花屋 フローラ

前日：青い空を好きになってくれた人へ

［花飾りを配って歩いて。
ラヴやライトやシュクルにも贈れて。
先程アロイスと会話していた、リトリコが一人になっているのを見かけた。
３年前。新しくこの村に来てくれた人。

私は彼女に歩み寄ると声をかけた。］


こんにちは。リトリコ。
もしよかったら。花飾りはいかが？
無理にとは言わないけれど。
貰ってくれると嬉しいわ。

この村の伝統の一つでもあるのよ……？


［見上げた空は青くて。
彼女が空の青を好きだと聞いた事はあっただろうか？>>0:19］

花屋 フローラ

［無理に押し付ける事はしなかったし。
気に入った物があればそれを選んでもらったけれど。
もし。選ぶのを任せて貰えたなら。

『青い勿忘草』の花飾りを選んだだろう。

深い青は昼の空より青く。
小さな花は星の形に少し似ている。
この季節に咲く青い花自体が少ない事もあったけれど。
花言葉が。アッシャー際にはよく似合うから。
彼女とアロイスのやり取り等知らないけれど。
単純にお祭りを楽しんで欲しくて。
花言葉には特に触れずに。勧めてみた。

もしも受けとってくれたなら。
『ありがとう。』と微笑んだだろう。**］

花屋 フローラ

離れて居た日々

［ラヴにはあんなことを言ったけれど。>>0:364
ラヴも後押ししてくれたけど。>>0:404>>0:405
正直…………

何を用意すればいいか。
さっぱり分からなかった。

シルヴァンとの思い出はほとんどがお屋敷で。
薬草を育てて居た事は知ってるけれど。
ご本がたくさんあって、勉強が好きなのも。
一度だけ行ったお祭りでも、お菓子しか食べてない。

後は…………
何時も私と遊んでくれる。
優しいお兄ちゃんだった。
よく咳き込んだり、熱を出したりしてた。
遊びと言ってもご本を読むか、お話しをするか。
お庭を弄るか。お屋敷で『隠れん坊』をするか。
お祭りに行ったのは一度だけ。］

花屋 フローラ

［そう言えば『鬼ごっこ』はしたことなかったな。
力仕事してるのも初めて見た。
…………元気になったのかな。良かったな。


不意に。本当にそこで記憶が途切れて。俯いた。


彼は。子どもの遊びに付き合ってくれてた。
優しいお兄ちゃん。私は年の離れた妹分。
…………大きなお屋敷。立派な調度品。
王都には溢れているだろう。魅力的な品の数々。
私は…………
彼に甘えてばかりで。
彼の好きな物もほとんど知らない。
一緒に甘いお菓子を食べてくれたけど。
それは普段食べられない私のためだったかもしれない。］

花屋 フローラ

［それに。それに…………


あんな立派なお屋敷に住んでいて。
王都でもたくさんの素敵な物を見て来ただろう人に。
喜んでもらえる物が何も思いつかない。


ずっと離れて暮らしていて。
もう６年も会って無くて。
不意打ちのように出会った今日、６年ぶりに話した人が、喜ぶ物なんて分からない。］

花屋 フローラ

［それが酷く淋しかった。喜んで欲しかったから。］

　

花屋 フローラ

［結局ラヴの店では、レースやリボンと。
銀色の刺繍糸を１０割引きで購入した。
それから刺繍が刺しやすい針。
彼女のお店の針を使うと、針仕事が捗るし。
厚い生地にもすいすいと針が通る。

首飾りの材料は。何も買わなかった。

そうして家に帰ったら。
苺の花と、紫のラナンキュラスとレースの生地と、白いレースのリボンで、少し豪華で可愛らしい髪飾りを作った。
それから白いワンピースに、銀の糸で刺繍を刺した。
あまり時間は無かったから。裾や袖口や襟ぐりに。
それでも出来る限り丁寧に。

