飴職人 シュクル

[取り繕ったりしないそのままの自分を受け入れてくれる人を探してしまう。

それはきっと私だけじゃないはずだから。
この気持ちは誰が持ってもおかしくなんてないんだって。

ラヴが臆病なことも知らなくて。言いそびれちゃったな。]**

錬金術師 ラヴェーナ

はーい？
あ、ライト。いらっしゃい。

どんくらい入り用？
在庫はそこにある分で最後。
もうちょっと必要なら足しとくけど。

[そんなライトを店の中に招き入れて注文を聞く。

呪術に使うらしいけど、
不純物を取り除くだけなので
そこまで難しい作業でもない。

お祭りの後に取りに来るらしいので
お代はその時に払ってもらえばいいだろう。]

錬金術師 ラヴェーナ

ライトはさすがに忙しそうだね、今年。
明日はもう少しゆっくりできるんだっけ？

[棚の整理をしながら話しかける。

ジジが去年末に亡くなって、ライトは晴れて
この村の呪術師の跡を継いだらしく
今年は何かと忙しそうにしている。

ボクも父さんが亡くなって仕事を継いでも
やっぱり最初は色々と大変だったから
その苦労については何となく推し量れるつもりだ。

おつかれ、と労いつつ。]

飴職人 シュクル

回想 フローラと飴細工

[食べると美味しい魔法の飴が、見て楽しいアートに変わったきっかけはたくさんある。
その中でも強く影響を受けたのはフローラが育てたお花達。

>>68フローラが甘い幸せしか知らない私に、幸せの新しい形を教えてくれた。

感銘を受けたものをすぐに取り入れてしまうのが癖で。
一時期は毎日のように花屋さんの前でじーーーーっとお花を観察していたこともあった。

私はフローラのようにこんなに美しいお花を育てるなんてできないから。取り入れて出来上がるのはやっぱり飴細工だ。]

飴職人 シュクル

フローラはどのお花が一番好き？

飴職人 シュクル

[私が尋ねたらフローラは教えてくれたかな？

それからすぐにフローラに何度も相談しながらお花を模した飴細工を何度も作ってみたけど。
最初はやっぱり上手くいかなくて、なぜか犬の形になったり、その日お昼ご飯に食べたサンドイッチの形になったり。

初めて作る形だから全然上手くいかなくて。
途中お腹がすいてしまったら失敗作の飴をガジガジと。
傍から見たら花を食べているみたいな姿をフローラに見せてしまったり。

数日経って飴細工が完成した時には真っ先にフローラに見せに行ったんだ。]*

飴職人 シュクル

アッシャー祭前日 フローラを見つけて

むぅ…お腹すいた。。。

[飴を配り始めてしばらくしているとくぅとお腹が鳴った。
飴は子供から大人、アッシャー祭の前で意気込んできる人にも好評で。

頑張れって小さなエールを送ってみせたり。
そんなことばかりしていたからか、私も心のどこかで舞い上がっていて少し疲れてしまったのかも。

ちょうど休憩しようと考えていたところでフローラの姿を見かけて。
小走りで近づくとぽんぽんと肩を叩いた。] *

菓子屋 コウセツ

─ 祭りの前日、準備のどこかで ─

[ 街灯への飾り付けも終わり、
　祭りの準備にも終わりが見えてきた頃。
　
　周りを見れば、アロイスが組み上げた主役の組木や
　もこもこに着膨れたシルヴァンが飾った、
　装飾が見えた事だろう。
　
　準備班の中にライトの姿は無かったが、
　彼には何よりも大切な役目があり
　それを無事に終えた事を知っている。>>12
　明日も晴れるだろうと信じさせる空模様は、
　きっと彼の力のおかげだ。 ]
　
　（それはそうと……）
　
[ そうしてそんな少し遅い時間。
　私は一人の少女の姿を探していた。 ]

菓子屋 コウセツ

[ 祭りの前の楽しみとして、毎年貰っていた彼女の飴。

　今まではただのお楽しみとして受け取っていたそれを
　今年は──きちんと文字通り、
　”勇気を出すため”に貰いたくて。
　
　見慣れたおさげが見えたなら、
　手を振って彼女の飴を求めた事だろう。>>261 ]
　
　シュクル！
　すまないが…
　いつもの飴をくれないか。
　
　……特別勇気が出そうなやつを、一つ。
　
[ 『あなたに幸せな未来がありますように。』
　そんな言葉を見つめれば、
　彼女から飴は受け取れただろうか。** ]

錬金術師 ラヴェーナ

...ライトも、お祭り誰かと回るの？


[三人娘と弟分、なんて評したのはジジだっけ。
一つ年下なのもあって、
未だになんとなく弟扱いが抜けないライトだけれど。

そんなライトももう18才。
村の大人の仲間入りをする初めてのお祭り、
やっぱなにか思うところとかあるのかなって。
なにげなく尋ねてみた。**]

