19 【R18】アッシャー村の春の祝祭3
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錬金術師 ラヴェーナ
[やがて持ち直したらしい彼が咳ばらいをし
ようやくこちらを見る。]
………ふーん。
相手の子がダンス下手でも気にしないといいね。
は？ボク？
[どこか不貞腐れたような口ぶりは、
こちらに水を向けられて一転、驚きに変わる。
いや、それこそよく分かってるんじゃない？
お祭りでは大体いつも一人でお菓子買いに来てるんだし。]
錬金術師 ラヴェーナ
ないない。
ボクにあるわけないじゃん。浮いた話とか。
第一そんな物好きいないでしょ。
[ボク自身が恋愛なんて…と思ってるのを抜きにしても
同世代ならいくらでもかわいい子がいる。
可愛いシュクルに、女の子らしいフローラに、美人なリトリコ先生。
こんな大して色気もない女、あえて誘う男いないでしょ。
肩を竦め、こともなげに答えた。**]
呪術師 ライト
――回想 フローラとのお茶会――
［天気を詠むのに必要なのは記録と知識、そして少々の呪いだ。
難しいことをしているつもりはなく、>>72そう見えているならば"ジジ"が上手に教えてくれていたのだろう。
フローラは幼馴染で花屋をしているから天気を詠むことを覚えてからは頼りにされている。
雨が降って欲しい時にはいつもより呪いに力を入れて逆に天気を乱して"ジジ"に怒られたことがあるのは良い思い出だった。
嵐の日も大体何日後と伝えてから一緒に花壇に行き強風で倒れにくくする呪術をかけたこともあった。
よくお願いしているハーブは呪いに使っている。
夏に蚊が寄ってきにくくなる呪術もハーブが無ければ使えない。
見方を変えればハーブの効能を強めているともとれるか。
薬師がいればまた効能も強いものになるらしい］
呪術師 ライト
いらっしゃい、フローラ。
お茶を淹れるからあがっていく？
［"ジジ"を継承したのだからやることはたくさんあった。
忙しなく仕事をすることで寂しさを紛らわしていたけれどふと一人になった時に涙が出てくるのは止められないことだった。
その折にタイミングよく来るものだから目元を袖で拭いてから呪術師の家に招いた。
何でも押し売りにきてくれたらしいので減っているハーブを貰ったり花を選んでフローラの髪に挿してみたりとした。
『今日は肌が綺麗になる薬草茶だよ』
って嘘か真かわかりにくい呪いを披露して――家の外を覘くときは赤熊の毛皮を被っているけれど、家の中では脱いでしまうからそこでは継承前と同じ感じでいたはず］
……ありがとう。
［ちゃんとお礼が言えるくらいには落ち込まずに済んでいるのは気遣ってくれる人がいるからか**］
【独】 研究者 シルヴァン
[ お兄ちゃんと呼ばれなくなった時は、寂しかったな。
妹がいたら、こんな感じかな、って思っていたから。
けれど、これからも呼んでほしい、とは、
なぜだか言えなかった。言えなかったんだ。]
先生 リトリコ
— 村の中心部 —
［四季折々、色彩が変化していくその様は例え道のりが長くも飽きることはない。
歩幅ごとに過ぎゆく景色は緑の豊かさと家屋が共存した世界で目を凝らしてみればぽつぽつと芽吹きを見つけ、新たな発見と春の陽気の心地よさに広場へと赴く歩先は自然と軽くなる。
近付いてくると、中心部から美味しそうな匂いが鼻腔を擽ってきた。］
先生 リトリコ
［子どもたちのお礼に、お菓子なんてどうだろう。
年若い可愛らしい職人さんが織りなす様々な飴の巧緻なアートを一人ずつ……とすると聊か懐が寒くなってしまうけれども。
口の中をころんと撫でる小さな飴玉の甘さに、子どもたちの口元もふにゃりと溶けていくだろう。
この村に初めて来たときにくれた「勇気のでる飴」の味は緊張を解し 新しい生活を送る背中を後押ししてもらった特別な味だ。>>10