花嫁衣裳を思わせる白に。
シルヴァンの髪と瞳の色の銀糸を使って。
明日のお祭りに着ていく服を、夜遅くまで、仕立てていた。**］

花屋 フローラ

ふわふわのお菓子屋さんの前で

［お祭りの当日。
私は昨日、夜遅くまでかかって手掛けた衣装を着て。
ふわふわのお菓子屋さんの。
屋台の前のベンチに腰掛けていた。
本当は『鬼ごっこ』も『隠れん坊』もする気は無かったから。
見つけてもらうために。分かりやすい場所に。
座ってシルヴァンを待っていた。］

花屋 フローラ

[おじさんはにこにこしてた。
私はもうすっかり開き直って。］


もしシルヴァンが私を見付けられなかったら。
あそこに座ってるよって教えてあげて。


［そう言って店の前のベンチを指さした。］


……後で買いに来るから。
お菓子２個。とっておいてね？


［そんなお願いまでして。
そうして。私は青い空の下。
ベンチに腰かけて。
あなたが私を見つけてくれるのを待っていた。**］

花屋 フローラ

お祭りの日

[私の名前と、小さく『見つけた』>>111て声。
甘い笑顔がそこにあって。
思わず私の胸も高鳴った。
銀色の刺繍が施された紫色のマント。>>109
自惚れちゃダメよって言い聞かせても。
どうしても期待しちゃう。

なのに彼はふっと真顔になって。
信じられないことを尋ねたわ。>>112]

花屋 フローラ

［思わず私も真顔になって。
シルヴァンの顔をマジマジと見上げてしまった。］


…………シルヴァン。
あなたこの６年。何をしてたの？
まさか。デートの１つもしたことが無いとは言わないわよね？

女心が分からないにも程があるわ。
……それとも私は女の子として見られてないのかしら。


［呆れたように呟いて。
最後の一言に。微かに胸の痛みが混じった。
昨日からずっと。子ども扱いされてる気がする。
私たちの時は、そこで止まっているのだから。
仕方が無い事なのかもしれないけれど。］

花屋 フローラ

［小さく息を吐いて。微笑みかける。］


鬼ごっこのルールは、先に捕まえた方が勝ち。>>112
だったわね。

捕まえてくれる？


［そっと手を差し出して。
差し出された手と重なって。彼が掴んでくれたら。
望み通り彼の手を取って立ち上がった。>>112
だって私が先に彼の手を取ったら。
彼が勝った事にならないんですもの。
変なところで律義な。シルヴァンが始めたゲーム。］

