
わたしが在る限り、
わたしが生きている限り、
わたしたちは、覚えているよ。 ”
[一方、MT本局の最下層階の窓無き一室では、
木棺内で身を起こしたまま燐火の鳩を抱く人型の妖しが、
それなりに新しい本を片手に、白木の椅子に腰を下ろしている
人型の機体のコルンバをじっと見つめていた。]
「これまた随分、多くのメモを書いたんだね、“わたし”」
ああ。思いのほか載せる言葉が多くなったものだ。
わたしの思考と、「わたし」の抱いていた想いを
共に合わせた答えになってしまったからね。
「わたしも、ここまで身体が弱り果てていなければ、
手紙の一つでもまた書いてみたいものだったよ」
そうかい、「わたし」。
次の就眠期間は、もう少し永く取れるといい。
もっとも、今のタイミングで目覚めてくれたお陰で
わたしとしては「嬉しく」もあったのだがね。
[CPUが自然に出力した「嬉しく」の語を、人工のくちびるが紡ぐ。
この日にまた新たに届いた小瓶の中の手紙、
そこに記されていた言葉の一片を思考上に過らせながら。]
/*
ベアーちゃんに現在進行形で癒されております ふふふ
そうそう >>0:-20ベアーちゃんとのウィンドウショッピングもたいへんときめきですね! かわいくないわけがないと俺は信じている
(ところでPCとしてのマーチェンドは耽美系のファッションはご遠慮したいですの姿勢ですが、マーチェンドチップは確かに何着ても似合いそうな感じなんですよね! かっこいい。
そして>>0:-19ありがとうございます! こんな感じの世界もありありでした!)
/*
と そうだったそうだった こちらも念の為にアナウンスです。
エピではお手紙に対して、リアルタイムで即お返事しても大丈夫です!
(RP上はやっぱり届くのに1日以上掛かってしまいますが)
もちろん、参加時間やリアルに無理なく、というのが大前提なので
あくまで参加者さんごとのペースで遣り取りいただけたら幸いです。
/*
>>0:-56>>0:-58
滅茶苦茶分析されてご迷惑をお掛けしてる…!?
船舶情報の参照に関して、例えば注文して輸送してくるはずのシップが来ない〜 みたいな荷受けの状況がありえるのなら、管理組合か何かに問い合わせれば情報を送ってくれるだろうというのは>>0:5の「航行情報君も受信できるだろ」という台詞からメールトルーパーズのサービスなのかなーって妄想して。
でも、船舶の航行情報とか、海賊とかに漏れたら大変なことになるから情報を得るための審査厳しそう&万が一の為に参照者の名前を相手に知らせるくらいの事はしてそう。(もしも知らない相手に航行情報が渡ったという知らせがあれば船の持ち主も警戒するだろうとかいうアレソレ)
/*
久しくやってきてない商人の正確な船舶位置なんて知りようがない→でも、いつもなら来る周期にやってきてないのなら何かあったかな、と心配することは出来る→イオニスはさびしんぼ(というより過去の事案から知り合いと知らないうちに別離をするという事に関するストレスが大きい)なので無事を確かめるために船舶情報を参照するだろうな! って感じで手紙を出す理由をこじつけてました。
そうでもしないとずっと引き籠ってそうでしたし…(実際引き籠ってた)
いろんなものが流れ着くという設定はよかったんですが、キャラクターが能動的に手紙を書く性格をしてなかったのが敗因でした…。
/*
そういう訳で、イオニスの方から入れ違いの形でも手紙書いてくれて、本当にありがとな。
っていうのはこちらの顔でお伝えしますね!
/*
と 補完お返事その他もろもろ考えつつ(今夜落とせないかもしれない気はしている)
メール・トルーパーズ周りのサービスの設定と言えば、リージョン移動の魔法設定を参加者側で誰も出していなかったので、3dの狼発言でちょっと出してみたのですが
これ実は元々の村企画では、wikiにきっちり郵便組織の設定として記載していたんですよね。設定を考え直すにあたって「まあそこまで村建て側で決めなくていいか」と判断してwikiからばっさりカットしたのですが。
その他舞台設定も、リージョン界システムがちゃんと稼働できそうな範囲で極力削れるところは削ったりしたのですが
混沌を無機物などが漂流するのとか、混沌に繋がっている廃棄孔とか、それにステアとか、舞台について様々に広げていただけたのがすごく嬉しかったですね。
/*
寧ろ>>0:5があるから「あ、これマーチェンドに手紙出せるやん」ってなったりならなかったりしました。
出そうと思ったらマーチェンドの方から手紙が来たけど…
これはこれでおいしいな! と思ってこっちから手紙も出しましたね。美味しかった。
>>-77
入れ違いとかニアミスとかすれ違いとか好き好き侍なのです。
此方こそ反応ありがとうございました。
ゼラチナスは思案する。
自分は何者か。
――体に強い衝撃を受けた記憶がある
――誰かに逃げろと言った記憶がある
否、ゼラチナスは実験施設で生み出された人工生命だ。
医療用の流動性固体、知性はない。
本能で動くイキモノだ。
あの時は何かしらの衝撃で培養ポッドが壊れた。
そこから零れ落ちた医療用スライムは生命反応がある場所にダクトを伝って移動した。
これは単なる医療用スライムとしての本能。
損傷している生命体を修復するため、生命体を感じ取るとその方向に移動する。
その場所には複数の生命体がいた。
大規模なエネルギーの破裂を感じた。
部屋の生命体の反応はほとんど残っていなかった。
医療用スライムは本能的に一番生存率が高そうな個体を見分けることができる。
その時もそうした。
何かが落ちてきた
苦しい
痛い
怖い
ぐちょぐちょと音がする
あの子は逃げられただろうか
この生命体のバイタイルが著しく低下し始めた
助けなければ
医療用スライムは損傷している生命体を修復するために作られた
生命体の動きが小さくなる
死にたくなかった
甲高いブザー音でゼラチナスの意識は急浮上した。
ボゴボゴという音共に自分を取り囲む培養液の嵩
『今日の不純物は随分と埃のパーセンテージが高い。どこに行ってたんだ?』
ゼラチナスの体は97%が水分だ。
だから一日に一度、体内の不純物を取り出さないといけない。
『べアー ト トしョシつ。 もノガたリかク テつダイ』
軽くなった体でポインポインと弾むゼラチナス。
気分爽快だ。
研究員は「図書室の清掃が行き届いてないな」と不満気な顔をしながらゼラチナスの分析結果から目を離すことはない。
『核に異常もない。行ってよし』
ゼラチナスに目を向けることなくそう言い渡す。
このヒューマンはそういう性質をもつ個体だと理解しているゼラチナスは、特に気にすることなく培養装置室を後にする。
/*
>>-79イオニス
マーチェンドからの手紙は、イオニスのメカニック描写を見て「これだ!!!」と思いついて勢いで先に送っちゃいました!
ニアミスいいですよね! あ あれ???って戸惑うの大変おいしかったです はい えへへ
/*
そしてゼラチナス まさか…… と どきどき見守りつつ
そういえばベアーちゃんに聞きたかったのですが
俺の友人のおっちゃんの名前の設定ってあったりしますでしょうか……!(ログ読んだ限りだと未出かなと思うのですが、どこかで見落としていたらすみません……!)
その ダチを名前で呼びたくなってしまったので !!
その答えはあっさりと出た。
向こうから歩いて来た知的生命体によって。
知的生命体はしょげながら口を開く。
「おれのかいたものがたり、いもむしのにそっくりだからだめって……まちぇっとにいわれた。
ものがたり……むずかしいな……」
ゼラチナスはベアーの友達だ。
『ジゃア いッシょニ かンがエヨう!』
ぽいんと不定形の体が跳ねた。
/*
ゼラチナスの正体は……まあそういう可能性が高いですね。
イオニスさんのロール見て「ふぅん、なるほど?(顎をさする」ってなった結果生えたキャラなので……。
/*
>>-82ベアーちゃん
承知しました! ありがとうございます!
よしちょっとおっちゃんの名前考えてきます (研究員だった義母さんだけはこちらから出したのでウルスラ先生ってさくっと決めちゃったのでした)
/*
ゼラチナスさん、いいなあ…にっこり…
不定形仲間…シンプルに考え自己とは何か考え…
けど一番わかりやすい答えに辿り着く…すてき…
流石にショーに参加する事になるとは思わなかったな。
[翌日の夜。
男は山主の部屋に通され、差し向かいで杯を傾けていた。
初日は旅の疲れで、昨日はショーの後は齊芸鵬が忙しくしていたので、話す機会が持てず。
朝食の前に、一緒に酒を飲もうと声を掛けられたのだ。]
「でも、儡兄も楽しかったでしょう?
あの服を見つけたら、イメージが止まらなくなってさ。
妖魔役は絶対儡兄にやって貰いたかったんだよね。
騙し打ちになっちゃったのは悪かったけど。」
[大きな催しを終えた所為か、友人は饒舌だ。]
あぁ、勿論だ。
貴方のところに来ると飽きない。
[ショーという催しは男の領では縁がないが、機械の取り入れ方など考えさせられるものがある。]
「後半にはうちの売れっ子の劇団からも出ていたからね。
気に入ったんなら、興行にやってもいいよ。」
それはまた交渉させて貰うとしよう。
ところで、あの中には人間も多かったな?
「だって、この分野なら人間も妖魔も大して差はないでしょう。」
[齊芸鵬はけろりとして言った。
妖魔が頂点に立つゲッカの中にあって、その公平性はまるで他のリージョンのようだ。
確かに芸術の分野であれば、妖魔である優位性はない。
膂力も術もあれば便利という程度だろう。
妖魔は人間よりも寿命が長い分、その道を究める事は出来るかもしれないが、授かった才能というものの比重が大きい印象だ。]
──確かにそうだ。
[男は首肯した。
妖魔と人間との関係性は、今後、機械を取り入れる事で変わるかもしれない。
優れた身体能力や術を持って魔物を狩り、人里を守る。
それが、たとえ恐怖を至高とする妖魔であっても、上に立つ事を許されている理由だ。
いずれは人間と妖魔の差が縮まり、ゲッカで彼のような考え方が一般的になる日が来るかもしれない。
そうした未来を考える上で、望崋山は一つの指標となるだろう。]
「まぁ、私は儡兄みたく力はそう強くないけれど。
私なりに人間とうまくやっている心算だよ。」
[エンデからの移民を受け入れたのも、彼なりの人間との付き合い方だ。
望崋山で生きていける才を見込んで受け入れた。
恐怖を至高とする者の下につくよりは、幸せだろうと。
それは、己が庇護者であると自認する者の考え方だ。
人間は妖魔よりも脆く、寿命が短い生き物。
開けた考えを持つ彼であっても、人間と妖魔を対等な存在として見る事は難しい。]
ところで、彼奴らの方はどうだ。
「変わりなし。
私達は機械に興味がある酔狂者って認識のままだよ。」
[酒で喉を潤しながら聞いてみれば、友人は肩を竦めてみせた。
美しいものに惹かれる気持ちに抗えず、望崋山の公演を呼ぶ者は少なくなく、その際に得た情報をこうして時々提供して貰うのだ。
男の方も同じ一派の山主から得た情報を提供したり、友人の手に負えない厄介ごとを代わりに処理したりする。
ゲッカへの機械の流入は限定的である。
それは交易自体が限られた立場の者にしか主導できない為だ。
そこから更に必要な知識や手順、人材や経費などを捻出できる者となると、更に絞られる。
人間如きの作ったものに現を抜かすなど軟弱、との認識を持つ上級妖魔は今でもそれなりに多くいた。
彼らはすぐに壊れる機械の事を役立たずと罵って、嗜好品を買う程度に留まった。
山主でさえ、自分の領域外に口を挟むのが許されないからこそ、機械の恩恵は限られた人間にしか与えられていない。]
[住む場所によっては、一生、機械の存在を知らずに死ぬ人間もこの先何百年単位でいる事だろう。
人里の電気の光を、妖魔の放つ光──不知火と思い込んでいる者も多いと聞く。
手の伸びない範囲のものに何かしてやれないのは、ゲッカの社会構造上、致し方ない事。
──致し方のない事と、思っている。
例えば、術を使わずとも、ボタン一つで街一つ消せる兵器。
正しく保守されなければ、一帯が死の地となってしまう発電装置。
そういったものを、恐ろしさを知らないで手に入れてしまうよりは。]
機械は人間の生活を楽にする道具。
それでいい。
[いずれはそうしたものを作ってしまうかもしれない。
けれど、今はこのままで。
知らなければそれだけ、辿り着くのは遅くなる。
コントロールされた緩やかなスピードでの機械の受容。
ゆっくりと距離を測り、ゲッカなりの落としどころを探って行けたらと。
それはエゴと言えるかもしれないが、男はそれが“正しい”と考える。]
[後の世で、男が正義となるか、悪となるかはこの先次第だ。]
うん、酒が回って来たな。
そろそろお開きにしよう。
「あ、じゃあ追加の依頼があるから渡しておこうかな。
ついでに片付けてくれてもいいよ?」
無策で突っ込む愚か者があるか。
[言いながら、差し出された書類を受け取る。
ちらりと目を通せば、毒鳥が目撃された地点について記されていた。
その鳥は身体中のあらゆる場所が猛毒となり、飛来した後の作物さえ枯れてしまうと言われている。]
何故、鴆が此処に。
あれは怒吉山にいるのではなかったのか。
「山主達が討伐したらしいんだけど、討ち漏らしがいるみたいでさ。
うちの領地にも姿を見せているみたいなんだよね。」
[齊芸鵬の言葉に、男は溜め息をついた。
面倒な事に目撃地点は三つの領主の山に跨っていて、彷徨っている様子がうかがえる。
恐らく、新しい住処はまだ見つかっていないのだろう。
己の領地外に出れば、勝手に討伐も出来ない。
討伐隊は、さぞや悔しい思いをしている事だろう。]
……分かった。
[鴆程の猛毒を持つ魔物に対抗するにはそれなりの準備が必要となる。
明朝には命令書を持った先触れを屋敷にやって、隊を派遣する事としよう。
若者に経験させてやるのも良いかもしれない。
老練な者がついていれば言う事はない。
であれば、送るのは……と思考をやって、男は頭を抱えた。]
ゆっくりは出来なさそうか。
[羽を伸ばしに来た心算が、と嘆く男に、そういう性格だからね、と友人は笑った。]
/*
蓬儡の旦那ー!!!(お手紙だと旦那ーッって呼べないのでここで呼んでしまいます ね!!)
そういえば>>3:-36、パンパス・コートの描写についてもやっとさせてしまっていたらごめんなさい!
裏側の設定(>>3:36>>3:38>>3:39)と革命の話(>>3:40)のどちら(あるいは両方)のことかな……。
前者はわりと初期の頃から考えていたので、もうちょっと序盤の方でさくっと明かした方がよかったかなと思いつつ(こういう裏設定をいきなり知らされると「え゛……」ってなるのはままあるかなと思うので)
後者も だいじょうぶです革命失敗します! っていうのをこの時は表で上手く描けなかったんですよね……PC一人称視点で進む語りの所為でちょっと難航してしまったという。
/*
(なので、イオニスから手紙で「短期の滞在なら過ごしやすい」>>0:-53と言われた時は、あっパンパス・コートの闇がちゃんと透けてる……ってぞくっとしたりもしていまし た)
ちなみに女将なエナガさん、>>3:36の設定含めて、実は今回のPC候補のひとりだったんですよね(居住リージョンももちろんパンパス・コートでした)。やたらと設定細かめなのはそれもあってでした。
チップは……これ言うと次からこの人使った時に中透け要素になりそうなんですが描写的に隠しようがないので正直に書きますね……ハリコさんです……
/*
エナガさん、ハリコちゃんイメージだった。
きづかなかった。にっこり。
すごくすごく似合いの役だなあ、うれしい
" ザアァン…ザアァン… "
嵐があったというのに
海は相変わらず静寂のそれで
朝日を浴びて柔らかな漣を 寄せては返していた。
いつもと違うのはなんとなく
漂着物が多い気がすること
……倒木 や 石。取り残された小魚たち
それに加えて、恐らくは海の向こうから流されてきた
完全に壊れた家具やら本やら小物やら
さらに言えば 精密機器のパーツ、古めかしい書簡など
ジャンルや文化でさえ様々なものが流れ着いていた。
せかいのごみばこを ひっくりかえしたみたいだな
……このしまは じつは そういうのが
ながれやすいせかい?
混沌を彷徨うものがたどり着く一つ?
泥は 書いたばかりのお返事やお手紙
無数の遺書たちを 海へと流していく。
封筒に入れた商人宛も、海に流す前には瓶に入れて。
届いてくれと願うように 彼らを見送り続けていた。
『………ン…?』
完全に小瓶達が海の向こうに消えたあとのことだ。
……ふと、漂着物のなかにひとつ。
キラリと光る小瓶があった。
まだ中身があるもの。
そして自分で書いたものではないもの。
――蓬儡の旦那ってさあ、
まるでお月さんみたいな円盤型のボディをした、自走する(踊りでもするかのようによく動き回るらしい)掃除機の新機種の箱を収めた紙袋を手に提げながら。
なんとはなしに、そんなとりとめもない思考を浮かべたりもしたんだった。
「――…お前さんのこともさあ、
自分で『クロウ』って言い出すまでは
別に俺からは名前で呼んだりしなかったもんな」
作業ロボとはいえ俺もコイツをずっと“クルー”として扱ってはいた。それにも関わらず、これだった。
だからまあ、それなりの返答は覚悟していた心算だったんだが……。
それを拾い上げる。
しっかりと封をされたそれは、雨や水から
中身を守ってくれているようで。
少し苦戦しつつも ギュル、リ。ポンッと蓋を開いて。
その中の
「ソノトオリ!
マスター マーチェンド ハ メカ ヲ
ヒトナミ ニ アツカワナイ オニジョウシ!」
「往来で堂々と言うのやめてくれません!?
〜〜〜…はい今まで劣悪な労働環境で働かせてしまい
大変申し訳ありませんでしたッ!」
――ほーら白い眼で見られてるじゃないかよ俺!!
この電気街の住民は、人間も多けりゃメカも多い。そして人間たちはメカによく親しんでいるもんだからさ……そのメカから公共の場で堂々とこう言われりゃ、俺のメンツもあったもんじゃない。
なあイオニス、この子本当に俺の護衛機能付いているんだよな? 寧ろ俺を周囲からの標的にしてきていないか!?
まさかとは思うがヘロンの改造の影響……は、無いと思いたい(デザインはかなりやってくれたが)。エナガがうっかり何かぶち込んできたとか? いやそれ以前に俺のこれまでのメカ遣いを反省しろ? そうだな!
……だが、まあ、な。
ペリエンスの未来の研究者だった
そりゃさ、学校の授業はよくサボってたよ。決して勉強熱心って訳じゃなかった(もしそうだったなら、今頃俺は商人なんかやってなかっただろう)
それでも、俺をペリエンスまで連れてきて育ててくれた
その過程で、施設の実験体の存在についても知らされた覚えがあるんだが――。
……取り扱ってる実験体に「名前」があるのかとか、そういうのにはまるで関心が無かった。
個体を区別して呼ぶとしたら、記号か、数字か、或いは種族か。
だいたい、そのくらいの認識しか、持っちゃいなかったんだなあ。
正直なところ、こんな俺が研究の道を離脱してペリエンスの外に出た理由だって、結局は話で聞いた“混沌”の広さと神秘に魅せられたってところ。
――俺は「何か」に惹かれても、「誰か」に関心はない。
単身で旅に出たばかりの自分には、そんな自覚がぼんやりあったくらいだったなあ。
それがさ、なんとか商売のやり方を覚えて、シップの操縦免許も取って、様々な“
未知のモノに出会うために他者と出会って、助けられたり、傷つけられたり、また助けられたり、助けたり。
そんなことを繰り返すうちに。
――俺は、
自分の中でのそんな変化に、気づいたんだ。
……ああ、気づいた。そう、思った。
でもさ、実際のところは……俺はもともと、そうだったのかもしれないと、後になってから思いもする。
育成施設での義母さんはあくまで「ウルスラ先生」であり、あくまで、研究者だ。
だから俺に対しての評価も、研究者の目線からのそれが多かった、気はしたんだが。
『チエンは、面倒見がいいのね』
ある時、義母さんからふっとそんなことを言われた記憶がある。
多分10代初めくらいのことだったとは思うんだが、これは本当に断片的な記憶だ。なんでそんなことを言われたのか、前後のことをさっぱり思い出せないくらい。
……育成施設で年下の子供たちの面倒でも見ていたとか? 本当にそのくらいしか、俺には心当たりがないんだが……。
で、自分が実際面倒見のいいヤツなのかってことを、別に学友たちに尋ねるでもなかった――そのくらいに自分は他人になんて興味ないヤツだったんだって、思っていたくらいだった。
まあそりゃティーグたちとはそれなりにダチとしてつるんではいたさ。休みの時にボードゲーム囲んだりとか、雑誌を回し読みしたりとか小説の貸し借りしたりとか。サボった結果ヤバくなった箇所のノート取らせてもらったりとか……。
それでもさ、俺はやっぱり「近くの誰か」になんて興味ないわーって自分で思っていたのは、まあ、それこそ思春期特有の若気の至りって気がしないでもねぇわなあ……。
……こんな俺は、けれど実際、俺の隣にいた、
アンタの目にどんな風に映ってたんだろうな。
なあ、ティーグ。
「おっちゃん」になっちまった今もあの場所に残って、
ベアーのやつの傍にいてやってる、同窓の友よ。
……ほら、この通り。
実験体にだって、ちゃんと「名前」がある。
そしてそのことを今の俺は認めて、受け入れて、
たったひとりの「ベアー」として、みているじゃないか。
「〜〜〜〜〜〜…、じゃあ次の店行くぞ、クロウ!」
元々はクロウのアームに抱えて貰う気でいた電子レンジの箱を、自動掃除機共々俺の両腕で抱える羽目になるのは、ここから30分くらい後の話だ。
あめのむこう。あんぜんなところ。
かのじょは かなしいからにげたひと。
こどくがこわいからにげたひと。
やさしいだれかにたすけをもとめたひと。
くるしいことから にげたひと。
にげたことを くやんだひと。
じぶんにうそをついて にげて くやんだひと。
けど いまは こうかいしてないひと。
…………じぶんじしんで えらんだひと。
…ずるを しても しなくても
こうかい しないほうをえらぶ。
こうかいするとわかる うそをつかないほうをえらぶ。
『…フ、フフフ フッ
ハ 、 ア゛ハハ …っ …アッ、ハハ…!』
静かな海のそばで 一人声を上げて笑うものがいた。
まるで今この瞬間 おもしろくてたまらないかのように。
憑き物が落ちたように。
つかえていた胸の闇が晴れたように。
そうか。 ■が にげたのは。
作家が逃げ出したくて仕方なかったのは。
それから 逃してやることができた■は
ここに うまれることができて よかったのだなと
/*
一旦ここまで!お返事書くけど少しふわふわなので
明日朝になってもご容赦‥
マーチェンドはさんでごめんね(探偵ポーズするから許して顔
/*
他参加者さんにも謝罪をば…
キャラチを見てないとロルが書けない直打ち勢のため、■がロル書くときは大抵誰か挟んでしまいます…邪魔してたらごめんね…ごめんね…■のことは気にせずどんどん俺に挟まっておくれ…(取り込む泥
/*
というわけでリジェットX在住の俺ダチのおっちゃんの名前がティーグになったことをおしらせします
今夜は流石にちょっとがんばりすぎたのでここまでにしつつ……
>>-90ガァド
はい このエナガもハリコイメージです! リージョン柄、人前では豪華な服着ているかな、くらいですね。
似合いと感じていただけてすごく恐縮です……! あああありがとうございます!
>>-91蓬儡
はっ もやっとしてなくて よかったです……! ほっとしました。
どきどきされてしまっていた……! 折角上級妖魔'sにお越しいただけそうだったので、何事もなく観光できちゃう革命失敗ルートのほうを取っちゃいました。てへ。
そしてサンドイッチはどんまい! (探偵ポーズ拝みつつ……本場根源倫敦の探偵さんの探偵ポーズだ……)
電子レンジでおいしいサンドイッチあたためてきます と素で思い浮かんでしまったのでほんとうにおやすみしますね……皆様もむりなく……!**
"
こんにちは。 ごみばこのあなた。
あなたが あらしのないところに
だれかのいるどこかにいて うれしいです。
こどくはひとをころし ひとにこどくはあつまるから。
ひととひとがあつまって あんぜんなのはよいことです。
こちらも けさ あらしがとおくにいきました。
ここはいつもよるなのですが
あらしのあとは…いっとき あさひがのぼるようで。
あなたの メッセージをみつけることができました。
おへんじも こたえも
ありがとう ございました。
あなたはずるをしたひと。けれどこうかいしたひと。
うそをついてしまったこと、そむいてしまったこと。
それをくるしみつづけたひと。たえぬいたひと。
……じぶんがこうかいしないのは
どちらなのかをえらんだひと。
■ は おもい いたりませんでした。
ずるをしてはいけない ルールはないなんて。
ずるを したって いいんだって。
それよりも ずるを するしないよりも
こうかいしないほうが ずっと大事なんだって
…■ は ずっとずるをしていました。
ともだちに うそをつきつづけていました。
くるしめるばかりのともだちと
どうつきあうべきか かんがえることから
うそのよろいをきることで にげつづけていました。
ともだちがいなくなってから
そのうそが ズルが ずっとくるしかったとしりました。
そのうそのじぶんが ほんとうのじぶんだと
まわりのひとに おもわれつづけることも。
それをいっしょうつづけていかないといけないことも。
■は うそをつくのを ずるをするのをやめたかった
…そして どこかでこんどは。
にげたことを にげることをずるだと
こころのどこかで ゆるせなくなっていた
……うそのじぶんでありつづけるのがただしいと
それはしかたのないことだったのに おまえはにげたと
じぶんを ゆるせなかった きがします
…けど あなたのおてがみをよんで おもいました
■は ようやく うそをつかなくてよくなったって。
うそをつくことからにげたことは
わるいことではなかったのだなって。
もう これからは うそをつかないでいいって。
ありがとう。おしえてくれて。
■はさいごのさいごに
はじめてこころのそこからのねがいをかなえたって。
…あなたも。
こうかいのないみらいを すすんでほしい。
むねをはれるほうへ。じぶんにうそのないほうへ。
■も…おなじように。
じぶんがいちばんこうかいしないほうにいきたい。
…そう できるように。こころにまかせて。
すすんでいきたいとおもいました。
…あなた がしあわせでありますように。
……あなたにいつか
ほんとうの■としてあえますように。
メッセージの裏側には物語が書かれている。
表側の筆跡とよく似ているようだ。
『お、おまえぇ!卑怯だぞぉ!?
仲間だと思っていたのに!銀行に行く直前に
土壇場で裏切って…!!!
そんなやつとは思わなかった!!!』
複数の覆面の男が、銀行の裏手で簀巻にされている。…それを見下ろす内通役の銀行員…いや潜入していた探偵はゼーハーと息を切らしながらも、彼らを見下ろした。
「うるさい!お前らの居場所を特定するの苦労したんだぞ!!!それに普通銀行強盗の常習犯なんて、絶対捕まるはずなのに捕まらないほうがおかしいんだ!!!いいから大人しくしてろ…!今に警察が来る…!!!」
警察という言葉に怯えた彼ら。しかし探偵は銀行内部を睨みつけていた。
プルルル。プルルルル。彼のポケットから通信機器がなった。
『…ウィル!やっぱりです…!この銀行の札束…奥の方は、爆弾のカモフラージュです!!!倫敦中に広まっていた爆弾は、ここから始まっていたんだ!!!』
…すみのほうに走り書きがある
ついしん
うそも にげるも どうぐだって
いつからわすれていたんでしょうか。
…■はうそはにがてですが
きっと にげるをきちんとつかえるひとに
なっていきたいとおもいます
/*
イオニス宛そりゃっ!とどけ〜!
ふんわりニュアンスと雰囲気だけで手紙を書く男マン!
/*
探偵小説の順番なおすのできたので、
明日の朝に落としたいなあ。きょうはひとまずおやすみなさい〜**
私があの時筆をうっかり走らせたこと。
かのひとにうっかり訊いてしまった事──
さびしくないか、苦しくないか、なんて問い、
自分がそうでなければ出てこない。
おんなじ、だと思ったのだ。
終わりを知るもの。ひとり居たるもの。
きっと私と同じように毎日を終わらせていると。
まさか、其れがこう帰ってくるとは
思ってもいなかったけど。
人と会わぬが増えて思慮が薄れたか?私は。
目覚め部屋に増えていた、前にも届いた小瓶。
見覚えのある貝。おそらくは返事なのだろうが、
矢鱈と乱雑に中身が詰められている、様な?
何か非常事態でも、と思いながら、
泥に包まれ閉められていた栓をどうにか外し。
出てきた皺の寄った手紙たちと、
妙に綺麗な、生成りの紙の── うん?
「 マーチェンド、さんの……紙? 」
手紙の主と面識でもあったのか、それとも
物語の部分のみ彼が書いてでもいたのか、
はたまたその星ではありふれたものなのか。
不思議に思いはするが、問題はこれ以外の手紙、
瓶の奥底まで詰まっているものもあり、
取り出すのに少々苦労した。
細かな砂埃に咳きつつ、丁寧に広げた紙の、
その真っ先に飛び込んできた、のは。
「 ──、う、…… 」
思いの丈ばかりが真っ先に胸を撃ち抜くような。
拙い文字と言葉であるゆえにその分真っ直ぐ、
そして、……
「 なにを、解ったような、っ……! 」
悲鳴もまた共鳴する。それが道理であるように。
ひぅ、と息苦しさを覚えど目は更に文字を追い、
この場所に泥むわたしを溺れさせるよう、
ただただ溢れ出てくるそれは、私が
ずっと見ないようにしてきたものを直視させんと。
「 ──、って、終わりなんです、
そうでもしないと、あの子が苦しむ、
わたしは絶対に先に、逝きますから、
残らせるわけに、いかない
すべての苦しみだけ飲み込んで、
ただの死にかけの死にたがりが死ぬ、は、
願ったとおりにすすんでいて、 」
「 ぜんぶわたしの思い通り、なんです
──そう、そんなものです、よ
うんめいもすくいも、願うだけ苦しい
自分に嘘をついて、……なにが、
何がわるい、って、ゴホッ、う、 」
いつになく興奮でもしたか、激しく咳込んで、
ぼやけた頭とともに肩で息をする。
本当は全部わかってる。図星だって。
ちゃんとそれを認めたとして、その先は、
/*
おはようございました。
クロウとマーチェンドのやりとりを目の当たりにしたら
多分イオニス滅茶苦茶笑いそうですね(他人事
/*
ああ〜〜〜〜!コルデリア〜〜〜!
終わるものと終わらせるものの天敵同士〜〜〜!
仲間同士だけど根本的に理解し合えないやつ〜〜〜〜!
激おこコルデリアかわいいね…怒らせてごめんねかわいいね…
/*
4dにも書いてたけど、
たぶんコルデリアが目の前にいたら
『嘘つき仲間だ。悪いやつだ。
自分に嘘ついて苦しいなら救ってあげるね』で
頭からばりむしゃ言ってた気がするので
生身で基本渡航できなくて本当に良かった(安心)
死体が混沌を漂い続けた結果のガァドなので
混沌渡航2回目はできないというかやったら拡散して死にそう
/*
同族嫌悪って…こう…同じ感情を持つ似た者同士だからなるやつだから…いいよね…
相手の環境や状況さえわかっていればもしかしたら分かり合えるかもしれないのに…的なサムシング…
ああ無情…すれ違い…楽しい…楽しんでおくれコルデリア…
ガァドくん寄り添ってやれよ…
寄り添ったら頭からばりむしゃルートなんだよ…
嘘つきの作家に寄り添ったからばりむしゃしたわけだし…
/*
よみかえしたら小説の内容に若干の矛盾があったので
どっかに手紙を流そうと思いました。(小説を書くために手紙を流すな)
…………しじまのうみ しずかなうみ
おわりのうみ がらくたのうみ よるのうみ
あらしがさって ひがのぼり
まぶしいあさひが きらきらとうみをてらすはま
潮水を避けつつ 漂流物を見つつ
流れ付きの岩場(と名付けた)に 足を運ぶ。
"
ほとんど意識も自我もなく、ただぼんやりと開いたままの眼球に映ったものが今思い出されるだけだった。
恐らく奇跡だったのだろう。作家の体内に残っていた特殊能力が液体状のものを操る力であったこと。滝の水と混ざり合い、その肉体をふやかしたこと。能力が液状の体を維持し続けたこと。妄執にも近い感情が今なお泥のような不純物だらけの体を維持し続けていること。
これほど多種多様なものが漂っていたともなれば、漂流中にぶつかって、自分の体に入ってきたものもいくつかあるだろうが今となってはもう何が自分を構成しているのかもわからない。
様々なものを拾い上げる。いろんなものを拾い上げる。
要らなくなったもの、終わったものは自分の仲間だ。
…いまの じぶんは
■は なにで できているのだろう。
なにが したい の だろう。
泥の体は熟考する。
様々な漂流物に使えそうな紙類はないか
しきりにあたりを見渡した。
なにがしたい。なにをしたい。
………
おはよう、こんにちは、こんばんは。
ここはしずかなうみ しじまのうみ。
いつもはずっと よるですが
いまは あらしのさきのあさ。
はなもことりも よろこんでます。
だれか いますか? なにか いますか?
■は ものがたり が すきです。
■は ものがたり を つたえたいです。
■は うそつき を やめたから。
■は やりたい を したいです。
メッセージの裏側には物語が書かれている。
表側の筆跡とよく似ているようだ。
…酒場は今日も馬鹿どもを集める。
ノックスは、となりに酷く酔っ払った男にため息をつきながら、その背中をさすってやっていた。情報収集に酒場に何度も来ていたが今日はいつもにまして様子がおかしい。
『ちょっと、アーノルドさん。飲みすぎですよ…いつもより量が多いじゃないですか…』
『あう…ひっく…すまねぇ…ノックスさん…じつは…俺…ひっく…俺ぁ…ひっく…だめだ…言っても、きっと信じちゃくれねえ…けど…俺ぁ…俺ぁ……どうすれば……』
『……あなたが何に悩んでいるか知らないですがね。…何か苦しいことがあるなら隠さないでください。言ってください、僕これでも、あなたの悩みとか聞いてきたつもりですよ?
助けになれるのは僕だけじゃない。みんないる。あなたにも仲間がいるでしょう?仲間が悩んでたら言ってほしいと思うはずですよ』
その言葉を聞いた男は息をのむ。ガタガタと酒で震える腕を抑え、目をぎゅっと瞑り…それでもすがるように言った。
『…た、頼む…探偵さんの…あんたらの力が必要なんだ…!俺達を助けてくれ…!俺達は…人殺しかもしれねえんだ…!!!』
…紙の炭には 走り書きがある
■は ものがたりがすきです
■は ものがたりの つづきを
あなたに つたえたい
いつか あなた に あいたい
どう か いつか であえ ますよう に
しじまのうみから でるほうほう
しってるひと いたら おしえてください
きっと あなたに あいにいくから
■■をこめて ガァド
/*
書き終わったあとに誤字にきづいてしまった。
かなしみ!!!