呪術師 ライト

頑張り屋の花屋さん

［空は晴れやかなもので雲一つなく蒼の色で染まっている。
村の中を歩きながら赤毛熊の毛皮の下から空を見上げると徹夜の成果が見え、見える度に安堵の吐息を零す。
実際に今日が来た時に晴れていなかったなどという夢を見たことはそれなりの回数があり、その度に目覚めることもあった。
自分で得られるのは安堵だけで、達成感はいつも誰かが贈ってくれる。

>>316フローラも欲しい言葉を投げかけてくれる。
頑張ったら頑張った分だけ褒めてくれるのは昔からだったか。
改めて言われると頬を指で掻いてから歯を浮かべて笑みを見せる。

差し出された花籠のなかにはフローラが丹精込めて育てた花々があり頑張った証がそこにある］

呪術師 ライト

ううん、ぼくだけの……じゃないよ。
皆が協力してくれたからできたんだ。
お手伝いしてくれてありがとう。
晴れてくれてさ、嬉しいんだ。


［ところであの時、女の子の髪に花を挿すのがダメなのではなく選んだ花がいけなかったと理解していたので>>317話自体はちゃんと聞いていた。
聞いていた上でこうしているのだからおばかさんと言われても、まあ、仕方がないのだろう］

呪術師 ライト

とっても似合ってるよ。
フローラの髪には花がよく合って可愛いね。
いつもより魅力的に見えるようにお呪いしたからね。


［『幸福』のフローラが微笑むと見ているだけで笑みが浮かべられるのだからとても良い。

>>319フローラが選んでくれた花は聞けば、わぁ、と伝えた言葉が倍になって帰ってきた感じがして頬が熱くなる］


ありがとう、フローラ。
明日はこれをつけていくよ。
幸せをありがとう。


［『幸福』のフローラから幸福をお裾分けしてもらい最大限に笑みを浮かべる］

呪術師 ライト

大丈夫だよ、ぼくはね。
フローラが選んでくれたものだからこそ選びたいんだ。

……それにほら、物語にもあるでしょ。
髪と瞳の色は大切な贈り物にってさ。
似合うかもしれないけど贈り物用にとっておくよ。

だからね、素敵な『赤』をありがとう。


［ありがとうにありがとうを重ねる。
恋愛物語のように自分の色は想い人へと語り赤毛熊の毛皮の下で良い笑顔を見せることができていた*］

錬金術師 ラヴェーナ

―　回想・シュクル　―

[あの時、ぽつりと零されたシュクルの弱音には>>329]

そっ、
そんなの居てほしいに決まってるでしょ！！！！！

[って食い気味に言った。

ボクには生まれた時から血縁がいない
本当の寂しさってたぶんずっとわかんない。
たとえ二人が居なくなっても、
父さんと母さんの思い出が消えるわけじゃないから。

でもでも、ボクはシュクルのこと大事な幼馴染だと思ってるし、
この村に居てほしいし、きっとシュクルの周りには
そう思ってる人いっぱいいる。
シュクルが義両親と何があったのか分かんなくても、
それは知っていて欲しくて。]

錬金術師 ラヴェーナ

[でもね、あれから少しは大人になって、
ボクは時々こうも考えるんだ。

「ここにいてほしいって言ってほしい」
それって、言葉通りの単純な話じゃなくってさ。
誰かって言っても本当に誰でもいいわけじゃないし、
言葉だけじゃ埋まらないものなんだって。

シュクルの寂しさ、ボクとはまた違うその穴は。
あれから少しは埋まったのかな。
いつか話す機会はあるかな。

その時はボクがずっと抱え続けているものの話も、
君にするのかもしれないね。**]

飴職人 シュクル

回想 ラヴ

[>>344滅多に吐けない弱音、きっと困らせちゃったかなとしょげているとラヴが食い気味に言ってくれたからびっくりしちゃって。]

ふぇ！？

[つい食べていた飴が変なところに入りそうになって、むせて涙目になりながら少しすると、途端におかしくなってクスクスと笑いが溢れてしまった。]

えへへ。そっか…嬉しいな…。

[暖かな気持ちになると、ふにゃふにゃとただ笑いだけが溢れて。その時は不思議と寂しいって感じなかったんだ。それもきっとラヴのおかげだ。

また改めてちゃんと、ありがとうって伝えないとね。]

飴職人 シュクル

[いつも相手への幸せのイメージが曖昧だった。
幸せの基準が全部私のものになってしまうのも、
きっと私があまり分かっていなかったせい。
自分が幸せじゃないんだって強い思い込みがそうさせたのかもしれない。

>>345それがラヴのおかげで少しずつ消えて。
それからは相手の幸せをイメージすることが出来るようになった。

だから、少しだけでもどこかで、お返し出来たらいいなって。今でも思っているんだ。]**