花屋 フローラ

［立ち上がっても。
まだシルヴァンの顔は見上げる程上にあって。］


……掴まっちゃったから。私の負けね。>>0:276

今日はシルヴァンに付き合ってあげる。
お祭り。一緒に回ろ？>>0:247


［小さくはにかんで微笑んだ。］


少しやしばらくじゃ。なくてもいいよ。


［小さな声で付け足したけど。
恥ずかしくて微かに頬が染まって。
これでもまだしらばっくれるなら。もう。知らない。**］

花屋 フローラ

デート

[デートって言ったら怪訝な顔>>127されたわ。
何で驚くのかしら？

王都には綺麗な人がたくさんいて。
シルヴァンは優しくてかっこいいもの。
女の人が放っておくはずないわ…………

でもなんだか素直に謝られてしまって。>>129
『………待たせてごめん。
　いや、待っててくれて、ありがとう？』>>131
なんて言われてしまったら…………

それから手がしっかり握られて。
『…いいの？』>>132とか。とか。
そんな笑顔で聞くのはずるいわ。］

花屋 フローラ

［小さく下を向いて。
それからシルヴァンを見上げた。］


いいわ。ずっと一緒に居てあげる。


［くすっと笑って。
それから握られてない方の手でワンピースの裾を掴んで。］


衣装は気に入ってくれた？>>112
シルヴァンはとてもかっこいいよ。>>109


［そう言って無邪気に笑った。］

花屋 フローラ

［立ち上がって。お祭り行きたい場所あったかな？
でも私はシルヴァンの手を引いて。
内緒話するように顔を寄せたの。］


どうして会いに来てくれなかったの？
淋しかったよ。

手紙だって。書けたでしょ？

……………………私。我慢したんだよ。
シルヴァンの邪魔になりたくなかったから。
それこそ勉強でも。…………恋人でも。


［小さく呟いて。弱音を零した。］

花屋 フローラ

［ちょっとだけ俯いて。
ラヴが文句を言いに行ってくれたように。
帰省してる事を。知ってる時もあった。
でも…………

あんなこと>>36を言った私は。
もし彼に恋人が出来たら、きっと相手は良い気持ちしない。
それが分かってたから。
自分からは会いに行けなかった。

自分が彼をどんな風に思っていたか知ってるから。
だから自分から会いに行ったちゃいけないと。
勝手に自分を縛って、思い込んでた。
これを今言ったのは…………
お祭りの前に。わだかまりを残したくなかったの。
『淋しかった』って私の気持ちを。
せめて彼の前でだけは、甘えを口に出したかった。］

花屋 フローラ

［それからシルヴァンを見上げて。］


今日はずっと一緒に居てね？どこから回る？


［普段気を張って見せる事の出来ない。
無邪気な笑みで問いかけた。**］

花屋 フローラ

幼い頃の約束

［『僕がいなくても平気な君を見るのが怖かった』>>162だなんて。
ずいぶん自分勝手な言い草だわ。
私がどれだけ寂しかったか。不安だったか。恋しかったか。
何にも知らない癖に。

思わず涙が滲みそうになったから。
ぷっくり頬を膨らまして。赤い顔を怒ってみせて誤魔化した。

お手紙は書いたんですって。>>163
でも。出さなかったんですって。
そんな人に、バカだな。なんて。言われたくないもん。>>164

でも恋人は居なくって。
私との約束を理由にお断りしてたって。
……本当に？
それならちょっとだけ、許してあげても良い……。]

花屋 フローラ

[本当よ。自分から村を離れた癖に。
シルヴァンの言ってることは、本当に言い訳だもん。

…………でも、きっと、ほんとのことも含まれてるわね。

きっと私はシルヴァンが傍に居てくれたら。
いつまでも彼に甘えていたことでしょう。
花屋さんにだってなれなかったかもしれない。
そんな。彼に甘えるだけの6つも年下の女の子。
妹にしか見えなくったって仕方ないわ。

彼がずっと村に居たら。
村の中の誰か年の近い素敵な女性と結ばれて。
お兄ちゃんおめでとうって私はお祝いしたかもしれないわ。
そうしてお兄ちゃんが遠くに行って初めて……
自分がお兄ちゃんを失ってしまったことに、後から気付いたのでしょう。]

花屋 フローラ

[だから。続いた言葉に一気に心臓が跳ねて。>>171
怒るのも忘れてぽかんと口を開けて。

それからさっきまでとは比べ物にならないくらい顔が真っ赤になった。

シルヴァンが私を好きって言ったわ。
それからそれから。


『大きくなったから、お嫁さんになってくれる？』って。


煩い心臓と、忙し無い頭に、少しずつ彼の言葉が沁みてきて。
じんわりと熱を持った身体に吐息が溢れて。
瞳にじんわり涙が浮かんだ。
でも。こんな嬉しい約束のお返事に、涙は似合わないから。
私は微かに涙を滲ませながらも、幸せそうにシルヴァンに笑いかけた。]

花屋 フローラ

うん。良いわ。シルヴァンのお嫁さんになってあげる。
私もう。今年で18歳になったのよ。**


　　　