この広い世界のどこかにとーどけ♡という意味で、お手紙崩壊都市に垂れ流し
/*
しじまのうみをでて、いろんな人にものがたりを伝えに行きたい欲をもっちゃった描写をデキて満足…誰か拾ってください…(←まずしじまの海の場所の特定から
……… ひろいひろいこの混沌の宇宙の中。
物語は荒唐無稽。
壮大な事件、馬鹿馬鹿しくも有り得そうなトリック。
ドタバタとした事件を解決する
名探偵ウィラードとその助手ノックスの物語。
作者やもとの原稿が失われたことで、重版などができず
どうすればよいのかと思い悩む編集者たちに一つの噂が流れた。
どうやら… その原稿が手紙となって…
宇宙のどこかを漂っていると言う話。
世界中に バラバラに散っているという話。
…まだ確認できてない物語たちを、彼らは探す。
あなた達に届いた物語を。あなた達に伝えた物語を。
第一章
夜の帳が降りる頃、誰もが寝静まる倫敦の街を
一人の男が駆け回る。
「待て!!!これ以上の罪を重ねることは
このボクが許さないぞ!!!
いい加減、お縄につけーーーー!!!」
追われている男は、ただならない様子の追跡者に
ひいいいい!!!と悲鳴を上げて
転げ落ちるように坂を下る。
その両腕には盗んだばかりの札束の詰まった袋
彼にとっては、この札束は生命の繋ぎ目だった
探偵が行方不明になって早数日…いい加減、ノックスも気がついてきた。この街の警察は無能であると。
あんなにも派手好きで、事件を起こすときにはひと波乱どころか十波乱程度は巻き起こす男がこんなにも静かに潜伏しているわけがない。それなのに、警察側が影も形も見つからないと証言するのは変な話なのだ。
…下町をメインに発生する連続爆破事件。
解決のための糸口も、真犯人の影もまるでつかめない。
犯行動機もわからない。聴くところによれば
貧しいながらも助け合う善人の家ばかりが狙われており…
……全く趣味が悪い。ノックスは大きく舌打ちをした。
「……信じませんから。ウィルには何か考えがある。
絶対絶対…!絶対に見つけ出して聞き出してやる…!
あの馬鹿探偵がそんな大それたことできるわけない…!」
…酒場は今日も馬鹿どもを集める。
ノックスは、となりに酷く酔っ払った男にため息をつきながら、その背中をさすってやっていた。情報収集に酒場に何度も来ていたが今日はいつもにまして様子がおかしい。
『ちょっと、アーノルドさん。飲みすぎですよ…いつもより量が多いじゃないですか…』
『あう…ひっく…すまねぇ…ノックスさん…じつは…俺…ひっく…俺ぁ…ひっく…だめだ…言っても、きっと信じちゃくれねえ…けど…俺ぁ…俺ぁ……どうすれば……』
『……あなたが何に悩んでいるか知らないですがね。…何か苦しいことがあるなら隠さないでください。言ってください、僕これでも、あなたの悩みとか聞いてきたつもりですよ?
助けになれるのは僕だけじゃない。みんないる。あなたにも仲間がいるでしょう?仲間が悩んでたら言ってほしいと思うはずですよ』
その言葉を聞いた男は息をのむ。ガタガタと酒で震える腕を抑え、目をぎゅっと瞑り…それでもすがるように言った。
『…た、頼む…探偵さんの…あんたらの力が必要なんだ…!俺達を助けてくれ…!俺達は…人殺しかもしれねえんだ…!!!』
『お、おまえぇ!卑怯だぞぉ!?
仲間だと思っていたのに!銀行に行く直前に
土壇場で裏切って…!!!
そんなやつとは思わなかった!!!』
複数の覆面の男が、銀行の裏手で簀巻にされている。…それを見下ろす内通役の銀行員…いや潜入していた探偵はゼーハーと息を切らしながらも、彼らを見下ろした。
「うるさい!お前らの居場所を特定するの苦労したんだぞ!!!それに普通銀行強盗の常習犯なんて、絶対捕まるはずなのに捕まらないほうがおかしいんだ!!!いいから大人しくしてろ…!今に警察が来る…!!!」
警察という言葉に怯えた彼ら。しかし探偵は銀行内部を睨みつけていた。プルルル。プルルルル。彼のポケットから通信機器がなった。
『…ウィル!やっぱりです…!この銀行の札束…奥の方は、爆弾のカモフラージュです!!!倫敦中に広まっていた爆弾は、ここから始まっていたんだ!!!』
「……正直に話してくれてありがとうございます。お陰様で、札束の中に爆弾が紛れ込んでいたと…気付くことができました。すべてはあなたのおかげです。
うちの馬鹿探偵のことは本当にすみません」
札束泥棒にそう言って頭を下げると、泥棒はいやいやいや!と首を横に振り、むしろこちらも頭を下げた。結果オーライとはいえとんでもないことをやらかしたのだと
「い、いやいや!謝んねえでくれノックスさん!俺も悪かったんだ、どうかしてた…あんな大量の金を見てどうかしてた…ずっと誰にも相談できなくてさ…怖かったんだ。今の生活を壊すのが…怖かった…けど、俺がばらまいてた金のせいでたくさんの被害者が出たと知ったとき、言わなきゃって…
俺は、俺の嘘を続けて、かっこつけて…それで、人の命を奪ったり…追い詰めたりしたくないって気づけたんだ。
…だから、ありがとうな。俺、ムショでたら人生やり直すよ…!」
「…なんだね、なんだね!
君は僕に心がないと言いたいのか!
僕はねえ!!!これでもこの街一番の人情家なんだ!!!
困っている人は見捨てられない性分なのさ!」
名探偵はそう言って大きく胸を張るが、
助手のノックスは飽きれたような顔をするばかり。
「何いってんすか、ウィル。
あんたそういって…また変な依頼を
捕まえてきたばっかでしょ?」
依頼人のもとを訪れれば、そこで待っていたのは
うら若い淑女であった。
「ようこそいらっしゃいました。名探偵ウィラード。
あなたの噂はかねがね聞いております。
何でも、かの有名な 倫敦都市爆破未遂事件を
解決まで導いたという…あの噂は本当ですか?」
そんなふうに事件の顛末が伝わっていたのか?と
助手は白目を剥いた。
嘘は言ってないが半ば詐欺師と同じじゃないか!
「えーと。間違ってはないけど間違ってるというか
こいつはたまたまもごご!」
「もちろんです!!!
貴女の事件も無事に解決してみせますよ!!!」
「そうですか…では、是非話を聞いてください。
……私の最後の家族……兄の失踪事件について」
探偵達は知る由もない。
この事件が、倫敦だけではない
世界を揺るがす事件へとつながるなんて。
ガタンゴトンと揺れる列車のコンパートメントの中
憂いを帯びた表情の助手に向かって、
探偵はムスッとした顔を向ける。
「なんだね、ノックス君。何が不満なのかね
せっかく倫敦を離れてぱあっと旅行だというのに!」
「何言ってるんですかウィル。不謹慎ですよ
行方不明者を追いかけてるってのに…
その先で何があるのかわかったもんじゃない」
「それはそうだが…ほら、旅は楽しまなきゃ損だろ?
これから凄惨な真実が明かされるかもしれないからこそ、今のうちに楽しいことは楽しんでおくべきじゃないかね?…ほら、車内販売が来たぞ!サンドイッチを買おう!紅茶はいかがかね!!!」
「それは…まあ楽しんでおいたほうがいいのはわかりますが…
やっぱり僕は、倫敦の街が過ごしやすいんだよなあ……」
「……嗚呼!酷い目にあった…
駅からたったここまでで、こんなにも降るとは!!!」
「…なんだか異様な天気ですね…折角のサンドイッチが台無しになってしまった……それにしてもこの街に本当に彼はいるのでしょうか?
レディ・ボーデンの話ではここを最後に消息を絶った…と」
と、両手いっぱいのサンドイッチが犠牲になったことを嘆きながら、ノックスは一つ一つとお別れしていく。
ちゃっかりと旅をエンジョイするのは良いところだ
「このあたりではしばらく雨が降り続いているらしい。
災害が多いから、この嵐ではホテルを出るのも危険だろう…案外単純に足止め食らっているのでは?ちょっとフロントの人に聴き込んでみるか」
そう思い立ちフロントへ向かう。
誠実な彼らなら答えてくれるだろうと。
だがその名を出した途端、フロントの者は顔色を変えた
『そんな人、見たことも聞いたこともありませんね…』
「ぜえっ、はあっ…!う、ウィル!あなた一体何をやらかしたんですか!!!」
「まてまてっ…!!! 私はただ酒場で聞き込みをしていただけだ!!!何もしてない!!!」
たくさんの暴漢に追い立てられながら、
ふたりは何度も曲がり道を曲がり、追手を振り切ろうとする。
全く、おかしい。何に彼らがおこっているのか
わからないままにげていく。 たとえば 今の探しびとに何か?と思うところもあったが…それにしてはわけもわからず追われている。
「…おかしいと思っていたんだよ。なぜ君の兄の名前を出せば出すほど、あの町の住民が暴走するのか…。
…"モリアーティ"とは人名じゃない。あの街に蔓延るドラッグの名前だったんだ。
…君が広めた…ね。
全ては君の自作自演だったのだろう?
自らドラッグを広めそして人探しと称して探させる。その過程で…自らに楯突くものを倫敦から排除して殺し…ドラッグを求める者たちは更に躍起になって探し続ける…いずれは倫敦にもくるだろうな。…そうして気がつけば世界は混沌の渦、というわけだ。」
「…君が この事件の犯人だ。
自作自演の レディ・ボーデン」
…その答えに 淑女はくすくす笑いを上げた。
ああようやく至ってくださったのね。そんなふうにいわんばかりに。
…燃え盛る倫敦の一角…逃げ惑う人々…消防士が必死になって駆け回り、大火となった家を押さえ込もうとしていた
「…しかし驚きましたよ…
まさか…貴方だったなんてね…ウィル
こんな大事件を起こして…あなたのせいで…」
その目には相棒の裏切りへの怒りが滲む。
「くくく…私も予想外だよ…ノックス…
まさか、こんな結末を迎えるなんてね…」
ニコリと笑いかける黒幕。もう、これ以上誤魔化すことはできないだろう。観念したように友人の方に向き直って、彼は言うのだ。
「君へのバースデープレゼントにケーキでもと思ってな。
どうだね?サプライズを受けた気持ちは?喜んでくれると嬉しいが!」
今夜、一つの巨悪が生まれた。友人を騙した巨悪が…
「…〜〜〜!!!だからってねえ!!!あんたねえ!!!
僕のケーキを焼くために!!!
事務所を全焼させるやつがありますか!!!???
あの時の倫敦爆破未遂よりひどい惨状なんですが!」
「だって!!!だってだってだって!!!!
倫敦爆破も行方不明事件も解決したのに!!!お前への祝いも何もなしで何もしてやれてないから!!!だから!!!こっそりがんばったのにーーーーー!!?!」
「そういうのは一人でやるなっていつもいってるでしょうがああああ!!!」
ノックスはわああああ!と涙を流すウィラードに向けて思いっきりげんこつを落とす!!!全く、なんて裏切りだろう。これだけ事件のために駆けずり回ってこの仕打ち!!!彼の腕の中のケーキとやらは完全に消し炭状態である。本当に目も当てられない。
「まったく…なんだって、こんな無茶したんですか…!いま消防隊の人たちが頑張ってるっていうのに…!!!」
「だって、だってさあ…!!!」
…第二巻以降の原稿については、
どうやら様々なところに漂着しているとのことで
色んなところから情報が集まりつつあった。
…裏側の落書きのメッセージはともかくして
この原稿は、作者本人の生原稿だと分かってしまえば
とんでもない値段になるのは言うまでもないだろう。
…手紙を受け取ったあなた達にも、
もしかしたら新聞やニュースなどを通じて…
出版社が原稿を…作者を探していることを知ることがあるかもしれない。
今も 彼が生きているとどこかで信じたいように。
原稿とこの世界を繋いでいく。
物語は 終わらない。**
/*
おおおおおおおお探偵小説全部揃ったーやったー!!!!
(ちょうど顔出しに来たところだったので見守っていたひと)
というわけでおはようございます!
ちょっと動きの順番あれこれ考えながら今日こそお手紙反応あれこれおとしたい所存です
/*
というわけで第一巻のエピソードまとまった!
小説のまとめなのでここだけそっとおわり記号つけときました。
これまで送ってきたやつ全部回収できてるはず。
感想よかったら聞きたいな〜わくわく(感想聞きたがりマン)
レディボーデンはアイスの方じゃなくて
リジー・ボーデンの方のイメージ。(テキトーな名前付けだと思わせてスルーさせる狙い)
ノックスとウィラード(ヴァンダイン)はめちゃくちゃ有名な推理小説のあの方々ですね〜。
/*
ちなみに退席記号区切り記号もエピでは特に気にしないので
(もちろんこれまで通り、記号がまったく無くても大丈夫です)
ログ内であれば、各種記号は各自なんかいい感じのところで自由に使っちゃってだいじょうぶです!
>>-127ガァド
これおそらくマーチェンドは全部原稿段階で読んでるんですよね(あとややネタバレになりますが、出版された本は妖しのコルンバのほうも)とそわそわしつつ 感想も含めて しばし おまち を !
そしてレディ・ボーデンの由来はそっちのほうだったか……とぞくっとしております。探偵と助手くんはやっぱりあの方々だった!
/*
>>71の原稿燃えちゃったぜ…!(ぁ
探偵小説よくわかんないんですけどぽんこつ探偵面白い…。
/*
そしてようやくざっと秘話をひととおり見てきたのですが
お墓、3dからちゃんとお手紙飛んでたんですね!(墓下は通知が来ないのでわからなかったという)こっちから秘話送って大丈夫かなってメモで聞いたぼく心配性過ぎてはずかしい……そういえばぼくも以前は特にメモでお伺いとかしてなかったのに……なんでだ……
3dのガァド→コルデリアお手紙もようやくちゃんと見られて 鳥肌が立っております………!
この天敵関係……いいですね…… ふふふ
/*
>>-129イオニス
あんしんしてください コルンバならちゃんとおぼえているとおもいますよ!
(編集者にとってはたぶんそういう問題じゃないやつ)(マーチェンド側はちょっとまってね)(そして放火はほんとうにたいへんでした……)
/*
>>-105蓬儡
紙屑ごはんに思いっきり吹きつつ かわいいですね旦那……!
そして成功する目のほうだったんです ね ! 成否どちらにしても山主として考えることありますよね……としんみりしつつ
ロルのほうは本当に書けたら書く程度で大丈夫なので ぜひ観光にいらっしゃいませ!!
>>-114イオニス
もう笑ってくれよ!!! って頭抱えるやつですこれ はい
どうしてこうなった……なクロウと一緒にトラッシュにまた来るので待っててな……!
/*
お返事返そうと思ったけどこれガァドさん完全に決断してるから私言う事何もないやん…と思ってる顔
ガァドさんへ
お手紙、ありがとうございます。
あなたの決断に、私の言葉が役に立てたのなら
これほどに、この出会いに感謝をすることはありません。
あなたへのお返事を書いている間
自分の事を見直すことができたので
色んな事を見つけることが出来ました。
私は、ゴミ箱から這い出ることに決めました。
伸ばされた手を、沢山の手を掴んで
目に見える範囲の人の、涙を拭えるようになるために。
私のように悲しむ人が、一人でもいなくなるように。
だから、どうか。
あなたのゆく未来が
あなたにとって幸いなものでありますように。
あなたにとって苦しいものではありませんように。
"
あなたの幸福を願って。
ペンを置いて、もう一度、私に充てられた手紙を眺める。
言葉というのは、たかが文字の羅列というものは
信じられぬほどに、人の想いを乗せるものなのだな、と
そんな心持は、自然、私の表情を柔らかくさせていたと思う。
「よかった。」
彼が決めたこと。気付いたこと。
それに私の言葉が多少なりとも寄与できたこと。
自然と"よかったこと"だと思えたから、無意識に言葉が出ていた。
手紙をたたんで窓から外を見る。
寂れているとはいえこの時間、人の通りは多い。
以前住んでいた家は町のはずれにあったけれど
今、間借りしている部屋は中心部にほど近いから
見える景色は大きく変わっている。
何年も住んでいて、この街はこういう顔もあるんだ、なんて
今更感じ入ってしまって、おかしくなってしまった。
出ていくことを決めてから気付いてどうするんだと。
バジル少年が掘り出したコアからメカを組み上げるのは
さほど時間をかけることなく終えることが出来た。
機能のほとんどはブラックボックスだったので全部無視したし
材料に関しては、都合よく大量のスクラップがあったので
積極的に利用したら、手間が大幅に軽減したのだ。
最初の頃は及び腰でメカに接していた少年だけれども
今では友達のようにあちこちに連れまわしている。
ランニングコスト問題に関しては、今まで以上に稼ぐことと
メンテナンスの事を勉強するのを決めたようで。
これから大丈夫だろうか、と心配する必要は何処にもなかった。
燃えてしまった家の片付けは、街の皆がやってくれたようで
診療所を出て、戻ってみれば綺麗な更地になっていた。
仲間達との思い出の品とか、そういったものは
なにもかも全部失われてしまったけれども。
残念に思う気持ちはあれど、沈み込む、という事はない。
過去を想うのに、所縁の品物なんて最早必要はない。
私にとっての心の支えとしての役割は、もう終わったのだなと
だから自然とそれらの物品に対しては別れを告げられたのだけど
自分の所為だと落ち込む少年を慰めることの方が
私にとっては骨が折れる作業だった。
結局、「なんでもするから!」という条件を少年は提示して
「じゃあ、君のコアで組んだメカを君に贈らせて」と返して
色々あったけれど、冒険者時代で培った口車に少年を乗せて
メカを組み上げて大団円と落ちを付けたのは数日前の話。
数も少ない荷物は、まとまっているから。
後は、商品の売り込みのネタを考えないといけない。
「商売の安全確保の為の護衛と、機械の保全のためのメカニック
抱き合わせでおひとついかがですか? なんてね。」
押し売りが実ったら、墓参りをさせてもらおう。
最初の最後の場所。嘗てのペリアンス。今のリジェットXに。
/*
あぶあぶ。
表発言にするところだった…。(
いや、削除間に合ってよかった…(尚見える模様
あ、招待状をベアーから頂いたときから
墓参りはしたいなって思ってました。
/*
小説フルバージョンすごいな〜〜!
めっちゃ凝ってる…良き…
ガァドさんにはつつきにいきます 我こそは天敵 フシャー
/*
お返事ありがとう。
イオニスに後押ししてもらえるの、嬉しい。
お手紙送ったときも イオニス自身の過去のトラウマや他の人とのやり取りでみつけた答えがとてもよく出てるお返事をくれて…すごく嬉しかった。
後悔したもの同士だからこそ、イオニスの伝えてくれた「ずるをしてはいけないということはない。大事なのは後悔しないこと」ってのがすごく染みたよ。
決意したイオニスの未来がいいものになるといいな。
/*
だからこそごめんね。
あえてもやもやしたところ、伝えさせてね。
イオニスがとても素敵なお返事をくれたからこそ、イオニスが素敵なRPをしてきてくれたからこそ、「私言う事何もないやん…>>-133」って言われるの、結構辛いというか、悲しくなってしまった。
■自身、4d時点で自分自身の正体や何をしたくて何が願いでここにあるのかの答えが出てしまって…自己完結してしまったところはあると思う。だから、触れにくかったり声をかけにくかったりするのはとてもよくわかる。…絡みも少なかったし余計にやりにくかったんじゃないかな、とかもね。
だからこそ、イオニスがこれまでに積み重ねて理解したものを伝えてくれた言葉がとてもとても嬉しくて、4dの推理の中に盛り込めなかったのが残念なくらいだった。
言葉を掛けにくいロルにしてしまったのは申し訳ないけれど、イオニスの言葉はどれも素敵なものだったから、「何も言うことはない」と言われるの悲しくなってしまったな…
/*
そんな中でお返事を考えてくれてありがとう。
イオニスの言葉は、どれもイオニス自身の人生が詰まってて、生きてきた感情がいっぱい籠っているからやっぱりうれしかったよ。この熱量はイオニスだけのものだと思うんだ。
■自身、過去に『もうこいつが全部一人でやってしまうから、おいてけぼりだー』みたいな感じのことを何度か言われたことあるから、すごくすごく気をつけてたつもりで…それでそう言われてしまったから割と過剰に受け止めてしまったところもあると思う。
あまり気にしないでね。
/*
イオニスと残る可能性考えて、
早めに手紙投げに行かなかったのは、良くなかったなー
2dに投げといたら手紙が行って帰って行って〜くらいはできた気がする
手紙のやり取りの回数が増えたらこのへんも変わってたような気がするな
[コルンバの鳩型の機体は、この日も
背嚢にガラス瓶を収めてシップ発着場へと飛び立つ。
そして、郵便船に送られる手紙の入った大袋の上で
宙返りの形に旋回し、袋にボトルを落として紛れ込ませる。]
[これもまた、ガラス瓶で中身を守って送られる手紙。
コルク栓の瓶の中に便箋が収められているのみで、
活字体に酷似した手書きの文字で綴られているのも同様だ。]
嵐を経た浜辺のがぁどへ
こんばんは。
嵐の中にあって、またわたしに手紙と
物語のひとひらを送ってくれて、ありがとう。
きみ自身について教えてくれたことも、感謝する。
これからは、私はきみのことを がぁど と呼ぼう。
がぁども、この物語の名前は憶えていなかったのだね。
それでも『ヴィラード・ヴァンダイン』の名に
聞き覚えがあるということは、どこかでこの名に
触れる機会があった証ということだろう。
さて、がぁどのいうとおり、「コルンバ」はふたりいる。
この手紙を書いているわたしは、生命無き機械のコルンバ。
わたしの思考の元である疑似的な人格のモデルが、
妖しのコルンバ、ということになる。
妖しのコルンバは、イニシュの島でうまれた、
幽幻なる妖しの魔。
人によっては、妖魔や妖精、精霊といった種族と
同じ類と見なされるし、そう認識して差し支えない。
訳あって妖しのコルンバは、イニシュの人間たちや
同種である妖しのものたちと仲違いをして、
島を追われることになってしまった。
この物語は話せば長くなるから、違う機会に書くとしよう。
イニシュの外では、幽幻の妖しの力はひどく脆くなる。
このため、この妖しの代わりに仕事を行う存在として
機械のコルンバ、つまりわたしが製作されたという訳だ。
さて、わたしではない妖しのコルンバの方が、
確かに『ウィラード・ヴァンダイン』のシリーズを
多く読んでいたと、当の妖しが供述してくれた。
妖しのコルンバ曰く、人間の読者がしばしば口にする
筋書きの荒唐無稽な壮大さや
妙に有り得そうなトリックなどよりも、
ウィル君の在り方とノックスとの遣り取りの方に
如何せん意識が惹き付けられてしまうとのことだ。
わたしも、妖しの記憶をいくらか同期させながら、
一通りの筋書きを追ってみたが――
人格の元が同じ故か、妖しのコルンバの供述と
大差ない感想を抱いたものだったよ。
強いて挙げるなら、わたしのほうが、
多少「胸の痛み」と思しき反応が薄いらしい。
どうやら、全てが「おそろい」ではないらしいね。
そうだね、
「胸の痛み」という情動的な反応が起こる程度には、
機械であるわたしにも、人ならぬ妖しのコルンバにも、
人情というもの自体は宿っているに相違ない。
そしてふたりとも、人情の表現、もしくは出力が
上手な形で行えない、ということで間違いない。
それでもなお、情を表現したいと欲しはするんだ。
己を気遣ってくれる仲間の心配を拭いたい。
身体を壊しかねない仲間を気遣いたい。
深い悲しみに暮れる仲間を慰めたい。
喪われた仲間を、己の中で生かし続けたい。
相争う仲間たちを執り成し、わだかまりを除きたい。
そして、己のすぐ傍にいてくれる仲間へと、
喜んでもらえることをしたい、とも。
わたしも、妖しのコルンバも、結局は
そうした人情の示し方が上手くいかない。
それこそ、バースデーケーキを1個焼こうとして
事務所どころか島ひとつ焼き払うような、
そんなことばかりを繰り返してしまっている。
此度の手紙でがぁどが送ってくれた
第一巻の最終章の炎上シーンなんて、
妖しのコルンバにとっては居た堪れないくだりだ。
わたしも意図せず、苦い表情を表出してしまったよ。
ただそれでもわたしは、ほんの微かではあるが、
「これは微笑ましい描写なのだ」とも思考できた。
わたしがこのように、幾らか俯瞰的になれるのは、
あくまで機械の頭脳故かもしれないがね。
さて、もしもウィル君が、
人情の表現をもっと上手くできたなら――
最終的にノックス君に対して盛大に恩を仇で返してしまう、
なんて悲劇には陥らなかっただろうが、
読者の側は「面白みに欠ける」と溜息を吐くだろう。
とはいえ、ウィル君が本当に、ノックス君との
ドタバタでないハッピーエンドを望むならば、
読者の目など気にする必要は何もないだろう。
そもそも読者というものは、ウィル君たちと
同じ舞台上には立っていないのだからね。
もっとも、物語とその読者とが、必ずしも
完全に切り離された場所にいる訳でもないことは、
わたしや妖しのコルンバが、ウィル君の顛末を
他人事として突き放せないことが示す通り。
誰かの生涯にとっての教訓に、癒しに、
或いは生きる支えになるのもまた、物語なのだから。
話を戻そう。
ウィル君だけでなく、がぁど、きみにも
人情の表現が上手くいかずに
困難を抱いたことがあっただろうと推察する。
きみも相当、他者との関わりに難儀したのだろう。
「もしあの時こうすれば」を考えるな、とは言わない。
無理に後悔を抑え込み前に進んでしまうなら、
それはきみが苦手とする「綺麗」を被ることになり、
きみが嫌う「嘘」を纏うことにも繋がるからね。
ただ、もしもこの先、きみが
他の誰かと共に在るハッピーエンドを望むならば。
思考や心情の表現の不得手を意識しながら
己の言動を工夫することも、勿論必要にはなってくるが。
その上で。
その「誰か」には、この世界にいる今のがぁどを
――過去の何者かではなく、今の、がぁどを、
ありのまま、受け止めてもらうこと。
それこそがまず、必要なのではないかな。
きみが手紙を書いてくれた時には
まだきみの中でも分からないままだったことが、
もしかしたら、この手紙が届く頃には既に、
思い出せているかもしれないが――
わたしは、がぁどが何者であっても、
あるいは何物であってもいいと考えている。
「もしかして、きみは」という推測を記すこともできるが、
その推測については、きみがわたしに望むなら、
次に送る手紙に書き添えることにしよう。
そういえば、以前の手紙の最後に記した、
わたしの元になった、妖しのコルンバが
捨てた夢についての話だがね。
あの妖しは、イニシュに元々あった書籍と、
外からの開拓民が持ち込んできた書籍、
両方を収めた図書館を、うまれた島に
作ることを夢としていたんだ。
その夢は、自身がイニシュを追われたことで潰え、
二度と島に戻れなくなったことで
本当に捨てざるを得なくなってしまった。
あの妖しには、その夢を再び追う気は
もう、無くなってしまっているようだが。
今いるバラ・トルーパーズで、数多の世界からの
物語に触れ、自らの記憶に残し続ける日々を、
今は良しとしているそうだ。
きみが届けてくれた物語も、
機械のわたしと妖しの「わたし」、
ふたりのコルンバの、それぞれの記憶に残しているよ。
しかし、こうして手紙を書き綴っていると、
ここまでの答えをきみに届けようとする
わたしには確かに人情があるのだろうと再認識する。
それこそ、拙い表し方の人情かもしれないがね。
嵐が過ぎ、波が凪いで穏やかになった頃に。
この手紙が、嵐を耐え抜いた海のしじまの
きみのもとに、流れ着くといい。
愛をこめて
コルンバ
バラ・トルーパーズより
……まあ、流石にメール・トルーパーズや
バラ・トルーパーズを焼き払ったことは
これまでのところ、ないのだけれどね。
[という独り言は特にボトルメールの中にはしたためず、
機械のコルンバの人型は、白木の椅子の上で
買い足しが必要になってきた黒いインクを見つめる。]
後で買い出しにでも行ってみるか。
B35番ビルの文房具店であれば、
今なら35%オフセールを開催しているところだが――
「これから買い出しに行くというのなら、
口頭での供述から記憶の複製まで
散々な取り調べを受けて衰弱したわたしのために、
新作のサンドイッチと*ラプサンスーチョン*の茶葉も
買ってくるといいよ、“わたし”」
……解ってるよ。
楽しい列車旅での車内販売とは、
異なる赴きのティータイムになるだろうがね。
/*
というわけで コルンバ側からの小説感想をおとしました!
マーチェンドの方もあるので、狼のコルンバ側からは簡潔にまとめようかなとも考えたんですが ちょっと筆が進んでしまいました ね ……
/*
あっ…ごめんなさい。
お手紙返す時にお手紙だけ読んで集中してじーっと見つめるもので
それで受け取り手に入り込んで返事してたもので…
ずーっと「……そっかぁ。よかったなぁ」っていう、なんか孫からの手紙を受け取ったお婆ちゃんみたいな感想しか出てこなくて
最後まで、結構その調子だったので…
「もう言える事(言うべきこと)ないなぁ」って感じでした…。
肩に手を置いて、「そっか、遠い空の下で応援してるから頑張れよ!私も頑張る!」しか出てこないなぁ…ってなってたもんで…
/*
こう、テキストエディタ開いて、手紙文だけを読み込んでいったら…時候の挨拶とあなたの幸せを祈ってます的な文しか出なくて
あんな言葉出ちゃいました。
悲しくさせてしまってごめんなさい。
ロールプレイ書いてる時は楽しかったんですよ。
もう何も書くことないやん…↓ってなってるんじゃなくて
こう、「私が何か書く必要もないくらい前向いてよかったなぁ」的な感じだったので。
>>78は割とリアルでこんな感じでしたの
申し訳ねぇ…。
/*
>>-158>>-159
そっか。そういう意味だったんだね。
その気持ち分かるな、他のPCさんがなんか幸せな道に行ってるのをみると、『うむ…うむ…!しあわせに…なれよ…!(感無量で言葉でない)』ってなるやつ。
よくなるなる。何言わずとも優しく見守っていけるやつ〜
>>-142の事情もあって、またやってしまったのかな…って落ち込んでしまっていたから、誤解してしまったみたい。ごめんね。
イオニスの気持ちが聞けてよかった。ありがとう。
/*
そういう感無量って、言葉や手紙にしたため直すと難しいよね。
イオニスが、RP楽しんでくれてて本当に良かった。ほっと一安心だ。
/*
他のみなさんもお騒がせしました。ちょっと過剰になってしまって、空気悪くしてしまってたらごめんなさい。誤解があったら嫌だなとかモヤモヤ抱えたままは嫌だなと思って、いってしまいました。
>>-157コルンバ
お手紙おへんじ ありがとう!
妖のコルンバ バースデーケーキ焼こうとして島焼き払うレベルなの笑う…笑う…
ドタバタやりすぎてしまう側だったか…(にっこり)
ギャグ落ちでも、なんとなく心当たりがあって、それが教訓になって、って感じがとてもいいな。含蓄のある言葉がすごく嬉しい。ありがとうね。
お返事書くぞ〜っ、と思うけど、お出かけ疲れで少しぐでんっとなってるので回復してからゆっくり書かせてもらうね〜
/*
わだかまり解消されたならよかったよかった〜。
あとコルデリアが非常に感情的なお手紙を送るだろう、と、
先に予告しておきますねガァド。私は楽しんでやっています。
/*
ちょっとロルの海に潜伏しながら いまし た そしています
コルデリアさんはお仕事お疲れ様です……っ (なでぎゅむ)
>>-162ガァド(上段)
どうかお気になさらず! 空気悪くしちゃうかも……という気持ちもわかるのですが、誤解やもやもやがちゃんと村の中で解けるほうが大事だとぼくは思うので、言ってくださって全然大丈夫です、の気持ちです!
/*
イオニスからのお返事だと、マーチェンド宛てに3dにいただいたものも
決して多く語っている訳じゃないお手紙の中に、たくさんの感無量がぎゅっっっと詰まっているのが感じられたんですよね(その時のお手紙直前のイオニスの表ログも見えていたので、なおのこと)
受け取った側もPLPC共にすごくじんわりさせられるお手紙で、本当に嬉しかったです。てれてれ。
/*
みんながそれぞれ幸せな道を見つけて歩き始めるの、とても良い思います(カスの語彙力)
ベアーは……ぶんつー相手が増えたくらいで何も変わらないけどな!
毎日がエブリデイのハッピーライフだからな!
あなたの人生に添えられた刺身のタンポポ担当でありたいベアーなのでした。
ステアが収まり再開された定期船第一便に乗っていたのはベアー宛の手紙だった。
「わ……わあ!」
研究員から手紙を受け取ったベアーは、お行儀悪くもその場で手紙を読み始めた。
「お、ひ、さ、し、ぶ、り ま、あ、ち、ぇ、ん、ど、で、す……。
まーちぇんどからのてがみだ!」
研究員はやれやれと言った顔でベアーを見つめる。
声に出して読むものだから、どうしても手紙の内容が耳に入ってしまうのだ。
「おっちゃん!まーちぇんどからてがみきた!」
聞こえているからわかってる……という無粋なことは言わない。
「おっちゃんも!いっしょによもうぜ!」
キラキラとした顔で腕を引っ張られて、そんなことをされたら逃げるのも悪い。
結局、ベアーを後ろから抱きかかえるようにして二人で手紙を読む。
「……まーちぇんどかえってくるって!」
『そのようだ』
正直、研究員はチエンドゥーが帰ってくるという事に驚いていた。
自由を求めて去った男だ、それに研究施設自体がなくなった今、帰ってくる理由もないと思っているのだから。
「いつかえってくるかな?」
ベアーにとってマーチェンドは「へいきびんのひとみたいなしごと」をしている「おっちゃんのしりあいのひと」。
どんな姿をしているか、どれくらいの年齢か、何もわからない。けど、どういう字を書くか知っている。
ぶんつーで繋がっている人物に会うことがとても楽しみで仕方がない。
「あした?」
『明日は……さすがにない、かな』
「そっかー」
会うのは明日よりもずっと先になりそうだ。
会う日が来るまでは……いっぱいぶんつーしようとベアーは思うのであった。
/*
ロールプレイの都合でお返事返せねぇってなるのはどうしようもない…。
私もベアーちゃんに何かお手紙出したい! と思いつつも、なんというか「自分で出向くから」って気持ちが強いせいかキャラクターが手紙を書こうとしない…(手紙村なのに…)っていう…。
/*
招待状見て直に来るのも、様子見の手紙出すのもどっちもイオニスさんっぽいと思います。
ベアーは歓迎するよ!
ゼラチナスも歓迎するよ(?)