村に馴染んで、その〝勇気〟の指し示すものが違っていたことを知り、頬が熱くなったりもしたが、それでもその温かな味を求めて、時折顔を出してしまう。
最近出来た、菓子屋の焼餅もいいかもしれない。
村の人達が協力して少しずつ出来上がっていく異国風の様相に、楽しみだと子どもたちと話していた日々。
焼餅の中に入っている餡のしっとりと、されど深く優しい甘みは紅茶とともに穏やかな時間を過ごすのにとても良く。
地味だと商品を称する店主の彼に、彼の作るお菓子で子どもたちの喜ぶ姿を伝えることができるいい機会なのかもしれない。>>27
なんて、思案に耽っていたら。］
先生 リトリコ
……あら、アロイスさん。こんにちは。
［聴き慣れた呼び名に反射的に振り返れば、此方に向かう赤髪の彼が見えて 立ち止まり 会釈をした。>>48
元気いっぱいの彼の手からは自然と調和した家屋を始めとした様々な建築に用いられている石材の数々が生み出されている。その〝作品〟たちの形の精巧さに、目を奪われていた自身にとってはその作り手と話ができることに内心喜色が広がっていた。］
いいえ、大丈夫ですよ。どうされました？
［彼の言葉に相槌を入れつつも、続く言葉に小首をこてんと傾けて。］
作図、デザイン…… ものに因るかもしれません。
何かお困りでしょうか、今度皆さん作られるものとか？
［授業で話す知識と実地的な能力は異なることは分かっている身の上であるからこそ、生業としている彼の前では軽々しく詳しいと言えずに笑みを携えることしか出来ず。でも、お力添えできるといいのだけど、と零れた言葉は紛れもなく本心だ。*］
飴職人 シュクル
回想 ライト
[>>41夜空を舞う星々に名前がついていることも、星座があることもそう。
私の知っているものの中には、呪術の話がきっかけなことがたくさんある。
たとえば冠座のことを教えてもらった時には]
『アッシャー村の首飾りみたいだね。
あのティアラをもらった星空のお姫様は、きっと世界一幸せなんだ。』
[アッシャー祭で晴れやかに結ばれる人々の姿を思い浮かべながら、星のティアラなんてロマンチックだなって隣で目を輝かせていた。
聞かされたお呪いは眉唾物もばっかりだったけど、村を守るために使われているということは幼いながらに感じていたから。ジジが亡くなった時のことは印象に強く残っていた。]
石工 アロイス
回想・フローラ
（花なんて、売れるのか？）
[正直に言えば、それが第一の感想だった。
孤児院の出の、自分よりまだ年下の少女がこの村で生きていく術としては、なんだかとてもふわふわして頼りなく思えた。
この村は、ただでさえ山奥にあるのに、そんなに花が売れるもんだろうか。その上、その花は一から育てるのだという。
それも、整備された花畑でもない、荒れた岩がごろごろしている土地を耕して>>70。
当然、そんなものはあまりに無謀で、岩をコツコツ割るよりよっぽどきつい仕事に思えた。
見かねて仕事が終わってからのちょっとのつもりで手伝いはしたものの、すぐに音を上げるんだろうと思ったが、思いのほか彼女は意志が強かったらしく、結局最後まで手伝ってしまった。
本当は面倒くさいという顔もした…彼女に見えるようにはしなかったというだけだ。ただ、乗り掛かった舟だから、結局石を組んで花壇を作るところまでは一緒にやった。売り物の石は使えないから、それも難儀な作業ではあったのだが…]
石工 アロイス
ほらよ。
…俺ができるのはここまでだからな。
まあ、やるだけやってみな。
[そう言って俺の僅かな力添えは終わったのだが、
その後も彼女は立派に花屋を続けているみたいで、
その逞しさには正直舌を巻いたのは、ここだけの話だ*]
飴職人 シュクル
[でも今になってその言葉を言ってしまったことを少しだけ後悔する時がある。
ライトに守り神としての役割と重圧を押し付けてしまったんじゃないかって。
私の思い込みかもしれなくても、心配になってしまう。]
石工 アロイス
―中央広場―