花屋 フローラ

願い事が叶う時

［シルヴァンにお返事したら。
何時の間にか彼の腕の中に居たの。>>188
苦しいくらいに力強く抱き締めてくれる腕の中は。
温かくて。安心出来て。それなのに酷く落ち着かなくて。
どうしたらいいかわからなかったから。
自分の身体が動くに任せて。
シルヴァンの背中に腕を回したら。
私もぎゅっと精一杯の力で抱き締め返してた。

心臓が苦しくて。息がはくはくして。
幸せなのに。涙が一滴零れたわ。
涙はこんな幸せな時にも流れるのね。

シルヴァンが『ありがとう』って言ってる。
小さな頃と同じみたい。>>0:66
でもあの頃は。お兄ちゃんのお膝の上で。
『図鑑』を見せてもらったからって。
こんなにも胸が張り裂けそうにはならなかったわ。］

花屋 フローラ

［シルヴァンが腕の力を緩めて離れていくのが。>>188
私は少しご不満よ。小さく口を尖らせて。
でも。囁き声を耳にしたら。
一気に鼓動が煩くて。そわそわして。落ち着かなくなった。

それはきっと同じ気持ちだったから。

思わずシルヴァンを見詰めて。>>189
何か言葉を紡ごうとしたら。
おじさんの大きな囃し声が聞こえて来た。
心臓が飛び跳ねるかと思ったわ。
完全に周りの事が見えて居なかったもの。］

花屋 フローラ

［私はおじさんに笑ってみせた。］


も〜〜〜。びっくりさせないでよ。


［笑いながら文句を言ったら。
とびきり大きなふわふわを。
あの時と同じようにお祝いにくれたの。］


ありがとう！！


［笑いながら。シルヴァンと手を繋いでその場を離れて。歩きながら口にしたふわふわは飛び切り甘かった。］

花屋 フローラ

［私はずっとにこにこしながら。
甘いふわふわを食べていた。
繋いだ手が暖かくて。
自分の足も地に着いてないみたいだった。
私はシルヴァンをちらりと見上げた。］


…………どこか行きたいところある？
久しぶりのお祭りでしょ？


［ダンスをこっそり練習してたなんて。
私は知らないから。そう。尋ねて。>>0:415
でも。私達。お互い遠慮しあってたから。
ずっとすれ違ってたんだったよね……？>>171
だから私もふわふわに顔を埋めたまま。
シルヴァンにこっそり囁いた。*］

花屋 フローラ

２人の時間を埋めるように

[ふくふくと。幸せそうに笑いながら歩く私は、きっと普段とは全く違う笑顔を浮かべている。すれ違う村の人たちにはバレバレね。
『何でもいいから私のことを知りたい』>>220
その願いは私と全く同じで。『私も！私も！』とはしゃいだら、お酒のことを教えてくれた。]


私はお酒を飲んだことないの。
女の子の一人暮らしだし、酔っ払うの怖くて……

だから今度、一緒にホットワイン飲んでくれない？
シルヴァンが一緒なら、安心だから。
シルヴァンの好きなもの、一緒に飲んでみたい。
初めてのお酒。ふふ。


[繋いだ手をきゅっと握ると身を寄せて。
下から見上げて微笑んだ。]

花屋 フローラ

[髪飾りのことを尋ねられたら、今度は心から微笑んで答えられるわ。]


シルヴァン。私、お花屋さんになったの！

村の皆んなの花飾り。
ほとんど私が作って配ってるのよ？

皆んなに似合うように一所懸命考えて。
喜んでもらえる時が一番嬉しい。

シルヴァンがね。私の背中を押してくれたおかげよ。
あなたが私より自信満々に私を信じてくれたり。
図鑑でたくさん異国のお花を教えてくれたから。
野の花が溢れたこの村で、お花屋さんをやれてるの。

ありがとう。


[笑って頭を腕にくっつけながら。]

花屋 フローラ

[それから、ぶぅ。と。頬を膨らませた。]