/*
ベアーちゃんのところ、いきたくなるわかる。
あってはなしてみたいねえ…になる…
>>-163コルデリア
了解了解。感情という名の拳で殴り合え(わっくわく
さて、積荷の件に加えて自動掃除機と電子レンジの購入も済めば、後はもう次の目的地に飛ぶだけではあったんだが……。
丁度ここがあのハルガハラ――電子通信に優れたリージョンだということもあって(通信事業に強いバラ・トルーパーズといい勝負だろう)発着場内の電子端末からちょっくら調べものをすることにした。
調べる事柄は、というと――…
“終いの小惑星”エンデにおける、
突然変異を起こした植生に関する情報。
俺が調べたいのはあくまで「現在の」状況だったから、情報源はエンデの元住民ではなく(とはいえこの終焉に見舞われた元住民からの証言は、十分に参考になるだろう)何らかの形でこの小惑星を往復する外部の船から、ということになる。それこそ郵便船とかな。
コルデリアの手紙に記されていた、人間の居住域から陽の光を奪う程に生い茂る木々。その植生が人間に与える影響。メカに対しての影響。侵食の進行の度合い。
植生以外における突然変異の有無……については、信頼できるソースからの情報源が見当たらない。これは一先ず置いて。
実際に渡航申請を行う際に(許可が下りれば……なんて仮定の語は敢えて言わない)より正確で現状に近い状況が伝えられるだろうが、自分の側でも、限られた時間内である程度の対策は練っておきたかったんだ。
その後、鳥の“
白く青く灯る電気街の夜景から遠ざかって、再び“混沌”へと――。
……離陸前に、発着場ロビーの旅客と思しきギャラリーから、なんかゆるいキャラクターでも見るかのような視線を機体に感じた気がしたんだが、飛び立っちまえばもう関係ない。些細なことだ。ああ。
色々な意味で次から俺、行きづらいな、ハルガハラ……。
こうして残りの積荷を届けに、幾つかのリージョンを経由して(流石にこれは1日で済む仕事じゃなかった)。
そして、最後に向かう先は――
ああ、この積荷の届け先は丁度、あの
「……そう。ああ、そうだった」
俺がふっとそうひとりごちたのは、発着場にトーチバードを停泊させてからのこと。
足場が金属から、アスファルトに、石畳に、木塊舗装に――。
ガス灯がともる通りを行き、レザーのブーツ越しに足に伝う感触に少しの懐かしさを覚えながら、あの時のことを思い出していたんだ。
暗くもあかるい蒸気の街に立ち込める霧のような、
静かな冷たさが頬を軽く刺すような空気の中。
その未完成を差し出したアイツの声は――
眼差しは、ああ、とても熱いものだったよ。
そんなアイツが差し出した、
「お前さん」と「彼」の物語は――…
ほんっとうに、馬鹿馬鹿しくて、とんだ勢いで、
無駄に壮大なスケールで、突っ込みどころもあって。
探偵は相当に破天荒だし、助手は涙ぐましいし、
泥棒のやつはやっぱり――妙に他人の気がしなかったし。
荒唐無稽かと思いきや、中々にゾっとした瞬間もあり、
かの
ひとたび時を止めるような戦慄がすっと滲み。
……で、まさかの衝撃のラストは、
別の意味で衝撃のラストに変貌する。
そんな、本当に無茶苦茶でハチャメチャな筋書きは……
不思議と、悪くなかった。
それどころか、惹き付けられるものですらあった。
あの時の作家先生の熱意をそのまま載せたみたいな、
強引な勢いでかつ、ちゃんと人を魅せる熱さが、
その手書きの原稿には綴られていたんだ。
ハーヴィス先生の、この魔術的にして魅惑的な筆力。
ああ、かの名探偵ウィラードの破天荒さそのままだ!
……ある時に、そのハーヴィス先生が行方不明になった、と旅先の報道で知らされた。
かのライヘンバッハの滝に落ちたとか、その滝は世界の綻びであり渾沌の不可逆の廃棄孔であるだの、様々な噂だのなんだのも、聞かされたものだったが――。
今、俺の手元に在る、例の札束泥棒の……じゃなくて探偵の物語を乗せた2枚の手紙が、あの時ハーヴィスから渡された――返してしまった原稿の一部なのだという考えは、俺の中で凡そ確信と化していた。
といったって、そのことを、この
何だか、あの作家の――あの人の――“ガード”に纏わるもののことで騒ぎを起こさせたくなかったような、そんな思いになっていたんだ。
その“ガード”からの手紙――今度は封蝋を落とした封筒の形を為していたそれは。
俺が今夜の宿泊先として取っておいた部屋のデスクに、丁度先回りする形で置かれていた。
/*
ロル落としながら推敲してしまうということをやっていたらとんでもない時間になってまし た
投下とかおはなしとか待たせてしまった人いらっしゃったらすみません……**
/*
ところで鳥シップに乗っている身として>>-168焼き鳥に盛大に噴いてしまいました はい
そしてベアーちゃんにお手紙届いたやったー! おっちゃんともどもありがとうな!! 声に出しちゃうベアーちゃんったらもう……
そういえばリジェットX、イオニスのお墓参りもあるんですよね…… そわそわ**
そんなわけで、ステアで何もすることがなかった研究員たちは無駄に洗練された無駄の無い無駄な働きをしまくっていた。
ある者は瓶に入っていた砂から、数多あるリージョンからそれがどこの砂か特定し
ある者は新技術を手元にある器材で再現し
暇を持て余した研究員の遊びを満喫していた。
が、ベアーはそんなことを知る由もなく、
(砂の成分分析に始まり、地学的観点から砂が生成される土壌が該当するリージョンを絞り込み、混沌流体力学を考慮して導き出した)
宛先が書かれたメモと、
(発表された新技術を実現できる器材よりも数世代も前の器材で、ほぼほぼ完ぺきに新技術を再現して加工した)
落ち葉を机に乗せながら手紙を書いている。
『がぁどへ
すてあでぶんつーできないあいだものがたりつくった
がぁどはものがたりすきだからおれもものがたりのべんきょーしてつくった!
ものがたりすごいな
おれはいもむしのものがたりがすきです
がぁどのすきなものがたりはなんですか?
てがみにものがたりのいちぶかきます
がぁどのものがたりのぜんぶあったときにおしえてください
おれのものがたりのぜんぶあったときにおしえるから
あいにいくときいもむしのものがりもってくね
べあーより』
『はなたろうはおひさまのひかりでいっぱいおおきくなりました
くきはふとくなりました
はっぱもいっぱいでました
おおきなはなもさきました
おおきくなったはなたろうにはいっぱいいろんないきものがきました
はっぱをたべるむしもきました
はなたろうはむしにはっぱをたべさせました
むしはおおきくなりました
おおきくなったむしはおれいにはなたろうのかふんをはこびました』
『こるでりあへ
はなのたねうえました
はなさくのはずっとさきなんだって
だからまだどんなはなかわかんない
ちょっとざんねん
こるでりあがりじぇっとXにきてくれたらうれしいけどこれないっていってたからりじぇっとXのはっぱおくるます
あまいにおいのするはっぱ
きからおちたやつだけどきについてるときもあまいにおいするやつ!
ちょっとでもりじぇっとXにきたきぶんになってな!
べあーより』
『まーちぇんどへ
てがみきてびっくりした!
でもまーちぇんどからのてがみうれしいです
まーちぇんどがかえってくるのたのしみ!
まーちぇんどがいなくなってからいっぱいかわってるかもっておっちゃんがいってました
いっぱいかわってたらおれがあんないするね
もりとかかだんとかいっぱいみせたいとこあるます
くるのはあしたよりもずっとさきだけどたのしみです
たべるものもいっぱいよういします
おれのすきなたべものかきました
べあーより』
手紙と入れるものを間違えないように確認しながら封筒に詰めていく。
ガァド宛の封筒には手紙と物語……どこからか飛んできた種が花を咲かせ、次の種を飛ばす……そんな物語の一部を。
コルデリア宛の封筒には拾った時の形を決して崩れないように加工した落ち葉を。
マーチェンド宛の手紙には自分が好きな食べ物、畑で採れた野菜のスープとパンの絵を。
封筒に詰めたら研究員から貰った印紙を貼って完成だ。
「よろこんでくれるかなぁ」
生まれて初めて手紙以外の物を入れた封筒を胸に押し付け、わくわくしながらベアーは研究員のところに向かうのであった。
/*
>>99>>100ちょっとうちの
と盛大に噴きだしつつ ベアーちゃんお返事ありがとう! 前のお手紙よりじわっと進化してる感じにおおおおおおとなっております
そして印紙とか便箋自体の絵柄とかって訳ではない絵は、今回は村のルール上は送っちゃだめ なのです が
本文にも「かきました」ってあるのでちょ ちょっと 受け取り手として悩んでしまうところです ね ……!
(絵は送れないというルールが、便箋と別個の物品として絵を送るのはダメ、という解釈に見えてしまっていたならすみません……!)
(ちなみに>>-36>>-38とは言っていますが、進行中に送られてきた種などはもう既に送り済みのものとしてお話が進んでいるので、そのまま普通に宛先に届いちゃってるって扱いのままでかまいません!)
/*
ベアーちゃんまじ癒しなんです よ ……!(>>-180にめっちゃ頷き)
本当にめっちゃ癒されるだけに個人的には絵をものすごく受け取りたいんですが、
村建てが個人的な理由で絵受け取りたさに村のルールを破るのは完全にアウトなので……折角描いていただいたのに非常に申し訳ないです……。
/*
と落としていたらすれ違いしてしまっていました……
>>-182ベアーちゃん
ああなるほど! 確かにそう取れますね……!<紙媒体で封筒に入るもの=手紙
こちらこそ、勘違いさせてしまって本当にごめんなさい!
今回は絵の部分だけ、なんか混沌が悪さをしたとか郵便事故とかで見えなくなっちゃってる、って扱いで行こうかなと考えています。
重ねてになりますが、折角描いてくださったのに申し訳ないです……! そしてお手紙、送ってくれてありがとう!
/*
>>-184
はっ お手紙自体は>>-185の形で受け取れたらうれしいです!
ただ、ベアーちゃんの中の人的に本文と絵がセットで届いてほしいな……ということであれば、お手紙全文が知らない人のところに届いてしまう、などの扱いで全然大丈夫です!
(ベアーちゃん全力でぎゅむぎゅむ しますね !)
/*
そしてちょっとこのまま今日はおやすみになって しまいます もうしわけないです……
あ あと ガァドさんへのお返事書いてからになると思いますが
のちのち根源倫敦で、ハーヴィス先生が直接関わらないところで、能力周りで描写作って落とそうかなと考えています。
フリー素材ということで、だいじょうぶかな……と思いつつ いちおう事前におしらせしますね!
(具体的にいうとちょっと能力を利用したアイテムのお買い物しにいこうかなと……**)
[さて、帰りもそれなりの強行軍だった。
それでも一度乗り越えたからか、弟子達の面構えも頼もしい。
友人には望崋山と領地を接している山主に宛てた連名の手紙を預け、己の領地へと戻る。
そうして最も近い配下の屋敷へと向かい、毒鳥について知らせると共に対策を吟味した。
毒消しの効果のある犀の角は、何処の山主でも幾らか常備しているものだ。
災いを被った者の治療の為に粉末状にしたものを持ってくるよう、先触れに持たせた指示書に書いている。
勿論、後で齊芸鵬には補填して貰う予定だ。
境の接する領地の山主とは良好な関係を築いているとはいえ、断りを入れずに武装した別の山主の隊が通るのは心象も良くない。
事のあらましと、隊を通行させて欲しい旨を文にしたため、失礼にならない程度の文箱に入れて上等な酒と共に配下に届けさせた。
望崋山絡みでこうした事は何度かあったが、礼を失すれば今後の関係に影響するかもしれないのでその辺りは慎重に事を進めて悪い事はない。
その夜は配下の屋敷に泊まり、翌日の昼過ぎに己の屋敷へと到着した。]
うん、準備万端のようだな。
[既に出立の準備を整えた配下達の姿を見て、男は笑みを浮かべた。
隊長を務めるのは実力も経験も十分な老練の配下。
経験を積ませる為に若い配下達も数名加えさせたが、彼らは皆、意気軒昂としていた。
男は身なりを軽く整えると、大門の前で整列した配下達の前に立つ。]
お前達は皆、煙霞山の誇り高き妖魔である。
己の誇りを傷つけさせるな。
そして自らの行いは全て、煙霞山への、仲間への評に繋がる事を肝に銘じなさい。
お前達の無事の帰りを待っている。
[己と、仲間の誇りを守れと命じる。
煙霞山の妖魔は誇りを至高とする者達だ。
己の誇りよりも命を守れと言えない代わり、無事に帰ってくるのを待つと伝えた。]
[武装した配下達は皆、拱手して首を垂れた。
号令をかけさせれば、彼らは次々と騎獣に跨り、颯爽と山を下りていく。
こうして、彼らは出立した。
明日の夜までに領地の境付近まで移動させ、隣の領地から返答を受け取り次第、望崋山へと向かわせる予定だ。]
さて、お前達は皆、自分の部屋に戻りなさい。
明日からは各々の業務や修行に戻るように。
[同行していた配下や弟子達と別れると、小休憩の後、執務室で業務が滞っていないかを配下に確認する。
どうやら急ぎの案件はないようで安堵した。
そうして、私用の手紙だけを持って書院に入る。]
[その日に届いていたのは、一通。
機械で印字されたと思われる封筒の文字に緩く首を傾げる。
それは、招待状を送ってくれたベアーの友人を名乗っていた。
招待状を送っている事も把握しているらしい。
どうやら、電子書簡を紙媒体の手紙にするサービスを利用した物のようだ。]
電子書簡……興味はあるのだが。
[通信機器の仕組みは把握しているが、メカ音痴が災いして手を伸ばせていない機械である。
けれど、いつかは、とは考えていた。
遠方に速やかに連絡が取れるのなら、便利な事この上ない。
個人的な手紙だという均一な書体で記された文面に目を通す。]
……ふむ。
成程、サプライズという奴だな。
[ベアーをびっくりさせたいのだというベアーの友人の申し出に男は笑う。
先んじてベアーの様子や望むものを伝えてくれたところや、招待に応じた相手が良い人である事を願う様子から、彼はベアーの事を想う“よき人”なのだと判断した。
男はすぐに便箋を出して、返事をしたため始める。]
[白い縦型封筒には送料として、紫色の蘭の絵柄の印紙が一つ。
白地に蓬の版画が淡い緑色で薄く刷られた便箋は、ベアーに送った物と同じもの。
罫線の代わりに薄っすらと縦に線上の凹みが何本か並んでいる。
線に沿って緑釉色のインクで書かれた文字もまた、ベアーに送ったもの同様、闊達だ。
差出人の住所は、ゲッカの煙霞山と書かれている。]
ベアーの友人へ
はじめまして、私は蓬儡だ。
手紙を頂き、有難く思う。
しかし、少し待たせてしまっただろうか。
不安にさせてしまったなら、申し訳なかった。
貴方の提案に対する答えは是だ。
私もベアーを驚かせ、喜ばせてやりたい。
人間の子供の好みそうな絵本と、ぬいぐるみだな。
それでは、よいものを見繕うとしよう。
気に入ってくれると良いのだが。
そしてこれは驚かせてしまうといけないので先に伝えておくと、私は妖魔だ。
けれど他の種族やリージョンに対して何かしてやろうなどとは考えていないので、安心して貰えると有難い。
訪問日時については、調整した上でまたこちらの宛先に連絡させて貰うとしよう。
貴方の名前は、何と呼べばいいだろうか?
しかし、混沌嵐で船が動かなくとも、こうしてやり取りが出来るのか。
やはり通信機器とは便利なものだな。
蓬儡
これを頼む。
[そして封筒に入れて封をすると、配下に手紙を預けた。
恐らく、ベアーの友人でもあり、保護者的な立ち位置でもあるのだろう。
妖魔と知って、やはり来ないで欲しいと言われるかもしれない。
けれど、隠しておくのは性分ではなかった。
滞在の日時を送るかどうかは、相手の反応次第としよう。]
/*
屋敷へ帰りつつ。
コルデリアさん、マーチェンドさんのお手紙はPCの認識では翌日届いた事にしようかなと考えております。
>ガァドさん
ガァドさんのお手紙は届いた事にしてよいのでしょうか?
[そうして、また山主としての日常は過ぎていく。
弟子の稽古を見て、執務室で必要な判断をする。
翌日の昼には隊の通行を許可する旨の文の入った文箱を携えた配下の者が到着した。
隊は、その到着時間を見越して出立を始めようとしている事だろう。
鴆の討伐は、三山が協力して事に当たる事となった。
目撃情報から現在の居場所を特定し、近くの狩場へ追いつめて射る。
勿論、一矢で斃れるような魔物ではない。
最終的には地面に落として首を跳ねる必要がある。
返り血を浴びれば猛毒に晒されるので、そこは老練の者によって行われるだろう。
土壌に落ちれば、草木が朽ちてしまう。
河川に落ちれば、水に溶けて、そこに生きている生き物の意の意を奪うだろう。
出来る限り、影響が少ない場所であればいいのだが。
毒蛇を常食としている事から、鴆の居場所は毒蛇の生息地が有力だ。
各山主からは幾つかの地点が候補として挙がっている。
もっとも、飢えれば似たようなもので腹を膨らませるかもしれないが。]
[その日は朝から近くの山主の訪問を受けて、昨今の情勢や機械の導入具合などについて話をした。
誇りを至高とする上級妖魔なので思考も男と似た傾向にあり、付き合いやすい相手だ。
鴆の討伐の件については、被害が出ている事に心を痛めているようだったので、可能であれば、犀の角を少し融通して欲しいと伝えておく。
治療以外にも、植物の枯れた大地に撒けば、浄化を速める事が出来るかもしれない。
客用に誂えた屋敷で彼らと晩餐を共にし、自分の屋敷に戻ってきたところだ。
美貌を至高とする友人と異なり、どちらかと言えば酒盛りに近い。
気が向けば、剣舞などが即興で演じられる。
客もその配下も正体を無くすような真似もしないので、受け入れる側としては理想的だ。
明日は朝から麓の街を見せようと考えている。
酔い覚ましに、男は私室で茶を飲んでいた。]
マーチェンドは、忙しいのだろうな。
商人としては良い事か。
[パンパス・コートで起きた事を男はまだ知らず。
商いに忙しいのだろうと判断した。
気になるのは、儚い縁を結んだ相手。
──人間の命は儚い。
妖魔の尺度で付き合っていれば、あっという間に老いていなくなってしまう。
それに相手は重篤な病を得ている可能性も高い。]
……まさか、な。
[そうであって欲しくない、と願う。
結局、彼らからの手紙が男の手元に届いたのは、客人を見送った翌日の事だった。]
/*
おはよ。ベアーやコルンバへのお返事はお昼にゆっくりしようかな
最近あさによわいのだ…
>>-187マーチェンド
問題ないですよー
>>-191ほうらい
こちらももんだいなしです〜
/*
おはようございます!
>>97でうっかり不可逆の廃棄孔って書いちゃってますが当然FGOのやつとは全く関係ないです!とおしらせします…… 本当に今気づきましt
そして鴆の被害はたいへんです…… 討伐お疲れ様です&おかえり旦那ー!
>>-192蓬儡
怒られちゃう旦那がもう……ね……
パンパス・コートの一件は大分外部に話が広がってておかしくないので、何かいい感じの機会で聞いていただければ!
>>-193ガァド
問題ないとのことで了解です。ありがとう!
そしてコルンバへのお返事はほんとうにゆっくりで大丈夫なので、無理なく……!
/*
伝聞とかあやふやな噂話は、都合が悪くなったら
「実はそんな事はなかったぜ…」ってやればいいってばっちゃが言ってた…
そんな一撃離脱。
一人称視点だと断言しない限りなんぼでも解釈変えていいのだ…
俺があの時書き記した問いに対しては、まず、悩んだとの話に違わずYesともNoともつかない答えが記されていたんだが――。
――あの
「革命」の計画の結果が明らかになるまでは、それでもまだ、確かに素直に期待できた未来。いざその結果が示されてからは、見えなくなってしまったこの先のこと。
思考に落ちたそんな影を、俺はこの時、ひとまずやり過ごすことにした。
手紙を読み進めていけば、さらに流暢な文遣いが続き――…
「……、おい、ちょっと待てッ、」
――そんな話知らねぇぞ!?
俺がウォールナットのデスクを思わずだんっと叩いちまったせいで、それまで無言で鏡台の前に立っていたクロウが、警戒音とホバー音と共にこちらへと駆け寄ってきた。
「悪い、つい……」とクロウを宥めてから、俺はその「昔話」の続きを、読み進めた。
先生――ハーヴィス・ガードロイドの本業は探偵。これは初耳だったが(ちゃんと素性を調べれば判ったことではあったかもな)別にここまで驚くようなことじゃない。
探偵作家に助手がいたこと。これも別に不思議じゃない――というより、あの原稿を俺に渡してきた時のハーヴィスの言葉からも、アイツの傍にいてくれてるんだろう
その助手が精神を病んでいたこと。……勿論そんなことは俺は知りやしなかった。あの誰もがひとつ“能力”ある倫敦にあって、己の価値の無さを嘆く人間がいた、なんてことも。恥ずかしながら、な。
だがそれでも、ここまでは、俺も黙って読み進めていられたんだよ。
あの作品がヒットしたその日に、
俺が出会った誰の口からも、或いは電子の海から浮かんでくる情報からも、そんな裏側の話は伝えられちゃいなかったんだ。
その
あの日のアイツの瞳から見てとれた熱さ。実際に読んだ未完成原稿から感じた熱さ――札束爆弾とか事務所の炎上とかの話じゃなく、作品そのものの全体を貫く勢いから受けた、熱さ。
俺がそこにあの名探偵の、馬鹿なくらいの輝かしさを重ねて見た――見てしまったのも道理だった。
「なぜだ、
なぜ、なんで、アンタ、は、……」
「なぜ」演じ続けていたかなんて、ちゃんと手紙の中に書いてあるっていうのに。……っていうかそれこそ、己の胸に聞いてみろって話だってのに。
あの原稿に綴られていた最終章の、例のくだりに添えられていた一文は、そういえば――…
――読み終えた原稿を先生に返したあの時、
俺は、あの人に、何って言った?
さらに、手紙を読み進めた。
「笑顔の鎧」で己を固めた者の後悔を。その先に得た地位を。
その果てに零した、嘘の無い、願いを。
「 ッ、………………馬っ鹿野郎!」
ひとつ前の手紙を読んだ時から、考えてはいたんだ。
行方不明になったハーヴィスが、自らの嘘の鎧の重しから“混沌”に落ちて、沈んで、命を落として――そのまま“なにか”に変わり果ててどこかの海辺に流れついたのが、この“ガード”なんじゃないかって。
それでも、そんなアイツの死の真相に直に触れちまえば、こう毒づきたくもなるってもんだろ。壁越しに誰かに聞かれてないといいんだが、クロウならともかく、この時の俺には気にしちゃいられなかった。
さて、ここで俺が言った“なにか”っていうのには色々な候補があったんだが、それについてはまあ、ここで言わなくてもいいか。
実際の“ガード”の正体については、この手紙の続きで当人――「探偵殺しの犯人」が書き記したことのほうが正確だろうからな。
――…………………………。
こんな手紙。こんな真相。あんな、願い。
手紙の主が「なんとなく」なりにでも書き綴った、その正体。
気が塞がない訳がない。遣る瀬なくならない訳が無い。
ああ、それだっていうのに。
「……………………馬鹿、言いやがって」
なーんで、妙に、肩の力が抜けちまうかなあ。
アイツからの文遣いが、また拙い調子に戻ってきたからなんだろうか。
「こんな手紙」なんて思っちまったこの手紙の中で、また、感謝をめいっぱい繰り返し伝えられたからなんだろうか。
「クロウ。
さっき隣の店で買ったレターセット、
ちょっとこっちに持ってきてくれないかね」
「マスター マーチェンド ハ
メカヅカイ ノ アラサ ヲ
マッタク ハンセイ シテイナイ!」
「ああはいはい……分かりましたよもう……」
こうして俺は、“ガード”……いや、ガァドに返信を綴ることにした。
少し考えてから、これまでの言葉遣いを変えることにした。本当に嘘の無い自分としてあの妖魔と思しき――その線は有り得ると、俺も考えていた――
――かつてハーヴィスのやつと会った時の俺の話し方と、同じ言葉遣いで。
…………さて、この日に封を開けたあの封筒の裏側には、実は泥の下に隠されていたものがあったんだが。
その存在に俺が気づいたのは、一通りの返信を綴り終えてからのことだった。
/*
一旦ここまでおとしつつ お手紙本編はもうすこしだけおまちください
>>-195これはまじで そう ですね!!<伝聞とかあやふやな噂話は〜
ばっちゃの知恵ありがたや…… 解釈変えてだいじょうぶ、っていうのがわかるとだいぶ気楽になれるんですよね。
/*
愛…すごい愛…好き…漢…マーチェンド好き…(中の人が悶えているせいで語彙がなくなったどろどろさん)
/*
ちょっとまっててね…うれしすぎて…
かおがにまにましちゃってね…くちがさけてしまいそう…
とてもうれしい…てがみのまえからうれしい…
/*
ガァドさんとマーチェンドさんがなんか凄い深刻なことになってた…。
あっけらかんとお手紙返した私よ…ってなってる(
いや、あのお手紙ならイオニスはあれ以外返答ないんだけど…
なんというか、お互いの背景が断片的っての。凄く面白いですねぇ。
/*
手紙に書かれている内容が違うからこそ、違ったニュアンスのものを送り合うことになるの、おもしろいよね
断片的にしか知らなくて、だからこそ深く追わずともシンプルに幸せを願えることもあれば、深みに触れる言葉があって、それが心をかき乱す何かになったり。
それぞれとの人間関係が、違うからこそ出る違い
/*
実はマーチェンドさんの「パンパス・コート」の情景を見た時
「ここの偉いさんの落胤とかで、兄だか姉だかが一族弑逆して地位を簒奪する時に担ぎ上げられそうになったり、暗殺者送られたりして音信不通みたいな感じになったら面白いなぁ」とか考えてたりもしてました。
まあ、風呂敷畳むの難しそうなんで止めたんですけど、途中で本気でパンパスコートクーデター起きそうになってて「やんなくてよかったぁ」って胸を撫で下ろした記憶ありますあります。
/*
>>-202
そうですね。
それに、名前も知らない、お互いに知りようもない相手にしか言えない事もありますしね…。
(あと、親しくない人にはかなり抽象的且つ簡潔にに物事を相手に伝えようとするのが自然なので、こう"関係性の違い"っていうのも見られて面白かったですネ)
……あれから数日
泥の男は今日もまた ふらりふらりと浜を歩く。
何か打ち上がってはいないかと。
誰か取り残されてはいないかと。
朝日の登った砂浜は
どうやら『夜しかない』のではなく
『一日のサイクルが非常に長い』という方が正しいらしく
数日かかってようやくさ ゆるり夕暮れ近づいた。
気温だけはある程度一定なのは命拾いしたというべきか。
昼の間はいつもより 動物たちが多く騒ぐ。
蝶が舞い 蜘蛛やカマキリがそれを捕る。
捕ったそれを 鳥が獲る。
猿や兎などの獣もよく見かけるようになったが
どいつもこいつも うまみのない泥には興味はなさそうだ
どろはおもう。
じぶんがうまれたりゆうも わかったわけだし。
たんていごろしの じきょうもしたし。
いっかいしんで しまったわけだし。
みれん?こうかい?がうすらいでるいま
そろそろ したいに もどるんじゃないの? と
しかしそんな気配はまったくない。
消える気配すらない。自我はもともと薄いため、
理性も何もかも消える方なのかと思ったが、
ゾンビ化する気配もない。
新生命体として もう完全に定着しているらしい。
生命の神秘。混沌の神秘なのであった。
…と、いうわけで。
ぼんやりと泥状になってまどろみ続けて
数日経つこともあれば
漂流物の中からお気に入りのものを見つけてきて
森の中の洞窟に簡単に作った巣に持ち帰ることもあり
人間の荷物らしきものを見つければ
どんなものかと探ってみたり、紙の類を探してみたりと
野性的かつ文化的な生活を送ることになった。
うみのむこうが どうなっているのかしりたくて
そんな日々を送っていれば、いつしか手紙がやってくる。
亡骸の泥を訪ねてくるかのように。まるでお客さんのように。
ある日に届いたのは 流れ付きの岩場。
それはゴミ箱の奥底から訪れたもの。
後悔と失意を知る
様々な屑の一番てっぺんで輝く小瓶は
まるで…よごれだらけの世界から這い出した
輝くような宝石のように見えた。
慎重にそれを取り、丁寧に紙をとりだして。
そしてはらりと中を見る。
きれいだ。 まっすぐだ。
うそがなくて。 かがやいていて。
まるで たいようをむねにぎゅっとみたい。
きみならいける。どこまでいける。
てをのばして きっとだれかをたすけられる。
どうか どうかおげんきで。
きみがまいごに ならないように
そらはきっと ずっとあかるい。
泥の男は満足そうに
それを鞄の中へとしまいこむ。
これまでもらった大切な手紙を数々を
まもる一番大事なポケット。
返事は…書く必要はないだろう。今は。
背中を押してくれた。背中を押した。
道は違うけど、いつかは会える気がする。
だから…であったときにつたえたい。
あなたが イオニスですか?
■は しじまのうみの ガァド です。
おてがみくれて ありがとう。って
この広い宇宙のどこかで。
/*
イオニス宛はこんなかんじ!これからごはん!
ベアー宛を優先して書くかもですが許してね〜
/*
エピ終了日時が近づいてきましたので、突然ですが、
ここで村建て人から、ちょっぴり大事なアナウンスです。
wikiにも記載の通り、この村は
【どんなに遅くとも10/2のAM10:00にエピローグ含めて終了】
という前提で建てて進行しています。
その上で、エピローグを予定通り4日間にするために、村建て権限での1延長を既に行っています。
ですが国のシステム面の話をすると、村建て権限による1延長の他、
管理人様からの許可次第で、管理人権限で追加の1延長を行うことも可能です。
このため、もし、現在の終了予定日時(10/2のAM10:00)のままだと村内でロールのやり残しが出てきてしまいそう……という方がいらっしゃれば、村建て人から管理人様宛に再延長の申請を行うことも検討しています。
/*
もちろん、この村は10/2のAM10:00に終了という旨を事前に告知した上で参加者さんを募集しているため、
ここからさらに1延長を行った場合、次の村・卓などの予定に支障が出る方もいらっしゃる可能性があります。
またそうでなくとも、リアル予定や参加モチベーションなどの関係で、これ以上の延長があると厳しい……という方もいらっしゃるかもしれません。
(再延長分のエピ期間については顔出し必須とはしません!ともお伝えしますね)
このため、追加の延長について参加者の方からひとりでも反対があった場合は、再延長の申請は行いません。
以上を踏まえた上で、
■追加の1延長がほしい!という方がいらっしゃれば、遠慮なくお知らせください。
また反対意見についても、忌憚なくお伝えいただければ幸いです。
/*
……というのも、体調不良だったりお仕事多忙だったりで、この村でやりたいことをやりきれていない……ということもあるかなと考えられたんですよね(ベアーさんの>>-48もありましたので)
やりきれなかったロールを外部のSNSなどで補完するっていう裏技もあるにはあるんですが、村の中でできることは極力村の中で行ったほうがいいかなというのと(参加者全員が確実に見たり喋ったりできる場所ですからね!)
延長によって参加者さん側に支障が出てはいけないと前置きした上で、終了予定日を厳密に守るよりは、参加者さん側のやり残しがなるべく出ないようにすることを優先したいな、と考えたというのもあります。
もう少し表の様子を見てからアナウンスの有無を決めようかとも考えたのですが、
管理人様からの許可及び延長対応がないとできないことなので、エピ終了ギリギリでの申請になって延長ご対応が間に合わない……ということになると非常に悲しいため、少し早めにお知らせいたしました!
(ちなみに延長については村枠圧迫の問題というのもありますが、こちらは現時点での村枠の空き及び企画村予定表の内容から、この村の延長があっても全く問題ないと判断しています)
/*
そしてこちらは、延長の件よりはすこしゆるめのお知らせになりますが
村の宣伝は自由に行ってくださって構いません!
大変ありがたいことに、この村もDiscordサーバーやTwitterで宣伝ご支援いただいているので(ガァドさんはついった宣伝ありがとう!)
こちらからも、できる限りの支援はしたいなと考え、このようにお知らせいたしますね!
(村建て人はSNS周りの発信力がほとんどなくなってしまっている者なので……!)
/*
もちろん皆さんに合わせるけど、
よかったら一延長あると嬉しいなあ。ゆったりとみんなの行く末を見ていたいとか、ゆったりこれからのこととかお手紙とか書いてみたいとかあるしあと今日はちょっと別の方に余力使うかもなので体力的な意味でも
/*
ベアーは特にやりたいことはないので延長はどちらでもいいかなって感じです(人様の人生にたんぽぽを添える担当)
/*
ちなみにマーチェンドは何があろうと全力で間に合わせる(そして間に合わなかったら潔く諦める)のスタンスです、とおつたえしますね!!!!
/*
あ あとそういえば今までずっと何も言ってなかったactなんですが
エピは基本RP発言も中身発言も全部ごったまぜなので actも自由につかっちゃっていいです! と非常に今更ながらおしらせしますね!
なので桃どんぶらこもたんぽぽメガ盛りも遠慮なくやっちゃってね!!!!
(エピローグ突入前までは基本的にRP発言だけが表に出てくることになるので、actもそれに合わせて基本RP発言の範囲で……ということだったのでした。なのでその意味でもエピはほんとうにゆるーくact使っちゃってだいじょうぶです!)
/*
こんばんは。
もう一延長は、皆様が問題なければ頂きたいな、と思います。
もう少し皆さんのロルを見ていたいというのと、ロルを綴りたいという気持ちです。
/*
うおおお 書きたいものはどうなろうとどうにか間に合わせたいスタンスですとお伝えしておきます 延長はお任せで……
『………………』
ゆらり、ゆらり。蜃気楼のように立ち竦む。
ぼんやりとした意識の中
視界の端で蟹と貝が喧嘩するのを目に映す。
ヤドカニガッセン というワードが頭に浮かんだ。
おそらく何かが違う気がする。
泥本人は気づいていないが
どうも彼は 考え事をしたり観察をするときには
口元に手を当てる癖があるらしい。
生前の癖。 思考の癖。
…大きな岩盤の上に、身体を溶かして月夜を浴びる。
人ならざるかれの 少ないながら見つけた趣味だ。
体内の不純物を外に追い出すのにちょうどいい。
流体の体だとどうにも何かが混じりこんできたときの
不快感はぬぐい去れないが、岩盤浴?ならばある程度体を広げられるため、不純物が表面に出てきやすい。
蟹と貝は岩盤近くの浜でよくじゃれあっていた。
それを眺めながら、応援しながらうつらうつら。
ねむっているあいだに なにか 届けばいいなと思いながら目を閉じる。こういうとき大抵は願いは叶わない。しかし、前に一度や二度起こった奇跡のおかげで…いまはしんじることができる。
すや、すや…目を閉じて…目閉じて…二、三日経って…ぐぅ…ぐぅ…かもめがにゃあにゃあ…となくうちに…
パチリ。1週間ほど寝た気がする。
貝と蟹は貝が勝っていた。
…その枕元には一通の封筒。
マーチェンドのものではなく、今度は宛先が思いの外しっかりと書かれていた。…何らかの方法で、おそらくは誰かがこの宇宙の場所を特定したと思われるが、泥はそれを見て、目を瞬かせて。
その中身を見てみた。
…けど、どうやってベアーは
このばしょが わかった のだろう?