[どうやら、気づいてくれたらしい>>91先生に向けてもう一度手を振り、近づいて挨拶した。
先生がこの村に来たのは数年前だし、年上でもあるから
呼ぶときは”先生”という呼び方になる。あるいは名前をつけてその下に”先生”か。
直接教えを受けたわけでもないが、これは性分だろう。]
こんにちは、リトリコ先生。
[小首をかしげたのを見て、ちょっと話の入り方が急だったかな、と内省した。
なかなか気を遣うというのは、難しい部分もある。]
ものによる、そりゃそうですね…
いや、ほら…今年ももう祭り… 近いじゃないですか。
だから、ちょっと俺も作ってみようかなって。その、首飾り。
分野は違うけど、ちょっとばかり腕試しにもなりますしね。
[もし使う機会がなくても取っておけるかもしれない…とはさすがに言わなかったが。]
石工 アロイス
で、星型っぽいところで何かいいのができないかな、とか思ってこないだから試行錯誤してたんですけど。
[さっきまで腰を下ろしていた場所の足元には、円と直線だけで作図したと思しき正五角形とそこから作った星形を中心に、丸とか三日月型とか、いくつか図形が無造作に重ねられている。]
どうもなんか俺には星っていうと太陽とか月とか安易なイメージしか浮かんでこなくてピンとくるものがないっていうか…
もし先生だったら星っていったら何イメージするのかな、とか。参考になったらって思ったんですけど。
[そう言えば、先生もやっぱり何か首飾りみたいなものを考えていたりするのだろうか。
相談を持ち掛けながらそんな事をふと思ったりもしたものの、
どうにも考えあぐねているのは確かだから、包み隠さずに尋ねてみた*]
飴職人 シュクル
回想 ラヴ
[>>43魔法の飴と名付けた飴はただの願掛けで、特別な力は何もない。
その事を最初に明かしたのはラヴだった。
気の持ちようだからこれはおまじないと、錬金術でもなんでもないと言えばがっかりさせてしまっただろうか？
ラヴの家庭環境のことを知らない私には、ラヴとお父さんの関係が羨ましくも見えて。
それもラヴの後ろをくっついていた理由の一つ。
ラヴのお父さんが亡くなった時に、ラヴも私と同じ状況になってしまったんだって気づいて。
きっと元から居ないよりも、居たのに居なくなってしまった方が辛いと思うから。
いままでのように後ろをついてまわることも多いけれど、家族の話題だけは避けるようになってしまっている。]**
【削除】 飴職人 シュクル
回想 コウセツ
[>>55コウセツとは一番歳が離れているから、兄妹の関係の関係に近いかもしれない。
けれど私には兄弟の距離感や家族との距離感は分からないから、コウセツの前ではまるで同年齢の友達かのように、我ながらふてぶてしかったと思う。
飴玉を目の前で作って見せたりとまるで自分がお姉さんかのようにさえ振舞った時もあった。今にして思うと恥ずかしい。
それから年月が経って、暁亭が完成してすぐにはお店の飴を食べて。]
うぇ…お菓子じゃなくてお薬混ざってるぅ…。
罠だぁ…。
[つい薬草の味に涙目になったりと。
今ではすっかり年相応、らしくなっている。]
飴職人 シュクル
回想 コウセツ
[>>55コウセツとは一番歳が離れているから、兄妹の関係の関係に近いかもしれない。
けれど私には兄弟の距離感や家族との距離感は分からないから、コウセツの前ではまるで同年齢の友達かのように、我ながらふてぶてしかったと思う。
飴玉を欲しがられた時には特大サービスで飴玉を目の前で作って見せたりとまるで自分がお姉さんかのようにさえ振舞った時もあった。今にして思うと恥ずかしい。
それから年月が経って、暁亭が完成してすぐの頃にはお店の飴を食べて。]
うぇ…お菓子じゃなくてお薬混ざってるぅ…。
罠だぁ…。
[つい薬草の味に涙目になったりと。
今ではすっかり年相応、らしくなっている。]
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