だから余計に寂しかったんだから。
私に、お花屋さんになりたいって夢をくれたの。
シルヴァンなのに。

シルヴァン居なくなっちゃうし。
お買い物にも来てくれないんだもん。
コウセツのお菓子屋さんには行ってた癖に……。


[じとぉってシルヴァンを見て。]

花屋 フローラ

[それから小さく微笑んだ。]


だからもう居なくなっちゃダメよ？
どこか行く時は、一緒に連れて行ってね？

寂しいのも、離れ離れも、もう嫌。

お嫁さんになってあげるんだから。
ずっと一緒に居てもらうの。


[ね？と。私は甘えたように笑いかけて。
『シルヴァンは都会でどんな勉強してたの？』て尋ねたんだ。*]

花屋 フローラ

あなたとたくさんの”初めて”を

［お酒の話しに。何を思ったのか。
なんだか一人にやけてるシルヴァン。>>309
楽しそうで幸せそうな顔。
どんなこと考えてるのかしら？
そしたら。

『フローラの“初めて”に付き合えるのは光栄だ。』

ですって。

ふ〜〜〜〜〜ん…………。

シルヴァンはそういう事が嬉しいんだ。
想像してみたら。私も嬉しいかもしれないって。
ふっと思わず幸せそうに笑ってしまった。］

花屋 フローラ

［花屋さんの話を自慢げに告げたら。>>310
彼はあの時と同じように嬉しそうに笑ってくれて。
ああ。出会ったあの瞬間に言わなくてよかったって。
改めて思ったの。

あなたのその顔と。
『信じてた。』って言葉が聞けたから。

謝ってくれるのはもう止めないわ。>>311
我慢し過ぎるとすれ違うって学んだもの。
だから彼が未来の話しをしてくれるのは嬉しい。>>312
私も一緒に未来に思いを馳せた。］

花屋 フローラ

お花の世話を任せられる誰かを。
育てるのも良いかもしれないわね。

シルヴァンが居ない間に、村に新しい先生が来たの。
リトリコに。今度お花に興味がある子が居ないか。
聞いてみようかしら。

花の世話を任せられる人が出来れば……
シルヴァンと一緒に旅行にも行けるわ。
どこにでも着いていける。


［今までは。なんでも一人でやらなければと。
ずっと気を張って生きて来た。
でもこれからは……
私も”ジジ”みたいに後進を育てたり。
シルヴァンと共に初めての事を２人でたくさん経験するのも良い。そう。笑って。］