……じゅうしょの ひょうきは、しっかりしている…
…あたまがいい?…けど、無垢な子にみえるから
本当はどっちなのだろう。とてもきになる。
[封筒を開いてみれば、前回と同じ、押し花をあしらわれた便箋が数枚。
並んだ筆跡は変わらず弱々しいが、丁寧なもの。
便箋の他に入っていたのは、紙片だろうか。
何かが描かれていたのかもしれないが、混沌を経由した影響か、前提的に黒ずんでいてそれを見る事は叶わなかった。
男の想像通り、体調は思わしくないのだという。
当たっていて欲しくなかったが、事実として受け止めるしかない。
因果なものだと思う。
片や長命の妖魔で、片や若い身空で身体の調子のよくない少女。
きっと、男のこれまで生きてきた十分の一も生きてはいないのだろう。
ゲッカで受け入れた移民を受け入れた事に関しては、感謝と、彼らが健やかで過ごせているのならこれ以上はないと。
リージョンを離れる住民と、彼女の間で交わされた言葉を男はまだ知らない。]
[印紙や便箋の絵柄は、彼女の想像の助けとなっていたらしい。
一本線が引かれた言葉は、いつかを諦めてしまっている事を感じさせた。
“いつでも来て構わない”と言えればいいが、そのような事は言えない。
コルデリアは手紙を書くのも大変なのだから。
かつては開けた場所もあったが、今は夜と朝の継ぎ目も忘れられてしまう程に見える景色の変わり映えのない半地下にある家で、森と死の香りの中で生きている。
病は人の心を弱らせるというのに。
珍しい花の咲く小高い丘に弁当を持っていく少女の姿を思い浮かべる。
顔も、年齢も、声も知らない相手だ。
茫洋として、霞のように像を結べない。]
[そうして、入っていた紙片の正体を知る。
友人が描いてくれたという花は、見る事が出来ない。
その事が哀しいと思った。
厚意のお裾分け。
彼女の手元に残っていた方が、その像を残しておく事が出来たかもしれない。]
薫りは気に入ってくれたのだろうか。
[ちゃんと彼女の元へ届いたようで、安堵した。
よい夢を見れたのならば、良かった。
ならば、と今回も馴染みのある刻んだ香を皿の上に乗せ、新品の便箋と封筒の近くで焚き始める。
ゆらりゆらりと煙がたなびいた。]
[香りを焚きながら、もう一通の手紙に目を通す。
前回と便箋は変わらなかったが、切手の絵柄が金色の小鳥になっていた。
それがどういった意図で選ばれたかは、この時点では察する事が出来ない。]
──何と。
[マーチェンドはパンパス・コートを離れ、ハルガハラという地に移動したようだ。
パンパス・コートの建国記念日にテロが企てられていたらしい。
ゲッカは電子機器のない所為か、他のリージョンの情報が届くのは遅いので、この手紙で知る事となった。
ともあれ、無事なようで何よりだ。
事件が未遂に終わったという事は、双方に被害も少なかったのだと信じたい。
齊芸鵬に手紙を送り、詳細を聞いてみよう。
彼であれば、ゲッカで一番多くの情報を持っているだろうから。]
[労いの言葉への感謝の言葉には苦笑を浮かべる。]
……少しだけ、視線が近いだけだよ。
[男が人間に比較的寄り添った考えを持つのは、放逐時代があったからだ。
宿代を払えない時には人間の家の馬屋に泊まらせて貰う事もあった。
当時は知らない事ばかりで好奇心の方が勝っていたが、人家が穴の修繕をする事も出来ずに寒さで凍えそうになる事を知り、物乞いが腹を空かせたまま藁を被って身体を丸める姿を間近に見た時期でもあった。
妖魔の身体は丈夫で、同じ事をしてみても体にかかる負担は少なかったが、ろくでもない山主が人間の上に立った場合の人間の生活の影響を知った。
それは、公子の立場のままであったなら知識を持っていても、決して体験する機会がなかった事。
──けれど、あくまで近い体験をしただけで、人間と同じ立場になったとは言えないだろう。]
[ゲッカで機械を取り入れるに当たり、先人に学ぶ事にはマーチェンドも賛成なようだ。
己だけならまだしも、民を抱える身だ。
間違えるわけにはいかない。
そしてパンパス・コートにも機械の扱いが苦手ながら、トーチバードの改造を行いたがる妖精がいたらしい。
彼女とは良い酒が飲めそうだが、その身は下層民街の表通りに面する「パッセリン」という宿にあるようだ。
かの地は妖精の森から人間の統治する城へと変わった歴史から、ゲッカとは逆の社会構造になっているのだろう。
外に連れ出したい、と願ったからには、マーチェンドとは浅からぬ縁があるのだろう。
テロ騒ぎの後も情勢は特に変わりないようだが、いつか、三人で酒を飲む事が叶えば良い。]
行った事があった筈だが……何と言っていたかな。
[男の紹介であれば、齊芸鵬と直接会う事も叶うだろう。
マーチェンドの事は気に入っているので、それくらい容易い事だ。
エンデからの移住民について触れられれば、思わず読み終えた便箋の上に乗った栞に視線がいった。
それがマーチェンドの会いたいと望む人間のものかは分からないが、彼もエンデとの縁があるらしい。]
ハルガハラ、いつか行ってみたいものだな。
[男の注文の品を選んでくれているらしい。
電気街という事は機械の宝庫。
男は歩く災厄となってしまうので、実際に足を運ぶのはその解決方法が見つかってからとなるだろう。
最後の一枚は、左端を刃物で切ったようで、大きさが少しだけ違っていた。
書き損じか、或いは。
それも会った時に聞く事は出来るだろうか。]
……さて。
[男は便箋を引き寄せると共に万年筆を手に取る。
そうして、返事をしたため始めた。]
[白い縦型封筒には送料として、幻想的に光る茸の絵柄の印紙が一つ。
白地に桃の花を刷った便箋には、薄っすらと縦に朱色の罫線が何本か並んでいる。
桃も茸も、手紙を読めばどういった意図で選んだのか悟れるだろう。
仄かに便箋より薫るのは、白檀。
瞑想の際に使用しているものを少し持ってきて便箋と封筒の蕎麦で焚いた。
沈香と同じく鎮静作用の他、循環器系に効果があるともされている。]
コルデリアへ
久しぶりだ。
こちらも少し用事で外していた時期もあったので、どうか気にしないで欲しい。
返事は、貴女の体調が良い時で問題ないよ。
貴女は私の山の民ではないのだから、畏まらないで欲しい。
……と言われても、難しいだろうか。
貴女のやりやすいように振る舞って貰って構わない。
どういたしまして。
私は山主として、手の届く者を受け入れただけだ。
何分、ゲッカは山主によって性質が違うのでな。
私の友の山にも幾分か受け入れがあった筈だ。
近々、彼らと面会を設定する予定だ。
何か伝言でもあれば伝えるが、どうだろうか。
私の山で、彼らにつらく当たるような者はいないと思うが。
彼らが健やかに過ごせるよう、尽力しよう。
想像の助けになっていたなら良かった。
ゲッカの出身でない者には、この景色は珍しいもののようだな。
大地が隆起し、川や雨に削られ、不思議な形になった山がいくつもある。
勾配が急なので、山登りにはあまり適しないから、遠目に見ながらスケッチをするのが良いかもしれないな。
今度の便箋は、桃の花にしてみた。
春はまだまだ先だが、これで季節外れの花見としよう。
ゲッカでは、春になると桃の花を見に行く。
大抵は花見の体をした酒盛りになってしまうのだが。
コルデリアは酒を飲める年なのだろうか。
花見という文化には馴染みはないか?
半地下に家があるのか。
そういった家は、ゲッカにはあまりないかもしれない。
常より暗いという事は、家に太陽の光が差し込む事もそう多くないのだろうか。
エンデで起きた変事は、樹木の突然変異だったか。
貴女にとって懐かしい景色も木に覆われてしまったのだろうな。
小高い丘に、光る花が咲いていたのか。
夜に光る茸や苔はあるが、花はないな。
エンデには人の他に生き物はいるのだろうか。
もしそういったものが近くにいるのなら、貴女の心を和ませてくれるのだろうが。
そして申し訳ない。
混沌を通った影響か、栞の絵が見えなくなってしまっていた。
折角厚意でお裾分けしてくれた花を見る事が出来ず、残念だ。
栞に絵を描いてくれた貴女の友人は、何処のリージョンに行ったかは分かるだろうか。
叶う事なら、その人にもお詫びしたい。
それでは、また。
蓬儡
追伸 今回も薫りを焚きしめてみた。
前回が沈香で、今回は白檀という。
これも届くと良いのだが。
[書き終えれば、便箋を折って封筒に入れ、まだ火の消えぬ白檀の傍に置いた。
男は一般の人間より出来る事は多いが、万能ではない。
出来る事といえば、こうして気分転換となる手紙を送る事くらいだろう。
確かエンデには航空制限が掛けられていた筈で、であれば、何か荷物を送る事も難しい。]
……あぁ、口惜しいな。
[男はそう呟いた。
エンデと縁のある彼ならば、何か方策はあるだろうか。
先程読んだ手紙の主を思い浮かべた。]
『 ……しょうがないよ。
身体が弱ると、こころも弱るもの。 』
『 今はしっかり休んで、ほら。
どう、ゼリーなら食べられるかな 』
『 え? 謝ることじゃないでしょう、
そんなこと気にしなくていいのに…… 』
相手に優しくされればされるほどに、
何もできない自分が惨めになる思いがある。
「 最後までうそつきを全うする、
そんな腹づもりだったの。
私があの子を不幸にすることは
他の何よりも望ましくないこと。
嘘吐きの姿で居させて、と思うのに。
耐え切れる気が いまはしないの。
ともすれば幸いを願ったひとを
他ならぬ私が呪ってしまいかねない程。 」
張り詰めていた風船の最後が、
この手紙で、言葉で壊れてしまいそうで。
自分の有り様があまりにも
ぐちゃぐちゃに矛盾している。
すべて、理解している。
これはただの紙。
誰がそこにいる訳でも無いが、
ただ間違いなく私に向けて投げかけられた
そんな言葉が並んでいることだけは 確かで。
酷いものを見たと、忘れ去ることも出来ようが
……そういえば私って、
変なところで負けん気が強かった。
机にしがみついて、紙を引っ張りだして。
形振りかまわずってこういう状態なのか。
そう思いつつ、多少乱雑に力の入らない字を
連ねていく。
だってこの言葉があの人たちに
絶対に届きはしない。
それだけじゃない。私がここでこうくたばる、
その胸の内なんて──知られる事はない。
私が何処かに吐き出しでもしない限り。
…ひとつ無くしてしまった物はあるが、
まあ、掃除をすれば出てくる……かも。
瓶に入った手紙。今回はリボンも何も無い。
便箋はいつもと変わらぬ桜の押し花だが、紙の端々に
血痕が飛び散っているような部分があった。
筆致は変わらず弱く、掠れて、いつになく乱れていた。
けれどもそれは身体が弱っているだけでなく、
どこか鬱屈とした怒りのような感情も篭っているように見えたか。
/*
>コルデリアさん
栞は、昨日の村建てさんの発言を参考にベアーさんの絵と同じ扱いとさせていただきました…。
申し訳ありません。
綺麗だっただろうな。
ガァドさんへ
手紙をうけとりました。
うそつき、とは どういうことでしょうか。
わたしのおわりはわたしのものです。
だれにおとしめられる言われもない。
あなたに何がわかるというのですか。
わたしはわたしをとっくにあきらめたんです。
さびしいも苦しいも悲しいも、
ひとりのみくだしていくしか、ないんです
わたしがあの時に、わがままを言って、
外につれていけって、言えばよかったんですか
そうすれば今、こうはなっていないでしょうね、ええ
言えるわけないでしょう。
わたしにどれだけコストがかかるか、知ってるんですから
舟にのれても受け入れ先があるかもわかりません。
よくわからない場所で死ぬこともあります。
わたしはどこにも行かないのが、最善の選択で、
あの子までそれにつき合わせるわけにはいきませんでした。
この道を選んだときにもう、わかってたことです。
あとはおわるだけだって。
だからおわりを自分ののぞみにしました。
そう思わないと、
おしつぶされてしまうんです、こわいって
だからうそをつきつづけることはやめません。
すべてのおわりを楽しみに待つために。
わたしがあの子を呪ってしまわないように、
ちゃんとつきはなしたのが正しいと思うように。
さいごまであのこの幸せをねがえる人であったと、
わたしは じぶんをそう思いたい、
そんなことしかしてあげられませんから。
わすれようともおもいません。
ずっとえがおをかぶっているのはきゅうくつでしょうが、
見せたくないものもたくさん、あるんですよ
かくされていたほうがいいものも。
あなたにも思うところが あったかもしれませ■が。
わたしがあ■■のじじょうを知らないよ■に
あなた■■■ わたしのことを知りません■■
そうでし■■?
ほお■■■いてください
わすれ■■■■たらそれこそ、なにもない
こ■■■■■にいる■■すらきえてしまう
■し■■■思い出■かもうすがらない
うそ■っていわな■で
ご■■■さい
コ■■リア
[次第に文字は崩れて、血が滲んで読めない部分がある。]
あまりにも思いのまま一方的に。
途中から何を書いているかも分からなくなった。
文字も終わりの方はひどい乱れようだろう。
時折げほ、ごほ、と大きく身体を揺らして
出来上がったそれは、到底読み返すような気に
なるような代物ではなくて。
血がつくのも厭わずに畳んで、
そのまま瓶に詰めて蓋をした。
/*
大変お待たせしましたなんだこれ。喧嘩しようぜ。
四文字で言うと自暴自棄です。えへ。
>蓬儡
お返事ありがとうございます!
栞の件も大丈夫です…!こちらこそ申し訳ない
良い香りがするお手紙…
村の更新日が延長されました。
/*
おきた。昨夜はすみませんでした。
お布団でロル書くのよくなひ
ヒャッハー喧嘩だあっっ
ベアー宛のお返事のあと返させてもらうね〜
手紙の宛先に書かれた
ベアーの周りにいる人が、この座標を教えたのだろうとつたない脳で考えつつも…手紙の中身を見ればふわりとした笑顔がこぼれた。
むくなこ。きれいなこ。
ものがたりをしったこ。つくったこ。
きみは どんなものがたりをよんだのだろう。
いもむしのものがたり おはなのものがたり。
■はひとつのものがたりしか しらないから
べあーがみたもの きいたもの。 どれもきれいにみえるんだ
べあー へ
おてがみ おへんじ ありがとう。
すてあ が ぶじおわっ て よかった です。
■は ものがた り がすきです
■ は だれかが えがおになる ものがたりが
すき です。
そんな も の がたりを ■くのが すき
いもむしさんの ものがたり は
どんなもの なの でしょ うか。
べあー が おしえ て くれる なら
きっとたくさん こころを あたたかくして くれます
であった と きが たのし みです
はなたろうさんの もの がたり
つくって くれて ありがとう
おし えて くれて ありがとう
はなたろうさん は やさしいおはな ですね
それで むしさんにはっぱを わけてあげ て
むしさんも おれいに かふんを とど けて
むし さんは どこにたどり つくので しょう
はなたろうさんは もっと
おおきく なる のでしょうか?
はなたろうさんの ものがたり
あったかくて ぽかぽかで もっともっとききたいです
…べあーが みたもの きいたもの
べあーの ものがたりを しり たいです。
はなたろうさんの もの がたり
つくって くれて ありがとう
おし えて くれて ありがとう
はなたろうさん は やさしいおはな ですね
それで むしさんにはっぱを わけてあげ て
むしさんも おれいに かふんを とど けて
むし さんは どこにたどり つくので しょう
はなたろうさんは もっと
おおきく なる のでしょうか?
はなたろうさんの ものがたり
あったかくて ぽかぽかで もっともっとききたいです
…べあーが みたもの きいたもの
べあーの ものがたりを しり たいです。
■ もお しえます。
■のかいた ものが たり。
ふしぎ な まちの ふしぎなじけんの ものがたり。
…………■ の ものがたりは
なぞが いっぱい どうして がいっぱい。
どう か たのしんでくれると うれしいです。
ま た あいましょう
すてきな さっかせんせいへ
あなたのふぁん ガァド より
…さて、そこまで書いたところで。
会いに行きたい。会いに来てもらいたいと思うのだが
自分一人ではどうにも外に出られないということに気づいた男はとりあえずもう一枚紙をとりだす。
原稿用紙は遺書に使い切ったため、
ベアーに送った手紙も こちらの紙も
新しくながれついた少し大きめのメモを使っている。
/*
管理人様、延長ありがとうございます!!
というわけで3日朝までエピローグが続きますので、皆様ごゆっくりお過ごしくださいね!
この じゅうしょを とくていした かたへ
こん にちは。
べあーのおてがみ とどけてく れて
ありがとうございました。
■ は どろです。 ■ は しずかな うみから
でたいのですが からだがどろでできて いて
しまの そとにでるほうほう が わかりません。
■は べあー に あいたい です
■ は そと に でてみたい です
この しまは めったにあらしは こないので
たどりつく のは かんたん だとおもいます
(そのしょうこに そとのものが よく ながれつきます)
も し きが むいたら あそびにきて
あそび に つれだして くれる とうれしいです。
これらの手紙をすべて瓶に詰めると、
自身の身体の一部の泥を溶かして蝋にする。
ぎゅっぎゅ。ぶじに とどきますように。
そう願って、貝たちの輝く海へと送り出したのだ。
/*
たすけてくれー!(SOS)してみた
べあー先生のファン第一号です。かわいい
表発言への誤爆あっっぶねえ…
/*
そしてお手紙書きながらうっかり力尽きていたぼくです……おはようございます……
ガァドさんは寝落ちお大事に……ぼくも人のこと全く言えませんが……
夜中のログもじっくり眺めてにまにましつつ 蓬儡さんはお手紙反応ありがとう! 俺の手紙がテロ未遂の初報になった……だと…… 美貌の旦那側からのお話にもそわそわしつつ
>>137歩く災厄にめっちゃ吹いてしまいまし た
(そして蓬儡さんもコルデリアさんも、栞の扱いのほう、お手数おかけします&ありがとうございます!と村建てとして)
/*
なんなら俺自身が全員とエピで会いに行く勢いだったので
……
もちろん、PLさん双方の合意の上ではありますが、エピではリアタイ遣り取り含めて、PCに直接会いに行くことについては特に制限はありません!
/*
コルデリア宛、だいぶ決めつけに近いロル投げるけど、
ガァドの自己経験の投影が十二分にはいりまくったものだから、このロルの決めつけ感想はコルデリア本人ではなくガァドが解釈したコルデリアということで許してほしいry(先に謝っておくスタイル
けんかじゃけんかじゃあ〜
時間の流れが止まったような浜
今日も泥人形は 外に出られないかと
外から何か来ないかと 波打ち際を見つめてた。
…とぷりとぷり。
今日は小瓶を流れるところから見つける
文字通り腕を伸ばして
海水に当たらないよう拾い上げると
飾りっ気のないガラス越しに
血のついた紙片が目に入った。
キュぽん。とふたを開ければ
前にも嗅いだことのある空気を感じる。
それ以上に 人を誘う死の匂いも。
はらりと紙片を広げれば、
弱々しいながらもどんどん乱れていく
怒りという感情の乗った文面が飛び込んできた。
『■なんて見捨ててくださいよ』
『こんなゴミみたいな人間』
『どうして 勝手なことばかりするんですか』
文面を読んだ瞬間に浮かんだ言葉に、
男は目を見開く。
どうしてわすれていたのだろう
じぶんが はーゔぃすがかくしきったいかり が
こんな に ふかい ものだって
『…ア ゛ アハハ ッ アハハハハハハ …ッ
ハハハハハッ ハハハ ハハハハハハ!!!!!!』
泥の男は口を裂いて笑う。
イオニスの手紙を読んだときのそれとは違う。
完全に。手紙の送り主を嘲笑している。
この期に及んで まだ嘘をつく。
相手のためだと思い込む。馬鹿馬鹿しい なんて茶番。
終わりを望んだのも嘘。あの子のためも嘘。
そのようなことしかしてあげられないのも嘘。
嘘。嘘。嘘。嘘。全部嘘。
コストがかかる?つきあわせられない?そんな言葉は大切な人と想いに向き合う勇気がなかったことに対する言い訳で。体のいい言葉の殺し文句に過ぎない。
だってあなた ひとりきりだからさびしいんでしょ そんなに悔いるのなら友に、手紙の一つも送ってやればいいんじゃないの?
否、こいつは送らない。絶対に。
『あんなに傷つけてしまったから、合わせる顔がない』なんていう。
そういう人間。そういう人種。
■は知ってる。そういうやつを。
自分には何もできない自分には才能がない自分には力になれない自分は足手まとい自分は迷惑自分は自分は自分は自分は自分は。
周りの奴らが必死に手を差し伸べようとしてるのに。それを振り払う愚か者。
そんな有様でありながら『自分はみんなのために自分という不要な存在を排除して邪魔しないようにしてるんですう』と本気で思い込むからたちが悪い。なあ聴いてるかよ"■■■■"。お前に言っているんだよ。
その人のことを大切にしようとしてる人の気持ちなんざまるで考えない。
優しさと傲慢を履き違えて。心優しい人間だ人畜無害だ思い込みたい■■■。
なあおい知ってるか?そういうやつを大切にしてた末路。そういう『自分が一番大事なのに、その自分を傷つけてみんなのためになってる気になってるやつ』を護ろうとした奴の末路。
溢れる。止まらない。止められない。
ねえコルデリア。あなたはこの気持ちをあなたの大切な人に背負わせるつもりなの。
そんなに寄り添ってほしいなら寄り添おう。
地獄の底まで連れて行ってあげる。
未来永劫無念の中で 泥にまみれて死んでいく
憐れな憐れなコルデリア。
分かってあげる。どうしょうもない
だからおいでよ こっちにおいで
きみのような愚か者を 元の形も留まらぬほど
ぐっちゃぐちゃに 殺してあげる
/*
とりあえずここまで、手紙はあとで〜
激重感情殺意泥マン(ノリノリで書いてましたがダイジョブか!?
(慚愧の妖魔が殺したかった対象は探偵だけではなかったというあれ)
助手"■■■■"に言われてきたこととか、どれだけ手を伸ばしても手を取ってくれなかったこととかがフラッシュバックしており…というあれもあるので、
誰かコルデリアを死から逃してくれぇ俺から逃げてくれぇ(なお追う
/*
お手紙の殴り合いがみられて(※ガァドのお手紙はまだこれからです)ぼくはわくわくしています
そしてちょっといろいろはんのうできていないのですが(諸々見えてはいます!)
これからとんでもないものを落とします が 例によって特に気にせずに挟んじゃってください!今なら倫敦名物のおいしいサンドイッチをごちそうできるとおもいます
[この手紙も、黒いインクで文字を綴った生成りの無地の便箋を、同種の紙で作った封筒に収めたもの……ということに変わりはないのだが、紙の表面の手触りはパンパス・コートからの手紙とはやや異なる。
また封筒の裏側は封蝋で閉じられており、捺された印章は
いずれの特徴も、根源倫敦の文化に馴染みのある者であれば、すぐにかのリージョンのものであると解るだろう。]
Dear Guard
こんばんは、ガァド。マーチェンドだ。
まず最初に。
俺からの質問に答えてくれて、ありがとな。
この通り、今までの手紙とは大分違う言葉遣いで
お前さんへの手紙をこうして綴っている。
「みしらぬ」お前さんに対しては無作法になるが、
「みしった」お前さんに対しては、こっちのほうが
より正直に言葉を届けられそう……ってことで許してくれ。
ガァド、お前さんが何者であるのか。
そして『ハーヴィス・ガードロイド』の身に何が起きたか。
お前さんが手紙に書いてくれた昔話と、問いへの答え、
どちらもちゃんと受け取ったさ。
まずはハーヴィスに対して、この言葉を伝えたい。
“お前さんの嘘を見抜けなくて、悪かった”
俺がハーヴィスから原稿用紙を預かったって話は
前の手紙にも書いた通りだが、
結局その原稿をアイツに返した時に、
確か俺は、こう言っちまったんだよ。
“俺が断言する。『ウィラード』は絶対ヒットするさ!
そしたらアイツも喜ぶ筈だろ! なあ!”
あの原稿用紙の最後の方に、確か、
「君にただ喜んで貰いたかった」
っていうような一文があったんだが……
なんとなくそれが、作中の台詞っていうより、
ハーヴィスの相方宛ての言葉に見えたんだ。
何せ、アイツから最初に原稿を手渡された時に、
作家先生と、その隣にいてくれてる誰かとの
ふたりの物語なんだ……って考えてたりもしたから。
それでこんな後押しを無責任に言っちまったって訳だ。
『あまりこういうことをつらつらと書くと、
下手な言い訳か懺悔みたいに見えちまうが……
なまじハーヴィスのやつが、作中のウィラードと
色々な意味で重なって見えていたもんで、
ノックスの方も相方の反映なのか、とか、
なんだかんだで上手くやっていく二人なんだな、とか、
そんなことを暢気に思っていた覚えもある。』
――本当に下手な言い訳か懺悔だな、こりゃ。
この文面を綴った便箋は、送るのをやめておいた。
それがまさか、ハーヴィスが色んなモン抑え込んで
あの名探偵を演じてたなんて考えもしなかった。
相方……いや、助手であり親友だったやつが、
自分の境遇に絶望しきってたってことも、さ。
勿論、ハーヴィスや、或いは親友のことについて、
俺に全ての責があるなんて考えちゃいない。
親友について言えば、たとえ無理やりにでも
自分の価値や幸せを見つけさせる……なんて魔法は
俺だって持ち合わせてはいないしな。
それでも俺は、あの時ハーヴィスに放った
迂闊な励ましを、ひどく、後悔したよ。
あれは本心からの言葉ではあったが、それでもな。
俺が何かと背負い込みたがりだっていうのは
自覚しているんだが……まあ、あの昔話への
俺からの正直な感想として、受け取ってくれ。
……この文面を書き綴っていて漸く気づいたんだが、俺がやってきたこと、これからやろうとしていることは、まるで作中のウィラードだ。
自分と重なってみえるのは、なにも「昔話」の中の、嘘の笑顔の鎧と化したハーヴィスだけじゃなかったんだ。
困っている人を見捨てられずに何かと頼みを背負い込み、その過程で死地に踏み込んでいく――とはいえウィラードはノックスと共にその死地を潜り抜け、事件を見事解決に導いてみせる訳なんだが。
俺は天才的な探偵でもなけりゃ、超人的な覆面ヒーローでもない。
そしてそれは、あの天才的な探偵を演じ続けていたハーヴィスも――何か一つ“能力”ある程度じゃ、あの根源倫敦では「普通」の人間だ――きっと、同じだったんだろう。
それはそれとして、ハーヴィスにはこうも言っておく。
“本当に、馬鹿なことしやがって”
俺にもさ、死を想う瞬間ってのが無いわけじゃない。
ハーヴィスの助手で親友のやつとは違う形でだが、
大切な人を亡くしたことが俺にもある。
その人の最期の時の己の選択を、ひどく悔やんで、
なおも生き延びている自分を赦せなくなることがある。
それでも、やっぱり、俺は生きたいんだよ。
守りたいひとが、助けたいひとがいるから。
誰かに置いていかれる痛みも、わかるから。
だからこそ余計に腹が立つんだよ、ハーヴィスのやつには。
あんな願いを零して、本当に殺されやがって、って。
これはもう、同族嫌悪って言っていい。
腹が立つのはまあ、散々な嘘吐きぶりに対してでもあるが。
とまあ、俺が出会ったハーヴィスへの言葉は、
ひとまずこの辺りにしておくとするさ。
次は、その『ハーヴィス・ガードロイド』であり
『ハーヴィス・ガードロイド』でない、
ガァド、お前さんに向けて。
お前さんが妖魔に近い存在かもっていうのは、
直感も含めてになるが、俺にもそう思えた。
前にゲッカに行った時、誰からかは忘れたんだが
「強い思いを持って死んだ人間が妖魔になることもある」
って話を聞いた覚えがあってな。
それなら、人の思念や願いが具現化した存在としての
妖魔だっているんじゃないかと思うんだ。
人間か妖魔か、なんて種族論を別にしても、
お前さんを生み出したハーヴィスの願いは、
俺が今まで知らなかったアイツの側面ってことになる。
だったら、「初めまして」が妥当かとは考えたんだが……
それでも、お前さんのことは、やっぱり、
あのハーヴィスなんだろうな、とも考えるんだ。
これは俺が一度、お前さんを「ハーヴィスかも」って
決め打って考えちまったせいでもあるんだが……。
本人だけど本人じゃない、知るけど知らない、っていう
お前さんのその自認が、おそらくだが、
一番正しいんじゃないかとも思うからな。
という訳で、今のお前さんに対しては
「久しぶり」で「初めまして」、ってことで。
だから、お前さんは、どうか消えてくれるな。
これは、もうズルなんかするなって意味じゃない。
単純に、折角こうしてお前さんに会えたのに
また消えてしまわれたくないっていう、俺の我儘だ。
たとえ、自分たちの力じゃ
どうしようもない出来事なんだとしても……
誰かに置いていかれるっていうのは、
やっぱりさ、辛いんだよ。
叶うならば、お前さんのいる海のそばから
嵐が過ぎ去り、お前さんが無事に、
この手紙を読んでくれることを願う。
ところでお前さんは、俺だけじゃなくて、
他にも多くのひとから手紙を貰ってたんだな。
本当に、良かった。
“混沌”に沈んで、呼吸も止まって、泥と化して。
そのまま静かな海に流れ着いたガァドは、それでも、
多くのひとの繋がれているって解ったからな。
いつかはそんなひとたちと、出会えるといいさ。
勿論、俺も、いつかお前さんに会いに行く。
お前さんの居所については、これまでの手紙から
ある程度見当はついているんだがな。
もし、お前さんの今いる場所の様子について、
また何か伝えられることがあったら知らせてくれ。
最後になったが、ガァドこそ、
探偵作家の「ありがとう」を、
そしてお前さんからの「ありがとう」を伝えてくれて、
こちらこそ、本当にありがとな。
探偵殺しのことを謝るとかじゃなくて、
ただ率直に、感謝をたくさん伝えて貰えたお陰で、
俺はお前さんを拒んだり、避けたりせずに
こうして肩の力を抜いて向き合えてるんだと思う。
……ここで正直に書くが、実は今、あの妖精との
「しあわせ」な未来を見失っていたところだった。
彼女のいる不夜城で、ちと政治的な一大事があったせいで、
今では連絡を取ることも難しい状況にある。
それでも、お前さんが願ってくれた「しあわせ」を、
大切なひととの未来を、手放したくはない。
想いを、途絶えさせたくない――言葉を、届けたい。
改めてこう思い直すことができたのは、
お前さんが送ってくれた手紙のお陰だよ。
重ねてになるが、ありがとう、ガァド。
そして、これからもよろしくな。
信愛を籠めて
境界を往く商人
マーチェンド
ところでこれまでも話してきた通り、俺は全くもって研究者なんてガラじゃない。ひとつのところで未知の解明に専心するよりも、数多の未知そのものに自ら飛び込んでいく自由を選んだ男だ。
そんな俺にまあ、手紙の微細な付着物を徹底的に解析するスキルがある訳がなく……。
こういうの絶対
ステアでの巣ごもりでヒマなんぞ持て余そうものなら、とにかく無駄も隙もないスタイリッシュなアクションで無駄に完璧に無駄だろうがなんだろうが上手くやっちまうんだろうな、とか。
まあステアの存在を抜きにしても、今の俺の身でアイツらに解析を任せられる訳がないので、この選択肢は採れない。
――今は、まだ。あと少しだけ、心のうちにケリがついてから。
今から手紙の解析を行うとするなら、バラ・トルーパーズ辺りの専門家に頼み込むことになるだろう。それこそメール・トルーパーズの面子なら、こういうのも度々やっているんじゃないか。
この<ruby根源倫敦(エレメンタルロンドン)</ruby>にも、そういう“能力”持ちがいるとは聞くが――。
――無いな。
あの嘘吐きを華々しく持ち上げた街の人間に、
この手紙は、託せない。
そう思いながら、俺は何気なく、空になった封筒を見遣った。
今回の手紙は原稿の裏じゃなかったな……と今更のように思いながら、何か取りこぼしがないかと封筒の中身を確かめたんだよ。
そしたらまあ、薄らと乾いた泥の下には――…
「………まさか、これ、」
断片的に捉えられた単語――そして人名から、この封筒の正体は察せられた。
紙のつなぎ目に塗られている泥を指先で擦ってみれば、思いの他容易く泥はぽろぽろと剥げていく。
紙を破かないように慎重に泥を落とし、封筒を広げてみれば――予想は大当たりだったさ!
――ああもう、粋なことしやがって。
今まさに真の姿に戻った物語が、よりにもよって“あの場面”の原稿だったものだから、思わず笑いが零れちまったよ。丁度アイツからの手紙の文面もまた、己の正体を明かすものだったしな。
でまあ、改めてそのくだりを読み直してみたんだが……。
――今見てもやっぱり、
レディ・ボーデンはおっかない女だな!
――いやァ、本当になあ……この帰結なんだよなあ……。
追伸
あの自作自演の淑女の所業はおっかなかったが、
彼女の真実に至るまでの旅路自体は、
楽しい一時も、え?となる瞬間も、緊迫の場面もあって。
それだけに、漸く真相に辿り着いた時は、
驚いたと同時に、感慨深くもなったんだよな。
今回もあの原稿を送ってくれて、ありがとな。
お前さんが護る物語の欠片、俺は失くしたりしないさ。
ここで開いた原稿は、元の折り目に沿って再び封筒の形に戻すことにした。
封筒から落とした泥の粉は、後々の解析のことも考えて(ガァド自身の泥なんじゃないかという気もしたが……)デスクの上で纏めてから、レターセットの封筒の一つの中へと掬って納めておく。
それから俺は、ここでもう一通の手紙を書くことに決めた。
万が一あの
/*
ひとまず お手紙おへんじまで!
そしてルビミス削除間に合いませんでし た 大変失礼いたしました……**
ステアが収まり戻ってきたいつもの日常。
いつもの通り、マチェットは定期船が来ると自分宛の手紙を受け取り部屋に戻ってそれに目を通す……つもりだったが、今日は少し勝手が違った。
誰に宛てたのかわからない手紙がある、というのだ。
どういうことかとその手紙を見せてもらうと、差し出し人の名前でピンと来た。
『(これは招待状を受け取ったあの人だ)』
これは自分宛であることを定期船の人間に告げると、他の自分宛の手紙と共にそれを持って部屋に向かった。
部屋に戻ったマチェットは黙々と手紙に目を通す。
なるほど、良き人は真の良き人のようで、サプライズ計画もベアーのプレゼントの件も了承してくれた。
が、ある一文が目に入ると胸が締め付けられた。
私は妖魔だ
おそらく、この手紙を書いた人物も、手紙を読んでいる相手が人間だと思っているのだろう。
そうではない事実に苦しくなってきた。
一呼吸置いて、そう言えば聞こえはいいかもしれないが、実際は手紙から逃避するために……いつも通りの一日のやるべきことを済ませてから、ようやくマチェットは事実に向かい合う覚悟が出来た。
『蓬儡様
丁寧な返事ありがとうございます。
私はマチェットと申します。
プレゼントもこちらへの訪問も、どちらも快諾していただき、大変うれしく思います。』
『あなた様が妖魔であっても、ベアーが招待した大切な客人であることに変わりません。それに、リジェットXには様々な種族がいます
あなた様を驚かせてはいけないので先に伝えておきます。
我々は合成獣と呼ばれる、本来は産まれてくるはずのない、存在してはいけない生命です。
リジェットXには様々な種族がいます。異種族同士を混ぜ合わせた異形の姿となって。一部が妖魔という生命もいます。
ですが、みな穏やかで争いを好まない、心優しい者たちばかりです。
初めて見た時は驚かれるかもしれませんが、出来ることならその驚きは心の中だけに留めておいていただけると幸いです。』
『我々は日々、代わり映えのない生活をしています。
外から客人が来たらきっと、みな大喜びすると思います。
あなた様の訪問を知らせる手紙、とても楽しみにお待ちしております。
マチェット』
『追伸
電子書簡は送った手紙が即座に着くので大変便利です。
もしよかったら、リジェットXに来た時に電子書簡を体験してみるのはいかがでしょう。
その時はしっかりと説明させていただきます。』
――一方その頃
ベアーはベッドに寝ころび、のびーと伸び、背筋を伸ばされた猫のようになりながら手紙を読んでいた。
「やった!がぁどよろこんでくれた!」
生まれて初めて自分が考えた物語、相談した人達から帰ってきたのとは違う、純粋な感想で胸がふわふわしていた。
どこから飛んできた花の種が芽吹き、育ち、他の生き物を生かし、そして種を飛ばす。
飛んで行った種はきっとまたどこかでこの花のように他の生き物を生かすのだろう……。
ベアーが初めて作った物語はそういう物語だった。
研究員だけじゃなく植物に詳しい仲間たちにも色々教えて貰って作った物語、ベアーは自分だけじゃなく協力してくれたみんなも褒められた気分になった。
「……ふぁんってなんだろ?