花屋 フローラ

［シルヴァンの勉強は難しそうだったけど。>>314
楽しい。って。その一言に嬉しくなった。］


良かった。お勉強楽しかったんだ。
…………良かった。


［心から微笑んだ。］

花屋 フローラ

薬草学。……２人で初めて会った時を思い出すわ。
私がお庭に迷い込んで。
シルヴァンの薬草園を見せて貰って……。
私がお花屋さんを目指した切欠でもあったわ。

私ね。”ジジ”に頼まれて。
たくさんのハーブやお花を育てたの。
使い方は分からない物も多くて。
ライトに聞かなきゃ分からないけど……

今度私のお庭も案内するわ。


［微笑んで話しながら。］

花屋 フローラ

［少しはにかんで。］


魔法史とか、ルーツとか。
私には難しいかもしれないけど。
きっと分からない事も多いけど。

今度またお話ししてくれる？
昔たくさんのお話を聞かせてくれたみたいに。

あなたの好きなこと。
私も少しずつ知っていきたいの。


［それからちょっと。
小さくはにかんで。新しい夢を語るように。］

花屋 フローラ

いつか本当に…………
あなたと一緒に旅をしたいわ。
シルヴァンは何時も。
私を知らない世界に連れて行ってくれるから。


［そう言って笑いかけた。］

花屋 フローラ

［あなたはまた変な事を言う。>>315
でもいいの。今度は私を信じてくれてるって。
表情が言ってるから。私も微笑んだ。］


そうしたら。飽きる事が無いような。
楽しい毎日を送らなきゃね。


［ふと。広場の組み木の火の側で。
踊る男女が目に入った。
彼の言葉>>218じゃないけど。
私も胸がいっぱいで何か食べる気にはなれない。］

花屋 フローラ

［残り少なくなっていたふわふわを。
全部口の中で溶かしてしまうと。
シルヴァンの手を引いて。火の回りを指さした。］


ねえ。踊ってみない？？？


力仕事や『鬼ごっこ』が出来るくらい。
シルヴァン元気になったよね？


［昔のあなたより随分逞しくなった。］

花屋 フローラ

あのね…………

私。お祭りで男の人と踊るのも”初めて”だよ。
だから下手でも笑って許してね？
私の”初めて”に付き合ってよ。>>309


［無邪気に笑いながらシルヴァンの手を引いた。
私も踊りなんてよく知らないし。
あなたが知らなくても。もちろん笑ったりしないわ。
ただ。一緒にお祭りを楽しみたかったの。**］

花屋 フローラ

お花の首飾り

［シルヴァンは何時も私の背中を押してくれるのね。>>328
でも。ダメよ？自分を疎かにしちゃ。>>329
私が何であんなに嬉しかったかもわかってないみたい。>>330］


シルヴァン。

シルヴァンには、自分の大事なお仕事やお勉強があるでしょう？
手伝ってくれるのは嬉しいけど……。

それ以上に私。シルヴァンの邪魔をしたくないの。
またバカだなって笑う？？？
お店番は嬉しいけど。自分の勉強を大事にしてね？

ああ。でも。カウンターでご本を読むのは良いかもしれないわね？


［最後にそんな一言を付け加えちゃうのは。
やっぱり私も少しでも長くあなたと一緒に居たいから。］

花屋 フローラ

［でも。今の私があるのがあなたのおかげなように。
今のシルヴァンがあるのが私のおかげって。>>331
そんな事言われたら顔に血が昇っちゃうわ。］


…………嬉しい。涙が出そうになるくらい。


［人ってこんな簡単に。
泣いちゃいたくなるほど。幸せな気持ちになるのね。
”ジジ”の話しを笑顔で聞いて頷いて。
ご両親の話しに、そっと寄り添った。>>332
頬が勝手に緩んで。顔が熱いわ。］

花屋 フローラ

［ああ。踊ろうって二つ返事。>>333
元気になってくれて嬉しい。
心配する以上に甘えてた記憶が強いけど。
でも。あなたの小さな囁きが聞こえたら……］


いくらでも甘えてくれていいのよ。私もそうするつもりだから。


［なんて。小さく囁き返して赤くなった。］

花屋 フローラ

［手を引く私を呼び止めて。
シルヴァンが袋を渡してくれた。>>334
ピンク色の可愛いお花の首飾り。
思わず言葉をなくして見入ってしまった。］


……………………私の。髪の色だわ。
それに。お花のモチーフ。

本当に。ずっと忘れないで居てくれたのね。

嬉しい………………
ありがとう。


［そう。呟いて。］

花屋 フローラ

［もらった首飾りをその場で身に着けると。］


似合う？


［と。嬉しそうにシルヴァンに笑いかけた。］

花屋 フローラ

［それから少し迷って。
視線を左右に動かして。
言うか言うまいか少し悩んで。
それから心臓をバクバクさせながら。
シルヴァンの手をそっと引いた。
そうして背伸びして。彼の耳元でそっと囁く。］