がぁどにあったときにきいたらおしえてくれるかな?」
物語の続き、ふぁんという言葉の意味……聞くことが増えるにつれてベアーはガァドに会うのがどんどん楽しみになってきた。
そうして二枚目へ。
どうやらこれはベアー宛ではないらしい。
「じ、ゆ、う、し、よ、を、と、く、て、い、し、た、か、た……」
誰だろう?
とベアーは首を傾げた。
考えても仕方がないので、ベアーはマチェットに聞きに行った。
マチェットも知らなかったがなんとなくわかったようで、次は二人で研究棟に向かったのだ。
/*
レオポンやライガーとも違う。
人為的に繁殖させられた命じゃなくて、あり得ない手段で作り出された存在ですからね、実験体たちは。
生まれることがない、存在してはいけないいのち。
「俺たちの言うことを聞く最強の生き物作れ、オラ!!!」
ということで作られたのがこの実験施設でした。
だから事故の後、上層部はガッツリこってり絞られて相応の処分を受けて、研究者の多くは自分のやったことの罪悪感から聴取でリージョンを離れたまま帰ってこなかった。
一部の責任感の強いやつと、生き残った実験体たちを放っておけないお人好しと、「後ろ指差される生活などできるか!俺は引き籠る!」って陰の者と、「え!?器材使って自分の好きな研究してもいいってことですか!?ヤッター!」という変人だけが戻ってきて今に至る。
なお、砂の成分分析したり落ち葉の加工したのは変人どもです。
ベアーから話を聞いた研究者は唸った。
『そうだ、ベアー。その人から貰った手紙を全部見せてくれ』
そう言われてベアーは慌てて部屋に手紙を取りに行き、物凄い速さで戻ってきた。
研究者は「これは……」だの、「いや、まさか……」だのうんうん唸りながらクソデカ独り言を言いながらガァドが書いた物語を読んでいる。
最後に、ベアーに「泥の人って言ったね?」と聞くと、急に黙ってしまった。何かわかったのかと聞けば意味深に
『俄かには信じがたいがそういうことだろうなぁ』
と何とも曖昧な言葉を漏らすだけだ。
なんとも言えない空気の中、研究員は二人に
『この住所を特定した人宛の手紙へは僕が返事を書くから。
ベアーはベアー宛の手紙の返事を書いてくるといい』
そう言って手紙を返した。
/*
事故も
最強の生物の素材用に捕らえられていた生物の管理が甘かったから脱走→知らんうちに設備破損→最近この施設……なんか変!?→外部の人間に何とかしてもらっか→Oh...
ってなったのかもしれないし違うかもしれない(あやふや)
部屋に戻ったベアーはさっそく返事を書いた。
「が、ぁ、ど、へ……」
いつものように間違いないようにゆっくりと大きい字で。
でも今日はちょっと違った。
手紙に物語の続きを書きたくて仕方がないのだ。
でもそれは我慢、会った時に話すと約束したのだから、続きは書かないで直接話せるときまで内緒にしなければ。
住所を書いた封筒に手紙を入れ、切手をペタリ。
後は定期船が来るのを待つだけだ。
「へへへ……はやくものがたりのつづききいてものがたりのつづきおしえたいな」
わくわくしながら封筒に封をするのであった。
/*
少し前の独り言を遡りつつ ちょっとあれこれ うごきだします
>>-203イオニス
水面下でそんな激胸熱な案があった……だと……
風呂敷畳むの難しそう〜というのもすごくわかりつつ なお広げまくって回収てんてこまいになるのがぼくです
クーデター前夜描写の前に落胤設定が出てきていたら、それはそれで よしじゃあ流れ変えちゃうぞ!って感じで動いていたかもしれません。
>>-256蓬儡
ですよね……! テレビはまだゲッカには到来していなかった……ッ
他のリージョンへの関心度会いによっても情報の集まりやすさも変わってくるのも確かに。
(そしてシップ爆発させたら混沌に飲まれちゃいますぜ旦那あーッ!!!)
/*
そしてベアーちゃん、じゃなくてマチェットの苦しさとお手紙にじんわりしつつ
>>-282これ聞けて助かりました! ダチのおっちゃん含めて全員変人枠なんじゃないかとうっかり考えてしまっていたところでし た 解説めっちゃ感謝です……!
あ あと絵付きのお手紙、絵が見えなくなっちゃった形であっても受け取らせろとぼくの中のマーチェンドがうるさいので
差し支えなければこのままどこかのタイミングで 本文だけの形でうけとらせていただけたら……!
いつもの封筒にいつもの便箋……。
おなじみのベアーからの手紙だ。
『がぁどへ
ものがりよんでくれたのうれしいです
ほんとうはものがたりのつづきかきたいけどあうときまでがまん!
ものがたりはみんなにいろいろきいてつくりました
いちばんさいしょのはいもむしのものがたりそっくりになっちゃったからやめました
そっくりのものがたりはだめなものがたりだからやめました
はなのものがたりにしたらがぁどがよろこんでくれたのではなのものがたりにしてよかった!
がぁどのものがたりもいっぱいききたいです
なぞのものがたりはちょっとよんだからちょっとしってる
はやくがぁどにあってものがたりぜんぶききたいです
べあーより』
/*
この事故の仔細>>-284>>-285もですね ふふふ
現時点でマーチェンド側から全く触れてない件なので、これもどこかで拾いたい所存です
>>-291ベアーちゃん
おっちゃんはやっぱり情が湧いちゃった人っぽかった……!とめっちゃ頷きつつ把握しつつ
スプリンクラーおまえ おまえなんてことを(意訳:了解ありがとうございます!)
こちらは何とも味気ない、茶封筒に入った、罫線のない白い紙に書かれた手紙だ。
ベアーの字とは違う意味で癖が強い字で書かれている。
『初めまして、ベアーから手紙を読ませていただきました。
あなたが今いるところはベータベースによると船を発着できるような場所はないようです。
ですので、あなたをそこから出すためには上空から輸送用コンテナを下ろし、そこに入ってもらうという手段がいいのではないかと思います。
また、外に出てから行く当てがないのならリジェットXで暮らすというのはどうでしょうか?ここには少し変わった住人しかいません。泥の人が一人増えるくらい何ともありません。
私もあなたの書く物語の続きが気になるのです。人違いかもしれませんが、あなたが送った物語はもしかするとウィラード・ヴァンダインシリーズの新作ではないかという可能性がありまして、作者は亡くなったと聞いて落胆していたところ生原稿と思しきものが手紙ととして送られてきてこれはもうそうかもしれないというアレがアレしてもうアレなのでぜひ来ていただけると私が嬉し
あなたが良ければ輸送コンテナと船の手配はこちらでします。
ご一考よろしくお願いします。』
/*
うおお殺意ぃ!と
うああああマチェ漢すぎいいいすきいいいと
べあーちゃんかわいすぎるううう!!!
の感情があふれる中
ぶっちぎっていく強火ガチ勢でもうだめだった。たのしすぎる
/*
おい誰だよ強火ファン
俺リジェットXに帰って無事で済むのかね……(生原稿的な意味で)
/*
ガァドの脳内には作家の記憶が封印される形ではあるけど残ってるので、まだ世に出ていない幻の新作のストーリーも当然ながら存在すると知ったらこの強火ファン発狂するのでは…???
『エナガさん
お久しぶり。マーチェンドです。
根源倫敦の街で、この手紙を綴っています。
先日、パンパス・コートでの
テロ未遂についてニュースで聞きました。
市民生活のほうへの影響は無いと聞きますが、
事件のことで貴女がショックを受けていないかと
心配になり、ペンを取りました。
俺はあれから特に身体を壊すこともなく、
不時着前に抱えていた仕事も、全て決着しそうです。
明日からもまた様々なリージョンを巡る予定ですが、
また時間を見繕って、エナガさんのお宿に
ふらっと立ち寄れたらと考えています。』
――……、……………。
「相手の為」だとか言って、音沙汰を絶つ形で黙り込むのをやめたのはいいものの。
それでもヘロンについては――彼女にはほぼ確実に、捜査の手が回っているとみていい―― 一言も触れられず、商談についての話も控えてしまう程度には、本当にただの世間話程度の手紙になってしまった。
……それでも、俺は、
『だから、待っててください。
俺は、貴女の隣にいます。
また、貴女に会いたいです。
マーチェンド』
エナガ宛てのこの手紙は“女将”の宿の便箋と封筒ではなく、この蒸気とガス灯の街の店先の便箋と封筒を用いたものだ。
この街からの手紙に捺された封蝋は、単なる
こうして2通の手紙を自分の手で投函してから、俺はとある店を訪ねることにした。
……なんでわざわざ「自分の手で」なんて言ったかって? そりゃその……クロウのやつからの「小間使いにするな」の
ところで俺は『ウィラード』のあの札束泥棒の話について、札束に爆弾を仕掛けるだとか無理だろ……と考えちまった訳なんだが、これはあくまで“能力”無き倫敦での物語だから、という前提の上だ。
“能力”ある実際の
ここで俺が立ち寄った店っていうのが、まさにその類の“能力”遣いの店だった――といっても爆弾を仕掛ける能力とは少し違う。
無機物に幾らかの炎熱の力を籠める、固有の特性。その“能力”を利用した品を扱う店、ってことだ。
……もっともブツがブツなので、本当にヤバい兵器レベルのものは店頭にはない(渡航先次第では届け出が必要どころか、持ち込み禁止ってこともある)。
護身用とか、冒険者の旅のお供とか、ちょっと派手なパフォーマンスをしたいとか、そういった用途程度の火力に抑えた品。使い手の意思に応じて発動する仕掛けになっているから、手に取っている間にうっかり起動して……という事故も少ないんだとか。まあ炎熱の力も無限に籠められる訳じゃないから、発動回数には限りがあるんだけれどな。
「あら? いつぞやの行商さんじゃない。
お生憎様、今は石は間に合ってるわよ」
この店の主人にはかつて、“火を纏う輝石”のための原料(つまりまあ普通に輝石ってことだ)を売ったことがあった――ああ、この渡航時に、ハーヴィスからあの原稿を渡されたんだった。
「ああいやマダム、今日はそっちじゃなくて、
個人的な買い物で来たんですよ。
それでなんですが――…」
『…――なんでも関係筋の話じゃあ、あの事故ん時、
逃げ出して手に負えなくなった実験体の調査とか処分とか、
外部のゴロツキに委託してたらしいってよ。
そんでソイツらが、うっかりなんかのガスに
引火やらかして大惨事になったとかってさあ。』
『うわ、何それひどい。
ってか手前らで処分せずに外部委託してそれとか、
ぶっちゃけ自業自得――…』
――その場に居なかったテメぇらが、言うんじゃ、ねぇよ、
それを苦にして亡くなった、義母さんのことを―――!
――なぁに、炎はあくまで非力を補う程度。
ギリギリのところまで木が迫ってきたら振り払う程度。
使う場所と使いどころは、間違えやしないさ。
それにしても、さ。
「やらかし」たヤツって、一体、どこのどいつだったんだか。
……別にそれが誰だって、義母さんが帰ってくる訳じゃないんだがよ。
/*
あれこれ考えた結果 たぶん義母さんは事故の責任からの心労で過労死したのではないかということになりまし た (なおあくまで伝聞)(墓参りもできていない義理の息子です)
そしてこれからベアーちゃんのお手紙ゲットしてくるんだからね!!
/*
実際問題、屋内施設で火を使うのってどうなんだ…って話ではあるけど、ゲームとかだと普通に屋内だろうが何だろうが火使ってるし…(震え声)
探偵は願った『君に笑ってほしいと』
作家は願った『君を笑わせない嘘を殺せ』と
果たして願いは叶えられた。2つの願いは叶えられた。
だから この 怪物にはふたつの顔がある。
すべてを曝け出した親愛なる"
探偵が最も隠しておきたかった どちらもホントの不満と不安と憎悪の泥を
この世のすべての 己を大切にしない愚か者へ
…どろにまみれた 泥が字を書く手紙がある。
やたらときれいな小瓶に収まるその手紙は
■■■がひらいて そのくびをさしだすのをまっている
■ ■■
■ うそつきでしょう。 こるでりあ ■■
■■ きみは わるいこ こるでりあ ■ ■■ ■■■■■■
■■ なにひとつとして ほんとうのことを ■■■■
■ きみのともだちに はなさなかった こるでりあ ■■
■ ■■■■■■
■ おいていかせるほうほうは いくらでもあった ■
■■■ てがみをかくからそのうちに あらたなばしょを■
■ みつけたら わたしをたすけにきてほしい■■■■
■■■■■ それだけ いえば すむ はなし ■■
■■ ■■■■■
■ 外の宇宙の 未知の技術 ■■■■
■■■ いくさきざきで 助けを得られる手段はあった■
■■ 貴女を愛する人たちは それも考えていたでしょう■
■■ ■■■
■■■ ■■■■■■■
■■ ■■■■■■
■ ■■■■
■■ それすら かんがえさせなかった ■■
■ ■
■■ きみが みんなのこころをころした■■
■■■ ■
■ きみは そんなていあんすらも ■■■■■
■■ いわれるまえに ころしたのでしょう■
■ だいきらいな じぶんじしんを ■
■■ ■■
■■ ■■■■
■ つきあわせるわけに いかなかった? ■
■■ じぶんがみじめになるまえに ■■■
■ さきにみはなした だけなのに? ■■
■■ ■■■■■■■
■■■ もう あきらめた ? ■■■■
■ ならどうして まだいきしてるのいきてるの? ■
■■ いのちをすてる こともできない ■■
■ じぶんがだいじであるだけなのに ■■■
■■ ■■
■ ねえこるでりあ そうでしょう ■■■■■■
■■■じぶんが一番だいじなくせに じぶんが ■■■
■ だいじじゃないふりする ■■■■
■ ともだちのためとうそばかり■
■■ ■■■
■ きずつくのが だいじにされないのが ■
■■ なによりこわくて まわりをだいじにしない■
■いいこのふりは くるしいでしょう さっさと ■■
■■ ここ まで おちて こいよ ■■■
■■■■■ ■■■■■■■■■■
■ ■■■
■■ ■■
■ そんなに ともだちが ■
■ こわい のなら ■
■■ ■■■■■■■
■■■ そんなに じぶんのきずだけが ■
■ たいせつならば ■■
■■ ■■■■■
■ その ままおいで よ ■■■■
■■こっち に おいで ■■■■■■
■■■ おともだちに ほんねもいえない■
■ わるいこ うそつき ■■■■■ ■■
■ ■ではないべつの■が 必ず君を■すか■
■■■ ■■ら はや■ ■■■においで■
■ ■■の■■まで おちといで■■■■■■
■■■■■■■それでも■■はきえないけ■■
■■■■■■■■■もなけれ■しあわ■でし■
■■ ■■■■■
■■■■■ ■■■■■■■■■■■■
■■■■■ ■■
■■ ■■■■■
■■■ おのれをすてたともだちの ■■
■ ■■
■ うかんだ したいを みつづける ■■■
■■■ ■■■■
■■ くつうなんてそんなもの ■■
■■■■ ■■■■■
■じぶんしかない おまえ には ■■■■
■■■ てがみのひとつもおくらぬきみにハ ■
■■ わかるはずも ないでしょう■■
■ きみの ■■■■のえいえんのくるしみも■
■■■■■どウせ キミには ど■でも■イ■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■ダからさっさと■
■■■■■ひとりボッチで■■■■■■■■■■
■ジゴクノ ソコマデ おりといで ■■■■■
■オワラナイ■■を エイエンニ ■■■■■
■■■ キ■■ア■■■テ■■■■■■■■■■
■■■■ ■■■■
■ ■■■■■■■■■■■■
■■■ オマエヲコロスノハ ■■■■■
■■ クダラナイ オマエノ■■ダ ■■■
■■■■ ■■■■
■ ■■■■■■■■■■■■
……
…………
…………………
はて、いつの間に手紙を書き上げたのだろうか。
…よくわからないけれど、しっかりと封をしてて、
もう出す準備は十分なようだ。
少し、変な気分だが、男はヒョイッと海へと投げる。
泥を垂れ流しきって記憶が混濁する。何かあったようなと。
しかし、それでも、 彼女の
手放さない。 ここにあったと忘れない。
………忘れていても 誰かが苦痛を訴えたのは 忘れたくない
/*
め、めっちゃ時間かかった〜〜〜!?
み、み、みなさんおまたせしました(震え声)
うらうら!地獄の底まで付き合ってやるから
こっちにこい!(ひきずり落とす泥)
/*
このお手紙の要約は
『そんなこと言って、てめえも周りの人に
自分をだいじにさせなかったじゃねえかよぉ!
まわりのひとにだいじにさせないくせにぃ!
まわりのひとがそれでどれだけきずつくかしらないくせにい!
そんなにじぶんがだいじなら
だいじ(Die死)にしてやるよぉ!!!!
死の暗闇で永遠になぁ!(なお殺すのは自分ではない)』
です()
手を振り払い続けた助手くんへの恨みもありますので、その情景がダブったところが乗っていて、妄想増し増しでやばいやつ()
ハラワタまで出し切った感あるぜ…(つやつや
コルデリア幸せになってくれ…と思いつつ俺達は天敵…殴り愛でしか…!思いやれない…!!!コルデリアがんばっていきろぱんち!!!こっちに来たら泥が迎えにいくからね♡♡♡永遠に泥の中で後悔しよ???(するな)(幸せになれコルデリアーーー!)
/*
はらわたでぺちぺち殴られている……のかもしれない
助手くんとかぶせてるとこはね 若干意図的にね あります
ヘヘッ…… Die死にされちゃうかぁ……
この状態から幸せになれるんですかねコルデリア 私にもわかりません
/*
ハラワタぺちぺち!
正直ガァドくんルートではぜってー幸せになれないと思うので、
他ルートをみかえすのじゃ…!!!他の人はみんな優しいだろ…!!!
[そうして、二通目の手紙の返事を書き始める。
まさか、他からエンデの話を聞くとは思わなかった。
読み返しながら、万年筆を便箋の上で走らせ始める。
時折、昔の友の話を思い出すように蟀谷の辺りをトントンと左手の人差し指で叩きながら。]
[宛先の住所は「トーチバード」と、船体識別番号になっている。
印紙の絵柄は小枝に留まったルリノドハチクイ。
封筒と便箋は、前回と同じものだ。
緑釉色のインクで書かれた文字は先のやり取りと同じ調子で書かれている。
便箋と封筒からは、白檀の香りが仄かにするかもしれない。
かつてゲッカで修行の身であったなら、瞑想の際に嗅いだ事があるやも。]
マーチェンドへ
こちらこそ、手紙をありがとう。
丁寧と言えば、貴方の方だよ。
私は気の向くまま、万年筆を走らせているだけだ。
しかし、パンパス・コートでテロが企てられていたとは。
こちらは通信機器が発達していないので、貴方の手紙で知った。
読んだ時には驚いたぞ。
貴方が無事で、本当に良かった。
テレビなどが普及すれば、もう少しゲッカ外の事情に明るくなるのだろうが、まだ長い時間がかかるだろう。
わざわざ建国記念日を狙ったのなら、彼らの強い意志のようなものを感じるな。
貴方達と私達とでは時の流れが異なるのだと思うようにしている。
横たわる時が長い為に、変化の訪れるのも遅いのだろうと。
私達の事は山と同じだとでも思えばいい。
天災や、第三者の手が加わらなければ、そう変わるものではないだろう。
確かに私達にとって、貴方達の生は短いな。
けれど、貴方達は私達にはないものを持っている。
その一つに、機械を生み出した事が挙げられよう。
技術の進歩は目の回る程だ。
誰も彼もというわけではないさ。
貴方はお気に入りだからな。
どうかその身を大切にして欲しい。
そう、貴方に責任はない。
ゲッカにこの先何か遭ったとしても、貴方に石が投げられる事はないと、私の名において保証しよう。
だから、これからも私の注文に応じておくれ。
後悔をせぬように、先人達に学ぶとしよう。
書物を読み、人に聞き、話し。
私の時間はまだ多く横たわっているのだから。
(パンパス・コートは、ゲッカとは異なる道を辿った例として、私も個人的に調べてみようと思う。
時間を見繕って、現地に赴くのも良いだろうな。)
私のような者の話を聞いて、親近感を感じてしまった。
私が触ったら壊してしまいそうだが、そのひとがトーチバードの何処を改造したのか、再会の折に見せて欲しいものだな。
/*
マジでコルデリア幸せになってくれ〜〜〜!!!!と願っているのだけど、ガァドニキはあまりにも天敵が過ぎて、このままでは泥仲間を増やしてしまったぜ!!!エンドになりそうだから、コルデリアを救ってくれ誰か頼む…!!!と思っていたり
あと、そろそろ強火ファン君に救助されて、しじまの海を離れるかもなのでね。コルデリアとお手紙すれ違うかもって先言っとく!
貴方がそう願う程なのだから、きっと浅からぬ縁で結ばれているのだろう。
その人について聞かせて貰うのを楽しみにしているよ。
移動が難しいようならば、ゲッカの景色を書いた絵ならばどうだろうか。
うちの絵師でもいいが、望崋山の者の方が良いだろうな。
いつか、酒を飲みながら話をしたい。
まずは生きての物種の話と共に、貴方の口から聞かせて貰おうか。
私が放浪していた時代の事を話した事はあっただろうか。
三男であった私は、勉学を疎かにして家から放逐されたのだ。
百年程あちこちを彷徨って、その折に人間の暮らしに触れた。
貧民街と呼ばれる場所で暮らした事もある。
だから、他より少しだけ、見える気になっているだけだ。
私の人間へ寄せる思いは、同情なのか。
それとも憐憫なのか。
まぁ、やらぬ善より、やる偽善と言うだろう。
私が動く事で、人間の暮らしが良くなるのであれば、それは良い事だと思っている。
ゲッカの中では私達のような者は変わり者。
けれど、より多くのものが機械と共存出来るようになるといい。
まだ当分、山主を降りるつもりはないので、ゆっくりと見守っていくさ。
パンパス・コートの情勢に変わりがないなら、足を伸ばすのは貴方に語れる間に叶いそうだな。
下層民街の表通りの「パッセリン」という宿だな。
その時には訪ねてみよう。
古い存在であるのなら、敬意を払わねば。
ゲッカの外で、ゲッカの掟をかざす気はないが、怯えないでくれるとありがたいな。
話しかける時には十分に注意するとしよう。
ああ、その芸鵬だな。
以前にパンパス・コートに行って、服や飾りを大量に買ったとか。
観光で楽しむならいいが、やはり自分の城が一番美しく、落ち着くと言っていたのだったか。
私の紹介であれば、貴方が彼と直接会う事も叶うだろう。
今度ゲッカに来た時にでも会ってみるか?
通過儀礼は覚悟して貰わねばならないかもしれないが。
芸鵬といえば、見せたい服があるというのでついこの間に会いに行ったら、ファッションショーに巻き込まれた。
ショーも含めて見せたいものだったのだろう。
中々にない経験だった。
かのリージョンからの移民は、貴方の言う通り、望崋山や望崋山で受け入れている。
美術家であれば、やはり望崋山だろうな。
そちらも芸鵬に話を通しておこう。
煙霞山の方であれば、私も面会をする予定だ。
彼らとも会いたいようであれば、場所を設けよう。
エンデと聞いて、縁あって手紙のやりとりをしている少女を思い浮かべた。
貴方と同時に出した手紙に返事をくれたのだ。
身体の調子がよくない中、住民も随分減っている事だろうに。
あの木に閉ざされてしまったリージョンで暮らしていると思うと心配だ。
まだやり取りも少ないので、あれこれと聞くわけにもいかない。
せめて、心の内を零す相手があると良いのだが。
早速探してくれたのか。ありがとう。
そのようなリージョンもあるのだな。
宝の宝庫に是非行ってみたいものだが、メカ音痴が少しでも解消されてからでないと私が騒ぎの種になってしまいそうだ。
(電子レンジも探してくれて有難い。
今度は慎重に扱うとしよう)
それでは、またな。
旅路の安全を祈っている。
蓬儡
追伸
もしもエンデの民の為に何かする心算であれば、私も援助しよう。
これを頼む。
あぁ、風になるべく当てないでくれると嬉しい。
[便箋を折り、封筒に収めると、男は二通の手紙を配下に渡した。]
/*
はさんだ〜〜〜!!!すみません〜〜〜〜!!!!
ほうらいさん、山の主の貫禄と余裕がかっこよすぎる…
めろめろになる…
/*
うおおおおおおおおおおおお地獄だーーーーーーーーーーー!
とサイリウムを振っている者がこちらになります
あ あとこれ先出ししちゃっていい かな 大分表ロルで匂わせているし いいかな …… !
ちょっと近いうちにエンデ行きの渡航申請受理させますという襲撃予告です
/*
そして蓬儡さんのお手紙をかみしめています
放浪時代のお話までいただけて ぼくは ぼくは !!!!
ああああ ああああああ しばしおまちください の ありがとうございます!!!!! 旦那ーーーーーーーーーー!!!!
/*
うおー!マーチェンド〜!おとこ〜!!!!
わくわくしつつさいりうむふりふり(サイリウムフリフリ)
ちょっと、手紙の返信順、諸事情でベアー→マチェ→頂いたお手紙→一番最後にコルンバにしていこうかなと思います〜。へへっ
救助されちゃうぞ〜
/*
>>-328もりょうかいです! やったー煙霞山の人になれる!!!! こちらも追々……!
(そして下段 ひええええええ………… ※なお手紙にも通過儀礼の話があり)
あ あとそういえばぼくからもちらっと
パンパス・コートの王国の設立経緯不明といっていますが 本当に具体的なことは何も決めていませ ん ので このあたり自由に描いちゃってだいじょうぶです!
たぶんエナガさんは王国ができる前から存在してるかな、くらいですね!
/*
あ これもいちおう
エンデ襲撃時のコルデリアの状態がどんな感じになっていてもどんとこい!!!とおつたえしますね!!
PCPL共に埋葬も覚悟してるので だいじょうぶだしんぱいない!!
こうして俺は、大幅遅延を食らっていた最後の積荷を
その後は――さあ、わかるな?
この大仕事の終わりにはやっぱり、苦みと香りがキマったペールエールと、モルトビネガーにマッシーピーを合わせた、さくっとふわっとした衣の揚げたてのフィッシュ・アンド・チップスだろ!!
次の俺らの行き先は、バラ・トルーパーズ。主な用件は二つある。
一つは、ガァドからの手紙の泥の成分の解析――どのリージョンからの泥か、ということだ。
海辺からの手紙だってこともあって、勘としては多分「しじまのうみ」辺りじゃないかとは思うんだが……まさかのイニシュとかって線も無いわけじゃないので(あの地は、メール・トルーパーズが集配に行かないと明確に示されている
そしてもう一つは、エンデへの渡航申請。
他にも渡航申請を受け付けているリージョンはあるんだが、この種の手続きに関しては、バラがかなり速い。
……最後にコルデリアからの手紙を受け取った日から、もう何日経ったんだろう。
譬え、あの人が生を繋いでいるあいだに間に合わなくても――それならそれで、俺がやらなきゃいけないことは、ある。
やわらかなよるがくる そらがほしをうつしだす。
ぱちぱち、ぱちぱち。
ねぐらのどうくつのちかくで ちいさくたきびをする
てもとがあかるくても そらはもっとあかるい
なにもないしぜんのせかいは なんでもある。
食事の必要はないため、特に何も焼いてはいないが…それでも火がかき消えないように、たまに枝でつんつんと焚き火をつついてぱちぱち爆ぜるのを見つめていた。
時間の曖昧な海と空。ある程度時間が経つと眠くなってくれるのは正直助かった。その周期で一応の時間感覚を得られるので。くああ。と一つあくびをして、猫のように体を伸ばす。泥に近づきすぎない場所に丸くなって、少しばかり寝息を立てる。…こうして寝ていると、次起きたときにはよく手紙が届いていたから。
そんな期待も込めて眠り…そして今朝。届いた手紙は3通…いや4通だった。
とまあ、そんなことを考えながら客室を出ようとした時に。
客室扉と床の隙間に、一通の封筒が滑り込んでいたんだ。
「……これ、ベアー、か?
止んだのか、ステア!?」
そう思わず声に出しちまったくらいには、やっぱり前日までの疲れが響いてたのかもしれないし、それ以上に驚いた。あれからステアが治まったってニュースを見ていなかったからな……あまりの慌ただしさで確認出来ていなかった、ってほうが正しいんだが。
1通目は、
泥人形が特に気に入る無垢な子。
『………………』
前に送ったお返事がとても嬉しかったのか、一生懸命にどんなふうに物語を作ったのか教えてくれる様子に思わず笑みが溢れる。
泥が凶暴になるのは、自分に嘘をつく人にだけ。
ほかのひとのおはなしや物語を参考に、頑張って書いた彼女の物語。
早く、彼女に会って…聞いてみたい。
…そう思いつつ、ベアーに返事を書こうとした最中。それと一緒についてきたもう一通にふと意識が行く。味気ない茶封筒に白い便箋。そしてなんというか、裏側から見てもなんとなく存在感を感じる癖字に、泥人形は目をぱちくりさせた。
『………………? …???』
なにかすごい圧を感じる気がする。
…船では移動できないが、
コンテナにのせてもらうことはできる…らしい。
これは…良い知らせだった。
おそらくはこの場所をベアーに教えてくれた人だ。
…そとに 連れ出してもらえるのであれば
だれかに 物語を伝えに行けるのならば
こんなに喜ばしいことはない
…それはそうと ものすごい勢いでまくしたてられ
更にはそれを消したあとがあるわけだが…
…あの物語を、どうやらかなり気に入ってくれているらしい?ということだけは察知した。……気に入ってくれた ひとが いてくれるのはとてもいいことだ。
何か送ってあげたいな…と、思うが。残念なことに生原稿はほぼすべて混沌の宇宙に流してしまってほとんど残っていない。
人違いかもしれないな…と伝えておいたほうがいいだろう。一応。証拠が手元にないので。
このばしょを とくてい して
くださった かたへ
ぜひとも。よろしく おねがいいたします。
べあーと ものがたりのおはなしを するのが
とてもたのし みです。
…しばらく おせわになります。
あの ものが たりは だれかにつたえるた めに
かみは もうのこっていません が
あたまの なか には ありますから
キャンディのまじょの おはなし なんかを
してあげたら、よろこびそう。です。いろんな おはなしをしてあげたい、です
おまち して おります
はまべで のろし をあげておきます。
――良かった。ちゃんと、耐えたんだな。
最初からアイツらを信頼してはいたことだったんだが、それでもこの時、率直に安心したんだ。
それから、封筒の中の便箋を読み進めていく。
文章の拙さ自体は変わらないが、ステアの前に書かれた手紙の頃と比べて、少しだけ文章の組み立て方がこなれてきているように見えた。言葉遣いや記号の用い方も、以前とは少し異なって見える。
この間は体感的には長いようでいて、実際のところ、そこまでの日数は経っていない筈だ。
――ちゃんと成長、してるんだなあ……。
そう思った時に、なんとはなしに思えたんだ。「面倒見がいい」って、こういうことなのか、って。
思わず笑っちまったのは、ベアーからの素直な言葉に感じた微笑ましさに対してか、それとも、今更な自覚を得た自分に対してだったのか。
(ちなみにその『キャンディの魔女』の事件は
実は次回販売予定だった巻で掲載予定だったのだが
泥本人は単純に、「ベアーが好きそう」というだけで選んだのでした)
そしてベアーにも同じく手紙を書く。
……まあ、苦笑するしかなかった、っていう案件も一つあったんだが。
多分さあ、便箋のこの辺り。どの辺りって言っても伝わらないと思うんだが、まあ、この辺り。
「すきなたべもの」、描いてくれてたと思うんだよ。
なんで思いっきりここだけ狙い撃ちされてるみたいに水濡れで皺になってるわインク滲んでるわ紙の表面悲惨なことになってるわしてんだろうなあ……?
配送途中にスプリンクラー食らったとか? ほら火災とか海賊の襲撃とかでさ? 本当に勘弁してほしいなあ!!
そういうこともあった訳なんだが……まあ、気を取り直して。
出立前に、俺は根源倫敦のレターセットを、再びウォールナットデスクの上に広げたんだ。
/*
こちら倫敦名物のフィッシュアンドチップスサンドイッチになります……(思い切り挟んでるのかお)
というわけでベアーちゃん宛てのお手紙これからになりますが 今日は無理せずここでおやすみ します ……!
蓬儡さんのお手紙受け取りとエンデ襲撃も明日 気合で おおくりいたします ね!!**
ベアー へ
たくさん たくさん かんがえて
ものがたり を かいてくれた の ですね。
ものがたりは たくさんかんがえてかくと
たくさん たくさん そだちます。
みて、かんじて、かんがえて。
だからとっても すてきなものがたり。
…そう。だれかを、なにかをおもうから
ひとはことばをつづる。ものがたりを つくる。
わすれていた かんじょう。
■は もうすぐ ベアー にあいに、いけそうです。
だから、…たのしみです。
こんてなに のって そちらにむかうみたいです。
たのしみです。
ひっこしの じゅんびが できたら
そちらに いきます。 あいにいきます。
だから、きっと そのときに。
あなたのふぁん ガァドより
……数日後には、浜辺でも狼煙を上げている姿が
見えるだろう。
ねぐらの洞窟からは鞄だけを持ってきて。
ついでに雨風に晒されない壁面に「テンソウトドケ→りじえっとV」と張り紙しといて。引っ越し準備がこれだけで済むあたり、人間的な生活などを忘れていそうというか何というか。
ともあれ、引っ越しのコンテナが来たらそれに乗って
しばらくおとなしくしているだろう……
…あまりに揺れ動くと、出てきたときには完全に泥になっていそうだ**
/*
こんな感じで引っ越ししたよ〜、コンテナいどうわっくわく
マチェには、引っ越し直前にお手紙出す感じにしたい…!!!
しかして今日は眠気に勝てぬ…!!!明日朝マチェに投げさせてもらいます〜
[陽の落ちる頃に届けられたのは、瓶に入った手紙と封筒だった。
以前と同じ泉で見つかったらしい。
葉っぱに書かれた宛名は漢字を書き慣れた者の筆跡ではなかったが、山主の名と推察された事から、すぐに男の屋敷へと届けられた。]
ちゃんと届いたのだな。
[読んでいた本に栞―靄のようなものが覆っているので、元々何が描かれていたのかは分からない―を挟むと、机の上に置いた。
受け取った瓶の表面を撫で、泥の栓を抜く。
本文の読み取りづらくなっている文字は、山の名前や男の名前と考えられる。
男の手紙を読みながら慣れない文字を書いてくれたのだろうか。]
[最初は、物語を読んだ事への感謝の言葉だった。
書き手としては、読者がいた方が張り合いがあるだろう。
読んで欲しいと思っていたのならば猶更。
彼は妖魔に馴染みがないようだ。
そういったリージョンもこの世界には数多くあるだろう。
彼は泥になる前に何を思ったかは覚えておらず、物語を読んで欲しいという思いと、許されない、許せない、許されたい、といった思いが残っているのだと。
強い思いは未練となる。
想いの大きさは人それぞれで──それが妖魔になる理由にならないとは言い切れない。]
[泥に沈んだ記憶が毒を吐き、奥底で痛みを訴える。
であれば、拾い出せないだけで、消えてはいないのではないだろうか。
彼は物語を書いた事で、大切な誰かを追い詰め、傷つけてしまったらいい。
大切であればあるだけ、許す事は難しくなるだろう。
自我も残らず消えてしまえと望んだから己が何者かを忘れてしまったのではないか、と男は感じた。
男の書いた答えは、何かの導になっただろうか。
責め続ける事は中々に気力のいるもの。
一つの着地点としては、“致し方ない”と受け止める事だ。
許せない思いも、許したくない思いも、許されたい思いも全て。
そうする事で、堂々巡りから解放されて見えるものもあるかもしれない。]
[いつか、男の元に行ってみたい、と彼は書いていた。
これまで触れ合った事のない者と会う事で、己が何者であるかを知る事は出来るかもしれない。
妖魔は長寿の生き物だ。
その気があれば、人間の何倍もの経験や知識を持つ事が出来る。
男は山主であり、彼をもてなす事も可能だ。]
届いたぞ、ガァド。
[手紙に囁いた。
二度あることは三度あるという。
であれば、四度目もあるだろうか。
裏側には、前回と同じように物語が描かれていた。
ノックスとウィルという登場人物は同じ。
けれどこれは前回貰った物語の続きなのか、それとも。]
パズルのようだな。
[一枚一枚集めて、順番に並べれば本となる。
斬新な形だが、嗜好家には受けるかもしれない。]
[送られてきた瓶の中に、白い縦型封筒が一つ。
宛名はガァドへ、とのみ記されている。
送料にと河に浮かぶ小舟の絵柄の印紙が一つ。
白地に蓮の花の版画が淡紅色で薄く刷られた便箋は、前回と同じもの。
印紙の方だけ、ゲッカによく使われる手漕ぎの舟の絵柄にした。
線に沿って緑釉色のインクで書かれた文字は再度やり取りができる事の喜びを表す。]
ガァドへ
こんばんは。
きちんと手紙が届いたようで良かった。
どういった仕組みで届いているのか分からないが、縁が結ばれたのかな。
貴方が喜んでくれたなら、私も嬉しいよ。
ウィンウィンという奴だな。
裏側の物語は、どうつながっているのか想像するのも楽しい。
前回送ってくれたものよりも前だと思うのだが、合っているだろうか?
そういえば、貴方の書いたと思われる本を、家の書斎で一冊見つけた。
同じ物語ではないので答え合わせは出来なかったが、文体が似ている推理小説だ。
貴方の出身では、東洋の魔物の事を妖魔と言うのか。
ゲッカではモンスターを魔物と呼ぶので、少しややこしいな。
他はどうか知らないが、私達は人間と同じような姿をしている。
ゲッカの伝承で言えば、妖魔の方が先に作られ、人間の方が後に作られたとされているよ。
妖魔が黄土、人間は縄と泥を材料にしたらしい。
人によって、一つの物事に対する思いの度合いや大きさは異なる。
手紙で読む限り、貴方の中には沢山の感情が渦巻いているように思う。
ゲッカであれば、死ねずに妖魔になったとしてもおかしくはない。
泥に沈んだ記憶は様々な思いの原因となっていても捨てる事は出来ないのだろう。
きっと貴方にとって大切なものだから。
だから己が何であったかは忘れてしまっても、抱え続けている。
許す事が出来ないから、いつまでたっても痛み続ける。
その状態が大丈夫だとはお世辞にも言えない。
貴方の心持ちが変わらぬ限りは、きっとそのままだろう。
例えば、どの思いも捨てられないのなら、すべて受け止めてしまう。
どれも貴方の気持ちなのだからな。
そうする事で、初めて見えるようにものもあるかもしれない。
私の言葉が踏み出す為の一助となればと幸いだ。
魂の奥にあるのであれば、分かつのは難しいな。
貴方が自らをそういう生き物とするのであれば、それでいい。
思いとは、何も綺麗なものばかりではないのだ。
私も心が綺麗でありたいとは思うが、きっと清廉潔白ではない。
濁っているところもあるだろう。
それでいいと思っている。
ゲッカに来れば、妖魔は沢山いるぞ。
もしも貴方が海を越える事が出来るのであれば、私の元を尋ねておいで。
私の名前を出せば、道筋を教えてくれるだろう。
ゲッカのエンカザンのホウライといえば、私しかいない。
私も貴方と直に話が出来る事を願っているよ。
蓬儡
[書き終えた便箋を折り、軽く丸めて瓶に詰めた。
前回と同じように、壊れないように守護の術と、縁が繋がるようにと念じた上で栓をした。
同じ道筋であれば、届く可能性は高い。
待機していた配下に渡し、元の泉に沈めて貰う事にした。]
[その手紙が届いたのは、翌日だったか。
職務を片付けた後、前回と同じ均一な文字の印字された手紙を手に取る。
己が妖魔である事を明かした手前、返事が来ない事も予想していた。
封筒を開けて中身を見れば、彼はマチェットと名乗った。
それは覚悟していたような内容ではなかったが、驚かされもした。]
合成獣。
[リジェットVには様々な種族がいて、異種族同士を混ぜ合わせた姿をしているのだという。
何をどうしたらそういった事が出来るのか、男には想像もつかない。
ゲッカの魔物にも様々な形のものがいるが、予め教えてくれた誠意に感謝しよう。]
……真面目な人なのだな。
[均一な文字を指で撫でる。
客の驚いた顔を見れば、住民が傷つくかもしれないと思ったのだろうか。
変わり映えのない生活で、外からの客人が来たら喜ぶだろう。
訪問を知らせる手紙を楽しみにしているという言葉に笑みを浮かべる。
追伸には、電子書簡について書かれていた。]
む、ぐ。
……壊れないだろうか?
[試してみたいが、どうしてもそうした思いが口をついて出てしまう。
日程の調整は済ませておいたので後は返事を送るだけとなっていた。
便箋と万年筆で男は手紙を綴り始める。]
[宛名には、リジェットVとマチェットの名が書かれている。
白い縦型封筒には送料として、金木犀の絵柄の印紙が一つ。
白地に蓬の版画が淡い緑色で薄く刷られた便箋は、先のやり取りと同じもの。]
マチェットへ
手紙の返事を、そして名前を教えてくれてどうもありがとう。
妖魔でもよいと言ってくれて嬉しかった。
そして、そちらの事情も知らせてくれてありがとう。
合成獣、とは初めて聞いた。
恐らくは科学の為せる業なのだろうな。
しかし、貴方の危惧するような事にはならないと、約束しよう。
ゲッカには奇怪な姿をした魔物が多くいる。
だから、見かけに驚く程心臓は小さくないので安心して欲しい。
貴方の隣人達の心を傷つける事も望まない。
折角なので、貴方達にも土産を持っていきたいと考えている。
よければ、受け取って貰えると嬉しい。
そして訪問の日時だが、××月××日の午後×時でどうだろうか。
蓬儡
追伸
電子書簡の体験、とても興味深い。
是非体験してみたいのだが、ゲッカの妖魔はメカ音痴でな。
うっかり壊してしまわないかが心配だ。
現に、取り寄せた幾つもの機械を壊してしまっている。
不安であれば、貴方の利用しているところを見せて貰えるのだけでも嬉しい。
[手紙を折り畳み、封をすると配下に手紙を預ける。
どれ程の距離かは調べたが、なるべく早く届けばいいと思う。
相手もまた、どんな返事が返ってくるかを気にしているかもしれない。
それから男は、子供用の絵本にぬいぐるみ。
他の住民達用の土産の準備に奔走する事となる。
絵本は吟味を重ね、主人公の妖魔が、各地の悪者を倒す冒険活劇を絵本にしたものとした。
ぬいぐるみは、ベアーの身長よりも大きなテディーベア。
土産物は、リージョンに持ち込み可能な加工食品に飲料。
さて約束の日、再会は無事に叶っただろうか。*]
その手紙が来たのは送ってからさほど日が経ってない頃だ。
ベアーはいつものように仕事を……、今日の仕事は温室にある花の種に水をやり、花壇を作るためにいっぱい土を掘った。
花の種が土の中からちょこんと小さな芽を出していたので、今日のベアーは一日中嬉しいになっていた。
届いた手紙を中庭にあるベンチに座って読む。
「……ほめられた……」
いっぱい色んなことを教えて貰って作った物語、それを褒めてもらえるのはとても嬉しいことなのだ。
「よし!いっぱいものがたりつくる!」単純素直なベアーは褒めの言葉にやる気がみなぎり、新しく物語を作る気持ちがどんどん湧いてきた。
どんな物語を作ろうか、そう考えながら声に出しながら手紙を読んでいたベアーの動きが止まった。
「も、う、す、ぐ、あ、い、に、い、け、そ、う……」
もう一度読む。
「がぁどがくるの!?」
なんということだ!
ガァドが来るということはガァドが来るのだ。
物語の続きを教えて貰うことも、物語の続きを教えることもできる。
一緒に物語を作ったりもできるかもしれない。
これはベアーにとってとてもすごいことで、とてもすごいのだ。
「わ、わ!
たいへんだ……たいへんだ!!!」
居てもたってもいられなくなり、思わず駆けだすベアー。
その日の夜、興奮しすぎたベアーは熱を出したのだった。
――一方その頃
Z軸の座標が狂った場所で回転する研究員がいた。
手紙を読んでおかしくなったのだ。
手紙が来てからの研究員の行動は早かった。
輸送用の船に話をつけ、コンテナもレンタルする。
丁度しじまのうみの付近の荷物を集配する船があったため、その船に都合をつけ、回収してもらうことになったのだ。
決行日、輸送用にしては小型の船がしじまのうみの上空に現れた。輸送船はのろしが上がる場所を見つけるとそろそろとコンテナを下ろす。
コンテナの中には一枚の紙があった。
――リジェットX到着には数日かかります。
食料が必要かどうかわかりませんが、一応水と保存食を入れておきます。
多少の揺れはありますが、大きな揺れはないと思います。
睡眠時には寝袋をベルトで固定してからお休みください。
不便をおかけします。
そんなことが癖の強い字で書いてあった。
そうして出発した輸送船はあちこちのリージョンを回り、荷物を入れ、荷物を下ろしを繰り返し、リジェットXに辿り着いた。
微かに揺れながら下ろされるコンテナ。
コンテナが開けられた時、きっと多くの命がガァドを出迎えるだろう。
怒りのままに書き連ねたは良いが、
あれだけの激情が溢れたのも久々のこと。
結果としてまた、しばらく臥せっていた。
身体に負担のかかることはよくない。
わかってはいたが、抑えられなかった。
──それに、手紙のやり取りを
自分が行うようになってから。
以前まで考えなかったことをよく考える。
遠くのこと。明日のこと。未来のこと。
ずっと悔いてでもいたか。
ずっと寂しがってでもいたか。
それでこんな手紙でだれかを求めたか。
ぐるぐる、思考が回って頭が重くて、
そうして起きられない日が続いて、
気がつけば何通かの手紙が
私の元に届いていた。
…… こんなに書いたか、覚えがない。
ただ勢いのままに何かしてしまいは、
していたかもしれない。
ベッドに横たわったまま封を切る。
「 ──ッげほっ、ゴホッ!? 」
思い切り咽せ込んだ。しばらく肩で息をする。
呼吸が落ち着いても心臓は早鐘を打っていた。
指先がつめたい。
たんぽぽの押し花の便箋、それは良い。
ただ、内容に、最後のゴミ箱という署名に、
これは、これは……
「 ……ゴミ箱という名のリージョンに、
送ったつもり、は 無くて…… ぅ、 」
胃が痛い。
確かにこの部屋に無い、とは思っていた。
けれどどこかに紛れているだろうと思って、
だから誰の目に留まることもないと、
そう、安心し切っていて、…………。
しっかりと書き連ねられている内容を見るに
間違いなくばっちり読まれている。
最悪だ。何を書いたか朧げではあるが
碌なことを書いた覚えがない。
2通分届いたゴミ箱からの手紙は、
私のいる環境とは違う── 戦いの中に
身をおくことのある人のもの。
どこまでも優しい語り口と、
その、内容、……誰かを犠牲にして、
置いていって生き延びたひとの話。
それから、私が送った手紙は燃えたという
そんな朗報。いや放火は大変なことだが。
「 わたし、お礼言われるような、事、…… 」
リジェットVへ救助依頼の手紙を放ったあと。
泥の男は 残り2つの手紙を見る。
片方にはなぜか…すごく、見覚えがあった。
さらりとした表面の触感、紙の匂い。
いつか■も使ったことがある 印蝋の模様。
『…… エ、レ……ロ ン… ド…n…?』
…………苦く苦しい けれど確かにあった生命が
故郷と呼んだ 場所のそれ
『…………………………』
はじまりは 謝罪の言葉からだった。
きづくことが できなかったことへの。
事情も識らないのに放った 無責任な言葉にも。
……そして 同時に
愚かなことを願った者への…どうしょうもない怒りを。
■がうそをつかなければ
じぶんのふあんを だれかにうちあけられていたら
どこからどこまで うそで
どこまでどこから ほんものだったか
いまとなっては わからない
純粋な感情だけが なんとなく
心の中に 泥の中に漂っていた
茶色の文字が 君に言葉を選ぶ
マーチェンド へ
こんばんは。マーチェンド。
お手紙 うけとり まし た。
あなたの ことばも 。
……うそつき の ■の ことを
おもって くれたこと。
あのとき ものがたりを ほめてくれたこと。
…それを 後悔 するほど ■をおもってくれたこと。
……怒ってくれたこと。 大切に。してくれたこと。
………… とりのこされる いたみを しるひと。
■は とりのこすものはいない とおもっていました。
■は けれど たいせつにされていた んですね。
ありがとう。
■のことを 想ってくれて。しかってくれて。
ありがとう。
きえてくれるなと ねがってくれて。
…いろんなつながりができました。
いろんなつながりが あなたに巡り合わせてくれました。
いろんなひとが 物語を読んでくれました。
リジェットVというところのひとが
こんど ■を そこに連れ出してくれると言いました。
しばらくは たぶん そこにお世話になるでしょう。
しじまのうみも良いところですが
あまりになにもないもので。
……■は まだ 消えないようですので。
まだまだ消えないうちに たくさんたくさん
ものがたりを つたえます 。
みんなが あなたが 笑うことができる物語を。
妖精さんのおはなしは …心配です。
心配ですが……
………心配ならば 動いてあげて。
嘘のないあなたの言葉で。
想いをどうか捨てないで。あなたならできる。
言葉が 想いが 手を伸ばすことが
ひととひとを 繋げるのだから。
…また、逢いましょう。■はあなたに手を伸ばす。
また、話しましょう。マーチェンド。
親愛を込めて
物語を護るもの ガァド
書き終わった手紙を見返して。
別の紙を封筒型に折りたたんで泥で固める。
封筒に使われた紙。その内側に。
泥自身すら気づかない言葉があることに
物語が好きなあなたは気づいてくれるかそれとも否か
インクで記した文字が あなたに向けて文を書く。
原稿用紙と 全く同じ筆跡で
" 名探偵の失踪事件!杜撰なシナリオで悪かったが、
解いてくれたのがあんたなのはよかった "
" 俺はなかなか名役者だったろ? "
"稀代の大嘘つき H "
とぷり、とぷり。便箋の入った手紙を送る。
…………最後の時。浜辺で上げていた狼煙のもとに
コンテナがたどり着いた。 …
………また逢おう。せかいのどこかで。
/*
朝の一番いい時間を独占させてもらってしまった〜!
マーチェンド宛です!!!そぉい!!!!
ガァドの奥底のどこかに、エンタメ好きのお騒がせな名探偵の人格がかすかに残っているかも…ね〜?的なあれそれ!
/*
おはようございm ガァドおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
ってかH Hあなたね あなたまで もう
あああああああああああああああああありがとう!!!!!! うおおおおお これは これは
/*
作家はこういう気づく人には気づく仕掛け超好きだと思うから、
作家時代にも絶対隠しメッセージとかやってる。
本のカバー裏とかにこっそりメッセージいれる。強火ファン君、隠しメッセージめっちゃ探して見つけてそう
/*
旦那のお手紙にもじんわりしたり リジェットXへのお引越しにわくわくしたり しっかりばっちりイオニスに読まれちゃってたコルデリアにふふふとなったりしつつ
ぼくもこれからあれこれ 今日が実質最終日だとおもってがんばりま す !
(とは言いましたが、ぼくも皆様も無理なく!)
/*
>>-363まじこれ作家あるあるですよね!<気づく人には気づく仕掛け
封筒裏にはなんとか気づけた俺でした! こちらも ちゃんと受け取るので しばし おまちを!
/*
ほうらいさんのおてがみにじんわり…
なんというか、妖魔の先輩というか、優しい師匠というか
導いてくれている感じがすごく頼もしいし、
たくさん言葉を聞きたくなる。好き。
妖魔(キメラ?)としてはうまれたてだから、
きっとこれからもいろんな知恵を借りるためにお手紙書くんだろうな
あれから数ヶ月後の事。
煙霞山の執務室では、山主である男や配下達に囲まれていた。
鴆の討伐は出立より1ヶ月半程で無事に終わり、仕事の合間にパンパス・コートについての書物を取り寄せたり、『ウィラード・ヴァンダインの探偵事件簿』のシリーズを買い揃えて読み耽ったりしている内に、日々は過ぎていった。
年が明け、新年の祭りや翌年の豊作を祈願する祭りも終わり、ひと段落したかと思いきや。]
「山主、そろそろこちらの決裁に手を付けて頂かないと困ります。」
「師匠、小白に紙片を与えるのはやめて下さい!」
……最近忙しすぎやしないか?
[現実逃避をしている男は、小白──と名付けられた白い自動掃除機。半導体の放つ光が目のようにも見える──の進行方向に千切った紙片を散らしながら彼らに視線を向けた。
自動掃除機はごみを感知し、せっせと紙片を吸い込もうとする。]
「「だって、他のリージョンにお出かけになるのでしょう。
先々月はリジェットVに行かれたばかりなのに!」」
[配下と弟子は口を揃えてそう言った。]
[男は近々パンパス・コートへの渡航を控えている。
齊芸鵬が案内してくれる事になっており、城下を案内して貰ったり、下層民街を訪ねたり、かの地が妖精の住まう森であった痕跡も探してみたりする予定である。
書物で知る姿のみが全てではない。
自らの目で見聞きする現地の姿は何倍もの知見を与えてくれるはずだ。
つまり、滞在日数がそれなりに長いのだ。
緊急時には連絡が入る予定だが、それでも片付けておかねばいけない事は多い。]
分かっている。
分かっているさ。
愚痴くらい零させてくれ。
皆の周りでは良き山主として振る舞っているのだから。
[知る事は楽しい。
かつての不良公子時代に、もう少し勉学に励むべきだったな、と感じる。
実家には山のように書物があった。
けれど今更そのような事を言っても時は巻き戻らない。]
……山主の辛いところは、好きに旅行が出来ない事だな。
[うむ、と男は首を捻った。]
さて、仕事に戻ろうか。
[男は机に向き直る。
ゲッカはこの先どのように変わっていくのだろうか。
それを見守るのも男の大切な役目だ。]
/*
旦那あーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!
自動掃除機の名前が小白になった! そしてごはんまでもらってる! とにまにましつつ
パンパス・コートも妖精の森痕まで見に来ていただけるとは! とそわそわしております
蓬儡さんはお疲れ様! 忙しい中、〆まで落としてくださってありがとうございます……!
「 …………。 」
誰かを見捨てて生き延びたという自負、
そんなものを思いながら、生きてゆく。
わたしが幸いを願った彼ら側の視点。
ずっと、考えないようにしてきたが、
エンデにいた住民たちは、どんな人々だった?
思い出さないと忘れていく、
人の顔も、声も、行いも、すべて。
ぱたりと知らずのうちに涙が零れた。
ぼんやりとした頭のまま、ペンをとる。
ゴミ箱のお方へ
あなたをどう呼べばよいかわからないため、
すこし失礼な宛名になってごめんなさい。
捨てた筈のわたしの手紙を受け取ってくれて、
ありがとうございます。
お見苦しいものだったと思いますが、でも、
あなたが大事なことを思い出す役に立てたことは
とてもうれしいです。
わたしも、あなたからの手紙のおかげで、
考えないようにしていたことを、
すこし思い出すことにしました。
一人きりでずっと暗いところにいて、
身体を弱らせていると、どうしても
自分のつらさばかりが目についてしまって。
わたしが幸せになって欲しいと願っていた、
確かに好きだった彼らのことを思い出すことも、
今の一人きりを更に苦しめるから。
だから皆と一緒だった頃を、楽しい思い出を、
遠ざけようとしていたのです。
幸せそうにしていることを恨むように。
そうしたら、恨みつらみばかりが
思い浮かぶようになってしまいました。
わたしは確かに、幸せでいて欲しいと願ったのに、です。
お礼を言うのはこちらの方です。お陰様で
彼らのことをまた思い出せて、そして、
彼らももしかすると、エンデから離れたことを
どこか心残りに思っているやもと思い至れました。
みんな、ほんとうに優しく素敵な人々でしたから。
わたしが申し訳なくなるくらいに。
きっとこの言葉は誰にも届かない、
そういうことで、あなたにすこしだけ、
私の底の底にある言葉を伝えておきます。
本当は皆と一緒に生きていたかった。
あんな事件に巻き込まれず、それまでの
平穏で幸せで楽しい、あなた達との毎日を、
もっと過ごしていたかった。
それが一番良かったに決まっています。
誰も犠牲にならずにいられれば。
でもそうならなかったから。
わたしの分までたくさん、生きてほしい。
無責任だけれど、あなたが幸せにしてくれれば
わたしたちはそれを守ることが出来たと
喜ぶことができますから。
大切なこと、わたしも思いだせました。
あなたの言葉があれば、呪いも濯がれそうです。
つらくなったら、またよんで、思い出します。
皆をすきでいられるように。
本当に、ありがとう。
たんぽぽの私より
相変わらず弱い筆致とたんぽぽの押し花の便箋。
それらにより無事に手紙が届いたとわかるだろうか。
どこからかやってきた手紙はまた、
どこからかあなたの手元へと届く。
── 見捨てることを選ばせてしまった、
そういう負い目は、こちらにもある。
ゴミ箱の子の相手も、きっと。
遠くにいるエンデの住人たちも、
そう思い悩むことはあるんだろうか。
── 考えはしなかったけど、きっと。
丁寧に封をして、書き損じを片付ける間際。
見覚えのないメモが数枚ぱらぱらと出てきた。
意識が朦朧とした中で、なにかしてしまったか。
首を傾げつつ、目を通していない手紙を見ていく。
休み休み、ずいぶんと時間をかけながら。
ところでこの日届いたベアーからの手紙では、俺の名は一貫して「まーちぇんど」になっていた。
……俺、一番最近の手紙では「マー・チエンドゥー」の名の方だけ書いたんだけどな? 書いた筈。その筈だ。ああ。……だよな?
――お前さんには、そっちの方が呼びやすいんだな。
ってことで、俺はこの時から、ベアーに対して名乗る名を変えることにした。
「チエンドゥー」としての過去の俺を知るティーグたちと、「はじめまして」の実験体たちは違う。だから俺はあくまで今の俺として、ベアーに向き合うことにしたんだ。
――あの研究所の理念を疑わなかった、若すぎた頃の俺が
数字や記号、種族特性でしか見てこなかった
あの生命体たちの中に、アイツもいたんだろうか。
――ベアーは、顔を合わせたこと、
あるんだろうか、
――いや。今は、過去のことなんてどうでもいい。
あの場所だって「いっぱいかわってるかも」しれないんだ。
大事なのは、今の俺であり、今のベアーだろ?
『ベアー
よお、びっくりさせたな! マーチェンドです。
おれも ベアーからの てがみがきて うれしかったよ。
へんじを かいてくれて、ありがとうな!
そうだな、おれが いなくなってから
だいぶ ながいじかんが たっているから、
そちらも いっぱい かわっているだろうな。
もりも かだんも おれがいたときには
たしか、そちらには なかったとおもうんだ。
だから おまえさんに リジェットXを
いっぱい あんないしてもらう つもりさ!
ベアーのすきな ばしょ、くさばな、けしき、
いろいろなものを たくさん みせてほしい。』
『それに、ベアーのなかまや ともだち、
ティーグのおっちゃんや おっちゃんのなかまたちとも
あって はなしができたら うれしい。
もちろん おいしいごはんも いっぱい
たべさせてもらえたら うれしいぜ!
ベアーのすきなたべものも どんなものなのか
きになっていたんだが……
おまえさんが かいてくれた たべものの えが
みずにぬれたみたいで みえなくなってしまってな。
とてもざんねんだが、おれが かえってきたときに
ごちそうして もらえるのを たのしみにしている。
しかしおまえさん、えを かけるなんて すごいな!
おれは じつは えをかくのが にがてなんだ……。
じっけんちゅうのスケッチを かくのも へたで
かあさんを よく こまらせていたよ。』
――過去のことなんて、どうでもいいって、
思ってたのに、なあ。
――まあ、いいか。
気になるようなら、俺かティーグかに
聞いてくるだろうから、これはそのままにしておこう。
『おれの すきなたべものは いっぱいあるんだが、
きのうは フィッシュ・アンド・チップスを たべたんだ。
さかなのタラの しろいきりみに、
みずと すと ビールでといた こむぎこをつけて
あぶらであげたものと、
ほそくきった ジャガイモを あぶらであげたものを、
ばくがでつくった すと、つぶしたまめと いっしょに
たべる りょうりなんだ。
タラにたっぷりとつけた こむぎこの ころもが
さくっとふわっとしていて おいしいんだぜ!
これをたべながら ペールエールっていう
さけをのむのが すごく すきなんだ。
(ベアーが さけをのめるかは わからないが……)
ベアーたちにも ぜひ たべてもらいたいが、まずは
ベアーの すきなたべものを たべさせてもらうほうを
たのしみに しているからな!』
――実際、あの実験体ってさ、
ていうかベアーってさあ……
アルコール、大丈夫なのかね??
アイツらと共に残っているあの面々が、酒の悪影響をモロに受ける生命体に酒を飲ませるなんてことはしない。俺はそう信じている。信じているからな?
ってか本ッ当に、俺、勉強ロクにしてなかったな……。
『そういうわけで リジェットXに
かえれるひを たのしみにしている。
ベアーも たのしみに まっててくれよ!
マー・チエンドゥー
あらため、マーチェンド
ついしん
ここからしたの ぶんしょうを そのまま
おっちゃんに みせてあげてくれると うれしい。
ティーグへ。
ウルスラ先生の身に起きたことについては、
……事故の責任を厳しく問われたことも含めて、
特にベアーには伏せなくていい。
孤児だった俺があの人に拾われてきたってことも。
もう既に話してるかもしれんが、俺からも一応、な。』
「…――チエンドゥー、貴方はペリエンスの一員です。
ここで行われる実験と、生命体の製造は、
この世界全てにとって、とても大事で、価値ある仕事。
それ以外のことは、何も考えなくてよいのです。
それを胸に刻んで、勉強に励んでくださいね」
「はい、義母さん――」
「いいえ。私のことは“先生”と呼びなさい。
私は貴方の親になりましたが、それ以上に
私はあなたの教員であり、この偉大な研究に
携わる研究員のひとりなのですから」
「……はい、ウルスラ先生」
「……、何ですか、このスケッチは。
観察対象の特徴がまるで捉えられていない。
それにこの描線。私たちは美術家とは異なるのですよ」
「これでも頑張ったんですよ俺!?
これでダメならどうすりゃいいんですか、か……先生」
「そうですね……、ティーグに聞いてみなさい。
年頃の近い相手の方が、貴方に対して
より適切に教えることができるかもしれません。
……あの子は貴方とも仲良くしてくれているようですし」
「…――先生、やっぱり俺、研究者やるよりも
世界中の不思議に出会いに行きたいです!
別に冒険者になるとかじゃなくって、
貿易商! 雑誌で見たああいうカッコいいのになります!」
「ちょっと貴方、一体何を言って―― ………
いえ、貴方はやはり、そういう性質なのですね。
貴方がそう望むのであれば、仕方ありません。
機密事項の口外さえしないと誓えるなら、
チエンドゥー、貴方の好きなように、生きなさい」
“チエンへ
たまにはペリエンスに戻ってきなさい。
すぐにとは言いませんし、
研究職に戻れということでもありません。
てみやげ一つ持って顔を見せてくれればよいのです。”
“ウルスラ先生
すみません。今、商談で立て込んでいて、
ペリエンスにまで行くのが少し難しいです。
取り急ぎ、ご連絡まで。”
――ミステリー作家の仕掛けを隅々まで読み解けるアイツなら、
あの何気ないメッセージの裏側にあった
苦悩にも、気づけたんだろうか。
……そんな後悔が先に立たないってことくらい、解ってる。
ああ、今はそれよりも、ベアーに宛てたこの手紙を投函して、バラ・トルーパーズへ出航する方が、大事だろ。
/*
たんぽぽの人のお手紙にじわっとこみあげてしまって もう ……!
そしてぼくもひとまずここまでおとしながら 押忍の勢いでいきま す
/*
うおおおお コルデリアああああ
このまま幸せルートにはいれえええええ(毒マロの如き小瓶を投げつけながら)
となっているお昼です。こんにちは。
ウルスラ先生、子供を研究者として親として導こうとものすごく頑張ってたの伝わってきていい…
古びた鞄を持ったまま、
ぼんやりと空から訪れる小船とコンテナを見上げる。
そらをとぶふね。しじまをうかぶふね。
きみのところに むかうふね。
コンテナの中を覗き込むと、思いのほか広さがあり、更には保存食や水の入ったケースや寝袋なんかも備えてあった。思っていた以上に良い待遇で少し驚いたが、なんてことはない、しじまのうみの向こうの彼が、泥を化物ではなく『生き物』として『人間』として認めてくれている証だと、しばらく考えてようやく至った。
…そっか。そういうものだよな。
ひととひとが つながるってことは。
鞄をコンテナの中のベルトの一つに固定し、移動中に動き回らないようにすれば、これにて準備は完了。
ゆっくり閉まるコンテナの戸を見ていると、はるか向こうに静寂の海が見えた。今日も静かな、しじまの海。いろんなものが流れ着く。今日も小瓶は波に砂浜に乗る。
…ん?小瓶…? ……お手紙?
ごごごごごッと閉まり続けるコンテナの扉。
思わず腕を伸ばして、絡めとるように小瓶を掴んで引き上げる。
グルンっ!!!という音が立ちそうなほど飛び跳ねた小瓶がコンテナ内に着地したと同時に、ガチャン!とコンテナが閉められたのを理解した。
古びた鞄の表面には、光るキノコの胞子が移っていて
それが手元に残ったそれが
間に合ったのだと、理解させてくれた。
縦型の封筒。小舟の印紙。
流れ着いた。流れゆく。
混沌の海にともに漂う同舟の友。
光るきのこの明かりは
緑釉色のインクをよく照らす。
泥の男はニコリと笑う。
例えば、物語の順番のこと
本が見つかったら 物語の前後がわかったら
どれくらい驚いてくれるだろう。
もっとたくさん 物語の話がしたい
例えばゲッカの人間の成り立ちのこと
地域で呼び名が違う。ややこしい。
けど…同じものもある。
彼と■がおなじものなのはうれしい。
たとえば…己の泥が持ち続ける
きっと捨てられないもののこと
…どんなに苦しい過去も記憶も意味のないものではないと
うけいれることで…あたらしいものがみえること
/*
一日終わりを勘違いしていました。
お恥ずかしいの一撃。
皆さんのロルを見守りつつ、思いついたロルがあれば落とし、ロルを拾わせていただくかもしれません。
いつか ゲッカにも
いってみたい なあ。
このへんじは なにを かこう。
どんなものがたりをおくろう。
そんなことを思いながら揺れるコンテナで揺蕩っていた。
しばらくの長旅。
荷物をおろしては浮かび おろしては浮かび。
そんな中で様々考える。
この旅の間に 返事を書きたい人がいる。
随分後回しにしてしまった バラ・トルーパーズの君へ**
/*
あるある
ほーらい宛はこんな感じ!!!リジェットVについて色々落ち着いてからお手紙送る感じになると思います〜!(本編内ではここで〆)お手紙、お付き合い本当にありがとうございました!!!
とりあえず一旦ここまでで、夕方にコルンバ宛返すよ〜〜
/*
ちゃんと終わりに向けてまとめてゆかねば
マーチェンドさんからの手紙はちょっと前後しますとお伝えしますね 来てくださるそうなので
しあわせにしぬぞー(謎の意気込み)
/*
皆のやり取りもニコニコ見ています
蓬儡さんはどんまい!
投げられた毒瓶を私も投げ返したい(?????????)
……まあ、経験の浅い役人だったんだろうな。
数多の種族とルーツの住民が行き交う“軍勢の砦”とて、応対のスペシャリストばかりが揃ってるって訳じゃ、ないんだろう。
「大変ですね、
わざわざ残っている人の支援なんて」
こんな一言をぽつりと零しちまうなんて、な。
まだ栄えていた頃のエンデの陽の光の下で、何気なく出会った子供たちの中に、もしかしたら、幼かった頃のあの人もいたのかもしれない。
それでも、その人からの手紙には書いてあったんだよ――「病床の私に」って。
その文面からは、何の病気かは知れない。慢性的なものか否かもしれない。それでも、考えられる可能性はある。
……そういえば初めに届いた手紙には、血の痕が残ってたな。
それにコルデリアの他にだって、残ることを決めた人はいた筈だ。「一人を残して全員移住」なんてニュース、聞いた覚えはない。
そしてあの
「逃げたくても逃げられない人も、いるんですよ」
俺だって大人だ。ここであからさまにキレることはしなかったさ。
それでもこの一言は、ちゃんと伝えておこうじゃないか。
「……、そうですね。
審査には数日かかることがありますので、
今しばらくお待ちください」
……とりあえずこのお役人様も、咳払いしたところをみるに、自分が言ったことの意味はちゃんと解ってくれたか。
その後は、民間の物質解析機関へと。
封筒の中に収めた例の泥がどこのリージョンのものかっていうのを調べるのにも、また数日かかるとのこと。……まあこの話がどう転んだかは、後程。
そういう訳で、この日はとあるビルの上層階を用いたホテルに泊まることになった。……いやー眺めいいな、この部屋!
それから日を跨ぎ、まだ申請の審査待ちだった頃。客室の郵便受けに3通の手紙が届いた。いずれも封筒の形で届けられたその3通の差出人を、まず確認する。
ひとつは蓬儡の旦那からの、いつも通りの封筒。印紙に描かれたルリノドハチクイが鮮やかに留まる。
それから、泥で貼り合わされた封筒――この装丁だけで分かる。ガァドからだ。
そして、無地の封筒。 ――――――…。
差出人名の記されていないその封筒の紙は、よく知る触り心地のそれだ。
俺は思わず、そちらから先に封を開けていた。
――…………………………。
中に入っていた、封筒と同じ材質の便箋は1枚のみ。
まるであたかも“取り急ぎ”だと示すように、至って短い文面がそこには綴られていて――…
「エナガ、さんッ、……あ ああ、
よかった。 よかっ、 た、 ……」
具体的に一体何が記されていたのかは、ここでは秘密にさせてほしい。
ただ、少なくともこれは凶報じゃあない。
ちゃんと、心から、胸を撫でおろせる手紙だったさ!