花屋 フローラ

［そっと。足を降ろして。背伸びをやめた自分は。
恥ずかしそうにはにかんで。
胸にピンクの花を咲かせたまま。
シルヴァンに微笑んだ。］

花屋 フローラ

［それからシルヴァンと共に踊りの輪に入って。
きっと二人とも、笑顔が絶えなかったわ。>>335

楽しそうに幸せそうに。
ステップが下手でも何にも気にしないの。

明るい火の下で。ピンクの花が煌めいて。
私の胸元を彩った。
それにシルヴァン私もね。］


私だってあなたのパートナーを誰にも譲ったりしないわ！


［踊りながら朗らかに。皆の前で宣言したわ。**］

花屋 フローラ

幸せはきっとこんな形

［あなたは私の言葉に頷いてくれて。>>370
素敵な提案をくれたから。］


座り心地の良い椅子を。
一緒に買いに行きましょう？

シュクルが一時期お店でずっとお花を観察してたの。

別にカウンターじゃなくても良いし。
日当たりの良い窓辺に揺り椅子を置いても良い。
本を読んで。眠くなったら寝ても良いのよ？
ブランケットをかけてあげる。


［私はふわふわと夢物語のような事を語った。］

花屋 フローラ

［夢物語の続きを語るように。>>371
目を潤ませながら話をしてくれるシルヴァン。
目を細めて耳を傾けて居たら。
突然の囁き声。］


……………………！！！！！！


［私は一瞬で心臓が早鐘のように打ち出して。
声をあげないように。口元を手で押さえた。
真っ赤な顔をして。彼の表情を垣間見る。］

花屋 フローラ

［それから口元を抑えたまま。小さく頷いた。］

　

花屋 フローラ

［シルヴァンが大切にしてくれた。
記憶の中の私と本当の私。>>372
でもその記憶の中の私が成長したのが。
今の私なの。

だからそっと耳打ちしたら。
彼も頷いてくれた。
それから『最高に可愛い』って言ってもらった私は。
あなたがそう思ってくれる笑顔を浮かべたの。

そうして２人で手を取って。
ダンスの輪に加わって行った。］

花屋 フローラ

［ねえ。シルヴァン。あなたは知らないでしょう？
私本当は、男の人がちょっと怖いの。
幼馴染のライトにさえ。
赤毛の熊さんの上からしか、触れられないわ。

なのに不思議ね。
あなたに触れられても。
怖いなんて感じないし、ただ幸せなだけ……
あなたはまるで。触れる事の出来る幸せの形みたい。

だから村中の人に自慢するように宣言したら。
シルヴァンが私を抱きかかえて回ってくれた。
私は嬉しそうにはしゃいで笑ってた。
彼の息が整うまでも。ぴったり寄り添って。

それから踊りの輪を離れたら。
２人で朝食を食べに行った。］

花屋 フローラ

[あなたはどんな食事が好き？
私はお野菜が好き。
人参のドレッシングやピクルスが美味しいよ？
そんな話をしながら。店を選んで。
２人で好きな物を少しずつ買って食べても良い。

シルヴァンが好きな物も。
味見させて？って。
一口強請ったりした。

ご飯を食べ終わったら。
またお祭りを満喫して。
そうして日が暮れる前に……］

花屋 フローラ

［シルヴァンと手を繋いで。
祭りの会場をそっと後にした。

向かうのは私のお店件家の方角で。
足を運んだのは、庭の裏手。森の側の。
シロツメクサの花畑。
一面のシロツメクサが咲いている。

昔彼ともよく遊んだわ。
あの頃は花冠や指輪を作って。
首飾りは作らなかった。
『まだ練習』なんて答えながら。］

花屋 フローラ

［子どもの２人は地面に座ってたけど。
シルヴァンはせっかくの正装だし。
地面にハンカチを敷いてみた。
あまり効果は期待出来ないわね。

それから２人で。
あの頃の思い出を少し話したりしながら。
私は上手にシロツメクサで花の首飾りを作った。
長い首飾りを作るのって実は少し難しいのよ？
そうしてそれをシルヴァンに差し出した。］


はい。シルヴァン。
……アッシャー祭の手作りの首飾り。


［差し出しながら。*］