それからややあって、俺はひとまず、旦那からの手紙に先に目を通した。
この時の俺にはもうエナガの無事が判っていたから、パンパス・コートのくだりについても幾らか心穏やかに読み進めることができた。もっともヘロンの気掛かりもありはしたんだが……あの妖精が大丈夫だと思えただけでも大分違ったさ。
妖魔と人間の時の流れ。『パッセリン』の“女将”たるエナガのこと。
煙霞山の山主たる蓬儡とのこれから。そして、その山主の
そしてあの、望崋山の齊芸鵬のことも。
――…………………。
――通過儀礼か。
通過儀礼かあ。
通過儀礼かあ………………………。
まあ、この件は一旦置いとこう。何時かは向き合うことだ。ああ。
あのエンデの美術家――コルデリアの友人と思しき人――についても、やはり望崋山の線が濃いとみていいだろう。
だが、そこから旦那が続けた話は、意外なものだった。
「おい、待てよ。それって……」
あの小惑星に残っているのはただひとり。コルデリアだ。つまり旦那とあの人もまた、手紙の遣り取りをしているってことになる。
エンデからの移住民が煙霞山の麓にもいると分かっていたとはいえ、まさかこんな縁があるとは考えてなかったもので……。
――あの
最後に添えられた追伸まで読み終えて少し考えながら、便箋を硬質なテーブルの上に置いた。
……ハルガハラに災厄が来る可能性? ないない。自分が行けば騒ぎになるって旦那もちゃんと書いていたし。ああ。
――…しかし、なんだか懐かしいな、この匂い。
まあただの白檀っていえば白檀なんだが、なんとはなしにこうも感じちまったもんだ。
そりゃゲッカに行った時に、短期間ではあったんだが、精神修養の術の会得の為に修行をさせて貰ったことがあってさ。その時に白檀の香が焚かれていたようには覚えているんだよ。だがそれでこんな懐かしさを感じるってことがあるかねぇ。
……え? 修行に戻りたいなんてことは別にないからな? まあ噂の例の通過儀礼よりかはいいけどよ……。
『……ばあちゃん、また■■のこと言っていたよ。
■■が消えたの、もう何十年も前だけれど、
やっぱり、どこかで生きてるって思いたいよなあ』
『どうだかね。あれが例の怪鳥の所為だっていうなら、
流石にもうこちらには帰ってこないだろうよ』
それにしても、あの修行場にいた婆さん、消えたってヤツには会えたのかね。
ゲッカにまた行った時に、こっちも、もう一度訪ねてみるか……。
それから、ガァドからの手紙の封を切った。
――この封筒も、やっぱりあの原稿なのかね?
なんて考えたりもしたが、まずは本文の方から読み進める。
――………………………。
「当ったり前だろ、馬鹿」
なんてつい零しながら、その後に綴られたふたつの感謝に触れて。
そこから、さらに読み進めて――…
「……は? リジェットX??」
――いや。いやいや。いやいやまさか。
泥が微かについた手で目をこするなんて馬鹿な真似はしなかったが、まあそうしたくなるくらいには、一瞬、その文面を疑っちまった訳だ。それこそ妖魔かモンスターか術師にでも化かされたんじゃねぇかって勢いで。
だが何度便箋を見遣ったって、その語が記されているのには変わりなかった。
――本っ当、世間って狭いなァ!
このだだっ広い“混沌”でこんなことがあるなんて!
ついでに言えば、ガァドがやはりしじまのうみに居たんだってことも、この手紙から明らかになった訳なんだが……研究所のアイツらはやる時は本当にやるから、ガァドを連れ出せるのも早いだろうな。
ってか誰だったんだろうな、ガァドを連れ出すって決めたやつ。やっぱりティーグか? それとも……まさか……。
そんな訳で、俺はまだ解析結果が出ていない泥のことも考えちまいながら、まさかの顛末に思わず笑っちまったもんだった。
……ちなみにこの後、解析のキャンセルは断られた。当然返金も無し。そして解析結果は紛れもなく「しじまのうみ」だった。海賊の件ほどじゃないが、哀れんでくれていいからな。ああ。
最後に記された、あの妖精のことも――。
ああ、今の俺にはちゃんと笑って読めたし、確りと頷くことができたさ。
俺がちゃんと手を伸ばすことのできた
まだ消えないでくれている、この
俺は曇りない心地で、その便箋を机に置いて――。
「……っと、そうだそうだ」
忘れちゃいけないさ、今度の封筒裏の確認も!
「いろんなつながり」「いろんなひと」の元にも、おそらくあの
「………………ハーヴィス、この野郎ッ、」
俺は思わず吹き出し、声を上げて笑っちまいながら(ああ、防音設備がしっかりしたバラの宿で良かった!)思ったもんだ。
――全く、俺の為に、とんだ書き下ろしのあとがきを寄越しやがって!
こうして、2通の手紙への返事を綴ろうとした時に、通信端末に1件の通知が入ってきた。バラ・トルーパーズ内からの通信だ。
渡航申請の審査結果――許可。
指定された出立日時、及び滞在期限。
各種検疫について。等々――。
「よし。
クロウ。お前さんの護衛、頼りにしてるからな」
「マスター マーチェンド オマカセクダサイ
エレメンタルロンドン ニ ツヅキ エンデ デモ
マタ アナタヲ オマモリ イタシマス」
――倫敦の方で何かあったか? ああ、酒で寝落ちたことか。
まあそれはそれとして、俺らはこうしてついに、エンデ行きの切符を勝ち取った。切符っつっても、勿論俺らのトーチバードを飛ばす訳なんだが。
この切符を片道切符にする心算はないさ。俺も、クロウも、無事に帰ってくる。
――それに、コルデリア。
叶うならば、お前さんも連れて帰るさ。
この時の俺に“看取る”を超えた大それた目標を頭に思い描けたのは、旦那からの最後の一文があったから。
そして、「みんなが」「あなたが」「笑うことができる物語」。
あの物語の護り手からの、俺に向けた手紙の中でのそんな一文を目にしたばかりだったから、でもあったんだろう。
/*
お手紙読みなどしたりして大分前置き長くなりましたが、これからちょっと先にエンデ行き落とします(>>-384りょうかいです!)
時系列的にはお手紙お返事のほうが先になるかもしれませんが、お返事 しばらく おまち ください !!
>>-382そして蓬儡さんはどんまい!!!!!!
連なったメモは印刷のように見えて、所々に
人が書いたのであろう片鱗がみられた。
しかし。こんなメモ、あっただろうか。
内容を見るうちに想起されるものがあった。
漠然と思っていた疑問。
──何もかもなくなってしまったら、
始めからなかったのと同じなのでは
ないだろうかという思考。
それを紐解くように、見守るように、整った文字は綴る。
無機質でもどこかあたたかさのあるそれ。
わたしはおぼえている、という言葉。
「 ……、なんでも、見通されているようで
こそばゆい心地になりますが…… 」
何を生み出すことも何を残すこともない私を、
何かに残してくれるなら。
それ以上のことはないと、思う。心から。
メモの主にどう届いたものかはさだかではない。
ただ、前と同じように踏襲すればあるいは、と。
無機質なメモ帳に書き連ねる。
「 おぼえていてくれて、ありがとうございます
わたしも、あなたをおぼえています
わたしたちから、おわってしまったものがたりからも
なにかがつづいていきますように 」
そうまで書くのが精いっぱいだった。
相変わらず文字は薄く乱れて読みにくく、血も滲んている。
書き終えれば満足げにペンを握る力が抜けて、
そして、それから、次に目を覚ましたのは、
2(10x1)日後の事だった。
起きていられる時間は短くなっていった。
次に目覚めたときもまだ頭はぼやけていたが、
痛みや苦しさも一緒にそこにあった。
つまりは何をする気にもなれないけだるさの中。
予感めいたものがひとつあった。
いつ目を覚ませなくなるかももうわからない、と。
ならば起きていられるうちに。心残りの無いように。
起きるたびに届いていた手紙を、ゆっくりと読む。
思い起こしつつ、お返事を書く。
それを繰り返す。繰り返す。
――静かだな。
これまでのところ、生い茂る木々に変化は見られない。
陽の光が少しづつ絶えていく道を、まるで坂道を降りるようにして、進む。
――、静か、だ。
何かがささめくような音がする。けれどそれも、あくまで微かに耳の奥をさわる程度。
人間ひとりとメカ一機が駆けていくことで生じた空気の流れからの木の葉擦れのようでもある。
俺もクロウも一言も発さずに、闇へと向かう道を、進む。
――、………静か、じゃない。
ついに道を見失う程の暗がりに入り、クロウの腕部に装着された電気式の灯りが点いた時に、漸く、認識できた。
ほんの少し、ほんとうに少しずつだが、木の枝が、動いている。
音はこちらを追いかけるように。――じわり、じわり、と。
“突然変異を起こしたエンデの大樹は、
人間を養分とすべく侵食をはじめていった。
生きた人間が数を減らしていくにつれ、
得られる養分が大幅に減ったことで、樹木の進行は
穏やかになっていった模様。”
これは、ハルガハラの端末から得た情報のひとつだが――ああ、この“獣道”が侵食を受けない形でそのまま残されていたのは、外部の者が帰り道として切り拓いた道だったからだ!
つまりそこに生きた人間である俺が入り込めば、たとえ小さな獲物であっても、植生は再びその養分を摂りこもうと侵食を再開するってことになる。口元や皮膚からの呼気が植生を刺激している可能性を鑑みれば、肌の露出を抑えたのは正しかったんだろう。
まだ俺がここに来たばかりってこともあってか、幸い、木々の動きは本当に緩やかだ。だが――。
無機物であるクロウに背後を任せる形で、留まることなく駆ける。
万が一に備えて、鞘入りの状態で佩いた“燃える刀”の柄に、いつでも抜けるように片手を添えて。
こうして辿り着いたのは、半地下と思しき建物の前。
「思しき」っていうのは……そもそも全部地下なんじゃないかってくらいに辺り一面が暗くなっていたからだ。周囲の木々のせいもあって、地面の境目の位置も判り辛く見えたしな。
――バラの役所で伝えられた“配達記録のある居住地情報”とも、違いない、筈。
おそらく地下空間は、植生に対して壁と地面が防護壁の役割を果たしているんだろう。だからまだ人間が生存して生活を続けられるってことだ。たとえ病床に臥せっていても。
さて、出入り口と思しき戸をこちらから迂闊に開ければ、そこから内部の居住スペースに木々の侵食を招くおそれがあるから、戸を開けるなら家主側から開けた方が安全かとは考えたんだが……。
/*
ふへ…ふへへへへ。
ガァドさん、コルデリアさん、ありがと…。
そして、ヒーローの登場かな?
俺はクロウの単眼のカメラアイに目配せしてから、事前に取り決めたジェスチャーで合図を送った。
――呼びかけろ。
有機体の呼気を伴わない、メカの合成音で。
「コルデリア サン キコエマスカ?
マーチェンド ガ コチラ ニ キテイマス」
それから、さらにクロウに続けさせて――…
「マーチェンド ハ アナタ ノ
サイゴ ヲ ミトリ ニ キマシタ」
――違う! それやめるって俺言わなかったか!? もしかして指示漏れか!?
と叫びそうになったのを抑えてマスクの下で深呼吸一つした後、思い切って、俺の声で――言葉で伝えることにしたんだ。
「俺です、マーチェンドです。
コルデリアさん。俺たちと一緒に、この星を出ませんか」
壁越しにでも声がちゃんと届くように、マスクは外して。
――こうなったら呼気が外に漏れるのだって、気にしちゃいられない!
/*
たいへんおそくなりました が きましたエンデ!!!
ちょ ちょっと出入口周りどうしようかなと思って外からの呼びかけになっちゃいました が !!
(そしてコルンバ宛てのおてがみも ありがとう!!!!!)
/*
いや〜俺なんかがヒーローな訳ないじゃないですか大袈裟だなあwikiにやたらとヒーローものとか特撮とか例示書いていた村建て人です
あとちょっと前のこれ>>-302 まじでどうなんだって思いつつもゲームあるあるですよねこれ
(能力アイテムお買い物する際にわりとロマンに走るべきか否か悩みました)
"ゴミ箱"のお方へ、という宛名は、私に充てられたものだと
一目でわかったものだから、畏まって
「失礼な宛名になってごめんなさい」と謝る書き出しに
別にいいのに、なんて笑いが込み上げてしまう。
それと同時に、返事が返ってきたことに安堵した。
届いていなかった、という事もなかったようだし。何より
余計なお節介で迷惑千万な話というわけでもなさそうだから。
けれども浮かんだ笑みは、手紙の主の記す環境に消え去った。
もしも。
もしも私が誰にも手を差し伸べられずに
そして、ずっと一人きりになって摩耗し尽くせば
このひとのように、なっていたのかもしれないなんて
それくらいに、この人の語る苦しさや辛さ
大事な人に恨み言を、言いたくもない、幸せを願った人達へ
それを向けてしまう事への苦しみが、我が事のように感じた
仲間達との別離の時に、私もまた
「どうして私を一人きりにするの」と、
恨み言を言ってしまったことがあるのだから。
仲間の所為で、私は一人になったんだなんて
そんなことを絶対に考えたくなかったから
"助けを求めようとした仲間たちを無視して逃げ出した私"
それを真実だと思い込んで過ごしていたくらいには
その時の事を後悔していたから。
そればかりが浮かんでしまう事。
どれほど苦しいだろう。どれほど悲しいだろう。
だから、"たんぽぽ押し花の便箋の人"…
いや、"たんぽぽ"のあの人が、この事にどれほど苦しんだか
私の胸の痛みが教えてくれているようだった。
「……そうだね」
嗚呼、そうだ。
"ゴミ箱"で色んな人に助けられた時でさえも
私は仲間達との楽しい思い出を想起した事なんてなかった。
それらは全て、最悪の別離の記憶への呼び水となるから。
一人きりだと、孤独なんだと実感してしまえば
辛い事や悲しい事ばかり去来してしまうのは、理解出来た。
孤独という名前の毒に蝕まれて
自分の大事な人達を貶めて。
そしてそれに気付いたら今度は自己嫌悪が待っている。
この言葉は誰にも届かないから、と
少しだけ、と本音のようなものを記されたそれは。
「……そっか。」
この人の事が気になっていた理由。
それが予想から確信に至った。
どんな形であれ、誰かの犠牲によって永らえた命は
犠牲になった人が忘れることは出来ないのだけれど。
でもそれはこのひとも同じこと。
助けてと手を伸ばした結果、
その手を掴んだ人が犠牲になれば
大きな後悔を生んでしまうから。
それを選んだという事は、もうきっと。
このひとにとって、それしか選べなかったのだろうから
少しだけ、ほんの少しだけ。
弱い筆致だけどしかし、穏やかなように思えるのは
気のせいではない…と、信じたかった。
言いたいことがあるのなら
知り得る人に聞かせたくない事があるのなら
また、想いのままに紡いでください。
あなたの苦しみが少しでも癒えますように。
そして、好きでいられる「皆」の中に
あなた自身が含まれますように。
ゴミ箱の私より、たんぽぽのあなたへ。
私は読み終えた手紙を仕舞うと
抜けるような青空に目を細める。
涙を零すのは格好悪いかな、って強がったけど。
それはどうやら無駄な足掻きだったようで。
私の貌は、天気雨のようになってしまったのでした。
/*
隙を見てロールを落とすのだ…。
ちなみになんで一人で泣いてるのかって言うと。
コルデリアがイオニスには「自分を支えてくれた沢山の人」と
出会えなかった自分はきっとこうなるんだって感情移入しちゃって、コルデリアの境遇、選択にいたたまれなくなってるだけです。
バラ・トルーパーズの コルンバ へ
こんにちは。 こんばんは。
このおてがみが とど く ころには
■ は リジェットV という ところに います。
いま はコンテナのなかで ゆれています。
あらしがおわり てがみがとどき
そしてそういう であいをえました
ずいぶんと それで おへんじが おそくなりました
いろんなことが あって たくさんつたえたいが
ものがたりが あるけれど いまてもとには
なにもかいてない まっしろだけが あるので
はなすものがたりを えらぶのがすこしもったいないです
あやかしの コルンバ。
イニシュの ふしぎなようま。
もとのしまのようかいたちと けんかした。
それで おそとにでることになった。
…じぶんが よわくなると しても。
それは かなしい な ことにかんじます。
けれどふしぎと あなた は かなしいをかんじません。
…バラ・トルーパーズは どうです か?
きかいのこるんばも あやかしのこるんばも
バラ・トルーパーズは すきですか?
…なんとなく あなたは それなりに
あたたかなものを そこで えられているような
そうだといいなとおもいます
あの ものがたりにきょうかん してくれる。
どこかむねにいたいものをかんじる。
あなた も ぶきよう でしたか。
まわりをこまらせて しまうひとでしたか。
うまくはなせない
うまく たいせつなひとにふれられない
たいせつなひとに よろこんで ほしくて
けど、へんにおもいきって やいてしまったり
なつかしい。きが します。
とてもとても ■も それに こまっていました から。
くふう。くふう。
きもちを つたえるくふう。
いまの ■は じぶんのきもちも よくわかりません。
けれどつたえたい ものがたりがあります。
あります から …………すこしがんばってみます
きずつけ ないように おもいをつたえられるように。
……ありのまま の おもった きもちで
うそをつかなくて いいように やさしさを
■は そうしたいと おもうのです
…■ は ガァド。
ものがたり をつむぐもの。
じぶんぎらいが きらいなもの。
…コルンバのゆめが かなうように ねがうもの
いつか あなたのとしょかんに
■がかいたものがたりを おいてほしい
…■は あらしを ぬけました。
遠く遠くに いる はじめましての友人に
これから会いに行くのです。
…また おてがみかきます。
ものがたりをおくります。
いつか ふたりのコルンバのきおくが
おおきなおおきな としょかんになりますように
親愛をこめて ガァド
…そこまでしたため終わったところで、
ずうぅうん…と、大きな音を立てて、
コンテナがどこかへ着陸する。
…いつも通り荷物の搬入かと思ったが、そうではない。
なにやら やたらと騒がしい。
なんというか 周りを取り囲まれているかのような…?
…ゆっくり、扉が開いていく。
光がパアッ!と目をくらまして…何度か瞬きをして
少しずつ体を引き寄せて 外の様子を窺った
…たてものが みえる。
それから それから
にんげんと…にんげんと…
なんだか、ふしぎないきものがたくさん
■とにている かたちのこもいる。
おおきくて つよそうなこも いる。
なんかこっちをみて
かこきゅうおこしてるにんげんもいる。(なんで?)
ほんとうに ふしぎな けれどすてきなばしょ。
どうふみだせばいい?すこし、とまどう。
…けれど まわりをみる きみをさがしてみる。
…がんばって こえをかけてみる。
『 …ハ ジメ まして 。 べあー。 』
『 ■ノ なまエ は ……がぁど デス。 』
『… ミツ ケテ くれて アリガトウ 。 』
『 キミ に ズット あいタカッ た 。 』
『キミ と たくサン ものがたり を ハナシ たイ 』**
/*
コルンバ宛とベアー宛そいっそい!
拾い方、返し方はおまかせ!!!いたします…!!!
ツイターーー!!!!はじめましてキメラさんたちーーー!!!
/*
いっぽうそのころぼくは3通の返事を2通とか描いてしまったことに気づいたので>>258(PCカウントのほうに引きずられていた)
マーチェンドはちょっとエナガさんに殴られてこようね
そしてガァドさんもコルンバ宛てありがとう!!!!
コルデリアさんともども最後の最後になるかもしれないですが ひろいます!!!!
/*
そしてガァドさんはリジェットX上陸おめでとう!!!! おいでませリジェット!!!!!
ぼくも きあい いれてきます
ベアーに渡した種は、無事に植えられたらしい。
封を切った瞬間に封筒の中から甘い香りが溢れて、
それは中に入っていたらしき葉のせいだったと、
お手紙を読んで知った。
肝心の葉は配達の途中で砕けてしまったようだが、
香りばかりは無事に届けられた。
リジェットVも植物豊かな場所なのだろうか。
それとも、あちらこちらに甘い香りが漂う
不思議な場所なのだろうか。
人間以外の存在が沢山いる場所だとは
終ぞわからず、手紙からそんな空想をした。
わたしも、既にもともとの人の身より
すこしかけ離れた状態になっているとは
今のところ知る由もないのだが── >>4:-6
閑話休題。
ベアーさんへ
おてがみ、ありがとうございます。
花のたねもうえてくださってうれしいです。
花がさくまでじかんはかかりますが、
手をかけてせわをしたぶんだけ、花がさくことが
うれしく思えますよ。
よい花がさくことを、わたしもいのっています。
あまいかおりのはっぱも、ありがとうございます。
ふうとういっぱいにあまいかおりがしていました。
リジェットVも草木がたくさんあるばしょなのでしょうか。
なんだか、しんきんかんをおぼえます。
とおくにはなれているけれども、もしかしたら
きょうだいのようなほしだったのかもしれませんね。
コルデリア
書き終えた手紙を送る。
想像の上の話、どれだけ正しいかはわからないが、
そんな話を夢想した。
ガーベラの花が一面に咲く場所。
甘い香りの漂う、遠くの星の夢を見てその日は眠った。
蓬儡からの手紙もまた、良い香りがしていた。
こうも素敵な香りのものばかり受け取ると、
自分からの手紙は血の匂いなどしていないか
少々心配になってしまう。
前に送って、受け取って
だいぶ日数は経ってしまっていた。
そして私の体調の悪化も、著しくあって。
最後の手紙になるかもしれない、という予感はしつ、
終ぞそのことは書く気になれなかった。
相変わらずの強い植物の香りと薬の香り。
そして弱い筆致と乱れたままの文字に、すこしの血痕。
以前までと同じ便箋を使っているため、文字が多少読みにくくても
コルデリアからのものであることは分かるだろうが。
蓬儡様
またしばらく間が空いてしまいましたが、
お元気にしておられますでしょうか。
うっかりかしこまってしまうのは性分です、
あまりお気になさらないでください。
エンデのひとびとは、みな穏やかで、心優しくて、
受け入れてくださったあなたがたにとても感謝していると思います。
珍しい景色も楽しみつつ、絵をかいたりするひとも
もしかするといるかもしれませんね。
ゲッカの景色は、エンデのものとだいぶ違うようですから。うらやましい限りです。
[この手紙は、黒いインクで文字を綴った生成りの無地の便箋を、同種の紙で作った封筒に収めたもの……ということに変わりはないのだが、紙の表面の手触りはパンパス・コートからの手紙とはやや異なる。
また封筒の裏側は封蝋で閉じられており、捺された印章は
ただし印紙の絵柄は、バラ・トルーパーズの摩天楼と、その上を飛ぶ数多の渡り鳥を描いたものになっている。]
蓬儡山主へ
この度はお返事をくださり、ありがとうございます。
現在、私はバラ・トルーパーズで
この手紙を書いておりますが、
この手紙が山主様のもとに届く頃には、
私はエンデの地へ降り立っている頃でしょう。
まず初めに、先日いただいたお手紙において
エンデの民のために援助くださるとのお話を伺い、
私から山主様にお願いしたいことがございます。
私はこれから、エンデに現在も居住している
人間の民を訪ねに行くところです。
おそらく、山主様とお手紙の遣り取りをしている少女が
これから私が訪ねに行く民に相違ないと存じます。
そしてもし可能であれば、その者をエンデから連れ出し
ゲッカの地に連れてこられないかと考えております。
その際は、もし差し支えなければぜひ、かの少女を
煙霞山の麓に受け入れてくださいませんでしょうか。
ゲッカの地であれば、医療・気候風土共に
病身の者の滞在にも適しているかと存じます。
また少女の友人と思しき者も居住していることから、
彼女の移住先として適しているのではと考えたのです。
勿論、これはあくまで「可能であれば」の話です。
受け入れ自体もそうですが、それ以前の問題として
彼女がエンデからの移動を望まない、
そもそも私の来訪時に彼女が亡くなっていた……
ということもありますので、あくまで、
有り得る可能性の話としてお考えいただけたら幸いです。
この通り、私はこれから少し危険を冒すことになりますが、
必ず生きて帰りますので、どうかご安心ください。
山主様にお気に入りとまで仰っていただいた手前、
この身は死んでも死にきれませんから!
私と縁あったかの妖精の者に
ゲッカの景色を映した絵を見せるためにも、
そしてこれまでの旅のこと、ゲッカの将来のことなど、
数多の話を酒席で山主様と交わすためにも、
翼を奪われ墜ちた小鳥には、私は決してなりません。
ところで、山主様の放浪時代のお話については
この度のお手紙で、初めてお伺いしました。
人間の民のもと、貧しき者たちのもとで
直に暮らしたことがあるからこそ、
人へ寄せる思いをお持ちになれたのですね。
確かに、山主様のような心持の御方は、
ゲッカにおいて珍しいのだと存じます。
ですが同情であれ、憐憫であれ、
それによって動くことが人の暮らしの為になるならば、
譬え誰かがそれを偽善と呼ぼうとも、私はそれを善と信じます。
私がこれからエンデの地にて行うことも、
偽善といえば、偽善に過ぎません。
かの少女を「生きて連れて帰る」ことまでは、
当人から要望されたことではありませんから。
それでもこれが「皆が笑える物語」に繋がるならと思い、
この「やる偽善」を為そうと決めた次第です。
つい筆が走ってしまった最後の段落は、話の流れから言ってちと不遜な気もしたが……。
まあ、これは冒頭の用件に関わる話でもあるから、そのままにしておこう。
……本当に、これが叶うかどうかなんて、この時の俺には判りやしない未来だったんだが。
桃の花と茸のおすそ分けもありがとうございます。
お花見の文化は、昔のエンデにもありました。
まだ侵食されていない頃、住民たちがご飯や飲み物を持ち寄って、
気が付けば大規模な宴会になっていることもありました。
そのあたりはどこも変わりませんね。
お酒、飲める年齢ですよ。あまり強くないために二日酔いの記憶のほうがよく残ってしまっていますけれど。
人のほかの生き物は……しぶといものなら生きているかも知れませんが、外はどこもかしこも静かです。鳥が飛ぶ姿も見えませんから、おそらく樹木にのまれてしまったかと思います。
栞の絵が届かなかったのは残念ですが、謝らないでください。
リージョン間での手紙のやり取りには私も慣れていなくて。
友人がどこに行ったかはわかりませんが、フランクルという名前です。……何か縁がありましたら、よろしくお願いします。
さて、パンパス・コートについてですが、
かの王城と街は妖精の森を拓いて作られた地。
街の中にもその痕跡が所々見られますので、
もしよろしければ、そちらもご探訪ください。
「パッセリン」の女将である、古き存在の彼女に
敬意を払ってくださる山主様であれば、
かつての森の痕をお訪ねくださることを、
彼女もとても喜ぶのではないかと存じます。
山主様のお心遣いがあれば、ご心配要らないかと。
――何か書き忘れている気がするが、まあ、いいや。
後になってから気づいたんだが、多分俺はこの時、手紙の文面から「それ」を無意識に省いていた――「妖精の森のうち、まだリージョンの片隅の郊外に生き残っている森」の存在だ。
もっともこの森、数か月以上も前に俺のトーチバードが不時着したことで、木々には結構な被害が出ちまった訳なんだが。今から思えば、よくエナガに殺されなかったな俺……。
無意識に省いたのは、なんで、だったんだろうな。
別に旦那に意地悪をしたかった訳じゃないんだ。
ただ、なんというか。
……もしかして俺、あの
やはり、かの王国に詳しき御方は、
あの齊芸鵬様で間違いなかったのですね。
私にはエンデからの美術家との縁もありますし、
今後の商談のためにも、ぜひ山主様から、
齊芸鵬様にご紹介をいただけませんでしょうか。
如何なる通過儀礼も、ファッションショーも、
マーチェンドは喜んで承る所存であると、
何卒お伝えいただけたら幸いに存じます。
――………………。
『山主様、きっとお似合いだったのでしょうね』
『山主様、災難でしたね』
どちらの文面もここで書ける訳がなかったさ!!!
こういうコメントは……まあ酒の席で話して流す程度が……吉かねぇ……。
念の為に言っておくが、ここに書いたことに嘘は殆どないからな!
ただちょっと「喜んで」に自信がないってだけ……だから……な……!?
■■■■■■■■■■■■■■■■■
(何かを書いて消したらしい跡が残っている)
申し訳ないことに、この手紙からまた、
しばらく間が空いてしまうかもしれません。
それでは、また。
コルデリア
書き終えてまた閉じる。
これで終わりかもしれないと思いつつ、
もう少しいろいろなことを知りたかったとも、
心のどこかに残っている。
この人生の終わりに縁遠い人とやり取りができた。
何なら親切にもしてもらえた。
それだけで望外のもので、これ以上を望むべくは
本当はないのだろうけれど。
白檀の香は、しばらく痛みの和らいだ眠りを届けてくれた。
さて、自動掃除機と電子レンジの購入も無事行えましたので、
次回の来訪時に、山主様にお届けに参ります。
自動掃除機の方は白い月が如き形で、
見目だけでも麗しく愛らしいものですよ。
ハルガハラは、機械を愛する者にとってはまさに宝の山たる都。
騒ぎにならぬ形で訪ね歩くことが叶うならば良いのですが……。
最後になりましたが、
この度いただいたご厚情に、改めて感謝いたします。
私からの連絡は暫く途絶えるかと存じますが、
先にも述べた通り、私は必ずこの旅から無事に戻って参ります。
山主様もお変わりなく……というのは、
山の如き御方に言うことではありませんでしたね。
どうか、これからも良き日々をお過ごしください。
マーチェンド
/*
たんぽぽのひとにはさんでしまったので
まちぇもたんぽぽになってしまいましょうね
というわけで旦那宛て です が お返事は むりなく!!
ちょっとエンデまわりのこと書きたくてかいちゃいましたのおしらせです
/*
わ…ぁ…
見てます。
マーチェンドさんのお手紙でエンデの話題が来て、文通の事を話したのですが、追伸は本当に落とす直前に浮かんだんですよね。
PCが自分に出来ない事を託しているなぁ、と思っていたのですが。
どういう結果でも応援するし、コネとして使って構いませんので。
そうして眠ってまた数日。
しばらく夢見のよくなる手紙が続いていたが、
小瓶から出てきた泥に塗れた文字を目にしたときは、
また、息が苦しくなる心地がした。
前と違った、のは── もう怒る体力もなかったこと。
散々私のことを分かったようなことを宣うそれを、
じっと、凪いだ瞳で見て。
口の中に鉄の味が溢れるを感じながら、
せめてこれだけはいってやろうと。
ガァドさん へ
どうしてわたし、まだいきてるんでしょう
けれども、わたしはあなたのおもいに
つきあうつもりは、ありません
あなたの身に、なにがあったか しりませんが
じごくには、いってあげません よ
もうじき めもさまさなくなります、ひとりで
コルデリア
あの手紙から受け取った物はたくさんあった。
悔恨。怨嗟。苦悶に怒り。
見ず知らずの私の行いが許せないほどに、
たくさんの苦しみがそこにあって。
きっとガァドという人にもいろいろなことがあった。
助けたかった人に拒まれてしまい助けられなかった。
なるほどそれなら、私の行いをひどく糾弾する、
そんな思いにもなるだろう。
私の行いは、彼らを踏み躙るものだと。
「 ────、ごふ、っ、」
ごぼり、血をしどどに溢しつつ、
ぱたぱたとまた垂れていって。
赤いものがインクに混じるのを見つつ、
それでも手紙を書き終えた。
返事の上では気丈にしたけれど、
書かれていた言葉たちは、じくじくと
毒のように身体の中に残されていた。
地獄に行くのはいつになるだろう。
私のこの苦しみが終わるのは。
それを楽しみだと笑いとばせるほど、
今の私には余裕はなかった。
またしばらく悪夢を見る日々が続いた。
もうこのころには現実と夢の境目が溶け始め、
朝も夜もなにもなく、時間がただ続くだけ。
私がただ終わっていくだけ、そんなありさま。
だから、──── だから、思いもよらなかった。
自分の声以外を現実でまた聞くことになると。
その日もリジェットXはいつもと変わりはない。
ベアーは畑の草を採り、温室にある苗に達に水をやっているし、ゼラチナスは体の不純物を取り除くメンテナンスを受けている。
マチェットも研究員の手伝いで実験データを精査をし、定期船が来た時には丁度手が空いていたので研究員の代わりに荷物を受け取った。
通販会社の箱に学会の封筒、食料配送サービスの箱、そして自分宛の手紙。
マチェットはそれぞれの宛先の部屋に届いたものを置いていく。
そして自分の部屋にも。
結局、その日マチェットが手紙を読めたのは日が傾いたころだった。
ペーパーナイフで開封し、中の手紙を取り出して目を通す。
いつもと同じ品のいい便箋。
文章を読むたびに、マチェットは
――ああ、この人は誠に善き人だ。
という気持ちになる。
手紙を読み終えるとマチェットは手紙に記された日付を部屋にある端末のスケジュールアプリに登録し、リージョン内のローカルネットワークで研究員たちに共有し、これまでの経緯を説明した。
今までリジェットXに人が来たことは何度かある。
廃リージョン巡りをするもの好きな連中だ。
そういう時は研究員たちは実験体たちを隠し、訪問者に「このリージョンは廃棄されたが人が暮らしている」と説明していた。
だが今回は違う、ベアーに招待された人物が来るのだ。
今までの訪問者とは違い、こちらから招いた相手に失礼なことはできない。
話を共有すると研究員たちも好意的な反応を示し、気が付けば歓迎の宴を開くという話になっていったのには、さっすがのマチェットにも想像できなかった。
ともあれ、リジェットXの研究員たちはXdayまでどこか落ち着きなく過ごすのである。
「 …………、え、 と 」
しばらくまともな声も出してない身で、
まともな言葉が口から出てくるはずもなかった。
返事の代わりに出てきたのは激しい咳で、
看取りにきただの何だの──>>268>>269
その答えもろくにすることができなかった。
今日はやたらとリアルな夢だな、とは思ったが。
それだけだ。
誰かが自分をここから連れ出しに来るなど、
あまりにも都合のよい、夢のような出来事。
『蓬儡さんへ
日程ありがとうございます。
私たちにまでお土産があると聞いて、大変うれしく思います。
こちらの方ではささやかながら歓迎のパーティするつもりでいます。
私たち……ベアーが作った野菜を使った料理をぜひ、召し上がってください。
あなたがとても善き人で良かったと心から思っています、
あなたが訪れるその日を今から心待ちにしています。
マチェット』
『追伸
今は使っていない通信機器がいっぱいあるのでご安心を。
折角なので、映像を撮れる通信機器の使い方をお教えできれば、と思っています。
蓬儡さんの住んでいる場所がどんな所か、私たちは知りたいのです。
映像を送っていただけたら、きっとベアーだけではなく、私たちも、研究員も喜ぶでしょう。
ぜひ使い方を覚えていってください。』
「 あ、──── 」
ベッドから立ち上がって、玄関に向かおう。
そうして身体を起こそうとして、転ぶ。
ずっと寝ていた身体の筋力は落ちきっている。
立って歩く力もほとんどない。
肩で息をしながら、ぜえ、はあと呼吸をしている。
玄関の外にいたならば、きっと、
中でなにかが倒れたような物音だけは聞こえるだろう。
[この手紙の宛先の住所は、リジェットX。ただし宛名書きは「ガァド」になっている。
それ以外の装丁等は、以前に
ガァド
こんにちは、ガァド。マーチェンドだ。
この手紙をお前さんが読んでいるなら、
無事にリジェットXに着いてるってことだろう。
お前さんからの感謝。
たくさんのひとと、繋がりを得たこと。得てくれたこと。
物語をこれからも伝えてくれること。
全部、受け取ったさ。
俺からも。
本当に、まだ、消えないでくれて、
こうして、手紙を届けてくれて、ありがとう。
……俺に手を伸ばしてくれて、ありがとうな。
実はあの後、色々悩んだんだが、思い切って、
あの妖精に手紙を出してみたんだ。
そうしたら丁度今日、返事が来てさ。
端的に言えば、「無事だ」ってことだった。
あのひとに手を伸ばして良かった、って
心から、そう思えたよ。
だからこれからも、伸ばした手を離さない。
――あのひとのことも、お前さんの思いも、
裏切ったりなんてしないさ。
それと、リジェットXには、俺もいつか帰ってくる。
お前さんに会いに行ければっていうのもあるが……。
あのリージョンは、俺の故郷なんだ。
そっちには俺の友人もいるし、
手紙を通じて交流のあるベアーもいる。
お前さんを連れ出してくれたやつが
誰なのかまでは分からないが――…
ぜひいろんな話をしてやってくれ。勿論、たくさんの物語もな。
俺はこれから少し連絡が途絶えると思うが、
お前さんにはいつか必ず会いに行く。
だからまた、話そう。ガァド。
親愛を込めて
境界を往く商人
マーチェンド
追伸
どこぞの大噓吐きへ
稀代の作家先生がまさか稀代の役者だったとはな。
よくもまあアンタ、こんな舞台を寄越しやがって……
だが終わってみれば、ああ、楽しい舞台だったさ!
粋なあとがきの書き下ろし、ありがとな。
さて、そろそろここで話してもいいかね。
あの妖精から――エナガから来た手紙は、こうだったんだ。
“火の鳥の あなたへ
小鳥は片眼を奪われても
翼まではもがれなかったわ
あたしは、無事よ
小鳥は のこされたひとみで
可愛い火の鳥と烏の帰りをみつめているの
柄長の鳥 より”
……この便りに俺がここでしたためた返信は、また後程。
――血の匂い。
口元に垣間見える赤。
戸を開け放った上でのこの状態のままなら、間違いなく、彼女も俺も植生の餌食にされる。
まさか>>-406の可能性までは、この時の俺に考えられることじゃなかった。
「……ああ、もう!」
思わず毒づいたのは、相手の意思を聞かずして、この人を強引にでも背負ってここを出ようと考えてしまったから。
――文句があるなら耳元で言いやがれ。聞こえたらその場で下ろしてやる!
――でもこの人は、おそらく、この身体で、
わざわざ、この玄関口まで来たんだ。
「ちょっと今から、アンタを背負って連れ出しますよ!
俺の背中で死んでもいいですが、
できれば生き伸びてくださいね!」
それだけ言ってから、俺はその人の――コルデリアの腕に手を伸ばした。ここで拒まれなければ、そのまま背負いこむ心算だ。
うっかり血がこちらの身に付いたとしても、構うものか。
……あからさまな病人のものに限らず血に触れるのは基本的にマズいんだが、今はそうも言っていられない!
/*
おまたせ しました !
そしてさすがに むりは しないで こんやは ここまでに します ……!
連れて帰れるなら連れて帰ってエンデを発つし、その場に留まるなら留まるし……という感じで、マーチェンドは基本的にコルデリアの意思に沿う形で動きますので、
いない間の動かしはほんとうに自由におこなってくださってかまいません……!**
[エンデの者との面会の席は、彼らの住む邑の近くにある役場で設けられた。
護衛を連れての移動は、先だっての強行軍と比べれば散歩と同じようなものと言えるだろう。
邑長は人間が務めているが、周辺の邑々を管理しているのは男の配下である。
彼らは役所と屋敷を持ち、役人としてその地に住みながら、周辺の警邏をする者の管理や有事の対応、管轄する邑の状態を定期的に報告する義務を持つ。
男の信を得なければ与えられないこの役割は、十年の周期で交代する。
先ずはかの地の役人を務める紀淑玲に出迎えられた。
相手の立場に立って考えられる性格を買って、移民の受け入れ先に選んだ。
彼女はエンデの移民を受け入れてからずっと、この地でずっと役人として見守ってきた。]
久しいな。
手紙に書いたように、貴女の仕事ぶりに不備があったわけではない。
ただ、彼らの顔を見て、話をしてみたいと思ったのだ。
[後で酒でも飲もう、と伝え、エンデ出身の者達が集まる部屋へと向かう。
予め、ゲッカの暮らしで不自由していないかを聞きたいだけと伝えておいた所為か、不安な様子は見えなかったが、ゲッカの山主との面会という事で恐縮した様子だった。]
はじめまして。
煙霞山 山主 蓬儡だ。
今日は時間をくれてありがとう。
[ゲッカの作法に習い、拱手して首を垂れている彼らに顔を上げるように促す。
男が腰かけるのは役人の使っている椅子で、彼らは石畳の上に敷かれた絨毯の上に座っていた。
代表者とは受け入れ時に面会をしていたが、善良な人物だった。]
貴方達が故郷を離れて、数年になるだろうか。
出来る限り、魔物の出現のない地を選んだ心算だが、それでもゲッカという異文化に慣れるのは大変だっただろう。
けれど貴方達はこうして煙霞山の一員となってくれた。
主として、今後も貴方達の生活を守る事を約束しよう。
今回は、縁あって貴方達の同胞とやり取りを交わし、貴方達の事が気になってこうして場を設けて貰った。
……その人は今もエンデに暮らしている。
体調は優れないようだが、貴方達が健やかに過ごす事を願ってくれているよ。
[その中に、はっとしたような顔をした人がいた。
唇を噛み締めるような人がいた。
彼らは、エンデに知り合いを残してきた者かもしれない。]
貴方達には、このゲッカでこれからも健やかに暮らして欲しい。
そう願うのは私も同じだ。
何か困った事があれば、紀淑玲を頼りなさい。
彼女は真面目なひとだ。
私に動く必要があれば、きっとすぐに伝えてくれる。
役人なので数年後に交代するが、貴方達が困るような事にはならないようにする。
そして、エンデに縁のある商人が、貴方達に会いたいと願っている。
その際に、望崋山にいる者達とも会う機会を設けよう。
旧交を温める機会に利用してくれ。
さて、私から伝えたい事は以上だ。
[そうして椅子から立ち上がり、絨毯の上で胡坐をかいて座る。
配下の者や、エンデの元移民達が息を呑んだのが分かった。
男は笑顔を向ける。]
貴方達の口から、此処での暮らしについて聞きたい。
そして、差し支えなければ、貴方達の故郷の事も教えてくれないだろうか。*
[マーチェンドの手紙を受け取ったのは、面会が終えて屋敷に戻った翌日の事だった。
これまでの紙と手触りが異なるのは、やり取りで使い切り、新たなものを買い求めたのだろうか。
封蝋で閉じられている事と言い、少し雰囲気が異なっているように見えた。
男は、摩天楼の上を飛ぶ渡り鳥の群れの絵柄の印紙が貼られている封筒の裏を見る。
ゲッカでは馴染みの薄い―─昔には公的なやり取りで文箱を縛る紐の結び目を粘度で覆い、印を押す習慣があったが、今は廃れて久しい─―印章をしげしげと眺めた後、封筒の上部を切って中を開く。
エンデの地に降り立っている、という言葉に目を見開いた。
そして先の手紙に書いた文通相手の事を、彼は知っていると。
彼は、彼女をエンデから連れ出して、このゲッカに連れてこようと考えているらしい。
勿論、男に否やはない。
男はゲッカの山主であり、己の領域外の事に手を出す事に対して忌避感がある。
リージョンを渡る商人という立場の彼であれば、エンデに住む彼女に会えないだろうか。
彼女に何か出来る事が思いつかないだろうか。
──援助という言葉に、ひっそりとそうした願いも託した。]
全く、やってくれる。
[そう呟く男の胸は熱くなっていた。
エンデの地は樹木で覆われている。
当然、無策で飛び込んだわけではないだろうが。
今は彼とコルデリアの無事を祈るしかない。
もしも間に合わなかったとしても、彼は適切な処置をしてくれる事だろう。
その後の返事にも一通り目を通した後、男は万年筆を手に取る。]
[宛先の住所は「トーチバード」と、船体識別番号になっている。
印紙の絵柄は水辺に佇む丹頂鶴。
ゲッカでは姿が美しく、徳高く高貴な存在として人気のある鳥だ。
封筒と便箋は、前回と同じもの。
緑釉色のインクで書かれた文字からは、少し興奮した様子が感じ取れるかもしれない。]
マーチェンドへ
手紙の返事をありがとう。
随分と忙しい時に手紙を書いてくれたのだな。
貴方の願い、煙霞山 山主の名において聞き届けよう。
何故なら、それは私も望んでいる事だからだ。
彼女に出来る事があるのならば、私も手助けしたい。
けれど私の思考はゲッカに骨の髄まで染まっていて、領域外の事に踏み込む事に忌避感がある。
貴方は図らずと、それを叶えようとしてくれているのだ。
その為には、私の伝手は何でも使っても良いぞ。
もしも間に合わなかったとしても、その時にどうするかは貴方に委ねる。
故郷に葬ってやるのも、友人のいるゲッカに葬ってやるのもいい。
どうか、無事で帰れよ。
私も、貴方とは沢山話したい事があるのだ。
貴方の知り合いの話、その知り合いに見せる絵にはゲッカの何処の景色を書かせればよいかも決めて貰わねばならないし。
機械の話に、これからのゲッカの話もしたい。
他にもいくつか手紙を交わしたひとがいるのだ。
もしかすると、貴方も知っているリージョンの者かもしれない。
放浪時代の話は初めてだったか。
あの経験があったからこそ、今の私があると言っていい。
父上に放逐されなければ、人間の暮らしの事は電文と言った形でしか知らなかったろうし、山主にもなっていなかっただろう。
怪我の功名という奴だな。
ありがとう。
貴方に肯定して貰えると嬉しい。
貴方の言う通り、人間の事を単なる下僕としか考えていない妖魔も、このゲッカに多くいる。
けれど、私と考えを同じくする者もいるし、そうした者を増やしていきたいと考えている。
貴方の「やる偽善」は、善なるものだ。
少なくとも、私はそう思う。
「皆が笑える物語」に繋がる事を願っている。
パンパス・コートについて教えてくれてありがとう。
それでは、かの地へ赴いた時にはそちらにも行ってみようと思う。
勿論、先住であった「パッセリン」女将に挨拶をしてからだな。
何分、不案内なので、芸鵬にも色々と聞いてみるとしよう。
芸鵬へ紹介状を書くから、それを持っていくと良い。
城の前にある、大門のところで渡すのを忘れないように。
通過儀礼は仕方ないとはいえ、ファッションショーにも付き合ってやる腹積もりもあるのか。
やるとしても、手心を加えてやるようにと伝えておこう。
ゲッカで商売をする上で彼に気に入られて損はない。
よき縁となるよう、後押しをする心算だ。
承知した。
決済は、貴方の訪問の際に。
月のように丸く、麗しく愛らしいという姿を見るのを楽しみにしていよう。
ハルガハラ、今はその名だけとどめておこう。
勝手に触らないのが一番良いのだろうな。
こちらこそ、大変な時に連絡をくれてありがとう。
この手紙があなたの手元に届くのは、事が済んだ頃だろうか。
どうか、無事で。
蓬儡
[その手紙を配下の者に託し、男は手紙の収めた文箱を開け、マーチェンドから受け取った手紙も封筒に戻してその中に収める。
これまでに交わした手紙が全てそこに収められていた。]
短い間に増えたものだ。
[蓋を閉めると、ゲッカの山河を表現した螺鈿細工の施された表面を撫でる。
別のリージョンの者に知り合いは何人かいるが、一時期に複数人の相手と私的なやり取りをする事は珍しかった。]
/*
会うって言っていたので、折角なのでお話ししました。
こちらも、コルデリアさんの意思を尊重する所存です!
──出しそびれていた手紙。
マーチェンドから届いていたもの。
「美術家」がゲッカに居るかもしれないという話。
昔のエンデの話と、災いが綺麗な街を奪ったお話。
それから、彼の故郷たるペリエンスと身の上の話。
彼もまた、故郷に思うところがあり、
そこに残され、二度と会うことが無くなった人へ
少なからずの未練があったと。
ひとりきりにしたくなかったと悔いる文字は、
痛いほどの感情が篭っていた。
[それから数日後、二通の手紙を受け取る。
一通は、人工の文字が綴られたもので、もう一通は植物の香りと薬の香りがするもの。
少し迷った末に、先に開いたのは前者の方。
リジェットVで歓迎パーティーを開いてくれる予定らしい。
立場上、供の者を数名は連れて行かねばならない。
その事は予め、あちらにも伝えておいた方が良いだろう。
勿論、シップに食料は十分に積んで、あちらの負担にはならないようにする心算だ。
通信機については、使っていないものがあるので安心して欲しいとの事。
映像を取れる機器の使い方まで教えてくれるらしい。]
何と、芸鵬も手に入れていないかもしれないな。
[寫眞を撮るカメラはあるが、映像を撮れるものはゲッカにはまだない可能性が高い。
存在を知ってはいても妖魔の性質から、中々手を出せない代物なので、気遣いは嬉しい。
勿論、対価は支払おう。]
[そうして、二通目の手紙を開く。
弱い筆跡の乱れた文字は変わらぬままだったが、今回は少し血痕がついている。
それに気付かなかったわけではないだろう。
書き直せない程の状態なのか。
それだけ、彼女が予断を許さない状態という事のように思えた。
返事自体は穏やかな内容だった。
エンデの民に先日会ったのだと、彼女に伝えたい。
彼らはエンデの事を懐かしそうに話してくれた。
男の領地にいる者は皆、健やかに暮らしていると。
マーチェンドは今頃どうしているだろうか。
それが分かるのは、もう少し先の事だろう。
花見の文化はエンデにもあったらしい。
そして少女と思っていたが、コルデリアは酒が飲める年齢だったようだ。]
[栞の絵が見れなくなってしまった事への謝罪には、届かなかった事を残念に思ってくれた。
フランクル、という名のエンデの移民がゲッカにいるかどうかは、ゲッカの渡航記録を参照する事で分かるだろうか。
何かを書いて消したらしき痕跡。
そこに何が書いてあったのか読み取る事が出来ない。
その後に続いた手紙の返事の間が空いてしまう事に対する謝罪は、彼女の身体の調子がよくない事を感じさせた。
男は深呼吸を一つすると、便箋と万年筆を手元に引き寄せ、手紙を書き始める。]
[宛名には、リジェットVとマチェットの名が書かれている。
白い縦型封筒には送料として、ゲッカの山河の絵柄の印紙が一つ。
高く聳える山に、曲がりくねった大河が描かれているものだ。
それはゲッカの景色を想像する際の助けとなるだろう。
白地に蓬の版画が淡い緑色で薄く刷られた便箋は、先のやり取りと同じもの。]
マチェットへ
手紙の返事をありがとう。
予定は少し先だが、そちらに行ける事、歓迎パーティーも楽しみにしている。
折角なので、ゲッカの特産のものを持っていけたらと思う。
口に合うと良いのだが。
そしてもう一つ伝えておかねばならないのだが、立場上、数名の供を連れて行かねばならない。
勿論、必要な食料や水などは積んでおくので、そちらの負担にはならないようにする心算だ。
その中に、半魔の子を連れて行こうと考えている。
私の弟子で、妖魔と人間の混血児だ。
どうか、仲良くしてやってくれると嬉しい。
蓬儡
追伸
それを聞いて、少し安心した。
ゲッカの中でも比較的、機械の扱いの上手な半魔の子も連れて行くので、大丈夫だと思う。
勿論、私も手づから扱ってみたいと思っている。
カメラはゲッカにあるが、映像を撮れる通信機器はまだないように思う。
なので、使い方を教えて貰えるのはとても嬉しい。
ゲッカの景色は起伏に富んでいて、他のリージョンには珍しいらしいので、楽しんでもらえるのではないかと思う。
[その手紙は、まだ封筒に入っておらず、香りがついていない。
出すべきか、出さざるべきか悩んでいる為だ。
けれどしたためずにはいられなかった。
白地に菜の花を刷った便箋には、薄っすらと縦に罫線が何本か並んでいる。]
コルデリアへ
手紙の返事をありがとう。
私の方は変わりないよ。
承知した。
貴女らしさを歪めたいとは思わないので、どうかそのままで。
つい先日、エンデの民と面会をしたよ。
皆、よき人達だった。
彼らはエンデの事を懐かしそうに話してくれた。
花見の事も話してくれたぞ。
私の領地にいる者は皆、健やかに暮らしている。
もう一つ主だった受け入れ先は私の友人の山だから、今度、そちらの様子も聞いてみる心算だ。
私の知り合いの商人がエンデと縁があるようでな。
彼らに会いたいと言っている。
貴女の事を知っているとも言っていた。
あぁ、美貌を至高とする者達などは芸術に秀でているものも多い。
そちらにゲッカの景色を届けられると良いのだが。
花見と言えば、白木蓮や菜の花、牡丹なども含まれる。
春に咲く花なので、その時期は彼方此方で花見をしているのだ。
花見の文化は、そちらにもあったのだな。
やはり、人が集まれば宴会となってしまうのは一緒なのか。
すまない、貴女の事を少女だと思い込んでいた。
あまり強くないのであれば、無理はしない方がいい。
二日酔いは楽しいものではないしな。
獣がいれば、何かしら音はするが、いなくなってしまったか。
残念だな。
栞の件、そう言って貰えると有難い。
その厚意は有難く受け取っておく。
フランクル、だな。ゲッカにいるか、一度調べてみよう。
会う事が出来たらいい。
[マチェット宛の手紙は、封筒に入れて配下に託す。
コルデリア宛の手紙は、考えた末に手元に残しておく事とした。
マーチェンドからの連絡を待つ事としよう。*]
/*
自宅に居られるからと夜更かししてしまっt
書きたいところまでは書けました。
明日はご挨拶は出来るかなと思っております。
その文章には私のお願いを
あまりにもあっさりと快諾したものが続いて。
それはそれで、私の抱えていた懸念
──最後の最後に訪れる孤独と恐怖、
それを感じずに居られるだろうか、と。
大変なことを頼んでしまったと思いながら、
悪化する病状に思考を揺蕩わせて日々を暮らした。
( まさか間に合ってしまうとは、
思ってもいなかったのだけれど )
マーチェンド様へ
ご足労いただきありがとうございます。
そして顔を合わせてのお話が叶わぬこと、
本当に申し訳なく思っています。
あとの懸念というならば、
私が腐り果てているような姿でないことを
ただただ祈るばかりです。
半地下の妙な建物であるここの奥は、
納骨堂──カタコンベとなっていて、
エンデから出ることが叶わなかった住人は、
皆、そこに眠っています。
お手紙も貴方の話も、ありがとうございました。
独り逝く者からの思いとしては、きっと義母さんは
あなたが事故に巻き込まれるようなことがなくて
良かった、と…… 思っているやもとは思います。
人は思い出される限り、その存在が確かに居たと、
そう未来に刻み込むことがかないます。
姿は無くとも、居たという記憶だけは残される。
だから、思い出してあげてください。
苦しい後悔ばかりではなく、楽しかったことも。
実をいうと私も他の人とのお話でこの思考に
思い至ったところがあるのですが。
お裾分けです。
そしてこの地、エンデにまで来てくださった時点で
私の思う憂いはすべて晴れています。
あなたに手紙を送ることがかなってよかった。
あなたが思う以上に、私はあなたに助けられています。
家の中にあるものは何でも持っていってくださって
構いません。
お金になりそうなものは少ないですが、抽斗の中に。
ああ、でも、私が誰かとやり取りしていた手紙は、
遺体と一緒に埋めてくださると嬉しいです。
あなたに幸福を。
コルデリア
出されなかったし、渡されなかったもの。
当然だ。まだ生きてしまっているのだから。
人の足音が近づいてくる。
ぜえ、ひゅうと息をしている私へと声がかかる。
人からのことばはいつぶりだったろうか。
聞きながら、降ってくる言葉を不思議に思う。
この星を出るぞ、と。 彼はそう言った。
私はそれを頼んだ覚えはない。
覚えはない、が──
( ── つれだして、ほしかったのかな、私 )
最初にマーチェンドの元に届いた手紙。
あきらめながら、達観した振りをして、
たすけてのひとつも言えなかった嘆き。
これが都合の良い夢ならば、
いや、もしもそうでなくっても──
「 ゴホッ、── は、い
コルデリア、です、マーチェンド、さん 」
もうひとり別の声がした気はするが、
彼以外にも誰かが来ているのだろうか。
蚊のなくような息も絶え絶えの声で、
やっと、それだけを話して伝えて。
持ち上げるならば、抵抗することもない。
痩せ細った手足は存外軽々と持ち上がるだろう。
時折身をかがめて咳込むが、どうにか落ちぬよう
掴まろうとする気概は有ったようだ。
背負われたそのまま脱力して、そのまま、身を任せる。
ヒュウヒュウと鳴る喘鳴に紛れて、
小さい声で、ぽつり。
「 ……ゴホッ、……どうして、? 」
/*
手紙自体はしじまの海をしばらく漂ったあと、転送届パワーが聞いてベアーがガァドの手紙を見つけた池に流れ着きそう。
読んだら激おこになるから、キメラ生命体ガァド暴走事案001になる…かもしれない!(流れ的にエピローグ後にしまっておいたほうが良さそうなので妄想だけ語る)
/*
おはようございます!!!!!!!
旦那とコルデリアはお返しありがとう!!
現在進行形のコルデリア優先しつつ これから拾えるところ拾いつつ+αのRTAいきます
息も絶え絶えな声での咳交じりの返答>>322からも、目の前にいるこの人がコルデリアであることは間違いない――ああ、別の誰かの幽霊なんかじゃあない!
やつれやせ細ったその人を持ち上げるのは俺の腕でも(冒険者ばりの屈強さはないんでな……)容易かった。衰弱した身なりにコルデリアに抵抗されることも考えていたが、実際にはそれもなく。咳き込みながらでも、ちゃんと背に捕まろうとするような力は感じ取れたさ。
そのまま、俺は一目散に退路を辿って駆け抜ける。
背後からはクロウのホバー音。それよりも近くで耳に届く、風吹くような喘鳴。
それらよりも幾らか遠く――けれども周囲一帯に、木々の枝葉や根の動きと思しきささやく音が、迫る。
コルデリアを背負った今の俺は両手塞がりで、腰に佩いた刀すら抜くことができない。だから木々の静かな侵食を切り払い撃ち払う力は、クロウにしかない。
――頼むぞ、クロウ。
頼むぞ、イオニス、ヘロン、……或いは、エナガも、
お前さんたちの技術の成果!
クロウの眼は、ちゃんと全方位の植生の動作を捉えている筈だ。
小型レーザー、機関銃、ブレード。
それらを振るう護衛の成果を、前だけを見る俺の目で捉えることはできない。エンデを無事に発った時に、その“自我”で盛大に自慢してくれりゃあいい!
こうして走り抜けている間に、コルデリアがぽつりと微かに零した問い>>323が耳に届く。
足は止めない。止められない。振り返りもできない。
ああ、手紙を書く時のように、悠長に冷静に考え抜いて語ることなんて、できやしないが――!
必死に走り続けて荒くなった呼吸のまま、俺は、答えた。
「いっぱい、いるから、だよッ、
アンタを、心配、してるヤツ、がッ!」
……「いっぱい」というのは誇張だったかもしれない。現にバラ・トルーパーズの役人が「わざわざ残っている」なんて宣いやがった例がある。
それでも、少なくとも、俺以外にこの人を案じている
蓬儡の旦那は、人の身にしてみれば遥かなる山のような御方で、人間への思いも確かにただの同情か憐憫なのかもしれない。それでも、確かにコルデリアを心配していた。
旦那が彼女のことをあれこれと聞けていないのは、
ああ、だからこその、あの追伸の一文だったのかもな。山の長よりもずっと自由で、かつ同じ短命の人間である俺に、「手を伸ばす」のを託したってやつだ。
てをのばす てをのばす
いつのきおくか なんのきおくか
もう ■はしっている これはゆめ とおいゆめ
たすけたいとてをのばしつづけた そんなゆめ
…てをのばしても ふりはらわれてきたゆめ
たすかりたいなら どうかふりはらわないで
それに言うまでもなく、エンデから逃れてきた多くの人々の存在がある。
あの“終焉”が起こる前にコルデリアの周辺にどんな人々がいたかは俺には定かには解らない――昔のエンデについての話に対してこの人が綴った想いの箇所も>>3:-21、読めなかったんだが。
それでも普通、滅びゆく故郷を追われた民にとって、同郷の民の存在は大きいもんだろ。
……俺だって、そうなんだ。故郷を捨てた身でありながら、そこに留まる友らを、ベアーたちを、想っている。
或いは、俺や旦那の元に手紙が来ていたくらいなんだ。
他にもコルデリアと手紙の遣り取りをしているひとが、いたんじゃないか。そのひとたちは、どうなんだ。
コルデリアの手紙から察するに、その中に彼女の友人――美術家のその人はいないんだろうがな。
……ガァドの「いろんなつながり」の中にコルデリアがいるかまでは、まあ、解らないんだが。
っていか結構な
……そう、深いことなんてこの時の俺には、何も考えられちゃいなかった。考えられないなりに、俺は、コルデリアへ背中越しに答えを続けたんだ。
「アンタを、助けたくても、助けられ、ない、
そういう、ヤツが、いるんだよ!」
走る。ひた走る。
少しずつ、日の光が木々と“獣道”の隙間から差し込み始める。
「知ってるんだぞ、俺は、……アンタ、が、
蓬儡の、旦那にも、手紙、送ってた、こと、
あのひと、も、アンタ、を、心配してたッ、」
ああ、コルデリアと、美術家の友との間に、実際のところ何があったのかは判りやしない。
友がこの小惑星を出る前のこと。友との別れ際のこと。別れてからのこと――相手の居所も知れないくらいに疎遠になっていること。
あの美術家とただのビジネス上の付き合いだった俺も、まだ、あの絵描きの心の深い部分まで零されちゃあいない、けれど。
それでも、このくらいは、言いたくもなったんだよ。
「アンタのご友人だって、そうだろうさ!
……実際のアンタらの事情は知らないがッ、
互いに言葉を繋げば、想いを、繋げば、
手を伸ばしてみりゃ、変わることもあるだろッ!」
――悪い、ガァド。これじゃお前さんの言の葉の受け売りだな。
それでもさ、少なくとも「友の居所も判らないくらいに疎遠にはなってるんだろう」ってことだけは察せられたから、俺はコルデリアにああ>>332言ったんだ。
「もし、旦那、や、友の、こと、が、
信じられないって、いう、なら、」
――光が、みえる。
木々の海の向こう側に、トーチバードの金と紅の翼がみえる!
「俺だけでも、信じろッ、コルデリア1
俺が、アンタに手を伸ばすから!」
――悪い、ガァド。これじゃお前さんの言の葉の受け売りだな。
それでもさ、少なくとも「友の居所も判らないくらいに疎遠にはなってるんだろう」ってことだけは察せられたから、俺はコルデリアにああ>>332言ったんだ。
「もし、旦那、や、友の、こと、が、
信じられないって、いう、なら、」
――光が、みえる。
木々の海の向こう側に、トーチバードの金と紅の翼がみえる!
「俺だけでも、信じろッ、コルデリア!
俺が、アンタに手を伸ばすから!」
/*
ちらちら見守りつつ、ご挨拶を。
お疲れ様でした。
同村ありがとうございました。
お話しできなかった方も、沢山お付き合い下さった方もありがとうございました、と。
初回落ちという事でPCに少し足を伸ばさせた結果、エピまで手紙のやり取りができない状態となり、惜しい事をしてしまった、と思っております。
手紙村に参加する機会に恵まれましたら、次回に活かしたいです。
また何処かでご一緒できましたら嬉しいです。
俺はコルデリアを背負ったまま、トーチバードの胴体部分の搭乗口に滑り込んだ。背後を任せていたクロウも、ホバー音を建てながら機内に入り込み、搭乗口をロックする。
「クロウ、コルデリアを頼む!」
「マスター マーチェンド リョウカイ デス
コルデリア サマ ヲ オマモリ イタシマス」
決して広くはない機内の中、コルデリアを座席のひとつの上に静かに下ろしてから、俺は操縦席に就いた。離陸時に機体が揺れるから、その際にはクロウにアームで病身の彼女を支えて貰わないと。
こうしてエンデの空を発ってからは、事前に役所側から指定されたバラ・トルーパーズで検疫だけ済ませて――そのまますぐにゲッカへと直行する。コルデリアをバラの医療機関に診て貰うことも考えたが、シップの乗り降りが立て続けになることで身体に負担がことが考えられたため、このフライトを選んだ。
今頃ならおそらく、早ければ、俺からの手紙がもう蓬儡の旦那のもとに着いている頃だろう。だから心の準備くらいはできている筈だ。“この”可愛らしいトーチバードをすぐに俺のシップだと認識してくれるかはまた別だが。
あの小惑星の、カタコンベ有するあの半地下の建物に残されているもの――家屋の主が亡くなっていたならば持ち帰っていただろうもののことをふと思ったのは、この一連の決死行が落ち着いてからのことだった。*
/*
や やれるだけのことは やりまし た ……!!!
ど どうかしらコルデリアさん……とどきどきしつつ です が !
そして旦那はおつかれさまでした! 改めて、ご参加くださり、ありがとうございました!
またぜひぜひどこかでご一緒できたらうれしいです!
揺れる背の上、途切れ途切れの微睡みのなか、
それでも至近距離の彼の声はよく響いた。
どうやらいっぱいいる、らしい。
心配をしてくれている人、助けたいと思っている人
現にこうして目の前にまで来てくれているのだ、
その言葉に嘘は無いのだろう。
一度手が離れて、滅びゆく小惑星に残って、
そうして段々とひとが居なくなって、
全部、私に繋がる縁は途切れたと思っていた。
…… たったの数枚の手紙でこんな場所にまで、
誰かが来てくれるなんてことも、
その向こうに居る人たちが存外に大勢いて、
私のことを案じていたなど、考えもしなかった。
/*
うおお!コルデリア幸せになれの後押しに投げたやつまで拾ってくれてありがとおおお
ごあいさつ!!!
この度は村建て同村ありがとうございました!いろんな世界、いろんな背景、色んな気持ちが手紙を通して交錯していく手紙村はやはり面白かったです!!!
また次回!!!ぜひとも参加したいです!!!またどこかでお会い出来たら嬉しいです〜〜〜!!!トルパチップはいいぞ!!!(合言葉
私も私だ、あの日に全部断ち切った気でいて、
未練がましく手紙なんて書いているから。
泥の手紙の主に散々煽られたこと、
なにひとつ言い返す言葉もない。本当は。
「 ………… 」
もうじき死ぬから、どうせ無駄になりますよ。
なんてことを言えないくらいの気迫に、
黙りこくったまま、すこし後ろを振り返った。
緑が溢れ返る終いの小惑星。すきだった私の故郷。
今やっとすこしだけ、あの日この小惑星を去った
かれらの気持ちが理解できる気がした。
「 …………いいの? 」
咳きこむ間に問うたのは、何に対してだったか。
私はここから去ってもいいのか。
生きることを望んでもいいのか。
差し伸べられた手を掴んでいいのか。
いいよ、と 納骨堂のほうからなにか聞こえた、
そんなような気がした。
私の都合のいい、気のせいなのかもしれないが。
ところで此度のエンデの渡航に際しては、滞在期限が儲けられていた。
言い方を変えれば――“いつまでに帰れるか”の予定がはっきりと見えていたってことだ。
ここで俺は、届いた手紙への返信ではない手紙を――いや、厳密に言えば「出し損ねていた」返信を、ここで改めて綴ることにした。
『イオニス
あれから大分間が空いた気がするが、
この前の手紙への返信、ありがとな。
早速なんだが、次のX月のX日くらいには
トラッシュに一度立ち寄れる見込みになった。
この前の手紙を読む限りじゃ
そちらの物資状況は大丈夫だとは思うが、
ちょっくら多めに色々積んでくるから、
土産物ともども、期待してくれていいさ。』
ゲッカの山主。かつて遠くに行った友人。
それから眼前のマーチェンド。
彼らを信じられないわけじゃ無い。
ただ、要らぬ手を掛けさせる自分が嫌で、──
── そういうのがよくないのだったか。
助けたかった側の人たちの言葉が、
届いていた手紙から、今なら少なからずわかる。
「 ごめん、なさい、…… あり がとう 」
切れ切れにそう呟いたのは、届いたかはわからないが。
『それと、この前の手紙のこと。
お前さんが救われたことも、
涙を流すくらいの嬉しさも、
感謝も、全部、受け取ったさ。
救われちまったのは、俺の方もだよ。
……俺こそ、ありがとな。
さて、俺はこれからちょっくらエンデに行ってくる。
死地を潜り抜けてくることにもなると思うが……
俺はクロウと共に、生きて帰ってくる。
この手紙を、遺言なんかにはしないさ。
だから、信じて待っていてくれ。
マーチェンド』
/*
実はイオニス宛てにこれだけどうしても送りたかったんです!
そしてコルデリアはああああありがとう……!
のこり拾えていない部分は潔く諦められるかいなかちょっとわからないです が
ぼくも簡単にですが ご挨拶!
皆様、この度はご参加、ありがとうございましrた!
ほんとうにたくさんの様々な世界と素敵な遣り取りと物語の変化とをみられて 村建て冥利につきます……!
皆様にも楽しんでもらえたならとても嬉しいです。村建て自信がめちゃくちゃ楽しんでいました!
またどこかで一緒に遊んでいただける際には、どうぞよろしくお願いいたします。
そして トルパは いいぞ!!!!!!!
/*
おつかれ!!!さまです!!!!
いろいろありがとうございます…おれはたすかった
ガァドはうっかり手紙受け取ったらブチ切れていい(?)
ご挨拶。ういろと申します
RP村結構ご無沙汰しちゃってる者なんですがやっぱ楽しいですねやった〜。
またなにかご縁がありましたらよろしくおねがいします。
皆様お付き合いいただきありがとうございました!
…時はめぐる。
リジェットVでの生活は、静寂の海に比べたら
日が昇って、沈んでが とても早く感じる。
いろんな人と、いろんな生き物たち…キメラたちとの共同生活は楽しかった。人とのふれあいが好きな泥は、比較的実験や農作業等々いろんなものに協力を惜しまなかった。
…だれかと はなす
だれかとせいかつするのが、たのしい。
いつかであいたいひとはたくさんいる。
もっと、であいたいばしょがある。
/*
マーチェンドは本当にありがとうございます、お疲れ様です。
なんだか美味しい役どころいただいてしまって…へへ…
トルパはいいぞ!使ってくださりありがとうございます✌︎('ω'✌︎ )
1日が終わる。日が沈む。
皆がゆっくり休む頃になったなら…
泥の男は口を開く。
『…今日も オツカレ さま。
コンヤは… クマサン脱走事件のはなしでも』
物語を語る泥は。 今日も誰かに物語を伝う。**
/* ブチ切れたあと再会して、頂上決戦になってほしい(こら
マーチェンドやベアーに止められるやつ
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